26歳の女性。衝動的な浪費や奔放な異性交遊の後に抑うつ状態となり、リストカットを繰り返していた。常に感情が不安定で、空虚感や見捨てられることへの不安を訴える。職場での対人関係の悪化をきっかけに自殺企図が認められたため入院となった。この患者に対する作業療法で適切なのはどれか。
1: 患者の申し出に応じて面接を行う。
2: 初回面接で自殺企図について話し合う。
3: 攻撃性がみられた場合には治療者を替える。
4: 患者の希望に合わせてプログラムを変更する。
5: 治療目標や治療上の契約を繰り返し確認する。
21歳の男性。統合失調症。高校2年ころから男女の声の幻聴や注察妄想が出現。精神科クリニックに通院しながら高校卒業。浪人2年目、突然予備校をやめて自室に閉じこもるようになった。家人に暴力を振るうなど問題行動が重なり、精神科病院へ入院した。1か月後、作業療法に参加となった。参加2週ころから女性患者と仲良くなり、プログラム中に抱きつくなど目に余る行動がでてきた。男性患者への適切な対処はどれか。
1: そのまま経過を観察する。
2: 他のメンバーから様子を聞く。
3: 直ちに男性患者の家族に連絡する。
4: 面接で男女の付き合い方を話し合う。
5: 作業療法を中断する。
25歳の男性。幼いころから言語発達と学業成績は良好であったが、固執性が強く友人との関係は保てなかった。製造業に就職し業務成績も良かったが、研修中に状況を無視した言動によって同僚とのトラブルが増え、上司に伴われて精神科を受診した。この患者に対する作業療法で適切なのはどれか。
1: 集中力を高める。
2: 耐久性の向上を図る。
3: 対人関係技能を高める。
4: 複数の作業を同時に行う。
5: 多くの感覚刺激を取り入れる。
22歳の女性。統合失調症(精神分裂病)。17歳時、周囲から悪口を言う声が聞こえ初回入院し、退院後はアルバイトの生活を続けていた。今回、突然2階から飛び降りた。けがは軽症で済んだが、興奮と幻覚妄想が顕著となり、2回目の入院。入院3週目で症状は軽減したが、疲弊状態が前面に出ている。主治医から、再発後の疲れやすさへの対処を目的とした作業療法が指示された。導入時の身体活動として適切なのはどれか。
1: シャッフルボード
2: バレーボール
3: テニス
4: バスケットボール
5: ソフトボール
13歳の男子。恐怖症性不安障害。父親の転勤で中学転校時から、漠然とした不安感情が表れるようになった。ある日、授業中に動悸や息切れがひどくなり発作性の震えが出現、養護教諭のすすめで精神科クリニックを受診した。その後、不安発作が激しくなり不登校の日が続いた。主治医・両親・患者・学校側との相談の結果、クリニック付設デイケアに参加することになった。デイケア開始時に治療者が留意する点で適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 年齢を考慮し他のメンバーには紹介しない。
2: 年齢を考慮しプログラムはスタッフが決める。
3: 発作時の対処をスタッフ間で話し合う。
4: 患者と治療設定を確認し合う。
5: 不登校と発作の関係を聴く。
35歳の女性。現在、6か月児の子育て中であるが、1か月前からテレビも新聞も見る気が起こらないほど周囲への興味と関心が低下し、児と触れ合うこともおっくうになった。物事の判断が鈍くなり、子育てに自信をなくし、自分を責め、ささいなことから不安になりやすくなったため、児を祖母に預けて精神科病院に入院した。入院翌日から不安の軽減を目的に作業療法が開始された。この患者に対する作業療法士の対応で適切なのはどれか。
1: 運動によって体力の増強を図る。
2: 趣味をみつけるよう働きかける。
3: 子育ての情報提供により関心を高める。
4: 集団のレクリエーションで気分転換を図る。
5: ゆとりが持てるような日中の過ごし方を話し合う。
20歳の女性。大学生。友人に「最近、太ったね」と言われたことをきっかけにダイエットを始めた。身長158 cm。体重は54 kgから37 kgに減少したが、期末試験のストレスから過食と嘔吐が始まり、緩下剤や利尿薬を乱用するようになった。抑うつ傾向もみられたため、母親に付き添われて精神科を受診し入院となった。この患者に対する作業療法で適切なのはどれか。
1: 自己表現を促す。
2: 調理実習を行う。
3: 体力の向上を促す。
4: 課題集団への参加を促す。
5: 食べ吐きの理由を話し合う。
うつ病患者の作業療法でみられないのはどれか。
1: 疲労感の訴え
2: 思考の制止
3: 行動の途絶
4: 焦燥感の訴え
5: 食欲不振の訴え
65歳の男性。慢性閉塞性肺疾患。30年の喫煙歴。痰の量が多く、息切れのため50 m歩くと休憩を要する。理学療法で適切でないのはどれか。
1: 体位ドレナージ
2: 胸式呼吸
3: 口すぼめ呼吸
4: 呼吸筋の筋力増強
5: リラクセーション
24歳の女性。大学卒業後に事務職として勤務していたが、汚物が付着していないかと気になり、頻繁に手を洗い何度も確認するようになった。確認行為により仕事に支障をきたすようになり退職した。家族は本人の確認行為に応じていた。精神科を受診したところ強迫性障害と診断され、外来での作業療法が処方された。作業療法士から家族へのアドバイスとして最も適切なのはどれか。
1: 常に本人を監視するように伝える。
2: 本人の再就職を促すように伝える。
3: 家の中の消毒を徹底するように伝える。
4: 病気の原因を本人と話し合うように伝える。
5: 本人からの確認の要求に応じないように伝える。
34歳の主婦。解離性(転換性)障害。23歳の時から入退院を繰り返している。今回、夫婦喧嘩の後ふらつきがひどくなり、意識を失って入院した。1か月後にふらつきはまだあるものの、作業療法が導入された。この患者が作業療法で革細工に熱中し、決められた時間以外にも作業療法室で作業をしたいと言ってきた。対応で適切なのはどれか。
1: 作業は時間内に行うよう指導する。
2: 患者の希望どおりにする。
3: 作業療法を中止する。
4: 作業療法の種目を変更する。
5: 作業時間を短縮する。