脳卒中片麻痺のADL指導で正しいのはどれか。
1: 前方いざり移動では健側上肢を殿部の前に置く。
2: 歩行用の手すりは引っぱるように誘導する。
3: 便器の高さは車椅子の座面よりも低くする。
4: ベッドは健側が壁側にくるようにする。
5: 椅子からの立ち上がりでは、まず健側足部を引き寄せる。
55歳の女性。右利き。脳梗塞による左片麻痺。発症15日目のブルンストローム法ステージは上肢III・手指III・下肢III、左足にクローヌスと内反尖足を認める。感覚障害や高次脳機能障害はない。早期に移動能力を獲得するために適切な装具はどれか。
1: 靴型装具
2: 短下肢装具
3: 硬性膝装具
4: 長下肢装具
5: 骨盤帯付長下肢装具
78歳の女性。脳梗塞発症後に中等度の左片麻痺を呈した。回復期リハビリテーション病棟を経て自宅での生活に戻っている。現在、家族の促しがあれば1 kmの歩行が可能であるが、日常生活ではあまり外出しない。この患者への理学療法で適切なのはどれか。
1: トレッドミル歩行
2: 電動車椅子の導入
3: 屋外での歩行練習
4: 左片麻痺の回復促進
5: 不整地でのバランス練習
40歳の男性。脳梗塞による左片麻痺。「手を腰の後ろに回してください」、「肘を曲げずに腕を前から水平位まで上げてください」の指示に左上肢はそれぞれ図のようになった。左上肢の状態として適切なのはどれか。
1: 基本的共同運動の最初の要素が出現している。
2: 痙縮の発現期である。
3: 痙縮が最も強い時期である。
4: 基本的共同運動から逸脱した運動が出現している。
5: 分離運動が自由に可能である。
歩行障害とその原因の組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。
1: frozen gait ── 小脳性運動失調
2: scissors gait ── パーキンソニズム
3: steppage gait ── 総腓骨神経麻痺
4: waddling gait ── 下肢帯の筋力低下
5: wide-based gait ── 両下肢の痙縮
車椅子からの立ち上がり時に、後方重心となり介助を要する脳卒中片麻痺患者への対応で正しいのはどれか。
1: 立ち上がる前に車椅子に深く座らせる。
2: 両足の内側を密着させる。
3: 足部は膝の位置より後方に引かせる。
4: 天井を見るように指示する。
5: 介助者がズボンを持って上に引き上げる。
68歳の男性。脳梗塞による左片麻痺。発症後3か月時、腰掛座位において図のように右上下肢で接触面を強く押して左側に転倒する現象を認めた。座位バランス獲得のための理学療法で適切でないのはどれか。
1: 鏡で姿勢の傾きを認知させる。
2: 座面を上げて両下肢を浮かせる。
3: 治療者が左側から繰り返し押し返す。
4: 右上肢を前方のテーブルに載せる。
5: 点滴棒など垂直指標に体幹を合わせる。
4歳の男児。脳性麻痺痙直型両麻痺。図のような理学療法を行っている。訓練目的として誤っているのはどれか。
1: 上肢パラシュート反応の促通
2: 股関節内転筋の緊張抑制
3: 股関節伸展筋の促通
4: 体幹伸展筋の促通
5: 膝屈曲筋の促通
麻痺と下肢装具との組合せで正しいのはどれか。
1: 弛緩型片麻痺-骨盤帯付長下肢装具
2: 痙直型脳性麻痺-交互歩行装具(RGO:Reciprocating Gait Orthosis)
3: 大腿神経麻痺-PTB免荷装具
4: 腓骨神経麻痺-靴べら型装具
5: 脛骨神経麻痺-後方制動足継手付短下肢装具
