第37回午前第34問の類似問題

第45回午後:第17問

48歳の女性。うつ病。教育熱心な母親としてパート勤務をしながら2人の娘を育てた。娘達が家を離れた頃から何もする気がなくなり、抑うつ状態となった。希死念慮がみられたため夫に付き添われて精神科を受診し入院となった。「何かしていないと落ち着かない」と訴えたため入院後5日目から作業療法が開始された。作業療法開始時の評価項目で適切なのはどれか。  

1: 対人関係

2: 作業経験

3: 自己評価

4: 知的機能

5: 職業興味

第37回午前:第33問

32歳の男性。感情障害。営業の仕事で成績も良かったが、29歳時に躁病性興奮で約10か月入院した。退院後、復職したが服薬を自己調節し始め、次第に多弁となり顧客とのトラブルが多くなり、上司の勧めで2回目の入院となった。薬物療法によって入院2か月で落ち着いたため、安定した行動の維持を目標に作業療法が処方された。まとまりのある行動を見せているが、要求が通らない場合に他患に攻撃的な言動を表出することがある。この患者の作業で適切なのはどれか。2つ選べ。 ア.非構成的な作業イ.巧緻性の必要な作業ウ.自由参加の集団作業エ.手順の明確な作業オ.粗大運動的な作業  

1: ア

2: イ

3: ウ

4: エ

5: オ

第44回午後:第95問

アルコール依存症患者が急激に断酒したときに起こりやすいのはどれか。2つ選べ。  

1: せん妄

2: 躁状態

3: 嫉妬妄想

4: けいれん発作

5: 被害関係妄想

第35回午前:第99問

アルコール依存症に対するレクリエーション活動で適切でないのはどれか。  

1: 飲酒に対する反省

2: 不安・焦燥感の軽減

3: 生活リズムの改善

4: 安全な運動量の把握

5: 仲間意識の形成

第57回午後:第17問

43歳の女性。うつ病。半年前に子供が1人暮らしを始めてから気分が落ち込み、布団で寝たままでいることが増えた。家事を夫が行うようになると、「夫に迷惑をかけている自分は生きている価値がない」と口にするようになり、夫に連れられ精神科クリニックを受診した。服薬治療が開始され、症状が改善してきたため外来作業療法が処方された。導入時の作業療法士の対応で最も適切なのはどれか。  

1: スケジュール表に従った参加を促す。

2: 枠組みのある構成的作業を導入する。

3: 患者が作製した作品について賞賛する。

4: 意欲の低下が認められても作業遂行を促す。

5: 体調とともに気分も改善するため心配ないと励ます。

第39回午前:第26問

60歳の女性。うつ病。夫と2人暮らし。1年前からうつ状態が遷延し、抑うつ気分や意欲の低下が強く、家事もできなくなり入院した。1か月でうつ状態がやや改善してきたが、記憶力減退を強く訴え、「自分は痴呆になった」との不安が強い。気分転換と生活リズムの回復を目的に作業療法が処方された。主治医からの留意事項として、薬の副作用によるふらつきへの配慮が指示されている。作業療法の初期評価で適切でないのはどれか。  

1: 歩行の状態を把握する。

2: 日常生活の状況について尋ねる。

3: 発症に先立つ環境変化について情報収集する。

4: 高次脳機能検査を行う。

5: 患者が関心を持っている活動を聞く。

第42回午前:第36問

25歳の女性。境界型人格障害。友人と些細なことで口論となり大量服薬して入院となった。症状が落ち着いてきたので、作業療法に参加することになった。この患者の作業療法場面でしばしばみられるのはどれか。2つ選べ。  

