16歳の女子。統合失調症。高校入学後、人の目を気にするようになり、被害的な言動が出現するようになった。文化祭時に興奮状態となり入院となった。入院10日後、症状は徐々に落ち着いてきたが敏感さが残る。この時点で作業療法が処方された。作業療法導入時の対応で適切でないのはどれか。
1: 短時間から開始する。
2: 個別で対応する。
3: 単純な作業から導入する。
4: 学校での様子を聴取する。
5: 疲労感を確認する。
情緒の不安定な失語症患者の作業療法開始時の面接で適切でないのはどれか。
1: 身振り手振りを交えたコミュニケーションをする。
2: 「言葉が出なくてつらいですね」と声をかける。
3: 白板やメモ用紙をコミュニケーションに利用する。
4: 明確な返事を得るために同じ質問を繰り返す。
5: 身近な人から生活状況をつぶさに聞く。
精神分裂病(統合失調症)の作業療法でみられないのはどれか。
1: 判断が一面的になりやすい。
2: 物事への関心が低い。
3: 対人関係の距離が混乱しやすい。
4: 物事の全体的把握が苦手である。
5: 一つの作業に長時間没頭する。
理学療法士及び作業療法士法で誤っているのはどれか。
1: 業務独占である。
2: 作業療法士でなくなった後においても守秘義務がある。
3: 作業療法の対象は、身体又は精神に障害のある者である。
4: 作業療法の目的は応用的動作能力又は社会的適応能力の改善である。
5: 作業療法士でない者は、職能療法士その他作業療法士にまぎらわしい名称を使用してはならない。
無意識過程の意識化と洞察を図る治療法はどれか。
1: 森田療法
2: 内観療法
3: 精神分析療法
4: 認知行動療法
5: 来談者中心療法
うつ病初期の作業療法で適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 病前からなじんだ活動を用いる。
2: 十分な休息がとれた後に開始する。
3: 集団を利用して他者との交流を促す。
4: 疲労度を確認しながら活動時間を決める。
5: 復職を目指して病前の仕事と同じ作業を行う。
52歳の男性。統合失調症で精神科入院歴があるが、この9年間は治療中断しており、時々幻聴に影響された言動がみられる。医師の往診の後、何とか本人の同意を得て訪問支援開始となった。初回訪問時、居間で20分ほど落ち着いて話ができる状況である。初期の訪問において、作業療法士が最も留意すべきなのはどれか。
1: 服薬勧奨を積極的に行う。
2: 1日に複数回の訪問を行う。
3: 身の回りの整理整頓を促す。
4: 毎回違うスタッフが訪問する。
5: 本人の興味や関心事を把握する。
51歳の男性。仕事中に3 mの高さから転落し、外傷性脳損傷を生じ入院した。受傷2週後から作業療法を開始した。3か月が経過し運動麻痺はみられなかったが、日付がわからない、1日のスケジュールを理解できない、感情のコントロールが難しい、複雑な作業は混乱してしまうなどの状態が続いた。作業療法で適切なのはどれか。
1: 静かな環境で行う。
2: 新規課題を毎日与える。
3: 複数の作業療法士で担当する。
4: 不適切な言動には繰り返し注意する。
5: 集団でのレクリエーション活動を導入する。
アルツハイマー型認知症患者の作業療法場面でみられないのはどれか。
1: 語間代によるコミュニケーションの低下
2: まだら認知症による作業能力の低下
3: 記銘力低下による作業手順の混乱
4: 失見当識による作業時間の間違い
5: 人格変化による孤立化
30歳の男性。統合失調症。3週前に工場で働き始めた。外来作業療法ではパソコンを使用した認知リハビリテーションを継続している。ある時、同じ作業療法に参加する2人の患者から同時に用事を頼まれ、混乱した様子で相談に来た。この患者の職場における行動で最もみられる可能性があるのはどれか。
1: 挨拶ができない。
2: 心気的な訴えが多い。
3: 体力がなく疲れやすい。
4: すぐに仕事に飽きてしまう。
5: 仕事の段取りがつけられない。
25歳の女性。境界型人格障害。手首の自傷行為の反復、睡眠薬遊びや万引きがある。「何でも良いからやれる仕事をやってはどうか」と言う母親に暴力を振るい、止めに入った父親の前で「死んでやる」と言って再び手首の自傷行為に及び入院した。入院後、穏やかになり作業療法が開始された。作業療法を開始する上で適切でないのはどれか。
1: チームの間でかかわり方の合意をしておく。
2: 実施時間を明確に決めておく。
3: 短期間で結果が得られるものを選ぶ。
4: 作業種目の選択を本人に任せる。
5: グループ作業を勧める。
統合失調症の回復過程の急性期における作業療法として適切なのはどれか。
1: 身体感覚の獲得
2: 現実への移行の準備
3: 身辺処理能力の回復
4: 生活管理能力の改善
5: 対人交流技能の改善
統合失調症入院患者に対する作業療法の導入時面接で優先して聴取すべきものはどれか。2つ選べ。
1: 発病のきっかけ
2: 妄想の内容
3: 一日の過ごし方
4: 現在困っていること
5: 家族との関係
転換性障害のため歩行障害がみられる患者への作業療法で優先すべきなのはどれか。
1: 住宅環境の整備を進める。
2: 廃用性機能障害を予防する。
3: 無意識の葛藤についての洞察を促す。
4: 難易度の高い作業への挑戦を勧める。
5: 器質的な原因との矛盾点に直面させる。
被害妄想が持続し自宅に閉じこもることで安定している慢性期の統合失調症患者に対する訪問作業療法として適切な支援はどれか。
1: 外出の促し
2: 家事行為の指導
3: 近所づきあいの指導
4: 本人が困っていることの傾聴
5: 内服薬の種類についての話し合い
作業療法士の業務として適切でないのはどれか。
1: 入浴介助方法の指導
2: 公共交通機関の利用練習
3: 階段への手すりの設置
4: 調理の手順や方法の指導
5: 趣味活動の指導
うつ病の回復期の作業療法で適切なのはどれか。
1: 作業時間を延長する。
2: 作業の速さを求める。
3: 休息の取り方を教える。
4: 変化に富む構成にする。
5: 作業の完成度を求める。
依存性パーソナリティ障害患者の作業療法場面での特徴はどれか。
1: 他者の意見に反対できない。
2: 他者の感情に無関心である。
3: 他者を信じることが難しい。
4: 他者の注目の的になることを求める。
5: 他者に仕事を任せることができない。
多動性障害児の作業療法でみられないのはどれか。
1: 手足をそわそわ動かす。
2: 椅子でもじもじする。
3: 集団行動で順番を乱す。
4: 一つの課題にこだわる。
5: 他の子どもの邪魔をする。