統合失調症の症状で、薬物療法によって比較的改善しやすいのはどれか。
1: 1日中何もしない。
2: 喜怒哀楽を表さない。
3: 自分の殻に閉じこもる。
4: 身だしなみを気にしない。
5: 他人の声が自分に呼びかけてくる
29歳の女性。歩行困難を主訴に整形外科外来を受診したが器質的問題が認められなかったため、紹介によって精神科外来を受診し入院することとなった。手足が震え、軽い麻痺のような脱力があり、自立歩行ができないため車椅子を使用している。立位保持や移乗に介助を必要とし、ADLはほぼ全介助である。この時点の患者に対する作業療法で適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 自己洞察を促す。
2: 自己表現の機会を増やす。
3: 集団活動で役割を担わせる。
4: 自己中心的な依存は受け入れない。
5: 身体機能に対する治療的な介入を行う。
統合失調症に特徴的な思考の障害はどれか。
1: 思考が緩徐でうまく進まない。
2: 思考の進行が突然遮断され、会話が停止する。
3: まわりくどく、要領よく思考目標に到達できない。
4: 観念の間に論理的な関連がなく、意識の混濁を伴う。
5: 観念が次々に沸き起こるが、つながりは表面的で目標から外れていく。
20歳の女性。高校卒業後、コンビニエンスストアの仕事についた。2年が経過した頃、人手不足もあり業務に追われる状態が続いた。次第に集中困難、頭が回らない感覚、不眠、動悸や呼吸困難感が現れ始め、休職するに至った。約1か月の自宅療養で呼吸困難感は軽減したが、頭痛、めまいによる歩行のふらつき、不眠が出現し、たえず漠然とした不安に襲われ外に出られなくなった。その様子を心配した家族が本人を連れて精神科を受診し、外来作業療法が導入された。導入時の作業療法で最も適切なのはどれか。
1: 全身のストレッチ
2: 高負荷の歩行訓練
3: ワークサンプル法による職業訓練
4: 遂行機能に対する認知リハビリテーション
5: 社会生活技能訓練〈SST〉による接客場面のロールプレイ
48歳の男性。アルコール依存症。30歳ころから仕事上のストレスにより飲酒量が増えてきた。40歳ころから遅刻や欠勤を繰り返すようになり2年前に会社をやめた。2か月前から連続飲酒状態となったため妻に付き添われて精神科を受診し、入院した。入院後2週経過し、離脱症状が落ち着いたため作業療法が開始された。この時期の作業療法で適切でないのはどれか。
1: 家族同伴で心理教育を行う。
2: 集団内で仲間意識を育てる。
3: 自助グループへの参加を促す。
4: プログラムでの頑張りを促す。
5: 退院後の生活について助言する。
16歳の女子。6か月前から特にきっかけはないのに次第に手洗いと入浴の時間が長くなった。1か月前から手洗いに1時間半以上を使う状況となり、自分でもおかしいと感じるようになった。母親が途中でやめさせると余計に不安になり、最近ではやめさせようとすると反発して暴言を吐くようになった。そのため父親が本人を説得して精神科を受診した。この患者が示す症状はどれか。
1: 心気妄想
2: 強迫行為
3: 常同行為
4: チック障害
5: 精神運動興奮
53歳の男性。アルコール依存症。34歳から頻回の入院を繰り返し、仕事も失い、妻とも離婚した。1週前から終日飲酒して、食事も摂らない状態が続くため入院となった。入院後は振戦せん妄がみられたが、3週後には状態が安定し、体力強化を目的に作業療法が処方された。作業療法場面でみられやすいのはどれか。
1: 柔軟な判断
2: 高い目標設定
3: 共感的な感情表出
4: 熟慮に基づく行動
5: 円滑な対人関係の構築
35歳の女性。現在、6か月児の子育て中であるが、1か月前からテレビも新聞も見る気が起こらないほど周囲への興味・関心が低下し、子と触れ合うこともおっくうになった。物事の判断が鈍くなり、子育てに自信をなくし、自分を責め、ささいなことから不安になりやすくなったため、子を祖母に預けて精神科病院に入院した。入院翌日から不安の軽減を目的に作業療法が開始された。この患者に用いる作業活動で適切なのはどれか。
1: 就労準備活動
2: 会話を促す活動
3: 創造力を要する活動
4: 決断力を要する活動
5: 短時間で完結する活動
50歳の男性。アルコール依存症。38歳から頻回の入院を繰り返し、仕事も失い、妻とも離婚した。今回、2週前から昼夜を問わずに飲酒して、食事も摂らない状態が続くため入院となった。入院後は振戦せん妄が見られたが、1か月後には状態が安定し、体力強化を目的に作業療法が処方された。この患者の行動で予想されるのはどれか。
1: 円滑な対人関係
2: 共感的な感情表出
