55歳の女性。乳癌。ステージⅣ。今回、両下肢の脱力を認めて受診した。腰椎と肋骨の多発病的骨折と診断された。L2以下の不全対麻痺を認め、放射線治療終了後に作業療法開始となった。ベッド上生活で食事以外には介助を要していた。Performance Statusは4である。患者は「足が動かないが、家族と暮らしたい」、家族は「できれば家につれて帰りたい」と希望した。この患者への作業療法について適切なのはどれか。
1: 退院の時期を決定する。
2: 下肢機能訓練は行わない。
3: 福祉用具の適応を検討する。
4: 現時点から積極的な離床を図る。
5: ADL訓練時にはコルセットは装着しない。
80歳の女性。転倒によって左大腿骨頸部内側骨折を受傷。人工骨頭置換術(セメントレス)施行2週後の理学療法で適切でないのはどれか。
変形性膝関節症で正しいのはどれか。2つ選べ。
1: 中年期以降の肥満女性に好発する。
2: 頻度は変形性股関節症より低い。
3: 起立動作時よりも歩行時に痛みが強い。
4: 進行すると膝外反変形を生じやすい。
5: エックス線写真で関節裂隙の狭小化がみられる。
82歳の女性。右利き。手関節脱臼骨折後、手関節掌屈0°、前腕回外10°の可動域制限がある。それ以外の上肢の関節可動域や筋力は保たれている。歯がなく、義歯を装着していない為にきざみ食を箸で食べているが、肩関節外転の代償運動が出現している。「こぼれやすく、口に届きにくい。右手で楽に食べたい」との訴えがある。食事用自助具を示す。適切なのはどれか。
68歳の男性。作業中に脚立の上から転落したため搬入された。強い腰痛を訴え、下肢の運動麻痺が認められる。脊椎MRIを示す。同日、脊椎固定術を行い、リハビリテーションを開始した。受傷3か月後のMMTによる筋力を表に示す。この時点で、下肢に使用する装具として適切なのはどれか。
1: MSH-KAFO
2: 右KAFO
3: 右KO
4: 右AFO
5: 右足底装具
70歳の男性。変形性膝関節症に対する人工関節全置換術後6週経過。全荷重歩行可能。日常生活の指導で誤っているのはどれか。2つ選べ。 ア.和式トイレ動作イ.あぐら座位ウ.シャワー椅子座位エ.T字杖歩行訓練オ.固定自転車こぎ
1: ア
2: イ
3: ウ
4: エ
5: オ
56歳の男性。階段で足を滑らせ階下まで転落し、病院に搬送された。入院時の頸椎エックス線写真(A)、CT(B)及びMRI(C)を示す。頸椎・頸髄の病変について誤っているのはどれか。
1: 前縦靭帯の骨化
2: 後縦靭帯の骨化
3: 頸椎の脱臼骨折
4: 頸髄内の損傷像
5: 椎体の骨棘形成
25歳の男性。野球の試合で走塁中に大腿後面に違和感と痛みとを生じた。近くの整形外科を受診したところ、大腿部エックス線写真では骨折を認めなかった。物理療法で適切なのはどれか
1: 交代浴
2: 極超短波
3: アイシング
4: ホットパック
5: パラフィン浴
6歳の男児。1か月前から左足部痛を訴えた。エックス線写真を示す。最も考えられるのはどれか。
1: Sever病
2: 舟状骨骨折
3: Freiberg病
4: 足根骨癒合症
5: 第1Köhler病
55歳の女性。関節リウマチ。発症後3年。Steinbrocker(スタインブロッカー)のステージIII、クラス3、環軸椎間に亜脱臼がある。両肩肘の可動域制限は著明である。両手関節に運動時疼痛がある。作業療法で正しいのはどれか。2つ選べ。
1: 関節可動域訓練は関節炎があるときも通常量で継続する。
2: 手関節可動域訓練は訓練後疼痛が残らない程度に行う。
3: 頭頸部の屈筋の筋力強化を行う。
4: 等尺性収縮を利用した運動で上肢の筋力維持を図る。
5: 革細工のカービングで手指の巧緻性を高める。
50歳の男性。筋萎縮性側索硬化症。発症後5年経過し、歩行は自立しているが、更衣、入浴動作に介助が必要である。この時期の理学療法で正しいのはどれか。2つ選べ。 ア.高負荷での筋力増強訓練イ.頸椎固定装具の作製ウ.電動車椅子の操作エ.呼吸筋群の強化訓練オ.上肢の関節可動域訓練
