第48回午前第16問の類似問題

第47回午後:第19問

35歳の女性。現在、6か月児の子育て中であるが、1か月前からテレビも新聞も見る気が起こらないほど周囲への興味・関心が低下し、子と触れ合うこともおっくうになった。物事の判断が鈍くなり、子育てに自信をなくし、自分を責め、ささいなことから不安になりやすくなったため、子を祖母に預けて精神科病院に入院した。入院翌日から不安の軽減を目的に作業療法が開始された。この患者に用いる作業活動で適切なのはどれか。  

1: 就労準備活動

2: 会話を促す活動

3: 創造力を要する活動

4: 決断力を要する活動

5: 短時間で完結する活動

第55回午後:第12問

87歳の男性。脳血管障害の後遺症により週1回の訪問作業療法を行っている。訪問時、85歳の妻が「家で介護することがつらい。疲れた」と暗い顔でため息をついている。訪問作業療法士の対応で正しいのはどれか。  

1: 妻に精神科の受診を勧める。

2: 近隣の入所施設の空き情報を伝える。

3: 患者へ妻に甘えすぎないように話す。

4: 訪問介護事業所に利用開始を依頼する。

5: ケアマネージャーに妻の状況を報告する。

  • 答え:5
  • 解説:この問題では、高齢の介護者が疲労している状況に対して、訪問作業療法士がどのような対応をすべきかを問うています。妻の気持ちを受容し、状況を確認し、専門家に相談し、解消法を選択する手順が考えられます。
  • 妻は介護のつらさと疲労を訴えていますが、受診すべき病的状態かどうかは問題文からはわかりません。まずは他のチームメンバーに報告して状況を確認するべきです。
  • 入所施設の空き情報を伝える前に、まずはケアマネージャーや他の支援者と情報を共有し、介護負担軽減のための手段を検討するべきです。
  • 問題文には患者が妻に甘えているとの情報はなく、まずは状況を確認し、その後に対処するべきです。
  • 訪問介護事業所の利用開始にはケアマネージャーが作成するケアプランの変更手続きが必要です。妻の状況を他職種と確認し、相談したうえで利用すべきサービスを選択するべきです。
  • ケアマネージャーは患者本人と家族の諸問題を把握する役割があります。妻の状況を報告することで、適切な支援が受けられるようになります。正しい対応です。
  • 科目:脳血管疾患
  • 重要度:プレミアム特典
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第54回午前:第18問

50歳の女性。10年前に義母の介護に際して突然の視力障害を訴えたが、眼科的異常はみられなかった。1か月前に夫の単身赴任が決まってから、下肢の冷感、疼痛を主訴として、整形外科、血管外科などを受診するも異常所見は指摘されなかった。次第に食事もとれなくなり、心配した夫が精神科外来を受診させ、本人はしぶしぶ同意して任意入院となった。主治医が、身体以外のことに目を向けるようにと作業療法導入を検討し、作業療法士が病室にいる本人を訪問することになった。本人は着座すると疼痛が増強するからと立位のままベッドの傍らに立ち続けて、他科受診できるよう主治医に伝えてほしいと同じ発言を繰り返す。この患者に対する病室での作業療法士の対応で最も適切なのはどれか。  

1: 他科受診できるよう約束する。

2: 夫の単身赴任をどのように感じているか尋ねる。

3: 痛みが軽減することを約束して作業療法への参加を促す。

4: 身体的には問題がなく、心の問題であることを繰り返し伝える。

5: 他のスタッフの発言との食い違いが生じないよう、聞き役に徹する。

  • 答え:5
  • 解説:この患者は転換性障害であると考えられるため、作業療法士は患者の発言を傾聴し、他のスタッフとの食い違いがないように情報共有を行うことが最も適切な対応です。
  • 他科受診の決定は医師の判断であり、作業療法士が約束できることではないため、選択肢1は適切ではありません。
  • 現時点で治療内容に納得していない患者に対して、症状増悪の契機となったできごとを聴取することは適切ではないため、選択肢2は適切ではありません。
  • 作業療法士は症状そのものの治療契約を結ぶことができず、作業療法導入初期には強く参加を促すことは避けるべきであるため、選択肢3は適切ではありません。
  • 現時点で心の問題であることを繰り返し伝えると、患者は納得できず自己否定を感じる可能性があるため、選択肢4は適切ではありません。
  • 患者の発言を傾聴し、他のスタッフとの食い違いがないように情報共有を行うことは、現時点での患者の苦痛を理解しようとする態度として望ましいため、選択肢5が最も適切な対応です。
  • 科目:その他の精神障害
  • 重要度:プレミアム特典
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第56回午後:第99問

アルコール依存症患者の断酒継続に有効とされるのはどれか。  

1: 催眠療法

2: 集団療法

3: 自律訓練法

4: 来談者中心療法

5: 修正型電気けいれん療法

  • 答え:2
  • 解説:アルコール依存症患者の治療には、精神療法、薬物療法、自助グループへの参加、社会的な支援などの方法がある。集団療法が有効である。
  • 催眠療法は、催眠による暗示によって神経症症状の改善をはかる方法で、神経症やパーソナリティ障害に適応するが、アルコール依存症患者の断酒継続には有効でない。
  • 集団療法は、自助グループへの参加などがあり、アルコール依存症患者の断酒継続に有効である。
  • 自律訓練法は、注意の集中と自己暗示の練習によって全身を弛緩させ、心身の状態をうまくコントロールできるように工夫された段階的訓練法であるが、アルコール依存症患者の断酒継続には有効でない。
  • 来談者中心療法は、言語的コミュニケーションを中心とした面接過程によって患者自らが気づき、成長していく過程を援助していくものであるが、アルコール依存症患者の断酒継続には有効でない。
  • 修正型電気けいれん療法の適応は、難治性の統合失調症などであるが、アルコール依存症患者の断酒継続には有効でない。
  • 科目:精神障害と臨床医学
  • 重要度:プレミアム特典
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第57回午前:第19問

