40歳の女性。筋萎縮性側索硬化症。上肢筋力はMMTで近位筋4、遠位筋3である。下肢は内反尖足位であるが歩行可能。最近、手指の疲労があり食事がしにくくなったと訴えている。この患者の食事での対応で適切なのはどれか。
1: 吸口付コップを用いる。
2: 食事支援ロボットを用いる。
3: ユニバーサルカフを用いる。
4: 食器をターンテーブルに置く。
5: ポータブルスプリングバランサーを用いる。
40歳の女性。2年前から歩行障害を自覚し、黄色靱帯骨化症と診断され手術を予定している。特記すべき併存症はみられない。この患者の理学療法の目的で適切でないのはどれか。
1: 痙性歩行の改善
2: 下肢の筋力増強
3: 胸部絞扼感の軽減
4: 上肢の感覚障害の改善
5: 骨盤底筋群の筋力増強
筋萎縮性側索硬化症について正しいのはどれか。2つ選べ。
1: 褥瘡が生じやすい。
2: 嚥下障害が起こる。
3: 筋萎縮は近位に強い。
4: 四肢遠位の感覚障害が強い。
5: 眼球運動は末期まで維持される。
筋萎縮性側索硬化症患者の状態とADL上の工夫との組合せで誤っているのはどれか。
1: 気管切開-透明文字盤
2: 発声の低下-家人を呼ぶためのチャイム
3: 手指筋力低下-ワンスイッチ入力
4: 歩行障害-骨盤帯付長下肢装具
5: 下肢の痙性麻痺-回転移乗盤による移乗
球麻痺を伴う筋萎縮性側索硬化症の理学療法プログラムで適切でないのはどれか。
1: 罹患筋の抵抗運動
2: 呼吸・排痰訓練
3: 嚥下指導
4: コミュニケーション手段の獲得
5: 精神心理的サポート
65歳の男性。脳梗塞による右片麻痺。発症後3か月経過。歩行は自立しているが、痙縮が強く内反尖足と反張膝を示す。理学療法で適切でないのはどれか。2つ選べ。 ア.ハムストリングスの持続的伸張イ.大腿四頭筋の筋力増強ウ.膝関節軽度屈曲位での体重支持エ.下腿三頭筋の持続的伸張オ.足関節背屈筋群のタッピング
1: ア
2: イ
3: ウ
4: エ
5: オ
45歳の女性。筋萎縮性側索硬化症。上肢近位筋の筋力4、遠位筋の筋力3、下肢の筋力4。病棟内のADLは自立している。最近、「箸が使いにくい」と訴えるようになった。上肢機能の維持を目的とした作業療法で適切なのはどれか。
1: 陶芸の菊ねりによる上肢筋力の維持
2: 機織りの整経による上肢可動域の維持
3: 銅板細工による協調運動の維持
4: 革細工のカービングによる手指筋力の維持
5: クロスステッチ刺繍による手指巧緻性の維持
筋萎縮性側索硬化症への対処で誤っているのはどれか。
1: 起居動作の維持
2: 呼吸能力の維持
3: 自己導尿の確立
4: 関節拘縮の予防
5: 移動手段の確保
38歳の女性。32歳時に四肢脱力が出現、多発性硬化症の診断を受け寛解と増悪を繰り返している。2週前に痙縮を伴う上肢の麻痺にて入院。大量ステロイドによるパルス療法を行った。この時点での痙縮の治療手段で正しいのはどれか。
1: TENS
2: 超音波療法
3: 赤外線療法
4: ホットパック
5: パラフィン療法
57歳の男性。脳梗塞による右片麻痺。発症後3か月経過。分回し歩行で歩行時に内反尖足と反張膝とがみられる。足関節は他動的に背屈すると、かろうじて0゚まで矯正可能である。理学療法で誤っているのはどれか。
1: 患側膝軽度屈曲位での体重支持訓練
2: 前脛骨筋のバイオフィードバック療法
3: 下腿三頭筋のストレッチング
4: ハムストリングスの促通
5: 下肢の伸展・内転・外旋PNFパターンの使用
38歳の女性。32歳時に四肢脱力が出現、多発性硬化症の診断を受け寛解と増悪を繰り返している。2週前に痙縮を伴った上肢の麻痺にて入院。大量ステロイドによるパルス療法を行った。この時点での痙縮の治療手段で正しいのはどれか。
1: 超音波療法
2: 赤外線療法
3: 低周波療法
4: ホットパック
