第38回午前第31問の類似問題

第45回午後:第14問

52歳の男性。アルコール依存症。7年前から飲酒量が増え、コントロールがつかず昼から飲むようになり、2年前に会社を辞めた。2か月前から連続飲酒の状態となったため、家族に付き添われて精神科を受診し入院した。離脱症状が改善されたため作業療法を開始した。この時期にみられやすいのはどれか。2つ選べ。  

1: 過度な頑張り

2: 感情の平板化

3: 自己評価の低下

4: 基礎体力の低下

5: 主体的な役割行動

第46回午後:第12問

56歳の女性。3年前に右手の振戦で発症したParkinson病患者。数か月前から前傾姿勢を認めるようになった。事務員として仕事をしている。理学療法として優先されるのはどれか。  

1: リズム音を用いた歩行訓練

2: 体幹筋のストレッチ訓練

3: 呼吸リハビリテーション

4: 下肢の筋力増強訓練

5: 環境整備

第40回午前:第5問

60歳の女性。主婦。発症後2か月の脳卒中右片麻痺。ブルンストローム法ステージは上下肢、手指いずれもIVである。認知的問題はない。表は患者が現時点で改善したいと考える活動とそれらの活動の重要さ、出来ばえ、現状の満足感を各々10点満点で 主観的に判断した結果を示す。この表から作業療法士がする判断で適切なのはどれか。 

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1: 「炊事」へのアプローチは満足感が得やすい。

2: 「買物」へのアプローチは成功体験が得やすい。

3: 「電話」へのアプローチは優先度が高い。

4: 列挙された活動のニーズは同等である。

5: 列挙された活動の意味と行い方を分析する。

第47回午前:第44問

統合失調症患者の退院時指導で適切でないのはどれか。  

1: 再入院しないよう約束する。

2: ストレスへの対処法を再確認する。

3: 利用する施設の担当者に情報を提供する。

4: 困ったときの援助の求め方について確認する。

5: 再燃のサインを見つけたときの行動について確認する。

第52回午後:第48問

てんかん患者が作業療法中に強直間代発作の重積状態を呈したときの対応として最も優先すべきなのはどれか。  

1: 家族に連絡する。

2: 呼吸を確認する。

3: 服薬状況を確認する。

4: 四肢を押さえて固定する。

5: 心電図モニターを装着する。

第46回午後:第14問

29歳の女性。歩行困難を主訴に整形外科外来を受診したが、検査では異常は認められなかった。紹介されて精神科外来を受診し、入院することとなった。手足がふるえ、軽い麻痺のような脱力があり、自立歩行ができないため車椅子を使用している。立位保持や移乗に介助を必要とし、ADLはほぼ全介助である。この時点の患者に対する作業療法で適切なのはどれか。2つ選べ。  

1: 自己洞察を促す。

2: 自己表現の機会を増やす。

3: 身体症状に対して対応する。

4: 自己中心的な依存は禁止する。

5: 集団活動で役割を担ってもらう。

第42回午前:第34問

32歳の男性。会社員。課長になってから会議が多くなり、会議中にマイクを持つ手が震え、激しい動悸と発汗が出現するようになった。次第に恥をかきたくないと、会議が恐怖となっていった。精神科外来受診後に外来作業療法を開始した。この患者の病態として適切なのはどれか。  

1: 強迫性障害

2: 社会不安障害

3: 回避性人格障害

4: 身体表現性障害

5: 急性ストレス反応

第45回午後:第9問

81歳の女性。多発性脳梗塞と心不全を併発したため入院した。日中に家族がいるときはしっかりしているが、夜間には「大きな声を出す」、「窓から外に出ようとする」、「服を脱ぐ」などの行為が見られるようになった。この患者の病態で考えられるのはどれか。  

