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第40回午前:第40問

16歳の女子。てんかん。IQ 80。5歳時に大発作が出現した。中学卒業までの間に数回の発作があったが、服薬で発作はコントロールされてきた。卒業後、アルバイトを始めて4か月経過した時点で、発作が出現した。その直後から自室に引きこもって何もしなくなり、外来受診も嫌がるようになった。本人は主治医に「自分には何もできない」「定時制高校で勉強したいが自信がない」と話し、本人と相談の結果、週3回の個人作業療法に参加することとなった。両親は「家事でもしてくれれば」と希望している。導入時の目標で適切なのはどれか。  

1: 休まず作業療法に参加する。

2: 家事手伝いをするようになる。

3: 個人作業療法の場で同年齢の友人を作る。

4: アルバイトを再開する。

5: 定時制高校入学の準備を始める。

第34回午前:第36問

17歳の女子。転換性障害。高校1年の2学期終了前にボーイフレンドと別れてから欠席がちとなり、頭痛、肩こり、無気力を訴えた。進級後も欠席が多く大学病院を受診したが、症状の改善がみられず2か月入院した。入院中に手首を切ったことがある。その後、復学したが教室で頻回に倒れ再入院となった。復学を目的に作業療法が処方された。作業に気乗りしないと頭痛を訴え、難しいと依存的になる。作業療法士の対応で適切なのはどれか。  

1: 訴えを聞き作業を休ませる。

2: 復学を条件に作業を続ける。

3: 難しいところは療法士が手伝う。

4: 患者とルールを決めて作業を行う。

5: 患者の希望した作業を行う。

第36回午前:第26問

40歳の女性。精神分裂病(統合失調症)。19歳で発病し8回の入院歴がある。調子のよいときは家事の手伝いができていた。今回、いとこの結婚式の話を聞いてから言動がまとまらなくなり、「結婚しろ」という幻聴があり、他家を訪問するようになったので入院した。入院1か月後、落ち着きはないが、幻聴は軽減し作業療法の依頼があった。初回面接における作業療法士の対応で適切でないのはどれか。  

1: 過去の入院理由を聞く。

2: 家事の手伝いの内容を聞く。

3: 退院後の生活に対する考えを聞く。

4: 幻聴の内容について聞く。

5: 作業内容についての希望を聞く。

第44回午前:第39問

20歳の男性。広汎性発達障害。高校の普通科を卒業後、工場に就職するが職場で上司に指示されたことが途中で変更になったことで怒ったり、昼休みの同僚との会話からトラブルとなったりして退職した。その後、抑うつ的な状態が続き、精神科受診となった。この患者への作業療法の目的で最も適切なのはどれか。  

1: 体力の向上

2: 自尊心の回復

3: 見当識の改善

4: 行動の自己洞察

5: 生活リズムの回復

第55回午後:第14問

24歳の女性。統合失調症。1年前に職場の対人関係のストレスから発症した。現在は休職し、外来通院をしている。嫌がらせをされているという被害妄想は薬物療法により消失したが、ちょっとした周りの表情やしぐさを見て「周りの人が私のことを言っているような気がする」という猜疑的な言動はみられている。そこで主治医の判断により、認知機能の改善を目的に週1回、外来作業療法を利用したプログラムに参加することになった。この患者の治療目的に合ったプログラムとして適切なのはどれか。  

1: ACT〈assertive community treatment〉

2: Empowerment approach

3: IPS〈individual placement and support〉

4: SCIT〈social cognition and interaction training〉

5: WRAP〈wellness recovery action plan〉

  • 答え:4
  • 解説:この患者は統合失調症で対人関係に猜疑的な言動が見られるため、認知機能の改善を目的とした治療が適切である。そのため、SCIT(social cognition and interaction training)が最も適切なプログラムである。
  • ACT(assertive community treatment)は、統合失調症患者の社会復帰を目指すための地域密着型のチームアプローチであるが、認知機能の改善を直接的に目的としていないため、この患者には適切ではない。
  • Empowerment approachは、患者自身が自分の力を取り戻し、自立した生活を送ることを目的としたアプローチであるが、認知機能の改善を直接的に目的としていないため、この患者には適切ではない。
  • IPS(individual placement and support)は、統合失調症患者の就労支援を目的としたプログラムであり、認知機能の改善を直接的に目的としていないため、この患者には適切ではない。
  • SCIT(social cognition and interaction training)は、統合失調症患者の認知機能や対人関係スキルを改善することを目的としたプログラムであり、この患者の症状に対して適切な治療プログラムである。
  • WRAP(wellness recovery action plan)は、患者自身が健康維持や回復のためのプランを立てるプログラムであるが、認知機能の改善を直接的に目的としていないため、この患者には適切ではない。
  • 科目:統合失調症
  • 重要度:プレミアム特典
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第54回午前:第20問

