70歳の男性。身長180 cm、体重90 kg。脳梗塞のため麻痺肢に内反尖足がみられる。10 mであれば独歩可能であるが、軽度の分回し歩行となる。意識してゆっくりと歩けば分回しを軽減することは可能であるが、遊脚相の股関節屈曲は増加し立脚中期に膝過伸展がみられる。2動作前型で屋外歩行の自立を目標に理学療法を進めている。この患者に適切なのはどれか。
1: 装具は不要
2: 軟性足装具
3: プラスチック短下肢装具(ショートタイプ、継手なし)
4: プラスチック短下肢装具(つま先までの標準型、継手なし)
5: 金属支柱付短下肢装具
8歳の男児。転倒して橈骨遠位端骨折と診断され、6週間のギプス固定が行われた。固定除去後、関節可動域制限と筋力低下を認めた。物理療法で適切なのはどれか。
1: 機能的電気刺激
2: 極超短波
3: 超音波
4: 紫外線
5: 渦流浴
10歳の男児。Duchenne型筋ジストロフィー。独歩不可能で、屋外は車椅子で、室内では四つ這い移動が可能。上肢に拘縮はなく、座位で上肢の使用が可能である。この時期に優先して行うべき評価はどれか。
1: 知能検査
2: 深部腱反射
3: 神経伝導速度
4: 呼吸機能検査
5: 前腕回内外試験
痙直型片麻痺児の促通すべき要素で誤っているのはどれか。
1: 患側肩甲帯の前方突出
2: 正中位での上肢活動
3: 体幹の支持性
4: 立位で下肢の陽性支持反射
5: 座位での平衡反応
1歳の男児。アテトーゼ型脳性麻痺。摂食機能評価では舌の軽度突出が見られる。スプーンを口腔内に入れると口唇の閉鎖とある程度の舌運動とが確認できる。母乳を哺乳瓶で与えているが飲むのに時間がかかる。離乳食を与えるときの姿勢確保に適切な肢位はどれか。ただし、食事を与える介助者は別にいるものとする。
3歳の男児。脳性麻痺による右片麻痺。背臥位から図のように起き上がる。影響する反射はどれか。
1: Moro反射
2: Galant反射
3: 緊張性迷路反射
4: 交叉性伸展反射
5: 非対称性緊張性頸反射
脳血管障害回復期の患者。麻痺は上下肢ともにブルンストローム法ステージIIIで座位バランスは悪い。バランス反応と上肢分離運動促進とを目的に図に示すような自動介助運動をゆっくり繰り返した。このとき出現しやすいのはどれか。2つ選べ。ア.前方移動時に重心が後方に残る。イ.患側肩関節は外転位になる。ウ.患側肩甲帯は前方突出する。エ.患側股関節は内転位になる。オ.患側足関節は外反位になる。
1: ア
2: イ
3: ウ
4: エ
5: オ
4歳10か月の男児。脳性麻痺。現在割り座であれば床上で座位保持が可能であり、椅子上での座位は自立している。立位は、物につかまれば保持できる。歩行には車輪付きの歩行器を利用しており、介助があれば階段を昇ることができる。Gross Motor Function Classification System(GMFCS)によるレベルはどれか。
1: レベルI
2: レベルII
3: レベルIII
4: レベルIV
5: レベルV
58歳の女性。脳梗塞による右片麻痺。発症後5日経過。理学療法では座位訓練が開始された。評価により意識レベルはJCS(Japan Coma Scale)で1桁、ブルンストローム法ステージは上肢・下肢ともにII、手指はIであった。早期プログラムとして適切でないのはどれか。
1: 座位での上肢帯のポジショニングの指導
2: 麻痺側の自動介助運動の指導
3: 臥位時の三角巾による上肢の固定方法の指導
4: 非麻痺手による物品操作の指導
5: 食事動作の指導
19歳の男性。オートバイ事故による頭部外傷で入院加療中。受傷後1か月。JCS(Japan coma scale)はⅠ-1。右上下肢は良く動かすが、左上下肢の筋緊張は亢進し、上肢屈曲位、下肢伸展位の姿勢をとることが多い。座位保持は可能であるが、体幹の動揺がみられる。この時期の理学療法で適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 介助なしでのT字杖を用いた歩行練習
2: 臥位での左上肢のFrenkel体操
3: 座位での左下肢筋の持続伸張
4: 立位でのバランス練習
5: 階段を降りる練習