1: ア
2: イ
3: ウ
4: エ
5: オ
75歳の男性。転倒した後の股関節エックス線写真正面像を示す。骨折部位はどれか。
1: 臼蓋部
2: 大腿骨頸部
3: 大腿骨転子部
4: 大腿骨転子下
5: 大腿骨顆部
55歳の女性。筋萎縮性側索硬化症。発症後5年経過し、在宅療養中。現在、座位時間は1日4~5時間。車椅子の駆動はかろうじて可能。夫と息子は自宅の一角で自営業を営んでいる。仕事の忙しい時間帯はヘルパーを頼んでいる。患者の話す声は、かろうじて聞き取れる程度である。この患者の作業療法で適切でないのはどれか。
1: 四肢の関節可動域訓練
2: モビールを吹く呼吸筋強化
3: ブロックでつまみ動作の訓練
4: 治療用パテで手指の筋力維持
5: 紙ヤスリで感覚再教育訓練
25歳の男性。野球の試合で走塁中に右大腿後面に違和感と痛みとを生じ、近くの整形外科を受診した。大腿部エックス線写真では骨折を認めなかった。現時点の対応で適切でないのはどれか。
1: 下肢の挙上
2: 浮腫の予防
3: アイシング
4: 超音波照射
5: 弾性包帯での圧迫
45歳の女性。3日前、自宅で荷物を持ち上げた際に、腰部と左下腿の後面から足背外側部にかけての強い痛みがあった。安静にしていたが、疼痛が軽快しないため受診し、腰椎椎間板ヘルニアと診断された。発症から2か月が経過し、足背外側部の疼痛と安静時の腰痛は改善したが、労作時に軽度の腰痛が続いているため再度受診した。理学療法として適切でないのはどれか。
1: TENS
2: ホットパック
3: Williams型装具の装着
4: 体幹筋群の筋カトレーニング
5: ハムストリングスのストレッチング
発育性股関節形成不全について正しいのはどれか。
1: 開排は制限されない。
2: 大腿骨頭の前方脱臼が多い。
3: 乳児期ではリーメンビューゲル装具を用いる。
4: 2歳以上では外転位保持免荷装具を用いる。
5: 二次的な変形性股関節症にはなりにくい。
45歳の男性。半年前から左上肢遠位部の脱力、3か月前から左上肢の筋萎縮と右上肢の脱力、さらに最近歩行障害と構音障害を認めるようになり、神経内科で筋萎縮性側索硬化症と診断された。現時点で認められる可能性が高いのはどれか。
1: 褥 瘡
2: 振動覚低下
3: 眼球運動障害
4: 膀胱直腸障害
5: Hoffmann反射陽性
72歳の女性。転倒し、左手をついた。左手関節部に疼痛と腫脹が生じ、近くの病院を受診し徒手整復後ギプス固定を受けた。骨癒合後の画像示す。手関節尺屈により尺骨頭部の疼痛とクリック音がする。手指の機能障害はない。生じている合併症で考えられるのはどれか。
1: 反射性交感神経性ジストロフィー
2: 尺骨突き上げ症候群
3: 長母指伸筋腱断裂
4: 正中神経損傷
5: 月状骨脱臼
40歳の男性。筋萎縮性側索硬化症。発症から2年で、下肢には軽度の痙性麻痺が認められ、膝折れやつまずきなどの歩行障害が出現している。上肢は筋萎縮が著明で食事や衣服着脱は全介助。構音障害も出現している。この時期の理学療法で適切でないのはどれか。
1: 呼吸訓練
2: 上肢のROM訓練
3: 上肢の抵抗運動訓練
4: 立位バランス訓練
5: 短下肢装具での歩行訓練
82歳の女性。脳卒中後の右片麻痺。プラスチック製短下肢装具を装着してT字杖歩行が可能である。装具は足尖までの長さで足継手はない。Brunnstrom法ステージでは上肢Ⅳ、下肢Ⅴ。右立脚後期が歩行周期の中で極端に短く安定性も低下している。装具に修正を加えたところ歩容は改善した。装具に加えた修正はどれか。
1: 装具の高さをヒラメ筋の起始部付近まで低くした。
2: 足関節部の固定性を強化(コリュゲーション)した。
3: 中足指節関節部から遠位を切除した。
4: アーチサポートを挿入した。
5: 足部のベルクロの固定を緩めた。