1: 昏迷

2: せん妄

3: 多幸症

4: 不安発作

5: 抑うつ状態

第54回午後:第19問

7歳の男児。几帳面なところがある。小学校に入学して数か月後から肩をすくめる、まばたきをすることが目立ってきた。最近、授業中に顔しかめや首ふりなども激しくなり、担任の先生から注意されることが増えた。友達と遊んでいるときや眠っているときは起こらない。悩んだ母親が本人を連れて来院、チック障害と診断され作業療法の導入となった。作業療法士の対応で適切なのはどれか。  

1: 本人に困っていることを聞く。

2: 本人にチックが起こるときの状況を尋ねる。

3: チックを起こさないよう努力するように本人に言う。

4: 緊張に慣れる目的で最前列に座らせるよう担任の先生に依頼する。

5: クラスメートに障害のことは知らせずにおくよう担任の先生に依頼する。

  • 答え:1
  • 解説:チック障害は突然起こる無目的な症状で、ストレスが原因の一つとされる。作業療法導入期には、患児の困っていることを聞くことが適切である。
  • 本人に困っていることを聞くことは適切であり、学校生活を支援するために役立つ。患児の悩みや困り事を理解し、適切な対応を行うことが重要である。
  • 本人にチックが起こるときの状況を尋ねることは、ストレスをかける可能性があり、症状を誘発する危険性があるため、適切ではない。
  • チックを起こさないよう努力するように本人に言うことは、症状を意識することで心理的ストレスになり、チックを誘発する危険性があるため、適切ではない。
  • 緊張に慣れる目的で最前列に座らせるよう担任の先生に依頼することは、緊張が高まりチックを誘発させる危険性があるため、作業療法導入期に有効な手段とは言えない。
  • クラスメートに障害のことは知らせずにおくよう担任の先生に依頼することは、患児の学校での様子や困っていることを確認した後で考慮することが適切である。ただし、障害を理解してもらうことは周囲の協力を得るために重要である。
  • 科目:発達・小児疾患
  • 重要度:プレミアム特典
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第57回午後:第20問

33歳の男性。ミュージシャンを志していたが、21歳時に統合失調症を発症し、2回の入院歴がある。3か月前から就労移行支援事業所への通所を開始し、支援によってコンサートホールの照明係のアルバイトに就いた。就労移行支援事業所のスタッフは、定期的に職場訪問を実施して本人と雇用主の関係調整を行っており、主治医やケースワーカーとも連携して支援活動をしている。この患者に行われているプログラムはどれか。  

1: CBT〈Cognitive Behavioral Therapy〉

2: IPS

3: NEAR

4: SST

5: WRAP

  • 答え:2
  • 解説:この患者に行われているプログラムはIPS(Individual Placement and Support)である。IPSは就労支援の方法で、従来の訓練をしてから仕事に就くのではなく、仕事の場において訓練するという方法である。
  • CBT(Cognitive Behavioral Therapy)は、認知の歪みや偏りを修正して問題解決を図る精神療法であり、この患者の状況とは関係がない。
  • IPS(Individual Placement and Support)は正解であり、就労移行支援事業所を通じて職場での訓練を行い、主治医やケースワーカーと連携して支援活動を行っている。
  • NEAR(Neuropsychological Educational Approach to Rehabilitation)は、コンピューターゲームを用いて行う認知機能改善のためのプログラムであり、この患者の状況とは関係がない。
  • SST(Social Skills Training)は、対人関係など社会生活に必要な技能をロールプレイを用いて訓練する方法であり、この患者の状況とは関係がない。
  • WRAP(Wellness Recovery Action Plan)は、具合が悪くなったときに回復を促すために自分で行動計画を作るものであり、この患者の状況とは関係がない。
  • 科目:統合失調症
  • 重要度:プレミアム特典
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第55回午前:第13問

66歳の男性。要介護1となり介護老人保健施設に入所した。入所1週後、作業療法士によるリハビリテーションを行うために機能訓練室に来室した際、動作の緩慢さと手指の振戦が観察された。妻は本人が中空に向かって「体操服姿の小学生がそこにいる」と言うのを心配していた。本人に尋ねると、見えた内容について具体的に語っていた。疾患として考えられるのはどれか。  

