第37回午前第87問の類似問題

第53回午後:第19問

67歳の女性。Alzheimer型認知症。HDS-Rは18点で特に見当識と遅延再生とに低下を認めた。自宅から一人で外出する際に迷って保護されることが多くなり、送迎によって通所リハビリテーションに通っている。作業療法では認知機能のリハビリテーションを実施している。記憶障害を踏まえた対応で最も適切なのはどれか。  

1: 「訓練室に行きましょう」と声をかけて訓練室まで先導してもらう。

2: 家族写真を一緒に見ながら「この方は誰ですか」と尋ねる。

3: 作業療法の開始時に「私を覚えていますか」と尋ねる。

4: 「もう〇月の〇日ですね」と伝えて日付を確認する。

5: 「前回の作業療法では何をしましたか」と尋ねる。

  • 答え:4
  • 解説:この患者は見当識と遅延再生が低下しており、外出すると道に迷うことがある。記憶障害を踏まえた対応で最も適切なのは、日時の見当識を伝えることで、日時見当識の維持・定着をはかることができる選択肢4である。
  • 道に迷うことのある患者に対して目的地までを先導させるのは、失敗体験をさせる可能性があり、適切でない。患者が作業療法室を覚えているかどうかについては問題文から判断できない。
  • Alzheimer型認知症は、重症化すると顔認知が障害されることがあるが、この患者はHDS-Rが18点で、見当識と遅延再生が低下している程度である。家族の顔認知は長期的な記憶であり、これが障害されているかどうかを確認するほど重症な患者とは考えにくい。
  • 顔認知は家族よりも他人のほうが早期に障害されやすい。患者が通所リハを利用している期間が問題文からは読み取れないため、作業療法士の顔の記憶については即時記憶か長期記憶か不明であり、最も適切とは言えない。
  • 日時の見当識を伝えることで、日時見当識の維持・定着をはかることができ、適切である。
  • 前回の作業療法がいつであったかの記載は問題文にはないが、記憶障害の程度も加味すると、想起できない可能性がある。Alzheimer型患者には失敗体験を極力させないようにすべきであり、日付の確認のほうが適切である。
  • 科目:認知症・高齢者障害
  • 重要度:プレミアム特典
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第48回午前:第42問

Alzheimer型認知症の作業療法場面で特徴的なのはどれか。  

1: 多動傾向

2: 固執傾向

3: 模倣行動

4: 感情失禁

5: 構成失行

第39回午前:第97問

多動性障害で観察されるのはどれか。2つ選べ。 ア.順番を待てる。イ.課題をやり遂げる。ウ.他者と関わらない。エ.興味が移りやすい。オ.忘れ物が多い。  

1: ア

2: イ

3: ウ

4: エ

5: オ

第38回午前:第96問

認知症患者の作業療法評価で適切でないのはどれか。  

1: 歩行状態などの運動機能

2: 記銘力や理解力などの知的機能

3: 家族の介護力の程度

4: 内田・クレペリンテストでの作業能力

5: 呼吸器・循環器などの合併症の有無

第43回午前:第26問

67歳の女性。数か月前から、「子どもが枕元に座っている」と言うようになった。最近では歩行が小刻みになってきて転びやすくなり、物忘れが目立つようになった。疾患として考えられるのはどれか。2つ選べ。 ア.Alzheimer型認知症イ.Pick病ウ.血管性認知症エ.Lewy(レビー)小体型認知症オ.遅発性統合失調症  

1: ア

2: イ

3: ウ

4: エ

5: オ

第39回午前:第28問

68歳の男性。アルツハイマー型痴呆。数年前から道で迷ったり、電話できちんと受け答えしたのに、その内容を家人に伝えられなかったりした。最近では夜間になると興奮して動き回り、昼間はうとうとしている。半年ぶりに会った息子に初対面の人に挨拶するように対応したため、家人が心配して受診させ入院に至った。この患者に当てはまらないのはどれか。  

1: 地誌的障害

2: せん妄

3: 失語

4: 記銘力障害

5: 人物誤認

第36回午前:第74問

高齢の多発骨折患者がICUできたしやすい症状はどれか。2つ選べ。 ア.ナルコレプシーイ.失見当識ウ.幻 覚エ.ジストニアオ.失 認  

1: ア

2: イ

3: ウ

4: エ

5: オ

第44回午前:第64問

高齢者の病態と作業療法との組合せで適切なのはどれか。  

1: 難 聴 − かん高い声で話しかける。

2: 白内障 − 陽の当たる明るい場所は避ける。

3: うつ症状 − 激励する様に話しかける。

4: 骨粗鬆症 − 腰痛時は体幹前屈位を勧める。

5: 記銘力低下 − 課題を早めに変更する。

第51回午前:第96問

病名と症状の組合せで正しいのはどれか。  

1: 前頭側頭型認知症 ― 脱抑制

2: 進行性核上性麻痺 ― 取り繕い

3: 皮質基底核変性症 ― 認知の変動

4: Lewy小体型認知症 ― 肢節運動失行

5: Alzheimer型認知症 ― 垂直性眼球運動障害

第52回午後:第19問

79歳の女性。Alzheimer型認知症。趣味の詩吟や洋裁をして過ごしていたが、75歳ごろから物忘れが目立ち始めた。最近、夫が入院して独居となったが、洋裁や家事ができなくなり自信を喪失して介護老人保健施設に入所となった。HDS-R 10点で、日付、減算、遅延再生および野菜の想起に失点を認めた。問題行動は特に認めない。この患者に対する自己効力感の向上を目的とした作業療法導入時の作業として適切なのはどれか。  

