65歳の女性。脳梗塞。右片麻痺発症後5日目。重度の麻痺。意識清明。安静時血圧は正常範囲で安定している。理学療法で誤っているのはどれか。
1: バイタルサインは理学療法実施前、実施中、実施後にチェックする。
2: 安静時の患側上肢の肩甲帯は前方突出位に保持する。
3: 安静時の患側下肢は股関節伸展・外転・外旋位および膝伸展位に保持する。
4: ベッドサイドで患肢の他動的関節可動域訓練を行う。
5: ベッド上でバックレストを用いた座位訓練を行う。
65歳の男性。右利き。左中大脳動脈領域の脳梗塞による右片麻痺。発症後3週経過した時点でBrunnstrom法ステージは上肢、手指および下肢ともにI。介助で膝立ち位をさせると体幹が前方へ崩れてしまう。バイタルサインは安定している。この患者に対する理学療法として適切なのはどれか。
1: 長下肢装具を装着した状態での立位訓練
2: 足継手付きプラスチック製短下肢装具を装着した状態での歩行訓練
3: 床からの立ち上がり訓練
4: 自転車エルゴメーターによる有酸素運動
5: 浴槽への移乗訓練
脳卒中による左片麻痺患者。発症後3週経過。ブルンストローム法ステージは上肢と下肢ともにⅡである。座位バランスが悪く更衣に時間がかかる。ベッドから車椅子の移乗時に膝折れがみられ介助が必要である。この患者へのバランス能力改善に適したのはどれか。
筋萎縮性側索硬化症患者の状態とADL上の工夫との組合せで誤っているのはどれか。
1: 気管切開-透明文字盤
2: 発声の低下-家人を呼ぶためのチャイム
3: 手指筋力低下-ワンスイッチ入力
4: 歩行障害-骨盤帯付長下肢装具
5: 下肢の痙性麻痺-回転移乗盤による移乗
86歳の女性。軽度の左変形性膝関節症のため杖歩行であったが、ADLは自立していた。突然の右上下肢筋力低下と構音障害とが出現し、歩行不能となったため発症後1時間で緊急入院した。意識は清明で軽度の筋力低下を認めた。入院後2時間で筋力は徐々に元の状態まで改善し、発語も正常となった。頭部MRIとMRAとに明らかな異常を認めなかった。抗凝固薬の調整のため入院を継続した。この患者への介入方針で適切なのはどれか。
1: 入院後3日間はベッド上安静とする。
2: 嚥下障害が疑われるので禁食とする。
3: 両下肢筋力増強訓練が必要である。
4: 歩行訓練は7日目から開始する。
5: 持久性トレーニングは14日目から開始する。
53歳の男性。脳出血による右片麻痺。ブルンストローム法ステージは上肢IV・手指IIIでやや痙縮が強い。麻痺側でコップの水を飲んでもらったところ図1のような反応がみられた。このような反応を軽減するための訓練として図2のような動作を行う際に注意すべき点で適切でないのはどれか。
1: 麻痺側上肢の運動に抵抗をかける。
2: 麻痺側肩関節は外旋位に保持する。
3: 非麻痺側上肢をリラックスさせる。
4: 麻痺側肩甲帯の前方突出を保持する。
5: 頸部と体幹は軽度屈曲を保持する。
6歳の女児。脳性麻痺痙直型両麻痺。手指の巧緻動作は拙劣だが上肢・体幹の機能障害は比較的軽度で、座位バランスは良好である。両手で平行棒につかまれば椅子から立ち上がることができ、平行棒内立位は片手支持でも安定して保持できる。歩き出そうとすると支持脚股関節・膝関節の屈曲が生じ、尻もちをつきそうになり歩けない。この患者の歩き出しの問題への対処として行う理学療法で適切なのはどれか。
1: バルーン上座位保持練習
2: バルーン上腹臥位での体幹伸展練習
3: 台上座位からの立ち上がり練習
4: 壁にお尻で寄りかかった立位での風船遊び
5: 低い台に片足を乗せるステップ動作の練習
70歳の男性。脳梗塞による右片麻痺。Brunnstrom法ステージは上肢Ⅱ、下肢Ⅲ。下肢の随意運動は共同運動がわずかに認められる程度である。歩行はT字杖にて室内は自立している。ADL指導で正しいのはどれか。2つ選べ。
脳卒中片麻痺歩行の特徴でないのはどれか。
1: 体幹側屈
2: 腰椎前弯増強
3: 下肢分回し
4: 反張膝
5: 内反尖足
50歳の男性。Parkinson病。4年前から右足のふるえが出現し、抗Parkinson病薬を服用している。ADLは自立し、家事を行うことはできているが、作業に時間がかかるようになった。最近、下り坂の途中で足を止めることができず、前方へ転倒するようになったという。自宅でバランス練習を行うことになった。練習方法として適切なのはどれか。
