第36回午前第64問の類似問題

第52回午前:第4問

28歳の男性。右利き。交通事故による右前頭葉背外側部の頭部外傷のため入院した。作業療法が開始され、4か月が経過した。四肢に運動麻痺や感覚障害を認めず、歩行は自立している。日中はボーッとして過ごすことが多いが、促されると日課を行う。話しかければ日常会話は問題なく成立するが、自発話は乏しい。この患者の高次脳機能評価として最も適切なのはどれか。  

1: BADS

2: SLTA

3: SPTA

4: VPTA

5: CBS〈Catherine bergego scale〉

第37回午後:第96問

中心性頸髄損傷で正しいのはどれか。  

1: 上肢より下肢の障害が強い。

2: 椎骨の損傷を合併する。

3: 高齢者に発症する。

4: 頸部過屈曲によって生じる。

5: 運動より感覚の障害が強い。

第54回午後:第11問

30歳の男性。調理師。頭部外傷受傷後4か月が経過し、回復期リハビリテーション病棟に入院している。麻痺はないが、明らかな企図振戦がある。意識障害や著しい記銘力低下はないが、些細なことで怒り出す。作業をする場合にはすぐに注意がそれてしまい継続できず、口頭での促しが必要である。ADLは自立し、現職復帰を希望している。この時期の作業療法の指導で正しいのはどれか。  

1: 受傷前の職場を訪問させる。

2: 包丁を用いた調理訓練を行う。

3: 作業の工程リストを作らせる。

4: 訓練はラジオを聴かせながら行う。

5: 怒り出したときには厳格に注意する。

  • 答え:3
  • 解説:この患者は頭部外傷により企図振戦や注意の持続性低下、易怒性などの前頭葉症状があります。作業療法の指導では、患者の症状に配慮し、効果的な方法を選択することが重要です。
  • 受傷後4か月でまだ回復の見込みがあり、前頭葉症状や企図振戦が残存しているため、現時点で職場を訪問すると悪い評価を受ける可能性があります。職場の訪問は復職の目処が立ってから行うべきです。
  • 患者には企図振戦があるため、包丁の使用は危険です。また、現時点では調理訓練を行う必要性は低いため、この選択肢は正しくありません。
  • 患者の記銘力は保たれているため、工程リストを作成することで作業に復帰しやすくなり、他者からの口頭での促しの頻度も減少できます。この選択肢が正しいです。
  • 注意の持続性が低下している患者に対して、ラジオを聞かせながら作業を行わせると注意がさらに散漫になる可能性が高いため、この選択肢は適切ではありません。
  • 患者の易怒性は頭部外傷によるものであり、厳格に注意しても感情制御の改善は期待できません。感情抑制ができるようになるまで許容的に待つか、怒った場所や状況から距離をとらせて傾聴する対応が望ましいです。
  • 科目:高次脳機能障害
  • 重要度:プレミアム特典
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第35回午前:第89問

うつ病患者の作業療法中に観察される特徴で誤っているのはどれか。  

1: 脱線しやすい。

2: 自己決定力が低下する。

3: 自己卑下感を抱く。

4: 無理をしやすい。

5: 依存心が高まる。

第48回午後:第30問

姿勢保持障害の原因で痙直型脳性麻痺児の特徴はどれか。  

1: 注意集中困難による多動

2: 身近な感覚遊びによる常同行動

3: 全身の低緊張による耐久性低下

4: 身体接触面から受ける触覚の異常

5: 全身の不随意運動による調節困難

第38回午前:第10問

30歳の女性。外傷性脳損傷。3か月前の追突事故による前頭葉症状が主症状である。運動麻痺は軽微である。簡単な日常会話は可能であるが概念操作などの抽象思考が障害されている。この患者に構成行為評価のためブロックデザイン検査を行った。この患者で認めにくいのはどれか。  