30歳の男性。統合失調症で5年前に幻覚妄想状態で家族に対する興奮があり、医療保護入院となった既往がある。退院後はほぼ規則的に通院し、毎食後服薬していたが、3か月前から治療を中断し、幻聴や被害関係妄想が悪化し、両親を自宅から閉め出して引きこもってしまった。注察妄想もあり本人も自宅から外出できない状況である。多職種訪問支援チームが1年前から関わっており、訪問は受け入れてもらえている。この患者への今後の介入で最も適切なのはどれか。  

1: 本人の意思に関わらず、繰り返し服薬を強く促す。

2: 両親を自宅に同行させ、その場で本人に両親への謝罪を促す。

3: 民間救急を利用し、中断していた精神科病院の救急外来に搬送する。

4: 本人の希望や生活上の困り事を根気よく引き出し、関係を深める努力をする。

5: 訪問頻度を減らし、本人が助けを求めるのを待って精神科外来に結びつける。

  • 答え:4
  • 解説:この患者は統合失調症であり、家族に対する興奮や幻聴、被害関係妄想が悪化している。適切な介入は、本人の希望や生活上の困り事を根気よく引き出し、関係を深める努力をすることである。
  • 被害関係妄想がある場合は、本人の意思に反する関わりは避けるべきである。本人が実現したい生活の姿を共有し、その支援を行う。
  • この患者は、家族に対して興奮したり、両親を自室から閉め出したりしていることから、病的体験には両親が関連している可能性が高いと考えられる。この段階で、本人の自発的な意思でないにも関わらず、家族に謝罪を促すのは望ましくない。
  • この患者は、現時点で訪問支援を受け入れているため、民間救急を利用するまでの状況には至っていないと考えられる。
  • 地域における生活支援においては、本人が生活の主体者として自己決定し、生きていく力をつけるように支援する。患者本人がどのような生活をしたいのか、何をしたいのか、何ができるようになりたいのか、などのニーズのアセスメントが重要である。また、同時に、患者と治療者の間で信頼関係を深められるようにする。
  • 服薬は3か月前から自己中断しているため、訪問頻度を減らすことは怠薬による再発リスクを高める危険がある。
  • 科目:統合失調症
  • 重要度:プレミアム特典
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第46回午前:第18問

48歳の女性。20歳代で夫が亡くなり1人で子どもを育てた。子どもが就職し家を離れたころから意欲が低下し、気分が落ち込むようになった。精神科外来に通院していたが、今回、食欲不振が続いたため入院となった。入院後3週経過し作業療法が開始された。この患者の作業療法実施上の留意点で適切なのはどれか。2つ選べ。  

1: 楽しみを見つける。

2: 早期の就労を促す。

3: 自殺企図に注意する。

4: 身辺処理能力を高める。

5: 過去の生活課題を振り返る。

第38回午前:第33問

34歳の主婦。解離性(転換性)障害。23歳の時から入退院を繰り返している。今回、夫婦喧嘩の後ふらつきがひどくなり、意識を失って入院した。1か月後にふらつきはまだあるものの、作業療法が導入された。当初の作業療法で適切なのはどれか。2つ選べ。 ア.ふらつきの原因を探る。イ.夫婦関係を調整する。ウ.無意識の葛藤について洞察させる。エ.歩行訓練を行う。オ.不安感を発散する作業を行う。  

1: ア

2: イ

3: ウ

4: エ

5: オ

第48回午前:第16問

53歳の男性。アルコール依存症。34歳から頻回の入院を繰り返し、仕事も失い、妻とも離婚した。1週前から終日飲酒して、食事も摂らない状態が続くため入院となった。入院後は振戦せん妄がみられたが、3週後には状態が安定し、体力強化を目的に作業療法が処方された。作業療法場面でみられやすいのはどれか。  