50歳の男性。会社の健康診断で尿糖陽性を指摘され、受診した。入院時、身長175 cm、体重85 kg。脈拍75/分、血圧165/86 mmHg。両側足関節の振動覚は鈍麻。血液生化学所見では、空腹時血糖385 mg/dL(基準値65~109 mg/dL)、HbAlc 8.6%(基準値4.6~6.2%)、トリグリセリド362 mg/dL(基準値30~150 mg/dL)、LDL コレステロール128 mg/dL(基準値70~139 mg/dL)であった。尿検査でケトン体陰性であった。入院後、食事療法と薬物療法が開始されている。運動療法開始時に必要な条件はどれか。  

1: 感覚障害が改善する。

2: 脂質異常症が改善する。

3: 尿中ケトン体が陽性となる。

4: HbAlcが基準値内まで低下する。

5: 空腹時血糖が250 mg/dL未満となる。

第51回午後:第16問

14歳の女子。生来健康で活発であった。6か月前からダイエットを契機に、拒食や過食嘔吐をするようになり、体重58 kg(身長158 cm)から41 kgまで減少した。心配した母親に連れられて精神科を受診し、入院となった。3週後、体重は47 kgを超えて作業療法が開始となったが、部屋にある料理の本をずっと眺めており「したいことに集中できない」と訴えた。この患者に対する作業療法士の説明として適切なのはどれか。  

1: 「気分転換できる作業を探しましょう」

2: 「復学に向けた計画を考えていきましょう」

3: 「料理に興味があるのですね。簡単なものから作ってみましょう」

4: 「食物から距離を取るために、ここでは料理の本を見るのはやめましょう」

5: 「今は休養が大事な時期です。何もせずゆっくり過ごすことを目標にしましょう」

第51回午前:第20問

24歳の女性。知的障害。就労継続支援A型事業を利用中。就労意欲は高いが状況の判断能力が低く、他者の発言を被害的に受け取る傾向が強く欠勤が多くなり、作業療法士に相談に来た。この患者で優先して支援すべきなのはどれか。  

1: 洞察

2: 職場の変更

3: 作業耐久性の向上

4: 生活リズムの安定

5: 対人関係技能の向上

第40回午前:第80問

作業療法場面での統合失調症者の行動特徴で誤っているのはどれか。  

1: 柔軟な判断が苦手である。

2: 計画的な遂行が苦手である。

3: 慣れの効果が持続する。

4: 注意の配分が片寄る。

5: 緊張の亢進が持続する。

第49回午後:第14問

16歳の女子。摂食障害。身長168 cm、体重61 kg。責任感が強く真面目な性格で、陸上部の活動にも熱心に取り組んでいた。大柄で体重が多いことを不満に思い、食事制限と過度な部活動の練習を始めた。体重が37 kgにまで減少し「太っているから誰にも会いたくない」と不登校気味になったため、見かねた両親に連れられ入院し、作業療法が開始された。この患者に対する導入時の作業活動として適切なのはどれか。  

1: 自由画を制作させる。

2: 料理活動を取り入れる。

3: 病棟での食事に関する問題を採り上げる。

4: 患者の得意な運動を利用して体力づくりを行う。

5: リラクセーションなどゆったりした活動を取り入れる。

第52回午後:第15問

32歳の女性。統合失調症。デイケアに通所しているが、いつも人を避けるように過ごしていることが多い。スタッフが面談の中でその理由を尋ねると「会話をしていると、途中から何を話しているのか分からなくなります。それが恐くて人と話をする自信がないです」と訴えた。この患者の症状の評価で最も適切なのはどれか。  

1: GAF

2: BADS

3: WCST

4: Rehab

5: BACS-J

第49回午前:第15問

78歳の女性。Alzheimer型認知症。物忘れが激しくなるに従い、何をするにも介護者である夫に頼り、そばを離れない状態となった。そのため、主治医にデイケアを勧められ、通所を開始した。在宅での生活を継続させるために作業療法で優先するのはどれか。  

1: 体力の維持

2: 不安の軽減

3: 合併症の予防

4: 対人交流の拡大

5: ストレスの発散

第50回午前:第14問

20歳の女性。幼少期に両親が離婚した後、友人関係が不安定となりトラブルが絶えなかった。中学入学後から些細なことでリストカットするようになり、精神科を受診し、その後、入退院を繰り返していた。男女関係のもつれをきっかけに過量服薬し救急車で搬送された。入院後は、医療者に対して依存的だが要求が通らないと激しく責める状態である。最も考えられるのはどれか。  

1: 身体表現性障害

2: 気分変調性障害

3: 統合失調感情障害

4: 演技性パーソナリティ障害

5: 境界性パーソナリティ障害