第50回午前第15問の類似問題

第44回午前:第91問

身体表現性障害の患者に対する作業療法で適切なのはどれか。  

1: 現実検討能力を高める。

2: 不安な気持ちを解釈する。

3: 集団作業療法を基本とする。

4: 対人関係能力の向上を図る。

5: 感情表現を促す活動を提供する。

第54回午後:第19問

7歳の男児。几帳面なところがある。小学校に入学して数か月後から肩をすくめる、まばたきをすることが目立ってきた。最近、授業中に顔しかめや首ふりなども激しくなり、担任の先生から注意されることが増えた。友達と遊んでいるときや眠っているときは起こらない。悩んだ母親が本人を連れて来院、チック障害と診断され作業療法の導入となった。作業療法士の対応で適切なのはどれか。  

1: 本人に困っていることを聞く。

2: 本人にチックが起こるときの状況を尋ねる。

3: チックを起こさないよう努力するように本人に言う。

4: 緊張に慣れる目的で最前列に座らせるよう担任の先生に依頼する。

5: クラスメートに障害のことは知らせずにおくよう担任の先生に依頼する。

  • 答え:1
  • 解説:チック障害は突然起こる無目的な症状で、ストレスが原因の一つとされる。作業療法導入期には、患児の困っていることを聞くことが適切である。
  • 本人に困っていることを聞くことは適切であり、学校生活を支援するために役立つ。患児の悩みや困り事を理解し、適切な対応を行うことが重要である。
  • 本人にチックが起こるときの状況を尋ねることは、ストレスをかける可能性があり、症状を誘発する危険性があるため、適切ではない。
  • チックを起こさないよう努力するように本人に言うことは、症状を意識することで心理的ストレスになり、チックを誘発する危険性があるため、適切ではない。
  • 緊張に慣れる目的で最前列に座らせるよう担任の先生に依頼することは、緊張が高まりチックを誘発させる危険性があるため、作業療法導入期に有効な手段とは言えない。
  • クラスメートに障害のことは知らせずにおくよう担任の先生に依頼することは、患児の学校での様子や困っていることを確認した後で考慮することが適切である。ただし、障害を理解してもらうことは周囲の協力を得るために重要である。
  • 科目:発達・小児疾患
  • 重要度:プレミアム特典
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第39回午前:第27問

60歳の女性。うつ病。夫と2人暮らし。1年前からうつ状態が遷延し、抑うつ気分や意欲の低下が強く、家事もできなくなり入院した。1か月でうつ状態がやや改善してきたが、記憶力減退を強く訴え、「自分は痴呆になった」との不安が強い。気分転換と生活リズムの回復を目的に作業療法が処方された。主治医からの留意事項として、薬の副作用によるふらつきへの配慮が指示されている。この患者は、家事ができないことで夫に罪責感を持っており、早く家事ができるようになることを希望した。作業療法導入期のプログラムとして適切でないのはどれか。  

1: 小物の洗濯

2: 献立表作り

3: ベッド周りの私物整理

4: 同年代患者の茶話会参加

5: 散歩

第35回午前:第86問

精神分裂病(統合失調症)の作業療法開始時の対応で適切でないのはどれか。  

1: 安心してくつろげる場を提供する。

2: 精神内界を表現できるよう配慮する。

3: 周囲に受け入れられる体験をさせる。

4: 両価的感情を受容する。

5: 受け入れられないことはその旨を明確に伝える。

第38回午前:第29問

30歳の女性。うつ病。子育てに専念するため、仕事をやめた後から徐々に気力が低下し、不眠が出現し家事全般に支障をきたすようになった。夫と相談の上、近隣の精神科診療所で通院を開始し、約1か月で落ち着きを取り戻した。その時点で作業療法士が週1回生活上の相談・援助を担当することになった。本人は「悪くなるのが心配だ」「好きな編み物もできないような気がする」などと述べている。治療関係を成立させる話題として適切なのはどれか。2つ選べ。 ア.子供の世話イ.家計のことウ.夫との関係エ.再就職のことオ.趣味の再開  

1: ア

2: イ

3: ウ

4: エ

5: オ

第38回午前:第38問

52歳の男性。アルコール依存症。45歳ころからアルコールによる肝炎で入退院を繰り返し離婚した。単身生活になって飲酒が一層激しくなり、食事も摂らず泥酔状態が続くところを保護されて入院した。離脱症状が消失した時点で作業療法が開始されたが、落ち込んだ様子や自己中心的な行動が見られたり、理由なく作業療法を欠席したりすることがある。この時点での作業種目で適切なのはどれか。  