1: 柔軟な判断

2: 高い目標設定

3: 共感的な感情表出

4: 熟慮に基づく行動

5: 円滑な対人関係の構築

第37回午前:第31問

19歳の女性。精神分裂病(統合失調症)。高校卒業後スーパーマーケットに就職した。約1年経ったころから情緒不安定となり、幻覚・妄想に支配された異常な言動が活発になったので入院した。薬物療法によって入院3か月で一応の安定が得られたので作業療法の依頼があった。作業療法中に、「居ても立ってもいられない。じっとしていられない」と訴えて落ち着かなくなった。考えられる要因はどれか。2つ選べ。 ア.パーキンソニズムイ.遅発性ジスキネジアウ.急性ジストニアエ.アカシジアオ.精神症状の悪化  

1: ア

2: イ

3: ウ

4: エ

5: オ

第37回午前:第27問

74歳の女性。アルツハイマー型老年認知症。約6年前から、朝食の内容を昼には忘れてしまう。最近、貯金通帳の置き場所を忘れ、長女夫婦が盗んだと非難することが多くなり、「他人が勝手に玄関から入ってくる」と訴え入院となった。入院後は落ち着き、作業療法を実施することになった。この患者に作業療法を実施する際の留意点で誤っているのはどれか。   

1: 身体機能の評価を行う。

2: 意欲低下がみられる場合は励ます。

3: 言い間違いは指摘する。

4: 単純な作業から始める。

5: 過去に行った作業を適用する。

第54回午後:第100問

成人のパーソナリティ障害への治療介入で正しいのはどれか。  

1: 薬物療法は有効である。

2: 家族との連携を控える。

3: 早期に診断して患者に告知する。

4: 秩序を乱した行動に対して何も言わない。

5: 自傷行為などが頻回な場合は電気けいれん療法を行う。

  • 答え:1
  • 解説:成人のパーソナリティ障害への治療介入では、薬物療法が有効であることが正しい。抗不安薬や抗うつ薬などの薬物療法は、副次的ではあるものの、パーソナリティ障害に対して有効である。
  • 薬物療法は有効である。抗不安薬や抗うつ薬などの薬物療法は、副次的ではあるものの、パーソナリティ障害に対して有効である。
  • 家族との連携を控えるという選択肢は間違いである。パーソナリティ障害において、家族や患者を取り巻く周囲との連携を控える必要はない。
  • 早期に診断して患者に告知するという選択肢は間違いである。パーソナリティ障害は、単独で精神科を受診することは少なく、うつ状態や不安状態といった症状の背後にあり、治療を始めて初めて発見され、前面に出てくる場合も多い。
  • 秩序を乱した行動に対して何も言わないという選択肢は間違いである。パーソナリティ障害に対する治療では、治療構造を明確にすることが重要である。治療者にもできること、できないことがあること、受容できること、できないことがあることをはっきりさせ、受容すべきでないことに対しては注意をする。
  • 自傷行為などが頻回な場合は電気けいれん療法を行うという選択肢は間違いである。電気けいれん療法は、うつ病において、自殺の危険性が高い際や昏迷などで薬物療法が困難な場合、精神運動興奮の極めて強い場合などに適応となる。
  • 科目:精神障害と臨床医学
  • 重要度:プレミアム特典
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第36回午前:第31問

17歳の男子高校生。恐怖症。2人兄弟の兄。弟とふざけていて、弟が持つボールペンの先が本人の手掌部に突き刺さった。傷は短期間で治癒したが、それ以後ボールペンや包丁などの先の尖ったものを怖がるようになり、勉強も手につかず、不登校となった。弟に対する暴力も時々みられた。通院を開始し、3か月が経過したが、尖端に対する恐怖心や不登校は持続している。この時点で作業療法が開始された。作業療法開始時の作業療法士の対応で適切でないのはどれか。  

