75歳の男性。脳卒中による左片麻痺。発症後6か月経過。Brunnstrom法ステージは上肢、下肢ともにⅢ。AFOとT字杖で屋内歩行は自立している。自宅浴室の現状の見取り図と環境整備案とを図に示す。環境整備案のうち最も必要性が低いのはどれか。
1: ①バスボードの利用
2: ②手すりの設置
3: ③折り戸への変更
4: ④段差の解消
5: ⑤シャワーチェアの利用
79歳の女性。脳卒中後の左片麻痺。プラスチックAFOを装着してT字杖歩行が可能である。装具は足尖までの長さで足継手はない。Brunnstrom法ステージでは上肢Ⅳ、下肢Ⅴ。左立脚後期が歩行周期の中で極端に短く安定性も低下している。歩容を改善するために有用な方法はどれか。
1: 外側フレアを付ける。
2: 足部のベルクロの固定を緩める。
3: 装具の高さを下腿中央付近まで低くする。
4: 装具の中足指節関節部から遠位部を切除する。
5: 足関節部の固定性を強化(コリュゲーション)する。
60歳の男性。脳梗塞による片麻痺と高次脳機能障害に対して理学療法を実施している。時折、能力以上の動作を行おうとするために転倒のリスクが指摘されていた。理学療法終了後、搬送担当者がわずかに目を離した間に立ち上がりバランスを崩して床に座りこんだが、明らかな打撲や血圧の変化はみられなかった。対応として適切でないのはどれか。
1: 家族に経過を説明する。
2: 再発防止の具体案を提案する。
3: 口頭で速やかに主治医へ報告する。
4: 発生した状況を詳細に文書で報告する。
5: 理学療法士に責任がないことを明確にする。
70歳の男性。脳硬塞片麻痺、発症後2か月。上左図の絵を患者の正面に置き、模写を指示したところ、上右図のように描いた。病巣部位として考えられるのはどれか。
70歳の男性。脳血管障害による左片麻痺。車椅子からベッドへの移乗は介助バーを使用して1人で何とか可能である。初回評価時の車椅子からベッドへの移乗場面において、ベッド、車椅子、介助バー及び作業療法士の相対的な位置関係で適切なのはどれか。
60歳の男性。身長170 cm、体重90 kg。3歳時にポリオに罹患し右下肢単麻痺となった。右長下肢装具を装着し独歩可能であったが、3か月前から歩行が困難となり、左下肢の筋力低下も自覚したためリハビリテーション科を受診した。下肢の状態は図のようであった。理学療法で誤っているのはどれか。
1: 体重の減量を勧める。
2: 杖の使用を検討する。
3: 骨盤帯付き長下肢装具に変更する。
4: 左下肢筋の過用を防ぐ生活指導を勧める。
5: 足底板を用いて脚長差の再調整を行う。
28歳の男性。右利き。交通事故による右前頭葉背外側部の頭部外傷のため入院した。作業療法が開始され、4か月が経過した。四肢に運動麻痺や感覚障害を認めず、歩行は自立している。日中はボーッとして過ごすことが多いが、促されると日課を行う。話しかければ日常会話は問題なく成立するが、自発話は乏しい。この患者の高次脳機能評価として最も適切なのはどれか。
1: BADS
2: SLTA
3: SPTA
4: VPTA
5: CBS〈Catherine bergego scale〉
65歳の男性。視床出血による左片麻痺。救急搬送され保存的治療が行われた。発症後3日より脳卒中ケアユニットでの理学療法を開始。このとき覚醒しておらず、大きな声で呼びかけたが開眼しなかったため胸骨部に痛み刺激を加えたところ、刺激を加えている手を払いのけようとする動きがみられた。この患者のJCS〈Japan Coma Scale〉での意識障害の評価で正しいのはどれか。
1: Ⅱ-10
2: Ⅱ-20
3: Ⅱ-30
4: Ⅲ-100
5: Ⅲ-200
55歳の男性。脳出血による右片麻痺。単極式電気刺激法を適用することとした。足関節の外がえしと背屈とを誘発する筋として適切なのはどれか。
適切でない組合せはどれか。ただし、片麻痺は右で、ブルンストローム法ステージは上肢・手指の順。右利きとする。
1: II・II-非麻痺側での箸の練習をする。
2: III・IV-麻痺側で受話器を取って耳に当てる。
3: IV・V-麻痺側を調理の補助手として使う。
4: IV・V-手さげカバンを麻痺側肘にかける。
