5歳の男児。脳性麻痺で痙直型四肢麻痺である。粗大運動機能は側臥位までの寝返りが可能。背臥位と背臥位から引き起こしたときの状態を図に示す。臨床症状として可能性が低いのはどれか。
1: 足クローヌス陽性
2: 下肢の伸筋共同運動
3: 緊張性迷路反射の残存
4: パラシュート反応陽性
5: 股関節外転の可動域制限
脳卒中片麻痺に対する斜面台を用いた運動療法の目的で適切でないのはどれか。
1: 内反尖足の予防
2: 立位感覚の向上
3: 覚醒レベルの向上
4: 体幹筋筋力の維持
5: 膝関節伸展筋の痙縮抑制
伝い歩きが可能なレベルの脊髄小脳変性症患者で姿勢バランスを崩す危険性が高いのはどれか。
1: 閉脚立位
2: 片膝立ち位
3: 四つ這い位
4: タンデム肢位
5: 踵接地でのしゃがみ位
脳卒中片麻痺患者に最も難しい運動はどれか。
1: 肘伸展、肩90° 屈曲位での回外
2: 上腕を体側につけ肘90° 屈曲位での前腕回外
3: 肘伸展位で肩関節0~90° までの屈曲
4: 肩関節20° 屈曲位で肩関節0~20° までの内転
5: 肘関節30° 屈曲位で肩関節0~45° までの外転
痙直型両麻痺児の理学療法で正しいのはどれか。
1: 股関節伸筋の抑制
2: ハムストリングスの促通
3: 股関節外転筋の抑制
4: 下腿三頭筋の抑制
5: 足指屈筋群の促通
慢性期片麻痺患者の歩行の特徴で誤っているのはどれか。
1: 麻痺側の立脚相は非麻痺側より短い。
2: 麻痺側の遊脚相の膝屈曲角度は非麻痺側より小さい。
3: 麻痺側の遊脚相で麻痺側の股関節は外転する。
4: 非麻痺側の立脚相で体幹は麻痺側に側屈する。
5: 歩隔は正常歩行より広い。
10歳の男児。痙直型四肢麻痺の脳性麻痺。頭部保持は可能で、手で支持すれば座位が可能。わずかな距離は寝返りで移動する。電動車椅子を練習中である。この児が机上で道具の操作を練習する際に、上肢を効果的に使用するための姿勢として最も難易度が高いのはどれか。
脳血管障害回復期の患者。麻痺は上下肢ともにブルンストローム法ステージIIIで座位バランスは悪い。バランス反応と上肢分離運動促進とを目的に図に示すような自動介助運動をゆっくり繰り返した。このとき出現しやすいのはどれか。2つ選べ。ア.前方移動時に重心が後方に残る。イ.患側肩関節は外転位になる。ウ.患側肩甲帯は前方突出する。エ.患側股関節は内転位になる。オ.患側足関節は外反位になる。
1: ア
2: イ
3: ウ
4: エ
5: オ
12歳の男児。脳性麻痺痙直型両麻痺。GMFCSレベルⅢで、立位では図のような姿勢を示す。治療方針として優先されるのはどれか。
1: 長下肢装具を作製する。
2: 体幹筋の同時収縮を促す。
3: 選択的後根切断術を検討する。
4: 歩行練習での介助量を減らす。
5: 上肢での支持能力を向上させる。
歩行訓練で正しいのはどれか。
1: 脳性麻痺では四つ這いが可能となってから開始する。
2: 関節リウマチの歩行浴は免荷のため頸下浸水とする。
3: 脊髄小脳変性症の失調症では足部へ重錘を負荷する。
4: 脳卒中片麻痺では症状が固定してから下肢装具を使用する。
5: 二分脊椎で機能レベルがL5の場合はRGO(reciprocating gait orthosis)が適応となる。
12歳の女児。痙直型両麻痺。膝歩きの様子(別冊No. 10)を別に示す。本児の動作を正常と比較した場合の特徴で正しいのはどれか。
1: 支持基底面が狭い。
2: 重心の側方移動が小さい。
3: 重心の位置が低い。
4: 上肢の筋緊張が低い。
5: 体幹の軸回旋が大きい。
脳性麻痺児の背臥位姿勢を図に示す。獲得することが予想される順で正しいのはどれか。
1: A→B→C→D
2: B→C→D→A
3: B→A→C→D
4: C→D→B→A
5: D→A→B→C
5歳の男児。脳性麻痺。麻痺のタイプは痙直型両麻痺であり、図のように両手支持なしで座ることができる。この児で骨盤後傾を修正し、座位姿勢の改善を図るために最もストレッチが必要な筋はどれか。
1: ハムストリングス
2: 大腿筋膜張筋
3: 大腿直筋
4: 前脛骨筋
5: 薄筋
脳卒中片麻痺患者に対する短下肢装具において、靴べら型装具に比べ背屈遊動・底屈制限の継手付装具が有利な点はどれか。2つ選べ。
1: 装着しやすい。
2: 坂道を下りやすい。
3: しゃがみ込みがしやすい。
4: 麻痺側遊脚期に振り出しやすい。
5: 麻痺側立脚期の重心の前方移動を妨げない。
4歳の女児。脳性麻痺。座位保持姿勢を図に示す。姿勢の特徴で正しいのはどれか。
1: 片麻痺が疑われる。
2: 重心は前方に偏位している。
3: ハムストリングスの短縮が疑われる。
4: 対称性緊張性頸反射の影響がみられる。
5: 頸部の立ち直り反応の低下が疑われる。
6歳の女児。痙直型脳性麻痺。就学に備えた作業療法を外来で行っている。歩行器と短下肢装具を用いて屋内を歩くことができる。この児が使用する椅子で適切でないのはどれか。
1: 座面は両足底が床につく高さにする。
2: 座面に内転防止のパッドをつける。
3: 背もたれにヘッドレストをつける。
4: 体幹側屈防止のパッドをつける。
5: アームレストで前腕支持を助ける。
痙直型片麻痺児の促通すべき要素で誤っているのはどれか。
1: 患側肩甲帯の前方突出
2: 正中位での上肢活動
3: 体幹の支持性
4: 立位で下肢の陽性支持反射
5: 座位での平衡反応
脳卒中片麻痺患者の理学療法の組合せで適切でないのはどれか。
1: 非対称姿勢-矯正鏡
2: 痙縮-リラクセーション
3: 空間無視-傾斜台
4: 尖足拘縮-補高靴
5: 肩手症候群-愛護的関節可動域訓練
姿勢保持障害の原因で痙直型脳性麻痺児の特徴はどれか。
1: 注意集中困難による多動
2: 身近な感覚遊びによる常同行動
3: 全身の低緊張による耐久性低下
4: 身体接触面から受ける触覚の異常
5: 全身の不随意運動による調節困難
脳卒中片麻痺患者の麻痺側の肩の理学療法で正しいのはどれか。
1: 肩関節伸展運動は避ける。
2: 亜脱臼があるときは整復位で行う。
3: 関節可動域訓練では肩甲骨を固定して行う。
4: 麻痺側への寝返りでは麻痺側肩甲骨を内転位にする。
5: 自己介助による上肢挙上運動では反動を用いた方法を指導する。