55歳の男性。筋萎縮性側索硬化症。1年前から通勤時に右足がつまずくようになった。最近は意識して膝を上にあげて歩行している。腰椎MRIでは病的所見はなく、針筋電図所見では両側の前脛骨筋に右側優位の神経原性変化を認めた。適切な対応はどれか。
1: 座位時は足を挙上しておく。
2: 移動時に車椅子を利用する。
3: 立ち上がり運動を繰り返す。
4: 前脛骨筋に治療的電気刺激を行う。
5: 右側プラスチック短下肢装具を装着する。
SACH足部の下腿義足歩行中、踵接地後の膝屈曲動作が遅れる原因で誤っているのはどれか。
1: ソケットの初期屈曲が不足している。
2: ソケットが踵に対し前方にある。
3: SACH足部が底屈位にセットされている。
4: 断端前面末梢部に疼痛がある。
5: 大腿四頭筋の筋力が低下している。
45歳の男性。半年前から左上肢遠位部の脱力、3か月前から左上肢の筋萎縮と右上肢の脱力、さらに最近歩行障害と構音障害を認めるようになり、神経内科で筋萎縮性側索硬化症と診断された。現時点で認められる可能性が高いのはどれか。
1: 褥 瘡
2: 振動覚低下
3: 眼球運動障害
4: 膀胱直腸障害
5: Hoffmann反射陽性
40歳の男性。2週間前から腰痛と右殿部から大腿前面にかけてのしびれが生じ、徐々に右下肢の筋力低下を自覚するようになってきた。この患者に行う検査として適切なのはどれか。
大腿義足の異常歩行と改善法との組合せで正しいのはどれか。
1: 体幹の側屈-患側内転筋群を強化する。
2: 外転歩行-ソケット内壁の高さを低くする。
3: 伸び上がり歩行-義足長を延長する。
4: 分回し歩行-ソケット初期内転角を小さくする。
5: 内側ホイップ-膝継手軸の外旋角度を大きくする。
大腿義足ソケットの初期屈曲角で正しいのはどれか。
1: 腸腰筋が最も効率的に働くように設定する。
2: 短断端例では標準断端よりも角度を小さくする。
3: 切断側股関節の最大伸展角度に5°加えた角度に設定する。
4: 角度の不足によって過度の腰椎後弯が生じる。
5: 角度の過大によって過度の膝継手不安定が生じる。
65歳の男性。4歳時に急性灰白髄炎に罹患し右下肢麻痺となった。歩行時には右膝を右手で押さえながら歩いていた。55歳ころから腰痛を自覚するようになり、最近は歩行時の疲労が増し下肢の冷感が強くなってきたため受診した。身長160 cm、体重75 kg(30歳時と比較して20 kg増加)。筋力はMMTで、右大腿四頭筋と右前脛骨筋は段階1である。ポリオ後症候群と診断され、理学療法を行うことになった。理学療法として適切なのはどれか。
1: 自転車エルゴメーターによる有酸素運動
2: 右下肢装具を装着しての歩行練習
3: 右大腿四頭筋の筋力増強運動
4: 四つ這いでの移動練習
5: 車椅子による移動
75歳の男性。変形性膝関節症で図のような手術を受けた。術後理学療法で誤っているのはどれか。2つ選べ。ア.術後1日:大腿四頭筋の等尺性収縮運動イ.術後2~3日:膝関節の他動的関節可動域訓練ウ.術後1週:平行棒内で患側1/2部分体重負荷エ.術後3週:下肢伸展挙上による筋力増強オ.術後6週:松葉杖を用いた平地歩行
1: ア
2: イ
3: ウ
4: エ
5: オ
図のような異常歩行の原因はどれか。
1: ソケットの初期屈曲角が不足している。
2: ソケットの内転角が不足している。
3: SACH足のヒールが固すぎる。
4: 大腿四頭筋の筋力が低下している。
5: トウブレークが前方すぎる。
87歳の女性。転倒して左股関節痛を訴え、入院となった。受傷後2日目に後方侵入法で手術を受けた。術後のエックス線写真を示す。正しいのはどれか。
1: 臥床時には股関節を内転位に保つ。
2: 靴下の着脱は股関節外旋位で行う。
3: 術後1週から大腿四頭筋セッティングを開始する。
4: 術後2週から中殿筋の筋力トレーニングを開始する。
5: 術後3か月は免荷とする。