5: パラフィン療法
50歳の男性。閉塞性動脈硬化症。300 m程度の歩行ごとに下肢の痛みのために5~6分の休息をとる。座位や立位時に痛むことはない。理学療法で適切なのはどれか。
1: 寒冷療法
2: 極超短波療法
3: トレッドミル歩行練習
4: PNFによる最大抵抗運動
5: 弾性ストッキングによる圧迫療法
30歳の女性。多発性硬化症によるL1レベル以下の対麻痺の増悪を認め、Danielsらの徒手筋力テストで下肢筋力は2となったが、ステロイドパルス療法でようやく症状の進行が止まった。この時期における理学療法で適切なのはどれか。
1: 上肢筋力増強訓練
2: 下肢筋力増強訓練
3: 関節可動域訓練
4: 座位持久性訓練
5: 立位訓練
筋萎縮性側索硬化症にみられる症状はどれか。
1: 運動失調
2: 固縮
3: 感覚障害
4: 構音障害
5: 排尿障害
多発性硬化症の理学療法で正しいのはどれか。2つ選べ。
1: 歩行障害に対して早期から装具を作製する。
2: 視野欠損に対して照明などの環境整備を行う。
3: 痙縮に対して温熱療法を行う。
4: 筋力低下に対して1RMを反復し強化する。
5: 運動失調に対して重錘を負荷して訓練を行う。
55歳の男性。3年前からろれつが回らず歩行が不安定で介助が必要であり、起き上がるとめまいが起こる。上肢の測定障害のためADLが制限されている。頭部MRIを示す。この患者に対する適切な治療計画はどれか。
1: 四つ這い訓練
2: 主動筋と拮抗筋との協調運動訓練
3: 反動を利用した立ち上がり訓練
4: ロフストランド杖による歩行訓練
5: 改造自動車を利用した移動の指導
62歳の男性。5年前に脊髄小脳変性症と診断され、徐々に歩行障害が進行している。体幹失調が顕著で、下肢には協調運動障害があるが筋力は保たれている。歩隔をやや広くすることで左右方向は安定しているが、前後方向への振り子様の歩容がみられる。最近になって自力歩行が困難となり、理学療法で歩行器を用いた歩行を練習している。この患者の歩行器に工夫すべき点で適切なのはどれか。
1: サドル付型を用いる。
2: ピックアップ型を用いる。
3: 歩行器は軽量のものを選ぶ。
4: 上肢支持面の側方に重錘を装着する。
5: 上肢支持面は前腕部で支持できる高さにする。
70歳の男性。身長180 cm、体重90 kg。脳梗塞のため麻痺肢に内反尖足がみられる。10 mであれば独歩可能であるが、軽度の分回し歩行となる。意識してゆっくりと歩けば分回しを軽減することは可能であるが、遊脚相の股関節屈曲は増加し立脚中期に膝過伸展がみられる。2動作前型で屋外歩行の自立を目標に理学療法を進めている。この患者に適切なのはどれか。
1: 装具は不要
2: 軟性足装具
3: プラスチック短下肢装具(ショートタイプ、継手なし)
4: プラスチック短下肢装具(つま先までの標準型、継手なし)
5: 金属支柱付短下肢装具
筋萎縮性側索硬化症について正しいのはどれか。
1: 感覚障害が出現する。
2: 筋線維束攣縮が見られる。
3: 20歳代に好発する。
4: 萎縮は近位筋から生じる。
5: 初期から腱反射は低下する。
86歳の女性。軽度の左変形性膝関節症のため杖歩行であったが、ADLは自立していた。突然の右上下肢筋力低下と構音障害とが出現し、歩行不能となったため発症後1時間で緊急入院した。意識は清明で軽度の筋力低下を認めた。入院後2時間で筋力は徐々に元の状態まで改善し、発語も正常となった。頭部MRIとMRAとに明らかな異常を認めなかった。抗凝固薬の調整のため入院を継続した。この患者への介入方針で適切なのはどれか。
1: 入院後3日間はベッド上安静とする。
2: 嚥下障害が疑われるので禁食とする。
3: 両下肢筋力増強訓練が必要である。
4: 歩行訓練は7日目から開始する。
5: 持久性トレーニングは14日目から開始する。