第35回午前第28問の類似問題

第35回午前:第40問

9歳の男児。自閉症。外来通院時に作業療法を実施することとなった。作業療法室では落ち着きなく歩き回り、周囲の物音や人の数などの環境の変化によって自分の手を噛んだり、手で頭を打ったりすることがある。紙折りに取り組ませてもごく短時間しかできない。作業中に観察される行動はどれか。  

1: 作業療法士の行動をまねる。

2: 失敗を修正しようとする。

3: 紙をクルクルと回し続ける。

4: 作品の出来映えにこだわる。

5: 作業療法士に援助を求める。

第44回午前:第35問

48歳の男性。市役所に勤務。住民の苦情に対応する業務に就いたころから、不眠、食欲不振、意欲低下および思考抑制が始まった。3か月間の休職を取り自宅療養をしていたが「自分は役に立たない」と言い、希死念慮を認めたため入院となり、2週後から作業療法が開始された作業療法導入時の留意点はどれか。  

1: 得意であった作業を導入する。

2: 他者との交流を促す。

3: 休息の取り方を練習する。

4: 病気の体験を言語化する。

5: 自己決定の機会を増やす。

第38回午前:第35問

13歳の男子。恐怖症性不安障害。父親の転勤で中学転校時から、漠然とした不安感情が表れるようになった。ある日、授業中に動悸や息切れがひどくなり発作性の震えが出現、養護教諭のすすめで精神科クリニックを受診した。その後、不安発作が激しくなり不登校の日が続いた。主治医・両親・患者・学校側との相談の結果、クリニック付設デイケアに参加することになった。デイケア開始時に治療者が留意する点で適切なのはどれか。2つ選べ。  

1: 年齢を考慮し他のメンバーには紹介しない。

2: 年齢を考慮しプログラムはスタッフが決める。

3: 発作時の対処をスタッフ間で話し合う。

4: 患者と治療設定を確認し合う。

5: 不登校と発作の関係を聴く。

第43回午後:第95問

統合失調症で現れにくいのはどれか。  

1: 関連性を欠いた会話

2: 夜間の意識変容

3: 持続的な支配観念

4: 過敏な聴覚

5: 両価的な感情

第38回午前:第30問

30歳の女性。うつ病。子育てに専念するため、仕事をやめた後から徐々に気力が低下し、不眠が出現し家事全般に支障をきたすようになった。夫と相談の上、近隣の精神科診療所で通院を開始し、約1か月で落ち着きを取り戻した。その時点で作業療法士が週1回生活上の相談・援助を担当することになった。本人は「悪くなるのが心配だ」「好きな編み物もできないような気がする」などと述べている。治療関係も成立し約3か月経過したころ、本人から「少しずつ家事ができるようになったが、まだ自信がない」と述べてきた。この時の対応で適切でないのはどれか。  

1: 自宅を訪問し家事評価を行う。

2: 来院時の面接で家事評価を行う。

3: ホームヘルパーの派遣を依頼する。

4: 夫との家事の分担を調整する。

5: 小グループでの家事訓練に参加する。

第50回午後:第44問

長期入院後の統合失調症患者の就労における作業内容として適切なのはどれか。  

1: 対人交流が多い。

2: 精密な作業を含む。

3: 勤務時間の変更が多い。

4: スピードを求められない。

5: 自身の判断で手順を決められる。

第48回午前:第44問

統合失調症患者の特徴で正しいのはどれか。2つ選べ。  

1: 合理的な理由付け

2: 作業能率の低下

3: 持続性の維持

4: 社交性の高さ

5: 認知のゆがみ

第52回午前:第18問

57歳の女性。夫と寝たきりの母親との3人暮らし。編み物を趣味としていた。患者は手の抜けない真面目な性格で、介護が2年続いたころから「体が動かない。死んでしまいたい」と寝込むようになった。夫に連れられ精神科病院を受診し入院。1か月後に作業療法が導入となった。しかし、作業療法士に「母のことが気になるんです。ここにいる自分が情けない」と訴えた。この患者への対応として適切なのはどれか。  