1: 一人で作業をやりたがる。

2: 一つの作業に執着する。

3: 作業手順が覚えられない。

4: 病棟スタッフの悪口を言う。

5: 些細なことで自傷行為をする。

第37回午前:第27問

74歳の女性。アルツハイマー型老年認知症。約6年前から、朝食の内容を昼には忘れてしまう。最近、貯金通帳の置き場所を忘れ、長女夫婦が盗んだと非難することが多くなり、「他人が勝手に玄関から入ってくる」と訴え入院となった。入院後は落ち着き、作業療法を実施することになった。この患者に作業療法を実施する際の留意点で誤っているのはどれか。   

1: 身体機能の評価を行う。

2: 意欲低下がみられる場合は励ます。

3: 言い間違いは指摘する。

4: 単純な作業から始める。

5: 過去に行った作業を適用する。

第35回午前:第35問

68歳の女性。アルツハイマー型痴呆。最近、臥床傾向が強くなり、抑うつ的で食事・入浴などに拒否的となり入院した。入院後約2週で臥床傾向も改善し始め、食事・入浴などは拒否せず誘導に応じるようになった。作業療法の内容設定で適切なのはどれか。2つ選べ。 ア.変化に富んだ設定イ.複数の課題のある設定ウ.刺激を制限した設定エ.安心感のある設定オ.手順の多い設定  

1: ア

2: イ

3: ウ

4: エ

5: オ

第55回午前:第44問

アルコール依存症に合併しやすい症状とそれに対する治療との組合せで正しいのはどれか。  

1: アルコール幻覚症――抗不安薬の投与

2: Wernicke脳症――――ビタミンDの投与

3: 再飲酒―――――――断酒会

4: 振戦せん妄―――――抗酒薬の投与

5: 人格変化――――――修正型電気けいれん療法

  • 答え:3
  • 解説:アルコール依存症に合併しやすい症状とそれに対する治療の組合せについて問う問題です。正しい組合せは再飲酒と断酒会です。
  • アルコール幻覚症はアルコール依存症に合併しやすい症状の一つですが、抗不安薬の投与ではなく、抗精神病薬の投与が適切な治療となります。
  • Wernicke脳症はアルコール依存症に合併しやすい症状ですが、ビタミンDの投与ではなく、ビタミンB1(チアミン)の投与が適切な治療となります。
  • 再飲酒はアルコール依存症に合併しやすい症状であり、断酒会はその治療として適切です。断酒会では、アルコール依存症の患者が互いに支え合いながら、アルコールを断つことができます。
  • 振戦せん妄はアルコール依存症に合併しやすい症状ですが、抗酒薬の投与ではなく、抗精神病薬や抗不安薬の投与が適切な治療となります。
  • 人格変化はアルコール依存症に合併しやすい症状の一つですが、修正型電気けいれん療法(m-ECT)はうつ病や統合失調症などの難治性の精神疾患に対して適応となる治療であり、アルコール依存症に対する直接的な治療ではありません。
  • 科目:その他の精神障害
  • 重要度:プレミアム特典
  • 類似問題を見る
  • この問題について報告する

第40回午前:第34問

25歳の女性。解離(転換)性障害。23歳時に結婚し,24歳ころから頭痛、吐き気、四肢のしびれ感と麻痺が出現するようになった。母親への依存と反発が強い一方で、性格のおとなしい夫に対して不満が強い。今回、過量服薬が疑われる意識障害で入院したが、一般状態が安定したので作業療法が開始された。作業療法開始時の対応で適切なのはどれか。  

1: しびれと麻痺の原因を聞く。

2: 過量服薬の理由を聞く。

3: 母親との関係を聞く。

4: 葛藤と症状の関係を話し合う。

5: 興味のある活動を聞く。

第34回午前:第97問

アルコール依存症の患者の家族が作業療法中面会に来た。家族への対応で適切でないのはどれか。  

1: 作業場面を見学させる。

2: その患者の作業内容を説明する。

3: 作業療法への参加状況を説明する。

4: 家族に見学の感想を面会後に尋ねる。

5: 家族の協力体制についてその場で話し合う。

第34回午前:第37問

46歳の女性。知的障害。IQは75。23歳で結婚したが数か月で離婚。実家に戻ったが家出を繰り返し、家では易刺激的、多量に飲水をするようになり入院。退院後も大量服薬したり、相手かまわず電話をする。また、1日に40~50本喫煙し、ボヤを起こし再入院した。入院後2か月目に社会性の向上を目的に作業療法が処方された。作業中10~20分ごとにタバコを吸う。自分のタバコがなくなると他患者にねだり作業が進まない。このときの対応で適切なのはどれか。  