3: 柔軟な判断
4: 高い目標設定
5: 熟慮した上での行動
統合失調症の前駆期にみられるのはどれか。
1: 聴覚過敏
2: 奇異な妄想
3: 滅裂な思考
4: 感情の平板化
5: 緊張病症候群
50歳の男性。アルコール依存症。30歳代後半から仕事上のストレスで飲酒量が増えた。遅刻や欠勤を繰り返し、2年前にリストラされてからは昼夜を問わず連続飲酒の状態となった。妻に付き添われて精神科を受診し、アルコール専門病棟へ入院した。入院後2週経過し、離脱症状が落ち着いたため作業療法が開始された。この患者の導入期評価で優先度が高いのはどれか。
1: 認知機能
2: 作業能力
3: 金銭管理
4: 基礎体力
5: 対人関係
47歳の女性。多発性硬化症。30歳で発症し、寛解と増悪を繰り返した後、完全寛解していた。1週前に視力低下と小脳症状が出現し、入院となった。視神経と右小脳半球に脱髄を認める。過回内テストで図のような動きが観察された。この患者にみられる所見はどれか。
1: 振 戦
2: 運動分解
3: 測定異常
4: 協働収縮異常
5: 反復拮抗運動不能
68歳の男性。半年前から睡眠中に奇声をあげたり、気分が沈みがちになることがあった。次第に物忘れや立ちくらみ、手の震えが出現した。最近、「玄関に小人が立っている」と言うことが増えたため、家族に付き添われて精神科病院に入院し、作業療法が開始された。この患者にみられる特徴はどれか。2つ選べ。
1: 動きが緩慢になる。
2: 症状が変動しやすい。
3: 毎食のメニューにこだわる。
4: 周囲に対し一方的な要求をする。
5: 環境からの刺激を受けても集中できる。
30歳の女性。うつ病。子育てに専念するため、仕事をやめた後から徐々に気力が低下し、不眠が出現し家事全般に支障をきたすようになった。夫と相談の上、近隣の精神科診療所で通院を開始し、約1か月で落ち着きを取り戻した。その時点で作業療法士が週1回生活上の相談・援助を担当することになった。本人は「悪くなるのが心配だ」「好きな編み物もできないような気がする」などと述べている。治療関係を成立させる話題として適切なのはどれか。2つ選べ。 ア.子供の世話イ.家計のことウ.夫との関係エ.再就職のことオ.趣味の再開
1: ア
2: イ
3: ウ
4: エ
5: オ
28歳の女性。電車を待つホームで突然動悸が激しくなり、死ぬのではないかという恐怖と息苦しさに襲われ、しゃがみこんでしまった。後日精神科を受診し、外来作業療法が開始された。この患者の疾患として適切なのはどれか。
1: 解離性障害
2: 強迫性障害
3: パニック障害
4: 注意欠陥/多動性障害
5: 境界性パーソナリティ障害
32歳男性。統合失調症。入院後、症状が不安定で緊張が強い状態が続いている。この患者に対する作業面接で、オープンスペースを用いた場面設定として最も適切な図はどれか。
24歳の男性。てんかん。生活のリズムの崩れから、発作が頻発するため入院。発作はすぐコントロールされ、2か月後に単身生活での退院予定となった。これまでに何度か保護的就労を試みるものの、次第に服薬が不規則になり、知人からパチンコなどに誘われると断わることができず、金銭管理も不可能となって生活の維持が困難となっていた。今回、退院準備の目的で作業療法に参加した。退院のための技能獲得として適切でないのはどれか。
1: 服薬管理
2: 時間管理
3: 金銭管理
4: 就労準備
5: 対人関係
17歳の男子。自閉症。自分なりの特定のやり方にこだわり融通が利かず、臨機応変に振る舞えずに失敗体験を積み重ね、自尊感情が著しく低下している。この常同性に関わる特性を踏まえた上での作業療法上の配慮として、最も重要なのはどれか。
1: 静かな環境で作業する。
2: 用件は具体的に伝える。
3: 図や表を用いた説明を行う。
4: 1つずつ段階を踏んで作業する。
5: 予定変更がある時は前もって伝える。
40歳の男性。4月に職場の配属先が変わり新しい仕事に慣れない日が続いていた。会社に行くと手に冷や汗が出て、胸がどきどきするようになった。1か月前から不眠、意欲の低下が出現した。会社に行く気力がなくなり、朝からふさぎこむようになったため、妻と一緒に精神科を受診し、入院となった。この症例に出現しない症状はどれか。2つ選べ。
1: 精神運動抑制
2: 観念奔逸
3: 連合弛緩
4: 罪業妄想
5: 希死念慮
神経症性障害患者の作業療法で正しいのはどれか。
1: 心気症状への傾聴が重要となる。
2: 転換症状がある場合は行わない。
3: 強迫症状に対しては反復作業を用いる。
4: 不安発作が完全に消失するまで行わない。
5: 離人症状では自傷行為の可能性を考慮する。