1: 詩吟

2: 洋裁

3: 計算ドリル

4: 献立づくり

5: 立体パズル

第56回午前:第96問

我が国の65歳以上の高齢者における軽度認知障害〈MCI〉の有病率として適切なのはどれか。  

1: 5%

2: 15%

3: 35%

4: 50%

5: 70%

  • 答え:2
  • 解説:軽度認知障害(MCI)は、正常な状態と認知症の中間の状態であり、日常生活に支障はないが、物忘れなどの症状がある。我が国の65歳以上の高齢者におけるMCIの有病率は約15%であり、約400万人と推計されている。
  • 5%では低すぎます。実際の有病率は約15%であり、約400万人と推計されています。
  • 15%が正しい答えです。我が国の65歳以上の高齢者におけるMCIの有病率は約15%であり、約400万人と推計されています。年間10~30%が認知症に進行するとの報告がある。
  • 35%では高すぎます。実際の有病率は約15%であり、約400万人と推計されています。
  • 50%では高すぎます。実際の有病率は約15%であり、約400万人と推計されています。
  • 70%では高すぎます。実際の有病率は約15%であり、約400万人と推計されています。
  • 科目:老年期障害と臨床医学
  • 重要度:プレミアム特典
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第37回午前:第35問

図に示す脳卒中左片麻痺患者の動作で適切なのはどれか。2つ選べ。 

37_0_35

1: ア

2: イ

3: ウ

4: エ

5: オ

第47回午後:第13問

70歳の女性。買い物での計算や自宅への道順を間違えるようになり、心配した家族に伴われて物忘れ外来を受診した。Alzheimer型認知症と診断され外来作業療法を開始した。患者は「どうして私がここへ来ないといけないの」、「だまされた。帰りたい」と訴えて興奮することが多い。この時期の患者に対する作業療法の目的として適切なのはどれか。  

1: 食事動作の維持

2: 精神的混乱の軽減

3: 廃用症候群の予防

4: 非言語的交流の活用

5: 福祉用具の適用評価

第49回午後:第42問

認知症患者への作業療法で改善されやすいのはどれか。  

1: 失語

2: 記憶障害

3: 異常感情

4: 見当識障害

5: 遂行機能障害

第35回午前:第73問

高齢者の特徴として適切でないのはどれか。  

1: 最大筋力が低下する。

2: 筋持久力が低下する。

3: 反応時間が延長する。

4: 固有感覚閾値が上昇する。

5: 体力の個人差が減少する。

第35回午前:第74問

失調症患者の症候とその原因との組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。 ア.企図振戦-固有感覚性イ.Romberg徴候-固有感覚性ウ.ジスメトリー-小脳性エ.羅針盤歩行-小脳性オ.変換運動障害-後索性  

1: ア

2: イ

3: ウ

4: エ

5: オ

第53回午前:第44問

認知症の重症度を測定することを目的に、記憶、見当識、判断力と問題解決、社会適応、家庭状況および趣味・関心、介護状況の6項目について5段階で評価するのはどれか。  

1: CDR

2: FAST

3: HDS-R

4: WMS-Ⅲ

5: NMスケール

  • 答え:1
  • 解説:認知症の重症度を測定するために、6項目を5段階で評価するのはCDR(Clinical Dementia Rating)である。CDRは記憶、見当識、判断力と問題解決、社会適応、家庭状況および趣味・関心、介護状況の6項目を評価し、認知症の進行度を判断する。
  • CDR(Clinical Dementia Rating)は、認知症の重症度を測定する目的で、記憶、見当識、判断力と問題解決、社会適応、家庭状況および趣味・関心、介護状況の6項目について5段階で評価する。このため、選択肢1が正しい。
  • FAST(Functional Assessment Staging Test)は、認知症の機能的な進行度を評価するための尺度であり、日常生活能力の低下に焦点を当てている。しかし、6項目について5段階で評価するのはCDRであるため、選択肢2は間違い。
  • HDS-R(Hasegawa Dementia Scale-Revised)は、認知症の診断や進行度を評価するための尺度であるが、6項目について5段階で評価するのはCDRであるため、選択肢3は間違い。
  • WMS-III(Wechsler Memory Scale-Third Edition)は、記憶機能を評価するための検査であり、8種類のサブテストからなる。しかし、認知症の重症度を6項目について5段階で評価するのはCDRであるため、選択肢4は間違い。
  • NMスケール(N式老年用精神状態尺度)は、老年認知症患者の日常生活における実際的な精神機能を行動観察により5項目7段階で評価する。しかし、認知症の重症度を6項目について5段階で評価するのはCDRであるため、選択肢5は間違い。
  • 科目:認知症・高齢者障害
  • 重要度:プレミアム特典
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第46回午前:第24問

高次脳機能障害と評価のための課題との組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。  

1: 知 能 — 模写課題

2: 注 意 — 数唱課題

3: 失 行 — 抹消課題

4: 遂行機能 — 迷路課題

5: 短期記憶 — 鏡映描写課題

第41回午前:第27問

45歳の男性。髄膜脳炎。手足の麻痺はなく、1年後には身の回りの動作が自立した。新しいことが覚えられない記銘力障害が残った。病前の職業は会社員(営業)。この患者の作業療法で適切なのはどれか。2つ選べ。 ア.計算ドリルの練習イ.メモの利用ウ.一日のスケジュール表作成エ.新聞の音読オ.電話対応の練習  

1: ア

2: イ

3: ウ

4: エ

5: オ

第49回午後:第26問

認知症患者への作業療法で適切なのはどれか。  

1: 徘徊するため、着席を求めた。

2: 食べ物がわかりやすいよう、模様のある皿を使用した。

3: 患者の趣味開発のために体験のない生け花を取り入れた。

4: 日付の見当識障害に対し、文字の大きなカレンダーに変えた。

5: ガスの消し忘れでボヤを起こしたので、介助者とともに調理させた。