1: 喫煙を全面禁止する。

2: 他患者から苦情がきたら禁煙する。

3: 持ってくるタバコの本数を増やす。

4: 吸う本数を他患者の前で決める。

5: 作業療法士の前で喫煙を許可する。

第37回午前:第37問

25歳の女性。境界型人格障害。高校時代から希死念慮や情緒不安定があった。アルバイト先の男性従業員と同棲していたが、21歳のときけんか別れして帰省した。帰省後は母親と生活していたが、母親への暴力と希死念慮が激しくなり入院した。入院後、落ち着いた時点で作業療法が開始された。この患者が作業療法中に希死念慮を漏らすようになった。対応として適切でないのはどれか。 ア.苦悶の気持ちを聴くようにする。イ.課題を一緒に考えていく姿勢を示す。ウ.作業療法を中止する。エ.希死念慮の背景を説明する。オ.主治医に報告する。  

1: ア、イ

2: ア、オ

3: イ、ウ

4: ウ、エ

5: エ、オ

第41回午前:第33問

40歳の男性。4月に職場の配属先が変わり新しい仕事に慣れない日が続いていた。会社に行くと手に冷や汗が出て、胸がどきどきするようになった。1か月前から不眠、意欲の低下が出現した。会社に行く気力がなくなり、朝からふさぎこむようになったため、妻と一緒に精神科を受診し、入院となった。この患者の入院初期の治療として適切でないのはどれか。  

1: 対人技能訓練を行う。

2: 隠れた身体疾患を検索する。

3: 睡眠薬を処方する。

4: 抗うつ薬を処方する。

5: 充分な休息を与える。

第54回午前:第97問

アルコール離脱せん妄で正しいのはどれか。  

1: 生命への危険性は低い。

2: 羽ばたき振戦がみられる。

3: 抗酒薬を速やかに投与する。

4: 飲酒停止後72~96時間に多くみられる。

5: アルコール血中濃度の上昇に伴って生じる。

  • 答え:4
  • 解説:アルコール離脱せん妄は、アルコール依存症の患者が飲酒を停止した後に起こる症状で、幻覚や運動不安を伴う振戦せん妄が特徴的です。飲酒停止後72~96時間に多く見られ、生命への危険性もあるため注意が必要です。
  • 選択肢1は間違いです。アルコール離脱せん妄は生命への危険性があり、重篤な合併症で死亡することも稀にあるため、注意が必要です。
  • 選択肢2は間違いです。羽ばたき振戦は重篤な肝疾患患者の切迫昏睡時に見られることが多いですが、アルコール離脱せん妄では振戦せん妄が特徴的です。
  • 選択肢3は間違いです。抗酒薬はアルコール依存症の治療に用いられますが、振戦せん妄が生じている際には抗酒薬を投与すべきではありません。代わりに、ベンゾジアゼピンなどの薬物が用いられることがあります。
  • 選択肢4は正しいです。アルコール離脱症候群における振戦せん妄は、飲酒停止後72~96時間頃に生じることが多く、後期症候群(大離脱)と呼ばれます。
  • 選択肢5は間違いです。アルコール離脱せん妄は、アルコールによる身体依存の結果として生じるものであり、アルコール血中濃度の上昇に伴って生じるわけではありません。
  • 科目:精神障害と臨床医学
  • 重要度:プレミアム特典
  • 類似問題を見る
  • この問題について報告する

