第40回午前第4問の類似問題

第50回午前:第20問

60歳の男性。脳梗塞による片麻痺と高次脳機能障害に対して理学療法を実施している。時折、能力以上の動作を行おうとするために転倒のリスクが指摘されていた。理学療法終了後、搬送担当者がわずかに目を離した間に立ち上がりバランスを崩して床に座りこんだが、明らかな打撲や血圧の変化はみられなかった。対応として適切でないのはどれか。  

1: 家族に経過を説明する。

2: 再発防止の具体案を提案する。

3: 口頭で速やかに主治医へ報告する。

4: 発生した状況を詳細に文書で報告する。

5: 理学療法士に責任がないことを明確にする。

第36回午前:第32問

55歳の女性。若年時から跛行がある。ここ数年で右股関節痛が増悪し来院した。運動麻痺、感覚障害はなく、整形外科的手術の既往もない。背臥位、膝屈曲位で図のような肢位がみられた。異常がみられない評価項目はどれか。 

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1: 股関節の関節可動域

2: 棘果長

3: 下肢の徒手筋力テスト

4: 下肢深部腱反射

5: 大腿周径

第34回午前:第2問

50歳の男性。脳卒中発症後3か月経過した片麻痺。ブルンストローム法ステージは下肢III。中等度痙縮のため足部内反尖足を呈する。理学療法で適切でないのはどれか。  

1: 長・短腓骨筋の筋再教育

2: 後脛骨筋の徒手的伸張法

3: 後脛骨筋の筋力増強訓練

4: 下腿三頭筋の持続伸張法

5: 下腿三頭筋への寒冷療法

第53回午前:第1問

85歳の女性。右利き。突然の意識消失のため救急搬入された。入院後、意識は回復した。発症後2時間のMRI拡散強調像を示す。今後この患者に生じる可能性の高い症状はどれか。 

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1: 拮抗失行

2: 左右失認

3: 運動性失語

4: 社会的行動障害

5: 左半側空間無視

第54回午前:第8問

55歳の男性。倒れてきた本棚により右肘上部を圧迫され正中神経麻痺を生じた。約1か月経過したが、右上肢の運動障害と感覚障害を認めていることから装具療法を行うことになった。使用する装具で正しいのはどれか。  

1: 長対立装具

2: IP伸展補助装具

3: ナックルベンダー

4: Thomas型懸垂装具

5: コックアップ・スプリント

  • 答え:1
  • 解説:この患者は高位型の正中神経麻痺を持っており、長対立装具が適切な装具療法となります。他の選択肢は、それぞれ異なる神経麻痺や状況に対応する装具です。
  • 長対立装具は、高位型の正中神経麻痺による祈祷肢位変形に対して適応となる。この患者の症状に適切な装具であるため、正しい選択肢です。
  • IP伸展補助装具は、マレットフィンガーなどIP関節の屈曲拘縮に対して適応となる。この患者の症状とは関係がないため、間違った選択肢です。
  • ナックルベンダーは、MP関節を屈曲位にさせることで機能的肢位を保ち、把持を行いやすくする装具である。尺骨神経麻痺による鷲手に対して適応となる。この患者の症状とは関係がないため、間違った選択肢です。
  • Thomas型懸垂装具は、高位型の橈骨神経麻痺による下垂手に対して適応となる。この患者の症状とは関係がないため、間違った選択肢です。
  • コックアップ・スプリントは、手関節背屈位保持のために用いられる。高位型の橈骨神経麻痺や橈骨遠位端骨折などに対して適応となる。この患者の症状とは関係がないため、間違った選択肢です。
  • 科目:整形外科疾患
  • 重要度:プレミアム特典
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第53回午前:第44問

