発症後1週経過した脳卒中患者(ブルンストローム法ステージは上肢III、手指IV、下肢IV)の評価で適切でないのはどれか。
1: 病前の機能レベルは機能予後に重要である。
2: 脳圧亢進は生命予後に関連する。
3: 意識障害は高次脳機能症状を分かりにくくする。
4: 移動の予後は車椅子が中心となる。
5: 上肢の機能予後は補助手以上となる。
21歳の男性。大学入学後、クラスの中で強い緊張を感じ、身体のふるえや手掌の発汗が止まらなくなった。その後、自宅に引きこもるようになったため家族に伴われて精神科外来を受診した。外来作業療法に通うことになった。この患者の作業療法で適切でないのはどれか。
1: 個室を使用する。
2: SSTを取り入れる。
3: 生活リズムを整える。
4: 自己評価の特徴を話し合う。
5: リラクセーションの練習をする。
75歳の女性。1か月前に脳梗塞右片麻痺を発症した。ブルンストローム法ステージは上肢II・手指II・下肢III。現在のADLは次のとおりである。整容は自立。食事、着替え、車椅子・ベッド間の移乗、トイレ動作、歩行は部分介助。排便、排尿とも失禁はない。階段昇降と入浴は全介助である。Barthel indexは何点か。
1: 15点
2: 30点
3: 45点
4: 60点
5: 75点
50歳の男性。生来健康であったが、大量飲酒で泥酔した翌朝から右下垂足を呈するようになった。この神経麻痺に対して低周波治療を行う際の運動点はどれか。
55歳の女性。筋萎縮性側索硬化症。発症後5年経過し、在宅療養中。現在、座位時間は1日4~5時間。車椅子の駆動はかろうじて可能。夫と息子は自宅の一角で自営業を営んでいる。仕事の忙しい時間帯はヘルパーを頼んでいる。患者の話す声は、かろうじて聞き取れる程度である。この患者に対する日常生活改善のためのアプローチとして適切でないのはどれか。
1: コミュニケーション障害に備えて透明文字板の導入を検討する。
2: 下肢の痙縮を利用して、ツイスターで移動動作の介助を楽にする。
3: ベッド柵に鏡を取り付けて、入ってくる人が見えるようにする。
4: 環境制御装置の導入を検討する。
5: 介護者に連絡するための緊急連絡手段を検討する。
脳卒中片麻痺患者の理学療法の組合せで適切でないのはどれか。
1: 非対称姿勢-矯正鏡
2: 痙縮-リラクセーション
3: 空間無視-傾斜台
4: 尖足拘縮-補高靴
5: 肩手症候群-愛護的関節可動域訓練
認知症の作業療法の対応で適切なのはどれか。
1: 活動中は詳細な指示を行う。
2: 休息のタイミングを管理する。
3: 新しい活動を用意する。
4: 患者同士の共同作業は避ける。
5: テンポを速くして短時間で終わらせる。
認知症患者への作業療法で適切なのはどれか。
1: 徘徊するため、着席を求めた。
2: 食べ物がわかりやすいよう、模様のある皿を使用した。
3: 患者の趣味開発のために体験のない生け花を取り入れた。
4: 日付の見当識障害に対し、文字の大きなカレンダーに変えた。
5: ガスの消し忘れでボヤを起こしたので、介助者とともに調理させた。
50歳の男性。ギラン・バレー症候群発症後1週経過。理学療法で適切でないのはどれか。
1: ベッド上での良肢位保持
2: 体位変換
3: 関節可動域訓練
4: 呼吸訓練
5: 代償運動の指導
60歳の男性。身長170 cm、体重90 kg。3歳時にポリオに罹患し右下肢単麻痺となった。右長下肢装具を装着し独歩可能であったが、3か月前から歩行が困難となり、左下肢の筋力低下も自覚したためリハビリテーション科を受診した。下肢の状態は図のようであった。理学療法で誤っているのはどれか。
1: 体重の減量を勧める。
2: 杖の使用を検討する。