1: 主治医に早期の退院を提案する。

2: 他の患者をお世話する役割を提供する。

3: 趣味の編み物をしてみるように提案する。

4: 休むことも大切であることを説明する。

5: 他の患者との会話による気晴らしを促す。

第47回午前:第18問

30歳の女性。大学卒業後就職したが、すぐに退職した。その後対人トラブルを起こしては何回も勤務先を変え、2週前から就労移行支援事業所に通所するようになった。作業手順が分からなくても質問ができないため完成することができなかった。音に過敏に反応し、他の通所者と折り合いがつかずいらいらするようになり、家族に当たり散らすようになった。通所も中断し自宅に引きこもりがちとなったため、外来作業療法を紹介された。この患者で考えられるのはどれか。  

1: 注意欠陥/多動性障害

2: Asperger症候群

3: 学習障害

4: 行為障害

5: 自閉症

第46回午後:第14問

29歳の女性。歩行困難を主訴に整形外科外来を受診したが、検査では異常は認められなかった。紹介されて精神科外来を受診し、入院することとなった。手足がふるえ、軽い麻痺のような脱力があり、自立歩行ができないため車椅子を使用している。立位保持や移乗に介助を必要とし、ADLはほぼ全介助である。この時点の患者に対する作業療法で適切なのはどれか。2つ選べ。  

1: 自己洞察を促す。

2: 自己表現の機会を増やす。

3: 身体症状に対して対応する。

4: 自己中心的な依存は禁止する。

5: 集団活動で役割を担ってもらう。

第49回午前:第18問

52歳の男性。アルコール依存症。45歳ころから入退院を繰り返し離婚した。単身生活になって飲酒が一層激しくなり、食事も摂らず泥酔状態が続くところを保護されて入院した。離脱症状が消失した時点で作業療法が開始されたが、落ち込んだ様子や自己中心的な行動がみられたり、理由なく作業療法を欠席したりすることがある。この時点での作業種目で適切なのはどれか。  

1: 散歩

2: 革細工

3: パソコン操作

4: バレーボール

5: 院内新聞の編集

第57回午後:第17問

64歳の女性。右利き。脳梗塞。約1か月前に左大脳に発症。現在は聴覚理解に問題はないが、発語は非流暢かつ緩徐である。話す言葉の量は少なく、発語の際には多大な努力を要している。四肢の麻痺はみられない。この患者への対応として正しいのはどれか。  

1: 患者の話す内容が文法的に誤っていれば医療者が即座に細かく修正する。

2: 患者が「はい」「いいえ」で答えることができるように質問する。

3: 医療者が口頭で説明をするときにはジェスチャーを交える。

4: コミュニケーションエイドを導入する。

5: 患者にメモをとるように指導する。

第56回午前:第13問

76歳の女性。物忘れのために日常生活で失敗が目立った。最近、夫の浮気を疑うようになり、顔を合わせると興奮し物を投げるなどの行為がみられる。息子が誤りであることをいくら説明しても納得しない。この患者の精神症状を評価する尺度として適切なのはどれか。  

1: HRS-D

2: NPI

3: POMS

4: SANS

5: SDS

  • 答え:2
  • 解説:この患者は物忘れや日常生活での失敗、夫の浮気を疑うなどの行動が見られるため、認知症の症状が疑われます。そのため、認知症患者の精神症状を評価する尺度であるNPI(Neuropsychiatric Inventory)が適切です。
  • HRS-D(Hamilton Rating Scale for Depression)は、うつ病の重症度を評価する尺度です。この患者の症状は認知症の症状が疑われるため、HRS-Dは適切ではありません。
  • NPI(Neuropsychiatric Inventory)は、認知症患者の精神症状を評価する尺度です。この患者の症状は認知症の症状が疑われるため、NPIが適切です。
  • POMS(Profile of Mood States)は、気分状態を評価する尺度です。この患者の症状は認知症の症状が疑われるため、POMSは適切ではありません。
  • SANS(Scale for the Assessment of Negative Symptoms)は、統合失調症の陰性症状を評価する尺度です。この患者の症状は認知症の症状が疑われるため、SANSは適切ではありません。
  • SDS(Self-rating Depression Scale)は、自記式うつ病の評価尺度です。この患者の症状は認知症の症状が疑われるため、SDSは適切ではありません。
  • 科目:認知症・高齢者障害
  • 重要度:プレミアム特典
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第53回午後:第16問

26歳の女性。結婚後に転居したアパートが古く汚れが目立っていた。食事の後片付け、掃除および手洗いをいくらやっても汚れが落ちていないのではないかと不安を感じるようになった。これらに長時間を要するようになり、生活に支障が出始めたため、夫に勧められて精神科を受診した。作業療法での対応として適切なのはどれか。  

