65歳の男性。脊髄小脳変性症。四肢の企図振戦があり、起立および歩行は可能であるが、方向転換ではバランスを崩しやすい。適切な運動療法はどれか。
1: 棒体操
2: ロフストランド杖による4点歩行
3: 手拍子のリズムに合わせた歩行
4: ボール上座位バランス
5: モンキーウォーク
脊髄損傷(第6頸髄節まで機能残存)の女性患者で、自立が最も難しいと考えられるのはどれか。
1: 手すりを使用して起き上がる。
2: ベッド上でズボンをはく。
3: 車椅子上でループ付き靴下をはく。
4: 車椅子上で自己導尿を行う。
5: トランスファーボードを使用して車に移乗する。
45歳の女性。2~3年前から上肢の筋力低下の進行と嚥下障害が認められ、筋萎縮性側索硬化症と診断された。現在、上肢の筋力はMMTで肩関節周囲2-、手指筋2、頸部・体幹筋と下肢は3。移動は車椅子介助、車椅子への移乗も軽介助を必要とする。食事はポータブルスプリングバランサーを使用して自立しており、その他のADLは全介助となっている。発声によるコミュニケーションは可能だが、呼吸機能は徐々に低下している。この患者に今後導入が予想されるコミュニケーション機器はどれか。2つ選べ。
脳卒中片麻痺の亜脱臼に対する肘屈曲型アームスリングのチェックアウトで正しいのはどれか。
1: 頸部で上肢を支持する。
2: 肩関節は内旋位とする。
3: 前腕は回外位とする。
4: 手関節は掌屈位とする。
5: 手部は肘関節より低くする。
44歳の患者。両上肢と体幹とに図のようなⅡ度の熱傷がある。受傷後3日目に保持すべき肢位で正しいのはどれか。
1: 頸部:中間位
2: 肩関節:外転位
3: 右前腕:回内位
4: 体幹:軽度屈曲位
5: 膝関節:軽度屈曲位
52歳の女性。踏み台から転落して左踵骨骨折を受傷し、手術が行われた。術後翌日の単純エックス線写真を示す。この患者に対する運動療法で正しいのはどれか。
1: 術後翌日から距腿関節の可動域練習を行う。
2: 術後翌日から膝関節の可動域練習を行う。
3: 術後翌日から部分荷重を始める。
4: 術後1週から外固定内での距踵関節の等尺性運動を行う。
5: 術後2週からMP関節の可動域練習を行う。
脊髄損傷(第7頸髄節まで機能残存)患者で自立が最も困難なのはどれか。
1: 自動車の運転
2: 車椅子のキャスター上げ
3: 車椅子で5 cmの段差昇降
4: 床面から車椅子への乗り移り
5: ベッドから車椅子までの側方移乗
40歳の男性。筋萎縮性側索硬化症。発症から2年で、下肢には軽度の痙性麻痺が認められ、膝折れやつまずきなどの歩行障害が出現している。上肢は筋萎縮が著明で食事や衣服着脱は全介助。構音障害も出現している。この時期の理学療法で適切でないのはどれか。
1: 呼吸訓練
2: 上肢のROM訓練
3: 上肢の抵抗運動訓練
4: 立位バランス訓練
5: 短下肢装具での歩行訓練
頸髄損傷(第6頸髄節まで機能残存)の残存筋で適切でないのはどれか。
1: 僧帽筋
2: 三角筋
3: 上腕二頭筋
4: 尺側手根屈筋
5: 長橈側手根伸筋
頸髄損傷(第5頸髄まで機能残存)患者が獲得できる機能で正しいのはどれか。
1: 自己導尿ができる。
2: ズボンの着脱ができる。
3: 自助具なしで食事摂取ができる。
4: ノブ付ハンドリムの車椅子を操作できる。
5: トランスファーボードを使ってベッドから車椅子へ移乗できる。
75歳の女性。右大腿骨頸部骨折による人工関節置換術後2週で回復期リハビリテーション病棟に転棟した。初回訓練時での作業療法士の発言で適切でないのはどれか。
1: 「こんにちは。○○花子さんですか。担当する作業療法士の◇◇太郎と申します」
2: 「ご自宅で転んで右脚の付け根の骨を骨折して、大きな手術を受けられたと聞きましたが、本当に大変でしたね」
3: 「手術を受けてから2週間が過ぎましたが、右股関節拘縮と筋力低下のために歩行障害を起こしているのですね」
