第36回午前第26問の類似問題

第50回午後:第44問

長期入院後の統合失調症患者の就労における作業内容として適切なのはどれか。  

1: 対人交流が多い。

2: 精密な作業を含む。

3: 勤務時間の変更が多い。

4: スピードを求められない。

5: 自身の判断で手順を決められる。

第57回午後:第20問

33歳の男性。ミュージシャンを志していたが、21歳時に統合失調症を発症し、2回の入院歴がある。3か月前から就労移行支援事業所への通所を開始し、支援によってコンサートホールの照明係のアルバイトに就いた。就労移行支援事業所のスタッフは、定期的に職場訪問を実施して本人と雇用主の関係調整を行っており、主治医やケースワーカーとも連携して支援活動をしている。この患者に行われているプログラムはどれか。  

1: CBT〈Cognitive Behavioral Therapy〉

2: IPS

3: NEAR

4: SST

5: WRAP

  • 答え:2
  • 解説:この患者に行われているプログラムはIPS(Individual Placement and Support)である。IPSは就労支援の方法で、従来の訓練をしてから仕事に就くのではなく、仕事の場において訓練するという方法である。
  • CBT(Cognitive Behavioral Therapy)は、認知の歪みや偏りを修正して問題解決を図る精神療法であり、この患者の状況とは関係がない。
  • IPS(Individual Placement and Support)は正解であり、就労移行支援事業所を通じて職場での訓練を行い、主治医やケースワーカーと連携して支援活動を行っている。
  • NEAR(Neuropsychological Educational Approach to Rehabilitation)は、コンピューターゲームを用いて行う認知機能改善のためのプログラムであり、この患者の状況とは関係がない。
  • SST(Social Skills Training)は、対人関係など社会生活に必要な技能をロールプレイを用いて訓練する方法であり、この患者の状況とは関係がない。
  • WRAP(Wellness Recovery Action Plan)は、具合が悪くなったときに回復を促すために自分で行動計画を作るものであり、この患者の状況とは関係がない。
  • 科目:統合失調症
  • 重要度:プレミアム特典
  • 類似問題を見る
  • この問題について報告する

第36回午前:第30問

42歳の女性。躁うつ病。高校卒業後からスーパーマーケットに勤務。30歳のとき躁状態で入院した。以後、躁状態またはうつ状態で6回入退院を繰り返した。今回は、パートタイムで働いていたが次第に不眠、抑うつ気分を呈するようになり入院した。入院から1か月後、作業療法が開始された。作業療法開始後1か月で「早く退院したい」という申し出があった。作業療法士の対応として適切でないのはどれか。 ア.主治医に報告する。イ.理由を尋ねる。ウ.作業種目を変更する。エ.就労訓練を始める。オ.退院の意志を確かめる。  

1: ア、イ

2: ア、オ

3: イ、ウ

4: ウ、エ

5: エ、オ

第56回午後:第18問

80歳の女性。夫と2人暮らし。認知症があり、MMSEは13点。自宅にて転倒し、救急搬送され大腿骨頸部骨折と診断されて人工骨頭置換術が行われた。その後、回復期リハビリテーション病棟へ転棟し、理学療法を開始したが消極的である。理学療法中の患者の訴えへの返答で適切なのはどれか。 

56_1_18

第37回午前:第79問

急性期を脱した精神分裂病(統合失調症)患者にみられにくい症状はどれか。  

1: 早朝覚醒

2: 自信喪失

3: 抑うつ気分

4: 希死念慮

5: 集中力減退

第51回午前:第17問

40歳の女性。長年のアルコール摂取による肝硬変、膵炎および2次性糖尿病の合併症がある。飲酒を継続し家事ができなくなったことにより夫婦間の口論が多くなり、夫に連れられて精神科を受診し、入院となった。離脱症状が治まり、作業療法が開始された。作業療法士の支援で適切なのはどれか。  

