精神科作業療法の初回評価で適切なのはどれか。
1: 複数の種目を同時に行う。
2: 複雑な種目で行う。
3: 種目は一定の設定場面で行う。
4: 患者が希望した種目で行う。
5: 退院後の希望にそった種目を行う。
作業療法場面での統合失調症者の行動特徴で誤っているのはどれか。
1: 柔軟な判断が苦手である。
2: 計画的な遂行が苦手である。
3: 慣れの効果が持続する。
4: 注意の配分が片寄る。
5: 緊張の亢進が持続する。
境界型人格障害の患者に対する作業療法の目的で適切でないのはどれか。
1: 衝動発散を促す。
2: 依存欲求を満たす。
3: 有能感を高める。
4: 退行を促す。
5: 試行錯誤を促す。
病状が安定している慢性期統合失調症患者が単身生活を始める場合に、優先して身に付けるべき技能はどれか。
1: 就業のための技能
2: 服薬管理の技能
3: 調理の技能
4: 余暇を楽しむ技能
5: 近所付き合いの技能
急性期を脱した後、まだ外的刺激への敏感さが残る統合失調症患者の作業療法導入時の対応で適切なのはどれか。
1: 役割を付与する。
2: 対人交流を促す。
3: 定期的な実施を心がける。
4: 複数の作業療法士で対応する。
5: 退行的行動に対しては関与を控える。
57歳の女性。夫と寝たきりの母親との3人暮らし。編み物を趣味としていた。患者は手の抜けない真面目な性格で、介護が2年続いたころから「体が動かない。死んでしまいたい」と寝込むようになった。夫に連れられ精神科病院を受診し入院。1か月後に作業療法が導入となった。しかし、作業療法士に「母のことが気になるんです。ここにいる自分が情けない」と訴えた。この患者への対応として適切なのはどれか。
1: 主治医に早期の退院を提案する。
2: 他の患者をお世話する役割を提供する。
3: 趣味の編み物をしてみるように提案する。
4: 休むことも大切であることを説明する。
5: 他の患者との会話による気晴らしを促す。
疾患と治療法との組合せで適切なのはどれか。
1: 認知症 - 催眠療法
2: 人格障害 - 森田療法
3: 統合失調症 - 回想法
4: 気分障害 - 認知行動療法
5: 発達障害 - 自律訓練法
精神科作業療法の適応にならないのはどれか。
1: せん妄状態の患者
2: 攻撃的な患者
3: 好褥的な精神分裂病(統合失調症)患者
4: 希死念慮のある抑うつ状態の患者
5: 不潔恐怖のある患者
作業療法の面接における直面化の説明で正しいのはどれか。
1: 話の中で疑問に思ったことを尋ねて会話を促進する。
2: 話の中に含まれる無意識的な意味を指摘する。
3: 話の矛盾点を指摘して問題点を明らかにする。
4: 話から感じられる情緒的な面を言葉で返す。
5: 話の不明確な点を尋ねて明らかにする。
78歳の女性。Alzheimer型認知症。物忘れが激しくなるに従い、何をするにも介護者である夫に頼り、そばを離れない状態となった。そのため、主治医にデイケアを勧められ、通所を開始した。在宅での生活を継続させるために作業療法で優先するのはどれか。
1: 体力の維持
2: 不安の軽減
3: 合併症の予防
4: 対人交流の拡大
5: ストレスの発散
統合失調症について正しいのはどれか。
1: 症状寛解後は薬物治療を中止する。
2: 家族心理教育を行うことで再発率が低下する。
3: 精神病未治療期間の長短は予後と無関係である。
4: 服薬自己管理の練習は急性増悪期から開始する。
5: 障害者試行雇用〈トライアル雇用〉の対象にはならない。
精神科デイケアのプログラムで適切でないのはどれか。
1: 訪問支援
2: 就労準備
3: 家族支援
4: 授産作業
5: 心理教育
統合失調症(回復期前期)の患者に対する作業療法導入時の面接場面で適切なのはどれか。
25歳の女性。境界型人格障害。高校時代から希死念慮や情緒不安定があった。アルバイト先の男性従業員と同棲していたが、21歳のときけんか別れして帰省した。帰省後は母親と生活していたが、母親への暴力と希死念慮が激しくなり入院した。入院後、落ち着いた時点で作業療法が開始された。この時期の実施上の留意点で適切でないのはどれか。
1: 参加に当たっての約束事を確認する。
2: 種目は患者に任せる。
3: 短期間で行えるものを選ぶ。
4: 手順と結果が明確なものを選ぶ。
5: 場面設定を一定にする。
回復期前期の統合失調症患者に対する作業療法で適切なのはどれか。
1: 身体感覚を促すための身体運動を行う。
2: 現実検討を促すためのミーティングを行う。
3: 対人交流技能を促すためのSSTを行う。
4: 自立生活を促すための就労準備訓練を行う。
5: 地域参加を促すための社会活動を行う。
25歳の男性。知的障害。IQ 60。両親と3人暮らし。18歳から近所の漬物工場で仕事をしている。周期性の不機嫌がみられていたが、最近、不機嫌が改善せず、物を投げたり両親を攻撃したりするため、入院となった。入院1か月後に状態が安定したので、退院を目標に作業療法が処方された。作業中、いつも患者は周囲をきょろきょろ見回して、落ち着かない。この状況の説明として適切でないのはどれか。
1: 状況対応力の低さ
2: 過度の緊張
3: 不安の発現
4: 複雑部分発作の前兆
5: 注意集中の困難
21歳の女性。統合失調症。大学に進学後1人暮らしをしていたが、4年生になっても就職先が決まらず、不眠と焦燥感が出現した。その後、他の学生から悪口を言われている声も聴こえ始め、アパートに閉じこもるようになった。母親が患者の異変に気付き精神科を受診させ休学となった。外来受診を継続し1か月半が経過したところで、外来での作業療法が処方された。この患者の作業療法導入時の面接内容として優先すべき項目はどれか。
1: 悪口の内容を確認する。
2: 家族に対する思いを尋ねる。
3: 一日の過ごし方を確認する。
4: 就職の不安について尋ねる。
5: 興味のある授業について尋ねる。
72歳の女性。夫は1年前に亡くなり1人暮らしをしている。家事をこなし地域のボランティア活動にも参加して活動的であるが「最近、下肢の深いところに虫が這うような不快さがあり、週3日くらいよく眠れない。20代のときにも同じような症状があった」と訴えている。作業療法士の助言で適切なのはどれか。
1: ペットを飼うように勧める。
2: 家族と一緒に住むようにと家族介入をする。
3: 筋肉量が少ないため筋力トレーニングを勧める。
4: 薬物療法の適応について医師へ相談するよう勧める。
5: 認知症の可能性があるので、介護保険を受けるように勧める。
うつ病の回復初期の患者への対応で最も適切なのはどれか。
1: 就労を勧める。
2: チームでのスポーツを勧める。
3: 休憩を早めにとるように勧める。
4: 物事は自分で判断するように促す。
5: 行動の結果の良し悪しを明確に伝える。
16歳の女子。統合失調症。高校入学後、人の目を気にするようになり、被害的な言動が出現するようになった。文化祭時に興奮状態となり入院となった。入院10日後、症状は徐々に落ち着いてきたが敏感さが残る。この時点で作業療法が処方された。作業療法導入時の対応で適切でないのはどれか。
1: 短時間から開始する。
2: 個別で対応する。
3: 単純な作業から導入する。
4: 学校での様子を聴取する。
5: 疲労感を確認する。