重度の片麻痺を生じた脳梗塞患者に対する急性期の理学療法で正しいのはどれか。  

1: 立位練習には装具を用いない。

2: 非麻痺側の筋力増強運動は行わない。

3: 神経症候の増悪がなければ離床練習を開始する。

4: 深部静脈血栓症の予防目的で弾性ストッキングは使用しない。

5: 安静時に収縮期血圧が140 mmHgを超えている場合は実施しない。

第53回午前:第31問

顔面と上下肢に感覚脱失を呈する脳卒中片麻痺の患者に対する生活指導で適切なのはどれか。  

1: 麻痺手使用を控える。

2: 湯呑を非麻痺側で把持する。

3: 両手での車椅子駆動を勧める。

4: 屋内ではスリッパ使用を勧める。

5: 髭剃りはT字カミソリを勧める。

  • 答え:2
  • 解説:脳卒中片麻痺の患者に対する生活指導では、効果と有害事象を比較して適切性を判断する必要があります。感覚脱失がある場合、視覚で体性感覚を代償しながら行動を行うことが重要です。
  • 麻痺手の使用を控えると、麻痺手の不使用・不認知が生じる危険があるため、適切ではありません。
  • 湯呑のような熱く重いものは、非麻痺側で把持させた方が安全であるため、適切です。麻痺側で湯呑を把持すると、火傷のほか、落としてケガをする危険がある。
  • 両手での車椅子駆動は、感覚のない麻痺側を車輪に巻き込んで負傷する危険性があるため、適切ではありません。
  • 感覚脱失した足に脱げやすいスリッパを使用すると、スリッパのズレや脱げたことに気づかず、転倒の危険性が高まるため、適切ではありません。靴を履いた方がよい。
  • T字カミソリで髭剃りをすると、感覚脱失の部分では皮膚を傷つけたときにわかりにくいため、適切ではありません。電動シェーバーを使用した方が安全である。
  • 科目:脳血管疾患
  • 重要度:プレミアム特典
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第50回午後:第5問

55歳の男性。突然のめまいを自覚し、歩行困難を呈したため搬送された。頭部MRIのTI強調像を示す。みられる所見はどれか。 

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1: JCSⅢ-100

2: 左顔面の痛覚低下

3: 左上肢の小脳失調

4: 右上肢の運動麻痺

5: 左下肢の深部感覚低下

第39回午前:第3問

55歳の女性。若年時から跛行がある。ここ数年で右股関節痛が増悪し来院した。運動麻痺、感覚障害はなく、整形外科的手術の既往もない。背臥位、膝屈曲位で図のような肢位がみられた。異常がみられない評価項目はどれか。 

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1: 大腿周径

2: 棘果長

3: 股関節の関節可動域

4: 下肢の徒手筋力テスト

5: 下肢の腱反射

第43回午前:第25問

56歳の男性。階段で足を滑らせ階下まで転落し、病院に搬送された。入院時の頸椎X線写真(A)、CT(B)及びMRI(C)を示す。徒手筋力テストによる上下肢の筋力評価の推移を表に示す。感覚鈍麻は持続しているが、2週後には排尿は自力で可能となった。受傷4週以降の治療で正しいのはどれか。 

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1: 車椅子での生活自立をゴールとして設定する。

2: 痙縮の増悪を考えて筋力増強訓練を禁止する。

3: 手指に関節拘縮を生じやすいので留意する。

4: 両側長下肢装具を作製して歩行訓練を行う。

5: 食事動作にはBFOの利用を検討する。

第57回午後:第8問

47歳の女性。多発性硬化症。30歳で発症し、寛解と増悪を繰り返した後、完全寛解していた。1週前に視力低下と小脳症状が出現し、入院となった。視神経と右小脳半球に脱髄を認める。過回内テストで図のような動きが観察された。この患者にみられる所見はどれか。 

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1: 振 戦

2: 運動分解

3: 測定異常

4: 協働収縮異常

5: 反復拮抗運動不能

第45回午後:第3問

脳卒中による右片麻痺患者が左下肢を挙上してバランスを保持している状態を図に示す。体重が60 kgのとき、麻痺側下肢への床反力で正しいのはどれか。 

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1: 6 kgw

2: 12 kgw

3: 24 kgw

4: 30 kgw

5: 48 kgw

第37回午前:第18問

45歳の男性。左上下肢のしびれで初発し、視力障害・呼吸困難・四肢麻痺など多彩な症状の寛解と増悪を繰り返した。MRI画像で脳脊髄の白質に多発性・散在性の脱髄斑が認められた。理学療法で適切でないのはどれか。  

1: 関節可動域運動

2: 呼吸理学療法

3: 筋力増強

4: ハバードタンク浴

5: 車椅子指導

第49回午前:第6問

80歳の男性。脳梗塞による右片麻痺。Brunnstrom法ステージは上肢、手指、下肢ともにⅢ。右短下肢装具を装着し1本杖歩行は15 mまでは可能である。12段の階段昇降は可能であるが、そばで見守る必要がある。歩行と階段のFIMの点数の組合せで正しいのはどれか。  