4: 「今日は右足の力を強くして、バランスをよくするために立ち上がりと輪投げを行います。関節に痛みを感じたりお疲れになりましたら、遠慮せずにおっしゃってください」
5: 「今日はこのくらいで終了といたします。明日はもう少し楽しくできる種目を考えようと思いますので、ご趣味などについてお聞かせください」
53歳の男性。脳出血による右片麻痺。ブルンストローム法ステージは上肢IV・手指IIIでやや痙縮が強い。麻痺側でコップの水を飲んでもらったところ図1のような反応がみられた。このような反応を軽減するための訓練として図2のような動作を行う際に注意すべき点で適切でないのはどれか。
1: 麻痺側上肢の運動に抵抗をかける。
2: 麻痺側肩関節は外旋位に保持する。
3: 非麻痺側上肢をリラックスさせる。
4: 麻痺側肩甲帯の前方突出を保持する。
5: 頸部と体幹は軽度屈曲を保持する。
24歳の女性。2日前に室内での火災に巻き込まれ救急搬送された。35%の範囲の熱傷と診断され入院中。意識は清明。顔面から前頸部も受傷し煤のような色の痰がでる。肩甲帯から上腕にかけては植皮が必要な状態。骨盤と下肢とに傷害はみられない。この時期の理学療法として適切なのはどれか。
1: 患部局所の浮腫に対する弾性包帯による持続圧迫
2: 下肢に対する80%MVCでの筋力増強
3: 背臥位での持続的な頸部伸展位の保持
4: 尖足予防のための夜間装具の装着
5: Squeezingによる排痰
75歳の男性。変形性膝関節症で図のような手術を受けた。術後理学療法で誤っているのはどれか。2つ選べ。ア.術後1日:大腿四頭筋の等尺性収縮運動イ.術後2~3日:膝関節の他動的関節可動域訓練ウ.術後1週:平行棒内で患側1/2部分体重負荷エ.術後3週:下肢伸展挙上による筋力増強オ.術後6週:松葉杖を用いた平地歩行
1: ア
2: イ
3: ウ
4: エ
5: オ
50代の女性。脳出血による右片麻痺。発症後8か月が経過した。右利きであったが利き手交換を実施した。Brunnstrom法ステージは上肢Ⅳ、手指Ⅳ、下肢Ⅴ、感覚機能は表在・深部とも軽度鈍麻で、握力は右2 kg、左28 kg、立位バランスは良好である。この患者が実施可能な動作はどれか。
66歳の男性。意識障害で右上肢を下に腹臥位で体動困難となっているところを発見された。両膝、右手首、右肘および右前胸部に多発褥瘡を認め、脱水症を伴うことから発症後数日が経過していると考えられた。保存的加療とともに理学療法が開始され、徐々に意識障害が改善すると、入院後1か月で訓練中に右手のしびれを訴え、図のような手を呈した。この患者の右手に適応となるのはどれか。
1: BFO
2: 虫様筋カフ
3: 短対立装具
4: 手関節駆動式把持装具
5: コックアップ・スプリント
45歳の男性。左上下肢のしびれで初発し、視力障害・呼吸困難・四肢麻痺など多彩な症状の寛解と増悪を繰り返した。MRI画像で脳脊髄の白質に多発性・散在性の脱髄斑が認められた。理学療法で適切でないのはどれか。
1: 関節可動域運動
2: 呼吸理学療法
3: 筋力増強
4: ハバードタンク浴
5: 車椅子指導
長下肢装具の適応はどれか。
1: 筋萎縮性側索硬化症
2: 第2腰髄残存レベルの脊髄損傷
3: 関節リウマチで人工膝関節置換術後
4: 外傷性股関節後方脱臼で坐骨神経麻痺
5: 下肢Brunnstrom法ステージIVの脳卒中片麻痺
転倒による右大腿骨頸部内側骨折に人工骨頭置換術を施行したとき、術後の起立訓練開始時期への影響が最も少ないのはどれか。
1: 術前の歩行能力
2: セメントの使用
3: 手術切開創の治癒
4: 心機能の低下
5: 片麻痺の合併
6歳の男児。潜在性二分脊椎。足部の変形を図に示す。MMTを行ったところ、大腿四頭筋の筋力は5、内側ハムストリングスは3、前脛骨筋は3、後脛骨筋は2であった。Sharrardの分類による障害レベルはどれか。
1: I群
2: II群
3: III群
4: IV群
5: V群