第39回午前:第35問

24歳の男性。てんかん。生活のリズムの崩れから、発作が頻発するため入院。発作はすぐコントロールされ、2か月後に単身生活での退院予定となった。これまでに何度か保護的就労を試みるものの、次第に服薬が不規則になり、知人からパチンコなどに誘われると断わることができず、金銭管理も不可能となって生活の維持が困難となっていた。今回、退院準備の目的で作業療法に参加した。退院のための技能獲得として適切でないのはどれか。  

1: 服薬管理

2: 時間管理

3: 金銭管理

4: 就労準備

5: 対人関係

第38回午前:第29問

30歳の女性。うつ病。子育てに専念するため、仕事をやめた後から徐々に気力が低下し、不眠が出現し家事全般に支障をきたすようになった。夫と相談の上、近隣の精神科診療所で通院を開始し、約1か月で落ち着きを取り戻した。その時点で作業療法士が週1回生活上の相談・援助を担当することになった。本人は「悪くなるのが心配だ」「好きな編み物もできないような気がする」などと述べている。治療関係を成立させる話題として適切なのはどれか。2つ選べ。 ア.子供の世話イ.家計のことウ.夫との関係エ.再就職のことオ.趣味の再開  

1: ア

2: イ

3: ウ

4: エ

5: オ

第36回午前:第26問

40歳の女性。精神分裂病(統合失調症)。19歳で発病し8回の入院歴がある。調子のよいときは家事の手伝いができていた。今回、いとこの結婚式の話を聞いてから言動がまとまらなくなり、「結婚しろ」という幻聴があり、他家を訪問するようになったので入院した。入院1か月後、落ち着きはないが、幻聴は軽減し作業療法の依頼があった。初回面接における作業療法士の対応で適切でないのはどれか。  

1: 過去の入院理由を聞く。

2: 家事の手伝いの内容を聞く。

3: 退院後の生活に対する考えを聞く。

4: 幻聴の内容について聞く。

5: 作業内容についての希望を聞く。

第57回午後:第43問

アルコール依存症の治療について正しいのはどれか。  

1: 本人や家族に対する心理教育が有効である。

2: 離脱への導入の時期から作業療法を実施する。

3: Wernicke脳症の予防にビタミンCを投与する。

4: 離脱症状の予防にベンゾジアゼピン系薬物は無効である。

5: 患者に拒否的な家族には自助グループヘの参加は勧めない。

  • 答え:1
  • 解説:アルコール依存症の治療には、患者本人や家族に対する心理教育が有効であり、共依存が形成されやすい家族にも対応することが重要です。また、作業療法や薬物療法も適切な時期に行われることが大切です。
  • 本人や家族に対する心理教育が有効である。アルコール依存症は患者本人だけでなく、共依存が形成されやすい家族への心理教育が有効とされる。家族が患者の状況を理解し、適切なサポートができるようになることが重要です。
  • 離脱への導入の時期から作業療法を実施する。これは間違いで、作業療法は離脱期を過ぎてから開始される。離脱期には、患者の症状が安定するまで待つことが適切です。
  • Wernicke脳症の予防にビタミンCを投与する。これは間違いで、ウェルニッケ脳症の予防にはビタミンB1が投与される。ビタミンB1はアルコール依存症患者に不足しがちであり、ウェルニッケ脳症の予防に重要です。
  • 離脱症状の予防にベンゾジアゼピン系薬物は無効である。これは間違いで、離脱症状にはベンゾジアゼピン系薬物を投与して予防する。ベンゾジアゼピン系薬物は、不安や緊張を緩和し、離脱症状を軽減する効果があります。
  • 患者に拒否的な家族には自助グループヘの参加は勧めない。これは間違いで、患者に対して拒否的な家族には、自助グループの参加を促すことや、心理教育により家族が患者に協力できるように支援する。家族の理解と協力が治療の成功に大きく寄与します。
  • 科目:その他の精神障害
  • 重要度:プレミアム特典
  • 類似問題を見る
  • この問題について報告する