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第51回午後:第26問

局所性脳損傷と比べた場合のびまん性軸索損傷の特徴として正しいのはどれか。  

1: 脳幹部の症状が出現しやすい。

2: 急性硬膜下血腫を合併しやすい。

3: 重度の感覚障害を合併しやすい。

4: 行動障害は早期に改善しやすい。

5: バランス障害は軽度であることが多い。

第45回午前:第31問

外傷性脳損傷後の障害と援助との組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。  

1: 記憶障害-抽象的な情報の提供を多くする。

2: 感情爆発-訓練環境では興奮させる刺激を除去する。

3: 遂行機能障害-複雑な工程で新規の課題を繰り返す。

4: 意欲・発動性の低下-意欲が回復するまで観察する。

5: 欲求のコントロール低下-必要な具体的行動を本人・家族と共有する。

第35回午前:第49問

中心性頸髄損傷の特徴で誤っているのはどれか。  

1: 高齢者に多い。

2: 頸椎脱臼骨折に合併しやすい。

3: 下肢より上肢に強い麻痺を生じる。

4: 麻痺は下肢から回復する。

5: 膀胱障害は軽症にとどまる。

第37回午前:第5問

図中の斜線で示した部位に病変を認める場合の症状・障害で適切でないのはどれか。ア.半側無視イ.自発性低下ウ.注意障害エ.記憶障害オ.着衣失行  

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1: ア、イ

2: ア、オ

3: イ、ウ

4: ウ、エ

5: エ、オ

第40回午前:第87問

不潔恐怖のある強迫性障害患者が作業療法場面で見せる特徴で適切でないのはどれか。  

1: 予定通り行われることにこだわる。

2: 他の人が触れたものを避ける。

3: 手順に間違いがないか確認する。

4: 作業療法士に手洗いを要求する。

5: 自分のこだわりに無自覚である。

第38回午前:第54問

合併症のない第7頸髄節機能残存の外傷性脊髄損傷患者で誤っているのはどれか。  

1: 自己導尿は自立できる。

2: 車椅子とベッド間の移乗は自立できる。

3: 感覚障害の程度は座位能力に関係する。

4: 自律神経過反射が起きやすい。

5: BFOが役立つ。

第40回午前:第53問

頸髄損傷(第6頸髄節まで機能残存)の作業療法として適切でないのはどれか。  

1: 上着はかぶりタイプから練習する。

2: 車椅子上で起立性低血圧が起こったら下肢を挙上する。

3: 自己導尿ができるようにカテーテル操作の練習をする。

4: 排便は臥位で行えるように環境を整える。

5: コンピュータの入力デバイスを検討する。

第34回午前:第21問

24歳の男性。会社員。オートバイによる自損事故で外傷性脳損傷となった。受傷後2か月経過。抗てんかん薬を内服中。意識は清明。易怒的である。左不全片麻痺と軽度失調症とを認める。歩行は短下肢技装具で自立。ADLはほぼ自立しているが、病室を間違えたり、他患者とけんかするなどの問題があった。社会復帰の準備を始めるにあたり誤っているのはどれか。  