1: 自由度の高い作業を提供する。

2: 正確さを必要とする作業を提供する。

3: 手洗い行為が始まれば作業を中止させる。

4: 手洗い行為の原因についての自己洞察を促す。

5: 作業工程の確認は作業療法士が本人に代わって行う。

  • 答え:1
  • 解説:この問題は、強迫性障害のある患者に対して適切な作業療法を選択することが求められています。強迫性障害では、患者が細かなことにこだわらないようにし、自己肯定感が得られるような作業を提供することが重要です。
  • 自由度の高い作業を提供することで、患者が自由に作業できる活動の中で、できるという自己肯定感が得られるようになります。これが適切な作業療法です。
  • 正確さを必要とする作業を提供すると、患者の不安が増し、細部へのこだわりを増強させてしまう可能性があるため、適切ではありません。
  • 手洗い行為が始まれば作業を中止させることは、症状の解消にはならず、適切な対応ではありません。中止する前に、患者ができている作業について話し合い、手洗い以外の行動について助言することが望ましいです。
  • 手洗い行為の原因についての自己洞察を促すことは、患者自身も不合理なことを理解しているため、ストレスになります。この方法は適切ではありません。
  • 作業工程の確認は作業療法士が本人に代わって行うことは、患者の依存を強めて不安感を増すことがあります。代理行為をしても同様であり、出来栄えにこだわらないようにさせることが重要です。この方法も適切ではありません。
  • 科目:その他の精神障害
  • 重要度:プレミアム特典
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第44回午前:第38問

20歳の男性。広汎性発達障害。高校の普通科を卒業後、工場に就職するが職場で上司に指示されたことが途中で変更になったことで怒ったり、昼休みの同僚との会話からトラブルとなったりして退職した。その後、抑うつ的な状態が続き、精神科受診となった。この患者の行動特性はどれか。2つ選べ。  

1: 場の雰囲気を読み取ることが苦手である。

2: 順番を待つことができない。

3: 新しいことが覚えられない。

4: 不測の事態に対応できない。

5: 常に落ち着きがない。

第40回午前:第5問

60歳の女性。主婦。発症後2か月の脳卒中右片麻痺。ブルンストローム法ステージは上下肢、手指いずれもIVである。認知的問題はない。表は患者が現時点で改善したいと考える活動とそれらの活動の重要さ、出来ばえ、現状の満足感を各々10点満点で 主観的に判断した結果を示す。この表から作業療法士がする判断で適切なのはどれか。 

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1: 「炊事」へのアプローチは満足感が得やすい。

2: 「買物」へのアプローチは成功体験が得やすい。

3: 「電話」へのアプローチは優先度が高い。

4: 列挙された活動のニーズは同等である。

5: 列挙された活動の意味と行い方を分析する。

第37回午前:第81問

精神分裂病(統合失調症)患者の作業場面で観察されるのはどれか。2つ選べ。 ア.注意の狭さイ.疲れやすさウ.興味の拡散エ.探索行動オ.他者への介入  

1: ア

2: イ

3: ウ

4: エ

5: オ

第39回午前:第30問

28歳の女性。全般性不安障害。コンピュータのシステム・エンジニア。システム設計の責任者として一つの仕事をやり遂げた頃から、持続的ないらいら感、不安、頭痛、肩こりなどを感じるようになった。仕事も負担となり、「このままでは病気になってしまい、何もかも駄目になりそう」と訴え外来受診した。薬物療法と並行して外来受診時に作業療法が処方された。開始時の目的として適切なのはどれか。  

1: 緊張感の軽減

2: 作業能力の改善

3: 葛藤の洞察

4: 家族内調整

5: 職場上司との調整

第53回午前:第1問

85歳の女性。右利き。突然の意識消失のため救急搬入された。入院後、意識は回復した。発症後2時間のMRI拡散強調像を示す。今後この患者に生じる可能性の高い症状はどれか。 

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1: 拮抗失行

2: 左右失認

3: 運動性失語

4: 社会的行動障害

5: 左半側空間無視

第44回午前:第36問

24歳の女性。幼少時に母親から虐待を受けていた。高校中退後から仕事を転々としている。男性との関係は不安定で別れ話のたびに大量服薬を繰り返した。いつもむなしくて死にたい気持ちがあると自覚して、精神科クリニックを受診した。この患者にみられない特徴はどれか。  

1: 理想化

2: 行動化

3: 身体化

4: 物盗られ妄想

5: ストーカー行為