70歳の男性。脳梗塞による右片麻痺。Brunnstrom法ステージは上肢Ⅱ、下肢Ⅲ。下肢の随意運動は共同運動がわずかに認められる程度である。歩行はT字杖にて室内は自立している。ADL指導で正しいのはどれか。2つ選べ。
66歳の女性。右利き。階段から転落。転落直後は意識消失していたが、数分後に意識回復。しばらくの間、意識は清明であったが、1時間後に手足の麻痺が出現し、再び意識が低下して昏睡になった。救急搬送時の頭部CTを示す。外科的手術が行われたが、片麻痺を伴う左大脳半球障害を残した。出現しやすい症状はどれか。
1: 右の方ばかりを見る。
2: 家族の顔が認識できない。
3: 服の裏表を間違えて着る。
4: 自分の右手足は動くと言う。
5: スプーンを逆さまに持って使う。
アテトーゼ型脳性麻痺児の症状と訓練課題との組合せで適切なのはどれか。
1: 定頸不良 — 背臥位で下肢を挙上する。
2: 体幹過伸展 — 座面の高い椅子で座位を保持する。
3: 手指の過伸展 — 豆をつまむ。
4: 目と手の協調障害 — ボールプールで遊ぶ。
5: 動的バランス不良 — セラピーボールに乗って揺らす。
87歳の女性。脳卒中による重度の右片麻痺。回復期リハビリテーション病棟に入院中。座位での基本動作は自立。認知機能は保たれている。短下肢装具と4点杖で5 mまでは自力での歩行が可能。介助があればT字杖で20 m程度の歩行は可能。ここ2か月は状態に大きな変化はみられない。最近、介護老人保健施設への退院が決まった。退院後の生活上の移動手段で実用的なのはどれか。
1: T字杖を使用した介助歩行
2: 4点杖を使用した自力歩行
3: 4点杖を使用した介助歩行
4: 手すりを利用した自力歩行
5: 車椅子
脳卒中後の左片麻痺の患者が車椅子からベッドへの移乗動作を行う際の介助方法として適切なのはどれか。
1: 装具は外して行う。
2: 車椅子の後方から介助する。
3: 車椅子上で殿部を前方に移動させておく。
4: ベッドに対して車椅子を平行に設置する。
5: ベッドの高さは車椅子の座面より高くしておく。
脳性麻痺で正しいのはどれか。
1: アテトーゼ型では下肢より上肢の支持性が良い。
2: アテトーゼ型では初期は低緊張である。
3: 痙直型では出生直後から筋緊張が亢進する。
4: 痙直型両麻痺では下肢より上肢の麻痺が重度である。
5: 痙直型片麻痺では上肢より下肢の麻痺が重度である。
異常歩行と原因の組合せで正しいのはどれか。
1: 鶏 歩――――――脛骨神経麻痺
2: 踵足歩行―――――脳卒中
3: 動揺歩行―――――小脳性運動失調症
4: 大殿筋歩行――――筋ジストロフィー
5: はさみ脚歩行―――正常圧水頭症
電気刺激療法の適応とならないのはどれか。
1: 脳卒中片麻痺患者の歩行における足背屈補助
2: 変形性膝関節症による疼痛の軽減
3: 末梢性顔面神経麻痺の機能回復
4: 脊髄損傷の起立動作補助
5: 褥瘡の組織修復の促進
65歳の男性。脳梗塞で左片麻痺となり1か月が経過した。Brunnstrom法ステージで上肢Ⅳ、手指Ⅳ、下肢Ⅳ。認知機能と感覚とに障害はない。非麻痺側上肢に機能的な問題はない。短下肢装具を用いて屋内歩行が可能。作業療法で適切でないのはどれか。
1: 両手で用いたループ付きタオルによる洗体
2: 立位で左手を用いたズボンの引き上げ
3: 両手で頭上の高さの棚に衣類を収納
4: 左手を用いたテーブルの雑巾がけ
5: 両手を用いたタオルたたみ
7歳の男児。脳性麻痺の痙直型両麻痺。GMFCSレベルⅢ。床上を前方へ移動する様子を示す。考えられる状態はどれか。
1: 頭部保持能力の低下
2: 両側上肢の支持能力の低下
3: 下部体幹の支持能力の低下
4: 両側肩甲帯周囲筋の筋緊張低下
5: 左右股関節の交互分離運動能力の低下