1: 病前の教育歴、社会歴を調べる。

2: 記憶、情動制御など高次脳機能を評価する。

3: IADL能力を把握する。

4: 現状での作業能力を検査する。

5: 会社の上司に復職準備を依頼する。

第55回午前:第94問

早期の前頭側頭型認知症でみられないのはどれか。  

1: 幻視

2: 常同行動

3: 病識低下

4: 自発性低下

5: 社会的対人行動の障害

  • 答え:1
  • 解説:早期の前頭側頭型認知症では、病変が前頭葉と側頭葉に限局し、人格変化や行動異常、言語症状などが現れる。記憶力障害よりも判断や意欲の障害が目立つ特徴があり、無関心や脱抑制、自発性低下、常同行動、病識低下、被影響性の亢進、社会的対人行動の障害などがみられる。一方、幻視はLewy小体型認知症でよく見られる症状である。
  • 幻視は、早期の前頭側頭型認知症では見られない症状であり、Lewy小体型認知症でよく見られる。これが正解である。
  • 常同行動は、前頭側頭型認知症で見られる症状の一つであり、患者が同じ行動を繰り返すことを指す。
  • 病識低下は、前頭側頭型認知症で見られる症状であり、患者が自分の病気に対する認識が低下することを指す。
  • 自発性低下は、前頭側頭型認知症で見られる症状であり、患者が自分から行動や意思表示をすることが減少することを指す。
  • 社会的対人行動の障害は、前頭側頭型認知症で見られる症状であり、患者が他人との適切なコミュニケーションや関係を築くことが困難になることを指す。
  • 科目:老年期障害と臨床医学
  • 重要度:プレミアム特典
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第35回午前:第21問

21歳の男性。運送会社勤務。外傷性脳損傷。事故後3か月経過。麻痺はなく身辺動作は可能であるが時々促しが必要である。外出の目的や頼まれた用事を途中で忘れてしまう。課題遂行を習慣化するための方法で適切でないのはどれか。  

1: 作業を簡略化し繰り返す。

2: 自分なりの作業方法を選択する。

3: 作業予定と進行度とを照合する。

4: メモを利用する。

5: 忘れた課題を時間をかけて思い出す。

第36回午前:第92問

アルツハイマー型認知症患者の作業療法場面でみられないのはどれか。  

1: 語間代によるコミュニケーションの低下

2: まだら認知症による作業能力の低下

3: 記銘力低下による作業手順の混乱

4: 失見当識による作業時間の間違い

5: 人格変化による孤立化

第49回午後:第41問

認知症の症状とその作業特徴の組合せで正しいのはどれか。  

1: 失行 ― 手順に固執する。

2: 失語 ― 聞いてないことを始める。

3: 失認 ― 作業対象を取り違える。

4: 見当識障害 ― 作業の指示に泣き出す。

5: 遂行機能障害 ― 他人の作品を持ち帰る。

第35回午前:第64問

高次脳機能障害と在宅での生活指導との組合せで正しいのはどれか。  

1: 半側空間無視-車の免許証を返納させる。

2: 観念失行-病前からなじみのある方法を用いる。

3: 手指失認-料理でナイフを用いない。

4: 構成失行-場面にあった服装の指導をする。

5: 喚語障害-トーキングエイドの使用を指導する。

第55回午前:第11問

51歳の男性。仕事中に3 mの高さから転落し、外傷性脳損傷を生じ入院した。受傷2週後から作業療法を開始した。3か月が経過し運動麻痺はみられなかったが、日付がわからない、1日のスケジュールを理解できない、感情のコントロールが難しい、複雑な作業は混乱してしまうなどの状態が続いた。作業療法で適切なのはどれか。  

1: 静かな環境で行う。

2: 新規課題を毎日与える。

3: 複数の作業療法士で担当する。

4: 不適切な言動には繰り返し注意する。

5: 集団でのレクリエーション活動を導入する。

  • 答え:1
  • 解説:この患者は外傷性脳損傷により記憶障害、前頭葉機能障害、遂行機能障害が見られるため、静かな環境で行う作業療法が適切である。
  • 静かな環境で行うことは、感情のコントロールが難しい患者にとって適切であり、外界からの刺激量を調節し感情の高ぶりが生じにくくなる。
  • 新規課題を毎日与えることは、この患者にとって混乱を招く可能性があるため適切ではない。長期的に慣れ親しんだ活動が適する。
  • 複数の作業療法士で担当することは、患者が混乱する可能性があるため適切ではない。担当する作業療法士は一人とし、作業の指示も統一した方法で行うべきである。
  • 不適切な言動に対して繰り返し注意することは、患者の感情を逆なでする可能性があるため適切ではない。注意する際は、自尊心を損なわないように配慮するべきである。
  • 集団でのレクリエーション活動は、作業が複雑になりやすく、処理すべき情報も過多となるため、個別対応のほうが望ましい。
  • 科目:高次脳機能障害
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