5: V・VI-両手で洗濯物を干す。
58歳の男性。右利き。職場で倒れているところを発見され搬入された。意識は傾眠状態であったが、発症後4日で改善した。この時点での発話には異常がない。左手足に重度の運動障害と感覚障害とを認める。筋緊張は低下している。視力・視野は正常であるが、顔面は常に右方に向け、指摘しても左側を見ようとしない。頭部CTを示す。この患者に該当すると考えられるのはどれか。
1: ①
2: ②
3: ③
4: ④
5: ⑤
78歳の女性。脳梗塞の右片麻痺。発症後3か月経過。右上肢のBrunnstrom法ステージは上肢Ⅲ、手指Ⅱ。感覚障害はない。徐々に上肢の関節拘縮が進んできた。患者の車椅子座位の写真を示す。この患者に対する作業療法で適切なのはどれか。
1: 手関節屈筋にTENSを行う。
2: 速い他動運動で筋の伸張を行う。
3: 肘屈曲型アームスリングを装着する。
4: 上腕二頭筋に温熱を加えて伸張する。
5: 手関節伸展用の動的スプリントを装着する。
54歳の男性。勤務中に突然の気分不快を訴え病院を受診し、脳梗塞による左片麻痺にて入院となった。妻と子供との3人暮らしで家事は妻が担っていた。職業は会社員で事務仕事を行い、会社までは電車で通勤していた。3か月が経過して、ADLは自立し、患者は復職を希望するようになった。Brunnstrom法ステージは上肢Ⅲ、手指Ⅱ、下肢Ⅴで病院内外の杖歩行は自立している。認知機能に明らかな問題はない。この時点でのIADL評価で優先すべきなのはどれか。
1: 買い物
2: 公共交通機関の利用
3: 食事の用意
4: 火の始末
5: ベッドメイキング
80歳の男性。脳梗塞による右片麻痺。Brunnstrom法ステージは上肢、手指、下肢ともにⅢ。右短下肢装具を装着し1本杖歩行は15 mまでは可能である。12段の階段昇降は可能であるが、そばで見守る必要がある。歩行と階段のFIMの点数の組合せで正しいのはどれか。
1: 歩行6点 ― 階段6点
2: 歩行5点 ― 階段6点
3: 歩行5点 ― 階段5点
4: 歩行4点 ― 階段5点
5: 歩行4点 ― 階段4点
発症早期の重度左片麻痺患者の歩行訓練における理学療法士の対応で適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 患者の左側から左上肢を抱え込む。
2: 患者の右前方から右上肢を持つ。
3: 患者の前方から両上肢を引く。
4: 患者の後方から両腋窩を支える。
5: 患者の正面から両肩を持つ。
45歳の男性。右利き。脳梗塞を発症し1か月経過した。病変部位はMRIで左角回と左側頭葉後下部であった。運動麻痺は認められない。生じやすい高次脳機能障害はどれか。
1: 運動保続
2: 失読失書
3: 地誌的失見当
4: 半側空間無視
5: 道具の強迫的使用
54歳の男性。肺塞栓に併発した低酸素脳症。意識障害は2か月で回復し、歩行も2年間で介助レベルまで回復した。運動時の上肢のミオクローヌス、小刻み歩行、寡黙、認知障害や自発性低下がある。治療アプローチで誤っているのはどれか。
1: 上肢の素速い運動
2: 四つ這いでのバランス訓練
3: メトロノームを使った歩行
4: 低い台からの立ち上がり
5: 日記を用いた記憶の代償
脳血管障害後の片麻痺患者にBrunnstrom法ステージテストを行った。肩関節の屈曲は肘伸展位で150°可能、外転は90°可能であるが肘関節が30°屈曲していた。また円柱形のペグを把持するよう指示すると、対向つまみはできなかったが横つまみは可能であった。Brunnstrom法ステージの組合せで正しいのはどれか。
1: 上肢Ⅲ − 手指Ⅳ
2: 上肢Ⅳ − 手指Ⅲ
3: 上肢Ⅳ − 手指Ⅳ
4: 上肢Ⅴ − 手指Ⅳ
5: 上肢Ⅴ − 手指Ⅴ
60歳の男性。脳血管障害による右片麻痺。ベッドから車椅子への移乗は1人で何とか可能である。ベッドから車椅子への移乗場面の初回評価において、ベッド、車椅子および作業療法士の相対的な位置関係で適切なのはどれか。
脳卒中右片麻痺患者の下肢ブルンストローム法ステージIVのテストはどれか。2つ選べ。
1: ア
2: イ
3: ウ
4: エ
5: オ