3: 骨盤帯付き長下肢装具に変更する。
4: 左下肢筋の過用を防ぐ生活指導を勧める。
5: 足底板を用いて脚長差の再調整を行う。
60歳の男性。7年前から歩行時にふらつきを自覚し、6年前から話し方が単調で途切れ途切れとなり膀胱直腸障害と起立性低血圧を認めた。四肢の固縮や振戦が徐々に進行し、2年前から車椅子で移動するようになった。最近、声が小さくなり呼吸困難感を訴えるようになった。頭部MRIのFLAIR画像で水平断(A)および矢状断(B)を示す。この疾患で合併する可能性が高いのはどれか。
1: 失 語
2: 拮抗失行
3: 声帯麻痺
4: 下方注視麻痺
5: 他人の手徴候
認知症患者の作業療法で適切でないのはどれか。
1: 慣れた作業環境で行う。
2: なじみのある作業を選ぶ。
3: 理解力に応じた指示にする。
4: 休憩の取り方は患者に任せる。
5: 単純な行程の種目を選ぶ。
72歳の女性。右中大脳動脈領域の脳梗塞による左片麻痺。立位時に左下肢の外旋と足部内反が著明であり、歩行時に装具を装着している。最も適応となりにくいのはどれか。
1: ツイスター
2: 非麻痺側補高
3: 逆Thomasヒール
4: 外側フレアヒール
5: 内側Yストラップ
45歳の男性。統合失調症。自宅で単身生活をしている。精神症状は安定しているが、買い物に行くときを除き自宅に引きこもっている。週3回のヘルパーによる食事のサービスと惣菜による食事摂取をしている。偏食と間食が多く、身長167 cm、体重92 kgと肥満である。最近の血液検査の結果、脂質異常症と診断された。訪問作業療法における健康管理支援として適切なのはどれか。
1: 自炊を目指した調理訓練を提案する。
2: 抗精神病薬の変更を主治医に提案する。
3: 入院による生活リズムの改善を提案する。
4: 買い物はスタッフが代行することを提案する。
5: 散歩やストレッチなどの運動を取り入れることを提案する。
56歳の男性。1年前に脊髄小脳変性症と診断された。現在、電車通勤は可能だが書字が困難となってきた。この患者の症状でみられるのはどれか。2つ選べ。
6歳の女児。痙直型脳性麻痺。就学に備えた作業療法を外来で行っている。歩行器と短下肢装具を用いて屋内を歩くことができる。この児の作業活動の姿勢で適切でないのはどれか。
23歳の女性。交通事故による頸髄損傷。受傷後6か月経過。褥瘡はない。筋力は肩関節周囲筋4(Good)、肘関節屈筋4(Good)、肘関節伸筋3(Fair)、手関節背屈筋3(Fair)、手関節屈筋0、体幹筋0、下肢筋群0であった。この患者の車椅子動作で適切なのはどれか。2つ選べ。
1: ア
2: イ
3: ウ
4: エ
5: オ
脳血管障害の早期作業療法で誤っているのはどれか。
1: 意識レベルに応じて課題を検討する。
2: 悪心などの自覚症状があれば直ちに中止する。
3: 起立性低血圧があれば安静臥床を続ける。
4: 患肢の管理法を指導する。
5: 排泄コントロール、排泄方法を評価する。
入院後2週の統合失調症患者。作業療法の初期評価項目で優先度が低いのはどれか。
1: 生活技能
2: 現実検討
3: 対人緊張
4: 薬物効果
5: 身体感覚
8歳の男児。自閉症。小学校に入学後、好きな算数以外の授業中に奇声をあげるようになった。家ではこだわり行為を制する母親に暴力を振るうようになり、養護教諭の勧めで児童・思春期外来を受診した。受診後すぐに作業療法が開始された。作業療法士の対応で適切でないのはどれか。
1: 算数を取り入れたプログラムを設定する。
2: 質問は口頭だけでなく文字に書いて示す。
3: 作業療法の終了時間を明確にする。
4: こだわり行為は制止する。
5: 1対1で対応する。