1: Creutzfeldt-Jakob病

2: Alzheimer型認知症

3: Lewy小体型認知症

4: 意味性認知症

5: 正常圧水頭症

  • 答え:3
  • 解説:この患者は、動作の緩慢さと手指の振戦などのParkinson症状がみられるほか、「体操服姿の小学生がそこにいる」などと言った、ありありとした幻視がみられている。これらの症状から、Lewy小体型認知症が最も考えられる疾患である。
  • Creutzfeldt-Jakob病は、遺伝性の感染型プリオン蛋白と、その汚染臓器の移植により生じる。中高年が無関心、行動異常で発症し、認知症症状、錐体路・錐体外路症状が急速に進行し、植物状態となる。この患者の症状とは一致しないため、正しくない選択肢である。
  • Alzheimer型認知症は「物忘れ」のような記銘力や近時エピソード記憶障害に始まり、作業能率の低下、行為の障害、失行・失認、健忘性作話などが特徴である。この患者の症状とは一致しないため、正しくない選択肢である。
  • Lewy小体型認知症は、記憶の再生の障害が目立ち、認知機能の動揺、視覚認知障害(幻視)、抑うつ状態が特徴である。この患者の症状(動作の緩慢さ、手指の振戦、幻視)はLewy小体型認知症の特徴と一致するため、正しい選択肢である。
  • 意味性認知症は、側頭葉優位型の前頭側頭葉変性症で、物品呼称の障害、単語理解の障害を呈し、これらにより日常生活が阻害されている状態である。また、対象物に対する知識の障害や表層性失読・失書がみられることもある。この患者の症状とは一致しないため、正しくない選択肢である。
  • 正常圧水頭症は、脳脊髄液の循環不全により歩行障害、認知症、尿失禁などの症状がみられる。この患者の症状とは一致しないため、正しくない選択肢である。
  • 科目:認知症・高齢者障害
  • 重要度:プレミアム特典
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第38回午前:第36問

13歳の男子。恐怖症性不安障害。父親の転勤で中学転校時から、漠然とした不安感情が表れるようになった。ある日、授業中に動悸や息切れがひどくなり発作性の震えが出現、養護教諭のすすめで精神科クリニックを受診した。その後、不安発作が激しくなり不登校の日が続いた。主治医・両親・患者・学校側との相談の結果、クリニック付設デイケアに参加することになった。2か月して不安発作も落ち着き、新学期には登校を再開する予定になったが、本人は不安を述べている。この時点での対応として適切なのはどれか。2つ選べ。  

1: 両親に登校の必要性を説得してもらう。

2: スタッフの付き添いで登校する。

3: 教師に自宅へ迎えに行くように依頼する。

4: スタッフが定期的に面接する。

5: 登校できない時はデイケアに参加する。

第34回午前:第19問

58歳の女性。脳梗塞による右片麻痺。発症後5日経過。理学療法では座位訓練が開始された。評価により意識レベルはJCS(Japan Coma Scale)で1桁、ブルンストローム法ステージは上肢・下肢ともにII、手指はIであった。早期プログラムとして適切でないのはどれか。  

1: 座位での上肢帯のポジショニングの指導

2: 麻痺側の自動介助運動の指導

3: 臥位時の三角巾による上肢の固定方法の指導

4: 非麻痺手による物品操作の指導

5: 食事動作の指導

第50回午前:第16問

55歳の男性。うつ病。3か月前に昇格し研修部門の責任者となった。最近になり睡眠障害と気分の落ち込みとが出現した。職場では研修予定が立てられない、報告書の提出が遅れるなど仕事がこなせなくなった。心配した上司に勧められて精神科を受診し、休職することになった。この時点の作業療法で適切なのはどれか。2つ選べ。  

1: 楽しい体験を勧める。

2: 休息の重要性を伝える。

3: 作業活動時間は短くする。

4: 生活課題への取り組みを始める。

5: 能力向上のための課題を提供する。