図のような異常歩行の原因はどれか。
1: ソケットの内転角が不足している。
2: ソケットの初期屈曲角が不足している。
3: SACH足のヒールが固すぎる。
4: 大腿四頭筋の筋力が低下している。
5: トウブレークが前方すぎる。
大腿義足装着時に図のような異常歩行が見られた。ソケットの適合に問題はない。この症例で、特に強化すべき筋群はどれか。2つ選べ。
1: 腹筋群
2: 背筋群
3: 患側股関節屈曲筋群
4: 患側股関節内転筋群
5: 患側股関節伸展筋群
65歳の男性。4歳時にポリオに罹患し、右下肢麻痺となった。歩行時には右膝を右手で押さえながら歩いていたという。55歳ころから腰痛を自覚するようになり、歩行がさらに困難になったため受診した。体重75 kg(30歳時と比較して20 kg増加)。Danielsらの徒手筋力テストで、右大腿四頭筋と右前脛骨筋とは筋力1である。ポリオ後症候群と診断され、理学療法を行うことになった。理学療法として優先順位が高いのはどれか。
1: 自転車エルゴメーターによる有酸素運動
2: 右下肢装具を装着しての歩行訓練
3: 右大腿四頭筋の筋力増強訓練
4: 四つ這い移動訓練
5: 車椅子の導入
60歳の女性。主婦。歩行開始時に両膝関節内側に疼痛が出現した。内反型変形性膝関節症と診断され、大腿脛骨角180°、BMI指数29.0であった。理学療法で適切でないのはどれか。
1: SLRによる大腿四頭筋強化訓練
2: 起立・歩行時の外側楔状足底板の使用
3: 外出時の軟性膝装具の使用
4: 1日1万歩のウォーキング
5: 1日30分間の自転車エルゴメーター
70歳の男性。視床出血による右片麻痺。ダブルクレンザック足継ぎ手に外側Tストラップがついた装具を処方され、装具の静的な適合判定を行った後に歩行練習を開始した。歩行時の麻痺側立脚中期に膝の過伸展が観察されたが、装具を調整したことでこの現象は消失した。装具の調整方法として適切なのはどれか。
1: 金属支柱の強度を増した。
2: 下腿半月を深くした。
3: 足継ぎ手後方の調節ロッドを押し込んだ。
4: 足継ぎ手前方の調節ロッドを押し込んだ。
5: 足継ぎ手の位置を後方へずらした。
大腿義足歩行で立脚相の膝の安定性に関与しないのはどれか。
1: ソケット初期内転角
2: 後方バンパーの硬さ
3: トウブレークの位置
4: 股関節伸筋
5: 断端長
28歳の男性。野球のスライディングの際に右膝関節屈曲位で膝前面を強打し、疼痛が強く歩行不能になったため救急外来を受診した。治療開始から2週後のMRIを示す。治療開始から3週後。疼痛は軽減したが筋萎縮が残存している。この患者に行うべき筋力訓練で誤っているのはどれか。ただし、図の矢印は運動の方向を示している。
転子果長の左右差の原因はどれか。
1: 側弯で骨盤が傾斜している。
2: 大転子が高位となっている。
3: 股関節に屈曲拘縮がある。
4: 膝関節に屈曲拘縮がある。
5: 足関節に尖足拘縮がある。
62歳の男性。5年前に脊髄小脳変性症と診断され、徐々に歩行障害が進行している。体幹失調が顕著で、下肢には協調運動障害があるが筋力は保たれている。歩隔をやや広くすることで左右方向は安定しているが、前後方向への振り子様の歩容がみられる。最近になって自力歩行が困難となり、理学療法で歩行器を用いた歩行を練習している。この患者の歩行器に工夫すべき点で適切なのはどれか。
1: サドル付型を用いる。
2: ピックアップ型を用いる。
3: 歩行器は軽量のものを選ぶ。
4: 上肢支持面の側方に重錘を装着する。
5: 上肢支持面は前腕部で支持できる高さにする。
25歳の男性。野球の試合で走塁中に右大腿後面に違和感と痛みとを生じ、近くの整形外科を受診した。大腿部エックス線写真では骨折を認めなかった。現時点の対応で適切でないのはどれか。
1: 下肢の挙上
2: 浮腫の予防
3: アイシング
4: 超音波照射
5: 弾性包帯での圧迫