1: 歩行6点 ― 階段6点

2: 歩行5点 ― 階段6点

3: 歩行5点 ― 階段5点

4: 歩行4点 ― 階段5点

5: 歩行4点 ― 階段4点

第39回午前:第49問

脳出血の急性期で、座位訓練を導入しても危険が少ないのはどれか。  

1: JCS(Japan coma scale)はI桁の3

2: 収縮期血圧:200 mmHg

3: 安静時脈拍:120/分

4: 体温:39.5℃

5: 体外脳室ドレナージ

第35回午前:第21問

62歳の男性。心筋梗塞発症当日に入院。発症後3日から理学療法を開始している。合併症はない。発症後5日の理学療法で適切でないのはどれか。  

1: ベッド上での肘関節自動運動

2: ベッド上での足関節自動運動

3: 両下肢の他動運動

4: ギャッチベッド上での座位

5: ブリッジ運動

第35回午前:第48問

脳卒中に合併した肩手症候群で正しいのはどれか。2つ選べ。 ア.腫脹、疼痛の時期と萎縮性変化の時期とがある。イ.原因は自律神経機能異常と考えられる。ウ.ROM訓練は中止する。エ.男性の右片麻痺患者に多い。オ.脳卒中発症10週以後に発症する。  

1: ア

2: イ

3: ウ

4: エ

5: オ

第45回午前:第30問

脳卒中片麻痺患者の左半側空間無視に対する導入時の理学療法で誤っているのはどれか。  

1: 理学療法士は左側に位置する。

2: 左側身体へ触覚刺激を高める。

3: 左側への体軸内回旋を加える。

4: 鏡による視覚刺激を利用する。

5: 右方から左方へ注意を移動させる。

第53回午前:第34問

Brunnstrom法ステージ上肢Ⅲ、手指Ⅳの片麻痺患者に座位で麻痺側上肢の促通練習を行う。上肢Ⅳを目指した課題として適切なのはどれか。  

1: 机上の積み木を裏返す。

2: 机上のお手玉を非麻痺側大腿に載せる。

3: 大腿上に置いた手を口元に近づける。

4: 頭上の高さの壁面を肘伸展位で雑巾で拭く。

5: 机上のお手玉を肘伸展位で麻痺側側方の肩の高さに移動する。

  • 答え:1
  • 解説:Brunnstrom法ステージでは、上肢Ⅲと手指Ⅳの片麻痺患者に対して、上肢Ⅳを目指す課題を選択する必要があります。上肢Ⅳは、腰の後ろへ回す、肘伸展位で上肢を90°前方挙上する、肘屈曲位での前腕回内・回外が可能な状態です。
  • 積み木を横つまみで把持し、裏返す動作は前腕回内・回外を促すことができるため、上肢Ⅳを目指した課題として適切です。
  • 机上のお手玉を非麻痺側大腿に載せる動作は、上肢伸展共同運動を促しており、上肢Ⅲを目指した練習課題であるため、適切ではありません。
  • 大腿上に置いた手を口元に近づける動作は、上肢屈筋共同運動を促しており、上肢Ⅲを目指した練習課題であるため、適切ではありません。
  • 頭上の高さの壁面を肘伸展位で雑巾で拭く動作は、上肢を頭上の高さまで挙上することが必要であり、上肢Ⅴを目指した練習課題であるため、適切ではありません。
  • 机上のお手玉を肘伸展位で麻痺側側方の肩の高さに移動する動作は、上肢を肘伸展位で外転することが必要であり、上肢Ⅴを目指した練習課題であるため、適切ではありません。
  • 科目:脳血管疾患
  • 重要度:プレミアム特典
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第55回午後:第3問

54歳の男性。勤務中に突然の気分不快を訴え病院を受診し、脳梗塞による左片麻痺にて入院となった。妻と子供との3人暮らしで家事は妻が担っていた。職業は会社員で事務仕事を行い、会社までは電車で通勤していた。3か月が経過して、ADLは自立し、患者は復職を希望するようになった。Brunnstrom法ステージは上肢Ⅲ、手指Ⅱ、下肢Ⅴで病院内外の杖歩行は自立している。認知機能に明らかな問題はない。この時点でのIADL評価で優先すべきなのはどれか。  

1: 買い物

2: 公共交通機関の利用

3: 食事の用意

4: 火の始末

5: ベッドメイキング

  • 答え:2
  • 解説:この患者は復職を希望しており、病前は電車で通勤していたため、公共交通機関の利用について優先的に評価することが適切である。
  • 病前から家事は妻が担っていたため、買い物の評価を優先する必要性は低い。
  • 患者は復職を希望しており、病前は電車で通勤していた。そのため、公共交通機関の利用について優先的に評価することが適切である。
  • 病前から家事は妻が担っていたため、食事の用意の評価を優先する必要性は低い。
  • 患者は職場で事務仕事を行っていたため、火の始末が必要な業務とは考えにくい。評価を優先する必要性は低い。
  • 病前から家事は妻が担っていたことがわかり、事務仕事であるため、ベッドメイキングは仕事上も必要ないと思われる。評価を優先する必要性は低い。
  • 科目:脳血管疾患
  • 重要度:プレミアム特典
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