1: 適度な距離をおいて接する。

2: 作業療法の場でできることを説明する。

3: 作業活動は生活体験に基づいたものを用いる。

4: 努力・成果を認めるようにする。

5: 症状の意味を伝える。

第44回午前:第35問

48歳の男性。市役所に勤務。住民の苦情に対応する業務に就いたころから、不眠、食欲不振、意欲低下および思考抑制が始まった。3か月間の休職を取り自宅療養をしていたが「自分は役に立たない」と言い、希死念慮を認めたため入院となり、2週後から作業療法が開始された作業療法導入時の留意点はどれか。  

1: 得意であった作業を導入する。

2: 他者との交流を促す。

3: 休息の取り方を練習する。

4: 病気の体験を言語化する。

5: 自己決定の機会を増やす。

第35回午前:第35問

68歳の女性。アルツハイマー型痴呆。最近、臥床傾向が強くなり、抑うつ的で食事・入浴などに拒否的となり入院した。入院後約2週で臥床傾向も改善し始め、食事・入浴などは拒否せず誘導に応じるようになった。作業療法の内容設定で適切なのはどれか。2つ選べ。 ア.変化に富んだ設定イ.複数の課題のある設定ウ.刺激を制限した設定エ.安心感のある設定オ.手順の多い設定  

1: ア

2: イ

3: ウ

4: エ

5: オ

第37回午前:第35問

57歳の女性。アルコール依存症。専業主婦。以前から台所で飲酒していたが、夫が退職したころから、昼夜に関係なく隠れ飲みするようになり、半年後に入院となった。入院後、著明な離脱症状はなかったが、しばらく不安、抑うつが続いた。薬物療法によって、これらの症状が軽減したので作業療法が処方された。退院前の作業療法施行時に、泣き出すなど情緒不安定になった。作業療法士の対応で適切でないのはどれか。  

1: 支持的な態度で患者の訴えを聴いた。

2: 訴えを聞くうちに落ち着いてきたので作業を続けた。

3: 作業終了後、情緒不安定になった事を主治医に報告した。

4: 退院後の生活への不安が情緒不安定の原因と本人に告げた。

5: 今後も患者の行動に注意することを他のスタッフと確認した。

第36回午前:第88問

境界型人格障害の患者の作業療法で適切でないのはどれか。  

1: 種目は患者に任せる。

2: 手順や結果が明確なものを選ぶ。

3: 枠組みのある作業を選ぶ。

4: 作業環境を一定にする。

5: 共同作業を勧める。

第57回午後:第19問

22歳の男性。注意欠如・多動性障害。大学卒業後に営業職に就いた。顧客との約束や書類を忘れるなどの失敗が続き、上司が度々指導をしても改善しなかった。子供のころから不注意傾向があり、母親は「しつけをしてこなかった自分に非がある」という。その後も失敗が続いて自信を喪失し、1週前から欠勤し精神科の受診に至った。入院となり作業療法が処方された。この時期の作業療法士の対応として適切なのはどれか。  

1: 仕事に適性がないと伝えて転職を勧める。

2: 休養に専念し職場復帰を焦らないように伝える。

3: 母親のしつけの失敗の影響が残っていると告げる。

4: 上司の指導方法が病気の誘因であることを説明する。

5: 職場復帰のために対人技能向上を目的とした作業活動を勧める。

  • 答え:2
  • 解説:注意欠如・多動性障害(ADHD)の患者で、不注意傾向から業務上の問題行動があって職場の指導では改善が見られない。患者は自信を喪失して欠勤していることから、自尊心の回復が対応すべき課題である。
  • 患者は営業職に就いていたが、不注意傾向はどのような業務にも影響があり、転職しても解決にはならない。失敗が続いて自信を喪失している患者に転職を勧めると、自尊心を傷つけることになる。
  • 入院した時期に作業療法が処方されており、急性期にあると推察される。急性期には休息させ心身の回復を図ることが重要である。この選択肢が正しい。
  • 患者に現在の状況が母親の責任だと伝えたとしても、患者が損なった自尊感情を回復することにはならない。母親は自戒の念を述べているが、これが患者の能力と欠勤の原因と判断することは困難。
  • 上司の指導方法が、患者の不注意と業務失敗の誘因とは言えない。また、業務上の失敗が患者の責任でないことが事実だとしても、それを急性期の患者に伝えても、患者は失敗を思い出しては内省を繰り返す危険がある。
  • 急性期には、患者が逃避した職場への復帰を直接的な目的とした作業を勧めることはできない。患者は自信を失っている状態であり、職場復帰を想像することがストレスとなる。
  • 科目:発達・小児疾患
  • 重要度:プレミアム特典
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第56回午前:第17問