65歳の女性。右利き。脳梗塞による右片麻痺。発症後5日経過。JCS(Japan coma scale)は1桁。ブルンストローム法ステージは上下肢、手指いずれもIであった。飲水でひどくむせていた。早期プログラムとして適切でないのはどれか。
1: 安静時座位の右肩甲帯は前方突出位に保持する。
2: 安静時座位の右股関節は外転・外旋位に保持する。
3: 間接的嚥下訓練を行う。
4: 関節可動域訓練を1日2回行う。
5: 右上肢の自己介助運動を指導する。
70歳の男性。脳血管障害による左片麻痺。車椅子からベッドへの移乗は介助バーを使用して1人で何とか可能である。初回評価時の車椅子からベッドへの移乗場面において、ベッド、車椅子、介助バー及び作業療法士の相対的な位置関係で適切なのはどれか。
65歳の女性。右中大脳動脈領域の脳梗塞。発症後3日経過。ベッドサイドでの作業療法が開始された。GCS(Glasgow coma scale)はE3+V2+M5=10、血圧は不安定でギャッジアップ60°で収縮期血圧が25 mmHg低下する。背臥位では頸部が右回旋している。この患者の作業療法で適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 経口摂食による嚥下訓練
2: 右から左への寝返り動作訓練
3: 上衣の更衣動作によるADL訓練
4: 声かけによるコミュニケーション訓練
5: 左上肢への感覚刺激による注意喚起訓練
脳卒中による片麻痺Brunnstrom法ステージ上肢Ⅲ、手指Ⅲ、下肢Ⅳの患者における治療について正しいのはどれか。
1: 緊張性頸反射を利用する。
2: 立位時は麻痺側下肢に荷重を促す。
3: 長下肢装具使用による歩行訓練を行う。
4: 麻痺側上肢では重錘を用いた反復運動を行う。
5: 非麻痺側上肢を拘束し麻痺側を強制的に使用させる。
58歳の女性。脳梗塞による右片麻痺。発症後5日経過。理学療法では座位訓練が開始された。評価により意識レベルはJCS(Japan Coma Scale)で1桁、ブルンストローム法ステージは上肢・下肢ともにII、手指はIであった。早期プログラムとして適切でないのはどれか。
1: 座位での上肢帯のポジショニングの指導
2: 麻痺側の自動介助運動の指導
3: 臥位時の三角巾による上肢の固定方法の指導
4: 非麻痺手による物品操作の指導
5: 食事動作の指導
脳卒中片麻痺の病的共同運動で正しいのはどれか。
1: 肩甲骨挙上に伴う肘関節伸展
2: 肘関節屈曲に伴う手関節背屈
3: 股関節外転に伴う膝関節伸展
4: 股関節内旋に伴う膝関節屈曲
5: 膝関節屈曲に伴う足関節背屈
脊髄損傷の機能残存レベルとADLとの組合せで誤っているのはどれか。
1: 第4頸髄節-電動車椅子での移動
2: 第5頸髄節-ハンドリムの工夫による車椅子での移動
3: 第6頸髄節-車椅子からベッドへの移乗
4: 第7頸髄節-自己導尿
5: 第8頸髄節-短下肢装具と松葉杖での歩行
脊髄損傷の機能残存レベルとADL指導との組合せで適切でないのはどれか。
1: 第5頸髄節-自助具使用による食事動作
2: 第6頸髄節-滑り止めハンドリム付き車椅子の駆動
3: 第7頸髄節-改造自動車の運転
4: 第6胸髄節-長下肢装具装着による松葉杖歩行
5: 第4腰髄節-短下肢装具装着による一本杖歩行
40歳の男性。脳梗塞による左片麻痺。「手を腰の後ろに回してください」、「肘を曲げずに腕を前から水平位まで上げてください」の指示に左上肢はそれぞれ図のようになった。左上肢の状態として適切なのはどれか。
1: 基本的共同運動の最初の要素が出現している。
2: 痙縮の発現期である。
3: 痙縮が最も強い時期である。
4: 基本的共同運動から逸脱した運動が出現している。
5: 分離運動が自由に可能である。
デュシェンヌ型筋ジストロフィーのステージ7(厚生省筋萎縮症研究班機能障害度分類による)のADLで適切でないのはどれか。
1: 長柄のブラシで髪を整える。
2: アームサポートを利用して歯磨きを行う。
3: 食事では皿をターンテーブルに置く。
4: 前開きシャツの着脱訓練を行う。
5: トイレでは前方テーブルを用いて姿勢を保持する。