40歳の男性。筋萎縮性側索硬化症。発症から2年で、下肢には軽度の痙性麻痺が認められ、膝折れやつまずきなどの歩行障害が出現している。上肢は筋萎縮が著明で食事や衣服着脱は全介助。構音障害も出現している。この時期の理学療法で適切でないのはどれか。
1: 呼吸訓練
2: 上肢のROM訓練
3: 上肢の抵抗運動訓練
4: 立位バランス訓練
5: 短下肢装具での歩行訓練
70歳の女性。上腕骨近位端骨折後の肩関節拘縮に対して作業療法を開始した。訓練の翌日に「昨夜は肩が痛くて眠れませんでした」と訴えた。作業療法士の対応で共感的態度はどれか。
1: 「私の治療法が悪かったとお考えなのですか」
2: 「肩の炎症が痛みの原因であると考えられますね」
3: 「昨日が訓練の初日だったから痛かったのでしょう」
4: 「痛みで眠れないということは大変つらかったでしょうね」
5: 「痛み止めの薬を出してもらえるよう医師に相談しますね」
筋萎縮性側索硬化症について正しいのはどれか。
1: 感覚障害が出現する。
2: 筋の線維束攣縮はない。
3: 針筋電図で多相波は出ない。
4: 脊髄前角細胞の障害はない。
5: 上位運動ニューロンは障害される。
70歳の女性。左変形性膝関節症に対する人工関節置換術後2週経過時、手術側下肢に深部静脈血栓症が発症した。その後、深部静脈血栓症は治癒したが、手術側の膝に屈曲拘縮と疼痛とがある。物理療法で適切でないのはどれか。
1: 赤外線
2: 超音波
3: 渦流浴
4: 超短波
5: ホットパック
脊髄後索の損傷によって生じるのはどれか。2つ選べ。
1: 部位覚障害
2: 位置覚障害
3: 温痛覚解離
4: 振動覚障害
5: Babinski徴候
多発性硬化症の理学療法で正しいのはどれか。2つ選べ。
1: 歩行障害に対して早期から装具を作製する。
2: 視野欠損に対して照明などの環境整備を行う。
3: 痙縮に対して温熱療法を行う。
4: 筋力低下に対して1RMを反復し強化する。
5: 運動失調に対して重錘を負荷して訓練を行う。
二分脊椎(脊髄髄膜瘤)で誤っているのはどれか。
1: 水頭症の合併は知的障害と関連する。
2: 脊髄係留症候群は乳児期に出現する。
3: 神経因性膀胱が問題となる。
4: 足部は褥瘡の好発部位である。
5: 学童期には肥満が問題となる。
変形性膝関節症の理学療法で適切でないのはどれか。
1: 膝関節痛に対するTENS
2: 膝内側痛に対する内側ウエッジ
3: 免荷のための杖
4: 減量のための自転車エルゴメーター
5: 関節支持のための膝装具
肩手症候群で正しいのはどれか。
1: 肩関節の他動運動痛を伴うことが多い。
2: 肩から上腕部にかけて腫脹と発赤とが現れる。
3: 発症率と上肢麻痺の重症度には関連がない。
4: 手指ではMP関節の屈曲拘縮が特徴的である。
5: 脳卒中発症後6か月以降に発症することが多い。
疾患と頻度の多い症候との組合せで正しいのはどれか。
1: Alzheimer型認知症――羽ばたき振戦
2: Huntington病――――線維束性収縮
3: 多発性硬化症―――――舞踏運動
4: 筋萎縮性側索硬化症――静止時振戦
5: 多系統萎縮症―――――起立性低血圧
脊髄損傷患者で異所性骨化の好発部位はどれか。
1: 肘関節
2: 手関節
3: 手指MP関節
4: 股関節
5: 足関節
誤りはどれか。
1: 坐骨大腿靭帯は股伸展を制限する。
2: 腸骨大腿靭帯は股内転を制限する。
3: 半腱様筋の収縮は股外旋を制限する。
4: 恥骨筋の収縮は股外転を制限する。
5: 半膜様筋の収縮は股内旋を制限する。
脳卒中後の肩手症候群について正しいのはどれか。
1: 患側の手に冷感がみられる。
2: 麻痺が重度の場合に発症しやすい。
3: 星状神経節ブロックは無効である。
4: 脳卒中発症後3週以内に生じやすい。
5: 自動的な関節可動域運動は症状を悪化させる。
32歳の女性。交通事故による左上腕切断(上腕長30%残存)。上腕能動義手の適合検査で、肘継手を屈曲させたときに手先具が口元に届かなかった。考えられる原因はどれか。2つ選べ。
1: 左肩屈曲の可動域低下
2: 左肩伸展の筋力低下
3: 左肩甲骨下制の筋力低下
4: 右肩甲骨外転の筋力低下
5: 右肩甲帯挙上の可動域低下
65歳の男性。変形性頸椎症。2年前から肩こりがあり、2か月前から頸部伸展時に右手の母指にしびれが出現し、右上肢のだるさと脱力感を自覚するようになった。下肢の症状やバランス不良はみられない。右上肢において筋力低下が最も生じやすいのはどれか。
1: 三角筋
2: 上腕三頭筋
3: 上腕二頭筋
4: 尺側手根屈筋
5: 長橈側手根伸筋
骨折の合併症で適切でないのはどれか。
1: デュプイトラン拘縮
2: フォルクマン拘縮
3: ズデック骨萎縮
4: 脂肪塞栓症
5: 無腐性壊死
筋と支配神経との組合せで誤っているのはどれか。
1: 長橈側手根伸筋-橈骨神経
2: 長母指外転筋-橈骨神経
3: 小指対立筋-正中神経
4: 浅指屈筋-正中神経
5: 母指内転筋-尺骨神経
ダニエルスらの徒手筋力テストの肩関節屈曲(前方挙上)の代償運動として可能性があるのはどれか。
1: 肩関節の内旋
2: 肩甲骨の下制
3: 肩関節の水平屈曲
4: 体幹の屈曲
5: 前腕の回内
慢性関節リウマチについて誤っているのはどれか。
1: エックス線所見で関節周囲の骨萎縮が認められる。
2: 遠位指節間関節から初発することが多い。
3: 罹患関節は左右対称性に症状が現れる。
4: 環軸関節の亜脱臼が生じることが多い。
5: 関節周囲などに皮下結節が認められる。
尺骨骨幹部骨折と橈骨小頭の脱臼を生じるのはどれか。
1: Barton骨折
2: Colles骨折
3: Galeazzi骨折
4: Monteggia骨折
5: Smith骨折