60歳の男性。身長170 cm、体重90 kg。3歳時にポリオに罹患し右下肢単麻痺となった。右長下肢装具を装着し独歩可能であったが、3か月前から歩行が困難となり、左下肢の筋力低下も自覚したためリハビリテーション科を受診した。下肢の状態は図のようであった。理学療法で誤っているのはどれか。
1: 体重の減量を勧める。
2: 杖の使用を検討する。
3: 骨盤帯付き長下肢装具に変更する。
4: 左下肢筋の過用を防ぐ生活指導を勧める。
5: 足底板を用いて脚長差の再調整を行う。
63歳の男性。脊髄小脳変性症により在宅生活を送っている。重症度分類は下肢Ⅲ度(中等度)、上肢Ⅳ度(重度)である。日常生活で使用する福祉用具で誤っているのはどれか。
1: ポータブルスプリングバランサー
2: キーボードカバー付きパソコン
3: シャワーチェアー
4: ポータブルトイレ
5: 歩行器
75歳の女性。Parkinson病。Hoehn & Yahrの重症度分類ステージⅣ。歩行時に小刻み歩行、突進現象、すくみ足が出現する。歩行練習として適切なのはどれか。
1: 速く歩く。
2: 広いところで歩く。
3: 床に引いた一本線上を歩く。
4: 目標地点の手前を注視して歩く。
5: お盆に載せたコップを運びながら歩く。
72歳の男性。Parkinson病でHoehn & Yahrの重症度分類ステージⅢ。60歳代前半に発症し、投薬治療で経過観察されていたが、小刻み歩行やすくみ足が出現し、1日複数回転倒するようになってきている。特に方向転換を必要とする箇所での転倒が多い。自宅の見取り図を示す。転倒防止のための対応で誤っているのはどれか。
1: リビングでは椅子(A)を使用する。
2: トイレの扉(B)を引き戸に改修する。
3: 浴室の入り口側の壁の洗い場と浴槽の間(C)に縦手すりを設置する。
4: 浴槽内(D)に台を設置する。
5: ベッドへのアプローチのために床(E)にテープで目印をつける。
56歳の女性。3年前に右手の振戦で発症したParkinson病患者。数か月前から前傾姿勢を認めるようになった。事務員として仕事をしている。理学療法として優先されるのはどれか。
1: リズム音を用いた歩行訓練
2: 体幹筋のストレッチ訓練
3: 呼吸リハビリテーション
4: 下肢の筋力増強訓練
5: 環境整備
55歳の男性。3年前からろれつが回らず歩行が不安定で介助が必要であり、起き上がるとめまいが起こる。上肢の測定障害のためADLが制限されている。頭部MRIを示す。この患者に対する適切な治療計画はどれか。
1: 四つ這い訓練
2: 主動筋と拮抗筋との協調運動訓練
3: 反動を利用した立ち上がり訓練
4: ロフストランド杖による歩行訓練
5: 改造自動車を利用した移動の指導
62歳の男性。心筋梗塞発症当日に入院。発症後3日から理学療法を開始している。合併症はない。発症後5日の理学療法で適切でないのはどれか。
1: ベッド上での肘関節自動運動
2: ベッド上での足関節自動運動
3: 両下肢の他動運動
4: ギャッチベッド上での座位
5: ブリッジ運動
53歳の女性。Parkinson病。Hoehn&Yahrの重症度分類StageⅢ。薬物コントロールができ次第退院の予定である。作業療法が適切でないのはどれか。
60歳の男性。10年前にParkinson病と診断された。日常生活は自立している。すくみ足のため自宅で頻回に転倒するようになった。この患者に対する指導で適切なのはどれか。
1: スリッパを履くよう勧める。
2: 足関節に重錘バンドを装着する。
3: T字杖歩行を指導する。
4: 車椅子での移動を指導する。
5: 自宅での手すり設置の場所を指導する。