65歳の女性。約1年前から抑うつ気分、意欲低下、判断力低下、不眠、食思不振などがあり、約9か月前に精神科外来を初めて受診した。希死念慮や貧困妄想も加わり、約8か月前に医療保護入院となっている。抗うつ剤投与により不眠、食思不振はある程度改善されたが、悲観的な思考内容は遷延化した。促してかろうじて病棟外への散歩に応じるようになり、数か月が経過したところで、主治医から作業療法の依頼があった。この時点での作業療法として適切でないのはどれか。  

1: 本人の自己決定を見守る。

2: 個別のかかわりから開始する。

3: 1回の活動時間は短く設定する。

4: 長期間をかけて完成する課題を採用する。

5: なじみのある課題より初めての課題を採用する。

  • 答え:4
  • 解説:この問題では、高齢期のうつ病患者に対する作業療法の適切な方法について問われています。回復期にある患者に対して、自己決定を尊重し、個別のかかわりを重視し、短時間の活動を行い、なじみのある課題を選択することが適切です。一方で、長期間をかけて完成する課題は適切ではありません。
  • 患者の自己決定による行動は、うつ病による行動不活性の改善を示すものであり、患者が安全に行動できるように見守ることは適切です。
  • うつ病患者に作業療法を開始するときは、患者が自分のペースで行える個別のものがよい。集団で他者との関わりがある作業では患者が「他者と自己の比較」を行って自己卑下することや、作業ペースが合わずに自信を失うことがあるため、個別のかかわりから開始することが適切です。
  • 作業療法の開始時期には、1回の活動時間は短くし、患者の疲労度を確認しながら活動量を調節して進めることが適切です。
  • 長期間をかけて完成する課題は適切ではありません。患者が作業での成功体験を得るために、作業療法の初期には簡単で短時間に完成できる作業を選択し、完成した作品などはその場で満足が得られるように配慮することが重要です。
  • うつ病患者にとってなじみのある作業は、病前の自分と比較して、病気になった自責感や劣等感を抱くことがあるため、なじみのある課題を採用することが適切です。
  • 科目:気分障害
  • 重要度:プレミアム特典
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第57回午後:第15問

24歳の女性。大学卒業後に事務職として勤務していたが、汚物が付着していないかと気になり、頻繁に手を洗い何度も確認するようになった。確認行為により仕事に支障をきたすようになり退職した。家族は本人の確認行為に応じていた。精神科を受診したところ強迫性障害と診断され、外来での作業療法が処方された。作業療法士から家族へのアドバイスとして最も適切なのはどれか。  

1: 常に本人を監視するように伝える。

2: 本人の再就職を促すように伝える。

3: 家の中の消毒を徹底するように伝える。

4: 病気の原因を本人と話し合うように伝える。

5: 本人からの確認の要求に応じないように伝える。

  • 答え:5
  • 解説:強迫性障害は患者が不合理な行動を繰り返す病気で、治療には認知行動療法や薬物療法が用いられる。家族が患者の要求に応じないことで、患者が自分で心理葛藤に立ち向かえるようになる。
  • 家族に行動を監視されることで、患者の心理的緊張と不安が高まり、強迫行為が出現しやすくなることがあるため、適切ではありません。
  • 患者は職場での強迫行為が原因で離職しており、再就職を促すと本人の不安が増大する危険があるため、適切ではありません。
  • 家の中の消毒は、患者の手に汚物がついていることを家族が追認することになり、不安を助長するため、適切ではありません。
  • 患者は病気の原因が自分自身の不安と自分の意思に反して生じている考えであることを理解しているが、それをわかっていてもやめられないため、家族と話し合いをしても解決できないため、適切ではありません。
  • 患者本人の確認要求に応じないことで、患者が自分で心理葛藤に立ち向かえるようになり、強迫行為を克服することができるため、適切です。
  • 科目:その他の精神障害
  • 重要度:プレミアム特典
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