7歳の女児。アテトーゼ型脳性麻痺。GMFCSレベルⅣ。頭部は右を向きやすく、上肢はATNR様の姿勢をとる。利き手は右であるが物を持続的に把持する能力は低い。食事訓練場面では座位保持装置に座って肘当てと同じ高さのテーブルで、スプーンでの自力摂取を試みている。食事訓練における作業療法士の対応として適切なのはどれか。
1: BFO利用する。
2: テーブルを補高する。
3: 皿をテーブルの右側に置く。
4: スプーンの柄が細いものを選ぶ。
5: 座位保持装置を床から60度の角度でティルティングする。
椅子からの立ち上がり動作を観察したところ、両上肢で大腿前面を支持し、過度に体幹を前傾した状態から殿部離床し、その後体幹を前傾したまま早期に膝関節の伸展が見られた。最後に体幹を伸展し立ち上がりを終了した。この間、顕著な姿勢の動揺は認めなかった。この動作異常が生じている心身機能・身体構造の問題点として最も考えられるのはどれか。
1: 無 動
2: 片麻痺
3: 運動失調
4: 両下肢筋力低下
5: 両股関節伸展可動域制限
痙直型両麻痺児の歩行の特徴で誤っているのはどれか。
1: 体幹の側方動揺が大きい。
2: 股・膝関節の屈曲が大きい。
3: 股関節が内転位になりやすい。
4: 足先から接地する。
5: 上肢は伸展位をとる。
脳血管障害による片麻痺患者の理学療法で正しいのはどれか。2つ選べ。
1: 下肢装具は立ち上がりが自立してから用いる。
2: 歩行時の膝折れに膝軽度屈曲位で体重負荷を行う。
3: 座位バランスが完成してから立位訓練を開始する。
4: 痙縮筋の緊張抑制の目的で持続伸張法を行う。
5: 麻痺筋に対しては筋力増強訓練を行わない。
72歳の男性。脳梗塞による左片麻痺。発症後3週。平行棒内立位訓練で図のような姿勢を呈する。この症状を改善するための理学療法で適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 歩隔を広くして支持基底面を大きくさせる。
2: 右手で平行棒を引っ張るよう指示する。
3: 理学療法士が骨盤を左側から健側方向に押す。
4: 前方に鏡を置いて不良姿勢を認識させる。
5: レイミステ現象を利用して臥位で患側の股関節内転筋を強化する。
14歳の男子。デュシェンヌ型筋ジストロフィーのステージ7(厚生省筋萎縮症研究班機能障害度分類による)。座位保持可能。理学療法として適切でないのはどれか。
1: 座位保持装置の製作
2: 体幹のストレッチング
3: 横隔膜強化の呼吸訓練
4: 四つ這いでの床上移動訓練
5: キーボードを利用した手指機能訓練
11歳の男児。Duchenne型筋ジストロフィー。症状が進行し、独歩が困難となり車椅子を導入した。つかまり立ちは可能だが、椅子からの立ち上がりや伝い歩きはできない。床上では座位は安定しており四つ這い移動も可能である。厚生省筋萎縮症研究班の機能障害度分類でのステージはどれか。
1: ステージ2
2: ステージ3
3: ステージ4
4: ステージ5
5: ステージ6
65歳の男性。脳卒中左片麻痺。発症後3か月経過。Brunnstrom法ステージは上肢、手指、下肢ともにII。左肩関節には1横指の亜脱臼があり、肩手症候群を合併している。座位は不安定で、体幹は患側前方へ傾く。理学療法で適切でないのはどれか。
1: 患側下肢の随意運動の促通
2: 患側片肘立ちからの起き上がり練習
3: 座位での健側上肢体重支持の練習
4: 座位で両側への重心移動練習
5: 長下肢装具を用いた平行棒内立位練習
75歳の男性。脳梗塞による左片麻痺。発症後1か月で回復期リハビリテーション病棟に転棟した。平行棒内歩行にて立脚相で図のような状況を呈した。立位歩行練習時の患側への対応で適切でないのはどれか。
1: 踵部の補高
2: 短下肢装具の使用
3: 膝屈曲位での立位保持練習
4: 前脛骨筋の治療的電気刺激
5: 下腿三頭筋へのタッピング
脳性麻痺児のADLで適切でないのはどれか。
1: 座位は腹臥位→四つ這い位→座位の順で行うのが容易である。
2: 痙直型では割り座位が安定するので奨励する。
3: 痙直型では男子用トイレでは体幹支持バーが介助に有効である。
4: アテトーゼ型では滑り止めマットなどで食器を固定すると良い。
5: アテトーゼ型では足で蹴って車椅子駆動を行う。