60歳の男性。左中大脳動脈梗塞による右片麻痺。発症後5日経過。ブルンストローム法ステージは上肢II、手指I、下肢II。意識はJCS(Japan Coma Scale)で10。高次脳機能障害はない。初回の座位訓練を行う上で適切でないのはどれか。
1: ベッド上端座位でバランス訓練を行う。
2: 脈拍が120/分以上であれば中止する。
3: 収縮期血圧が開始前より40 mmHg上昇すれば中止する。
4: 表情の変化を観察する。
5: 欠伸が頻発したときは血圧の低下を疑う。
65歳の男性。視床出血による左片麻痺。救急搬送され保存的治療が行われた。発症後3日より脳卒中ケアユニットでの理学療法を開始。このとき覚醒しておらず、大きな声で呼びかけたが開眼しなかったため胸骨部に痛み刺激を加えたところ、刺激を加えている手を払いのけようとする動きがみられた。この患者のJCS〈Japan Coma Scale〉での意識障害の評価で正しいのはどれか。
1: Ⅱ-10
2: Ⅱ-20
3: Ⅱ-30
4: Ⅲ-100
5: Ⅲ-200
58歳の女性。脳梗塞による右片麻痺。発症後5日経過。理学療法では座位訓練が開始された。評価により意識レベルはJCS(Japan Coma Scale)で1桁、ブルンストローム法ステージは上肢・下肢ともにII、手指はIであった。早期プログラムとして適切でないのはどれか。
1: 座位での上肢帯のポジショニングの指導
2: 麻痺側の自動介助運動の指導
3: 臥位時の三角巾による上肢の固定方法の指導
4: 非麻痺手による物品操作の指導
5: 食事動作の指導
65歳の女性。右利き。脳梗塞による右片麻痺。発症後5日経過。JCS(Japan coma scale)は1桁。ブルンストローム法ステージは上下肢、手指いずれもIであった。飲水でひどくむせていた。早期プログラムとして適切でないのはどれか。
1: 安静時座位の右肩甲帯は前方突出位に保持する。
2: 安静時座位の右股関節は外転・外旋位に保持する。
3: 間接的嚥下訓練を行う。
4: 関節可動域訓練を1日2回行う。
5: 右上肢の自己介助運動を指導する。
65歳の女性。右中大脳動脈領域の脳梗塞。発症後3日経過。ベッドサイドでの作業療法が開始された。GCS(Glasgow coma scale)はE3+V2+M5=10、血圧は不安定でギャッジアップ60°で収縮期血圧が25 mmHg低下する。背臥位では頸部が右回旋している。この患者の作業療法で適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 経口摂食による嚥下訓練
2: 右から左への寝返り動作訓練
3: 上衣の更衣動作によるADL訓練
4: 声かけによるコミュニケーション訓練
5: 左上肢への感覚刺激による注意喚起訓練
34歳の男性。交通事故による脳外傷。救急入院後10日目。頭部MRI検査でびまん性軸索損傷および左前頭部の脳挫傷を認める。JCS(Japan coma scale)は、現在は20に回復しているが、呼吸状態は不安定。左上下肢には随意運動を認めるが、四肢に著しい痙縮を認め、上肢は屈曲位、下肢は伸展位の姿勢をとることが多い。この時期の理学療法で適切でないのはどれか。2つ選べ。
1: 脳卒中右片麻痺と同様の回復を示すと予測する。
2: 尖足予防のため夜間装具を用いる。
3: 訓練前に意識状態、呼吸状態を確認する。
4: 体位を調整して四肢筋緊張の緩和を図る。
5: 立位訓練を進める。
65歳の女性。右中大脳動脈領域の脳梗塞。発症後3日経過。ベッドサイドでの作業療法が開始された。GCS(Glasgow coma scale)はE3+V2+M5=10、血圧は不安定でギャッジアップ60°で収縮期血圧が25 mmHg低下する。背臥位では頸部が右回旋している。作業療法の初回評価として適切なのはどれか。
1: 表在感覚
2: 端座位姿勢
3: 追視による眼球運動
4: 簡易上肢機能検査(STEF)
5: Trail Making Test(TMT)
78歳の男性。慢性閉塞性肺疾患の急性増悪により人工呼吸器管理中である。意識レベルJCS〈Japan Coma Scale〉Ⅱ-20、体温37.5℃、呼吸数は26回/分、努力性呼吸を認める。二次的合併症の予防目的で行う理学療法で適切でないのはどれか。
1: 呼吸介助
2: 体位排痰法
3: ベッドアップ
4: 関節可動域運動
5: 徒手的抵抗運動
70代の女性。右利き。脳出血による重度の右片麻痺。長男の家族と同居している。発症後7か月で訪問による作業療法が開始された。初回評価のCOPMの結果を表に示す。適切なのはどれか。
1: 介入後に遂行度と満足度とを再評価する。
2: ADLである入浴から介入を開始する。
3: 麻痺側上肢での調理を実施する。
4: すべて12段階で評価する。
5: 猫の世話は家族に任せる。
65歳の女性。左被殻出血。発症後4日。ベッドサイドでの作業療法が開始された。JCS(Japan Coma Scale)はⅠ‐1だが問いかけに対する返答に間違いが多い。初回の作業療法評価として適切なのはどれか。2つ選べ。