65歳の男性。脳梗塞による左片麻痺。発症後3か月。1か月前から平行棒内で歩行練習を行っている。現在の歩行パターンを図に示した。この症例の一歩行周期における二重支持期の時間で正しいのはどれか。ただし、図の数値は経過時間を示す。
1: 0.6秒
2: 1.0秒
3: 1.6秒
4: 2.0秒
5: 2.7秒
75歳の男性。3年前にParkinson病を発症。Hoehn & Yahrの重症度分類ステージⅢ。3か月前からトイレ前で小刻み歩行を生じるほか、歩行や立ち座りが不安定となり、屋内移動で妻の介助が必要となった。現在、妻とマンションで2人暮らしである。自宅の住環境整備で適切でないのはどれか。
1: ベッドに介助バーを設置する。
2: 居室の出入り口を開き戸にする。
3: 脱衣場と浴室の段差を解消する。
4: 寝室からトイレの廊下に手すりを設置する。
5: トイレ前の廊下にはしご状の目印をつける。
50歳の男性。閉塞性動脈硬化症。300 m程度の歩行ごとに下肢の痛みのために5~6分の休息をとる。座位や立位時に痛むことはない。理学療法で適切なのはどれか。
1: 寒冷療法
2: 極超短波療法
3: トレッドミル歩行練習
4: PNFによる最大抵抗運動
5: 弾性ストッキングによる圧迫療法
56歳の男性。左片麻痺。脳梗塞発症後3か月。ブルンストローム法ステージは上肢III、手指III、下肢III。感覚や認知に問題なく、歩行は短下肢装具、杖にて室内は自立。この患者の床からの立ちあがり動作指導で適切でないのはどれか。
1: ア、イ
2: ア、オ
3: イ、ウ
4: ウ、エ
5: エ、オ
70歳の男性。身長170 cm、体重60 kg。慢性心不全でNYHA分類classⅡ。在宅におけるリハビリテーションを行っている。在宅での生活と運動指導で正しいのはどれか。
1: 安静時間を長くする。
2: Borg指数で15程度の運動を勧める。
3: 体重増加は栄養改善の良い指標である。
4: 疲労感が残存しているときは運動を休む。
5: 症状に特別な変化がない場合は服薬を中止する。
パーキンソン病患者の作業種目で適切でないのはどれか。
1: 体幹の回旋を含んだ棒体操
2: 立位でのシャッフルボード
3: 机上での織物
4: 机上での木彫
5: 壁面を利用したはり絵
70歳の男性。慢性閉塞性肺疾患で%VC 70%、FEV1.0% 75%。この患者に対する理学療法で誤っているのはどれか。
1: 息切れ時のポジショニングの指導
2: 息こらえをしながら立ち上がる訓練
3: 自転車エルゴメーターによる持久力訓練
4: 下肢の筋力強化のためのハーフスクワット訓練
5: 上肢の筋力強化のための四つ這いでの腕立て伏せ訓練
パーキンソン病の理学療法について適切でないのはどれか。
1: 肘這い位での頸部・体幹伸展訓練
2: 体幹の回旋訓練
3: ロフストランド杖を用いた歩行訓練
4: 目印をまたぐ歩行訓練
5: かけ声を利用した歩行訓練
62歳の女性。多発性硬化症。発症から3年経過。寛解と再燃とを繰り返している。四肢筋力は軽度低下し、表在・深部感覚ともに鈍麻している。最近、疲労の訴えが多い。作業療法で適切なのはどれか。
65歳の男性。慢性閉塞性肺疾患。30年の喫煙歴。痰の量が多く、息切れのため50 m歩くと休憩を要する。理学療法で適切でないのはどれか。
1: 体位ドレナージ
2: 胸式呼吸
3: 口すぼめ呼吸
4: 呼吸筋の筋力増強
5: リラクセーション
パーキンソン病患者の理学療法でメトロノームを用いて改善が期待されるのはどれか。
1: 振戦
2: 構音障害
3: 書字障害
4: 平衡機能障害
5: 小刻み歩行