1: マクラメ

2: 散歩

3: パソコン操作

4: 革細工

5: 木工

第40回午前:第90問

境界型人格障害患者の初回面接で適切なのはどれか。  

1: 本人の対人関係を主題にする。

2: 面接時間を限定しない。

3: 作業達成目標を本人に決めさせる。

4: 種目選択の幅を広くする。

5: 作業療法への参加動機を明確にする。

第56回午後:第18問

80歳の女性。夫と2人暮らし。認知症があり、MMSEは13点。自宅にて転倒し、救急搬送され大腿骨頸部骨折と診断されて人工骨頭置換術が行われた。その後、回復期リハビリテーション病棟へ転棟し、理学療法を開始したが消極的である。理学療法中の患者の訴えへの返答で適切なのはどれか。 

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第34回午前:第38問

46歳の女性。知的障害。IQは75。23歳で結婚したが数か月で離婚。実家に戻ったが家出を繰り返し、家では易刺激的、多量に飲水をするようになり入院。退院後も大量服薬したり、相手かまわず電話をする。また、1日に40~50本喫煙し、ボヤを起こし再入院した。入院後2か月目に社会性の向上を目的に作業療法が処方された。作業の手順はすぐ覚えるが、性急で間違いが多く、それを指摘すると飲水が始まり作業が中断する。この場合の行動への対処方法で適切なのはどれか。  

1: 間違いを作業療法士が修正する。

2: 間違いを自分で説明させ修正させる。

3: 間違えていても作業を続けさせる。

4: 間違いを指摘し飲水をしないように話す。

5: 間違いの修正は患者の判断に任せる。

第39回午前:第26問

60歳の女性。うつ病。夫と2人暮らし。1年前からうつ状態が遷延し、抑うつ気分や意欲の低下が強く、家事もできなくなり入院した。1か月でうつ状態がやや改善してきたが、記憶力減退を強く訴え、「自分は痴呆になった」との不安が強い。気分転換と生活リズムの回復を目的に作業療法が処方された。主治医からの留意事項として、薬の副作用によるふらつきへの配慮が指示されている。作業療法の初期評価で適切でないのはどれか。  

1: 歩行の状態を把握する。

2: 日常生活の状況について尋ねる。

3: 発症に先立つ環境変化について情報収集する。

4: 高次脳機能検査を行う。

5: 患者が関心を持っている活動を聞く。

第52回午前:第14問

32歳の女性。アルコール依存症。美容師として働く兼業主婦。25歳ごろから飲酒量が増えた。現時点では、仕事や家事に大きな支障はない。このまま飲酒を続けていると大変なことになると思い、飲酒量を減らそうと努力しているが、飲み始めるといつも深酒してしまう。1人の力では断酒できないと悩み、自ら精神科病院を受診して入院治療を受けることになった。回復を目的とした作業療法の評価で最も重要度が高いのはどれか。  

1: 見当識

2: 基礎体力

3: 金銭管理

4: 自己評価

5: 日常生活能力

第45回午後:第14問

52歳の男性。アルコール依存症。7年前から飲酒量が増え、コントロールがつかず昼から飲むようになり、2年前に会社を辞めた。2か月前から連続飲酒の状態となったため、家族に付き添われて精神科を受診し入院した。離脱症状が改善されたため作業療法を開始した。この時期にみられやすいのはどれか。2つ選べ。  

1: 過度な頑張り

2: 感情の平板化

3: 自己評価の低下

4: 基礎体力の低下

5: 主体的な役割行動

第39回午前:第30問

28歳の女性。全般性不安障害。コンピュータのシステム・エンジニア。システム設計の責任者として一つの仕事をやり遂げた頃から、持続的ないらいら感、不安、頭痛、肩こりなどを感じるようになった。仕事も負担となり、「このままでは病気になってしまい、何もかも駄目になりそう」と訴え外来受診した。薬物療法と並行して外来受診時に作業療法が処方された。開始時の目的として適切なのはどれか。  