1: STEF
2: 関節可動域測定
3: 三宅式記銘力検査
4: カナダ作業遂行測定(COPM)
5: Brunnstrom法による運動検査
65歳の女性。右利き。脳梗塞による右片麻痺。発症後5日経過。ベッドサイドでの作業療法の評価として適切でないのはどれか。
1: 起座時には血圧を測定する。
2: 病棟でのADLについて情報を得る。
3: 端座位の保持は左側から介助する。
4: 言語機能のスクリーニングを行う。
5: 左手の物品操作能力を確認する。
65歳の女性。脳梗塞。右片麻痺発症後5日目。重度の麻痺。意識清明。安静時血圧は正常範囲で安定している。理学療法で誤っているのはどれか。
1: バイタルサインは理学療法実施前、実施中、実施後にチェックする。
2: 安静時の患側上肢の肩甲帯は前方突出位に保持する。
3: 安静時の患側下肢は股関節伸展・外転・外旋位および膝伸展位に保持する。
4: ベッドサイドで患肢の他動的関節可動域訓練を行う。
5: ベッド上でバックレストを用いた座位訓練を行う。
65歳の女性。脳幹部の梗塞で、発症2日後からベッドサイドでの作業療法が処方された。血圧は不安定で、意識レベルも変動している状態である。この患者のベッドサイドでの早期作業療法プログラムとして適切なのはどれか。
1: 車椅子で30分間座位耐性訓練を行う。
2: 麻痺側上肢の筋力強化を図る。
3: 書字練習により手指機能を高める。
4: 背臥位で上肢の両側活動を行う。
5: ベッド上座位での食事動作訓練を行う。
58歳の女性。脳梗塞による右片麻痺。発症後5日経過。理学療法では座位訓練が開始された。ベッドサイドでの作業療法の初回評価として適切でないのはどれか。
1: リスクを確認する。
2: 病棟での生活状況について情報を得る。
3: 簡易上肢機能検査(STEF)を行う。
4: 精神機能のスクリーニングを行う。
5: 身体機能の検査は負荷にならないものから始める。
62歳の女性。脳梗塞発症後3日目。早期の離床とADL獲得を目標に作業療法が開始された。初回の訪室時、目を閉じていたが呼びかけると開眼した。発語は聞き取れるが内容に一貫性がみられない。運動の指示に応じた動きは見られず、四肢は屈曲する傾向がある。バイタルサインは、体温37.1℃、脈拍は98/分、不整脈は認めず、血圧140/98 mmHg、経皮的動脈血酸素飽和度(SpO2)は98%であった。問いかけへの返答があいまいで自覚症状を十分に聴取できなかったため、主治医に確認した上で、リハビリテーションの中止基準(日本リハビリテーション医学会による)を遵守することを前提に離床させることとなった。作業療法開始後、中止する必要があるのはどれか。2つ選べ。
1: 脈拍が140/分を超えたとき
2: 不整脈が出現したとき
3: 拡張期血圧が110 mmHgとなったとき
4: 収縮期血圧が170 mmHgとなったとき
5: SpO2が95%になったとき
50歳の女性。脳梗塞による右片麻痺。発症5日経過。ブルンストローム法ステージは上肢、手指、下肢ともにIであり、ベッド上座位保持が5分間可能となった。この時期のADLとして適切なのはどれか。2つ選べ。
1: トイレでの排泄を誘導する。
2: 食事の際、右手で食器を押さえる。
3: 日中は離床し車椅子に座る。
4: ズボン着脱は背臥位で介助する。
5: 左手で右手の清拭を行う。
65歳の男性。右利き。突然の意識消失のため救急搬入された。診察時のJCSⅢ-200、血圧210/120 mmHg、脈拍90/分であった。搬送時の頭部CTを示す。意識を回復した際に認められるのはどれか。2つ選べ。
1: 左半側空間無視
2: 右上肢麻痺
3: 左下肢失調
4: 相貌失認
5: 失語症
65歳の女性。脳幹部の梗塞で、発症2日後からベッドサイドでの作業療法が処方された。血圧は不安定で、意識レベルも変動している状態である。ベッドサイドでの作業療法の初回評価として適切なのはどれか。
1: 追視による眼球運動の評価
2: ベッド上での座位バランス評価
3: ミニメンタルステート検査
4: 簡易上肢機能検査(STEF)
5: 机上での線引きテスト
60歳の男性。脳血管障害による右片麻痺。ベッドから車椅子への移乗は1人で何とか可能である。ベッドから車椅子への移乗場面の初回評価において、ベッド、車椅子および作業療法士の相対的な位置関係で適切なのはどれか。
79歳の女性。左視床出血1週後、理学療法を開始した。JCS(Japan coma scale)は2点、喚語困難がみられる。Brunnstrom法ステージは上肢V、手指IV、下肢V。上下肢の関節覚は重度の低下。座位保持は1分程度可能であるが易疲労性。立位保持は軽度の介助で短時間であれば可能である。この患者に対する理学療法で適切なのはどれか。
1: 立位での二重課題
2: 交互型歩行器での歩行運動
3: 麻痺側下肢に対する筋力増強
4: 座位での麻痺側手指の巧緻運動
5: 視覚代償による麻痺側下肢の感覚再教育