20歳の女性。幼少期に両親が離婚した後、友人関係が不安定となりトラブルが絶えなかった。中学入学後から些細なことでリストカットするようになり、精神科を受診し、その後、入退院を繰り返していた。男女関係のもつれをきっかけに過量服薬し救急車で搬送された。入院後は、医療者に対して依存的だが要求が通らないと激しく責める状態である。この患者に作業療法を導入する際の対応で適切なのはどれか。
1: 作業療法に参加する上での枠組みを明示する。
2: 初回の面接で対人関係を中心に取り上げる。
3: 患者からの面接の要求は満たすようにする。
4: 攻撃的になる場合は担当者を交代する。
5: 課題集団での協調行動を促す。
境界型人格障害の患者への作業療法士の対応として適切でないのはどれか。
1: 支持的態度を維持する。
2: チーム間でかかわりの合意をしておく。
3: 指示的態度を維持する。
4: 物事を一緒に考えていく姿勢を示す。
5: 実施時間の取り決めは明確にする。
統合失調症の予後を予測する因子で正しいのはどれか。2つ選べ。
1: 病識
2: 身体的愁訴
3: 低ナトリウム血症
4: 初回入院時の処方薬の種類
5: 発病してから治療を開始するまでの期間
19歳の男性。統合失調症。幻覚妄想がみられ、両親に付き添われて精神科病院を受診した。病識は曖昧であったが、外来医師と両親の説得で本人が入院に同意した。入院2日目の夜になって「こんなところにいては、お前はダメになる。薬を飲むと頭が変になってしまうぞという声が聞こえる。一刻も早く退院したい。入院時の同意は取り下げる」と強く訴え興奮したため、精神保健指定医の判断によって、両親の同意の下、非自発的な入院形態に変更された。この患者の変更後の入院形態はどれか。
1: 医療保護入院
2: 応急入院
3: 緊急措置入院
4: 措置入院
5: 任意入院
認知症の作業療法で適切でないのはどれか。
1: 集団回想法
2: 見当識の訓練
3: 創作活動
4: ADL訓練
5: 数字の暗記
躁状態の患者への作業療法を行っているときの特徴として誤っているのはどれか。
1: 集中力に乏しい。
2: 依存心が高まる。
3: 関心が拡散する。
4: 干渉が多い。
5: 脱線しやすい。
気分障害(うつ状態)の患者の作業療法中にみられないのはどれか。
1: 疲れやすい。
2: 頑張り過ぎる。
3: 失敗にこだわる。
4: 興味が移りやすい。
5: 意思決定が苦手である。
強迫神経症患者の作業療法で確認行為がみられたとき、作業療法士の対応で適切なのはどれか。
1: 作業種目を変更する。
2: 作業を中断させる。
3: その日の作業療法を中止する。
4: 行為をやめるように話す。
5: 行為を静観する。
うつ病患者の作業療法でみられないのはどれか。
1: 疲労感の訴え
2: 思考の制止
3: 行動の途絶
4: 焦燥感の訴え
5: 食欲不振の訴え
治療者を操作しようとしたり、独占しようとしたりする可能性が最も高い疾患はどれか。
1: 1. アルコール依存症
2: 2. 双極性感情障害
3: 3. 境界性人格障害
4: 4. 広汎性発達障害
5: 5. 統合失調症
65歳の女性。元来、几帳面な性格だが友人も多く活動的に過ごしていた。3か月前に、自宅のリフォームを契機に、早朝覚醒、食思不振、抑うつ気分や意欲低下が生じ、友人とも会わないようになった。自宅で自殺を企図したが未遂に終わり、1か月前に家族が精神科を受診させ、即日医療保護入院となった。単独散歩はまだ許可されていないが、抗うつ薬による治療で抑うつ気分は改善傾向にあり、病棟での軽い体操プログラムへの参加を看護師から勧められて、初めて参加した。この時点での患者に対する作業療法士の関わりで適切でないのはどれか。
1: 必要に応じて不安を受け止める。
2: 過刺激を避けながら短時間で行う。
3: 具体的体験により現実感の回復を促す。
4: 参加各回の達成目標を明確にして本人と共有する。
5: 薬物療法の副作用が生じていないかアセスメントする。
27歳の男性。統合失調症。大学卒業後、建設会社に就職し設計の仕事をしていた。新たなプロジェクトの責任者として仕事に追われるようになってから、眠れない日が続き、急に怒り出すこともあった。プレゼンテーションの日に昏迷状態となり入院した。1週後、症状が徐々に落ち着いてきた時点で作業療法が開始された。この時点での作業療法の目的で適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 自信の回復
2: 役割の遂行
3: 安心感の提供
4: 対人関係の改善
5: 生活リズムの回復
統合失調症の患者が「不気味な何かが起こりそうだ」と不安緊迫感を訴えた。この症状はどれか。
1: 考想伝播
2: 作為体験
3: 妄想気分
4: 妄想知覚
5: 連合弛緩
25歳の女性。対人関係が不安定で、母親に甘えたかと思うと急に怒り出すなど、感情が変わりやすく、時に激しく落ち込むことが多かった。漠然とした不安感を訴え、自傷行為を繰り返すため精神科外来を受診し、入院することとなった。入院後2週経過し作業療法が開始された。この患者の作業療法導入時の対応で適切でないのはどれか。
1: 特定の相談相手を決める。
2: 作業療法の目標を話し合う。
3: チームで一貫した対応を行う。
4: 集団プログラムへの参加を促す。
5: 実施頻度と時間を明確に決める。
精神障害者の就労支援方法と実施機関の組合せで正しいのはどれか。
1: リワーク ――――――― ハローワーク
2: ジョブコーチ ――――― 地域障害者職業センター
3: 職場適応訓練 ――――― 保健所
4: トライアル雇用 ―――― 地域包括支援センター
5: ジョブガイダンス ――― 障害者就業・生活支援センター
20歳の男性。統合失調症。1週前、精神運動興奮にて精神科病院を受診して入院した。入院後、「盗聴器が仕掛けられている。お前は駄目だという声が聞こえるので不安で落ち着かない」と言う。この症状はどれか。2つ選べ。
1: 幻 聴
2: 強迫観念
3: 被害妄想
4: 作為体験
5: 感情鈍麻
神経性無食欲症患者の作業療法場面でみられないのはどれか。
1: 過活動
2: 過剰適応
3: 強迫的なこだわり
4: 対人交流の希薄さ
5: 評価に対する無関心
精神科作業療法で誇大妄想の影響を知るのに役立つのはどれか。
1: 会 話
2: 作業の間違い
3: 作業時間
4: 表 情
5: 出欠席
精神障害者の社会適応訓練事業で正しいのはどれか。
1: 通所授産施設で行う。
2: 期間は3か月である。
3: 事業所に委託する。
4: 職業訓練を行う。
5: 実施主体は国である。
34歳の主婦。解離性(転換性)障害。23歳の時から入退院を繰り返している。今回、夫婦喧嘩の後ふらつきがひどくなり、意識を失って入院した。1か月後にふらつきはまだあるものの、作業療法が導入された。当初の作業療法で適切なのはどれか。2つ選べ。 ア.ふらつきの原因を探る。イ.夫婦関係を調整する。ウ.無意識の葛藤について洞察させる。エ.歩行訓練を行う。オ.不安感を発散する作業を行う。
1: ア
2: イ
3: ウ
4: エ
5: オ