1: 緊張感の軽減

2: 作業能力の改善

3: 葛藤の洞察

4: 家族内調整

5: 職場上司との調整

第45回午後:第11問

25歳の男性。20日前にオートバイ事故で搬入され、びまん性軸索損傷と診断された。意識は清明。物事の優先順位をつけて行動できず、1つの事にこだわってしまう。この患者に対する作業療法の活動内容で適切なのはどれか。  

1: 工程が反復する活動

2: 他者と行う集団活動

3: 工程が少なく展開が明確な活動

4: 完成まで時間がかかる創作活動

5: 多人数で役割を選択できる活動

第34回午前:第18問

58歳の女性。脳梗塞による右片麻痺。発症後5日経過。理学療法では座位訓練が開始された。ベッドサイドでの作業療法の初回評価として適切でないのはどれか。  

1: リスクを確認する。

2: 病棟での生活状況について情報を得る。

3: 簡易上肢機能検査(STEF)を行う。

4: 精神機能のスクリーニングを行う。

5: 身体機能の検査は負荷にならないものから始める。

第55回午前:第41問

境界性パーソナリティ障害の治療について最も適切なのはどれか。  

1: 治療者への依存を促す。

2: 薬物療法は行わないようにする。

3: 長期入院により適応を良好にする。

4: 他の患者と交流させないようにする。

5: 治療的枠組みを崩さないようにする。

  • 答え:5
  • 解説:境界性パーソナリティ障害の治療では、治療的枠組みを崩さないようにすることが重要です。患者は周囲の人から見捨てられることを恐れるため、治療者への依存が見られることがありますが、毅然とした態度で対応する必要があります。また、薬物療法や他患者との交流も治療に役立ちます。
  • 治療者への依存を促すことは、患者の恐れを助長させるだけでなく、治療の効果を阻害する可能性があります。治療者はルールを決めて毅然とした態度を貫く必要があります。
  • 薬物療法は、抗不安薬や抗うつ薬などが副次的にパーソナリティ障害に対して有効であるため、必要に応じて行われます。薬物療法を一切行わないというのは適切ではありません。
  • 長期入院は、境界性パーソナリティ障害患者にとって望ましくない治療方法です。目標は「社会のなかで生活を継続できる」ことであり、長期入院はその目標を達成する上で効果的ではありません。
  • 他の患者と交流させないようにすることは、治療上必要な他者との関係を経験する機会を奪ってしまいます。相互作用が起こるような治療的空間を準備することが重要です。
  • 治療的枠組みを崩さないようにすることが最も適切な治療方法です。作業療法では、作業活動による空間と時間、体験の構造化を行い、明確な枠組みの提供を目指します。これにより、患者は安定した治療環境で自己改善に取り組むことができます。
  • 科目:その他の精神障害
  • 重要度:プレミアム特典
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第35回午前:第35問

68歳の女性。アルツハイマー型痴呆。最近、臥床傾向が強くなり、抑うつ的で食事・入浴などに拒否的となり入院した。入院後約2週で臥床傾向も改善し始め、食事・入浴などは拒否せず誘導に応じるようになった。作業療法の内容設定で適切なのはどれか。2つ選べ。 ア.変化に富んだ設定イ.複数の課題のある設定ウ.刺激を制限した設定エ.安心感のある設定オ.手順の多い設定  

1: ア

2: イ

3: ウ

4: エ

5: オ

第49回午前:第16問

13歳の男子。幼児期は図鑑をひとりで眺めて過ごしていた。小学校に入ると、しつこく意味を確認する癖や協調性がとれないことを教師に注意されることが多くなり、級友からいじめられるようになった。最近、級友の話し声に過敏に反応したり、家族への暴言と暴力が頻繁となり入院となった。この患者の診断として考えられるのはどれか。  

1: 自閉症

2: 統合失調症

3: Rett症候群

4: Asperger症候群

5: 注意欠陥/多動性障害

第41回午前:第95問

境界型人格障害の患者に対する作業療法の目的で適切でないのはどれか。  

1: 衝動発散を促す。

2: 依存欲求を満たす。

3: 有能感を高める。

4: 退行を促す。

5: 試行錯誤を促す。

第43回午前:第80問

作業療法士が認知症患者の家族へ対応する上で適切でないのはどれか。  

1: 家族に今までの介護経験を尋ねる。

2: 作業療法場面を見学させる。

3: 家族の健康状態を尋ねる。

4: 特定の人が介護を担うように指示する。

5: 家庭を訪問する。