1: SSTを実施する。

2: 他者との協調行動を促す。

3: 酒害に関する心理教育を行う。

4: 作業療法士への依存は容認する。

5: 作業に対する頑張りを強化する。

第49回午前:第44問

認知・思考障害の強い統合失調症患者に対する認知行動療法で適切なのはどれか。  

1: 考えを文字にして表す。

2: 一日の活動を記録して振り返る。

3: コラム法を用いて状況を吟味する。

4: 問題行動を思い返して内省を深める。

5: 相手の気持ちや状況の理解に焦点を当てて振り返る。

第42回午前:第84問

統合失調症患者の退院を目的とした作業療法で適切でないのはどれか。  

1: 生活のリズムを整える。

2: 体力を向上させる。

3: 症状の自己管理能力を向上させる。

4: 依存欲求を満たす。

5: 家族調整を行う。

第50回午後:第19問

25歳の男性。統合失調症。大学卒業後、営業職に就いたものの、まもなく発症して入院となった。退院後、就労支援を受けたいという本人の希望があり、現在は配食サービスを行う事業所に通っている。事業所とは雇用契約を交わしており、職業指導員の下に調理と配達業務を担当し、業務以外の悩みについては生活支援員に相談している。この患者が利用している就労支援サービス事業所として適切なのはどれか。  

1: 障害者就業・生活支援センター

2: 就労継続支援A型事業所

3: 就労継続支援B型事業所

4: 障害者職業能力開発校

5: 就労移行支援事業所

第41回午前:第37問

13歳の女子。中学に入学してから頭痛などを理由に欠席が多くなり、2学期からは不登校となった。自宅で母親への暴力がみられるようになったため、精神科を受診し外来作業療法に通うこととなった。作業療法プログラムの留意点で適切でないのはどれか。  

1: 同年代の患者との交流を楽しめる機会を提供する。

2: 電子メールなどのコミュニケーション機器の利用法を指導する。

3: 授業の遅れを取り戻すために学習の時間を取り入れる。

4: 1週間の過ごし方を工夫し基本的な生活リズムを整える。

5: 身体運動や創作活動を利用し自己表現の機会を提供する。

第37回午後:第72問

精神分裂病(統合失調症)の特徴で誤っているのはどれか。  

1: 青年期に発病することが多い。

2: 自分の殻に閉じこもることが多い。

3: 循環性の経過をたどることが多い。

4: 被害的な内容を訴えることが多い。

5: 意欲低下をみることが多い。

第54回午後:第14問

45歳の男性。アルコール依存症。家で飲酒し酔って妻を怒鳴ってしまい、翌日に強い罪悪感を覚えることが増えている。反省して飲酒を減らそうとしたがうまくいかなかった。このままではいけないと思い、精神科を受診した。患者は妻の強い希望を受け入れて、しぶしぶ入院治療を受けることにした。治療プログラムの1つとして作業療法が処方された。初回の面接で、患者は、断酒しなければならないのはわかるが、コントロールして飲みたいという気持ちもあると述べた。治療への動機付けの目的で、面接の中で取り上げるべき話題として最も適切なのはどれか。  

1: 妻との関係

2: 作業療法の必要性

3: 飲酒による身体的な問題

4: 断酒について迷っている気持ち

5: ストレス発散のための飲酒の必要性

  • 答え:4
  • 解説:この患者はアルコール依存症であり、断酒と節酒の間で揺れている。治療への動機付けの目的で取り上げるべき話題は、患者本人の酒に対する問題意識であり、断酒について迷っている気持ちに焦点を当てることが適切である。
  • 妻との関係は、治療の意思を他人に責任転嫁させる危険があるため、動機付けの話題としては適切ではない。
  • 作業療法の必要性は、患者が酒による実際の生活上の問題を直視させることが重要であり、動機付けの話題としては適切ではない。
  • 飲酒による身体的な問題は、問題文に記載がないため、治療の動機付けにはなりにくい。
  • 断酒について迷っている気持ちに焦点を当てることで、患者が酒の問題を「自分の問題」としてとらえられるように関わることが必要であり、動機付けの話題として適切である。
  • ストレス発散のための飲酒の必要性は、アルコール依存症の治療は断酒であるため、飲酒以外の手段で行えるように支援することが重要であり、動機付けの話題としては適切ではない。
  • 科目:その他の精神障害
  • 重要度:プレミアム特典
  • 類似問題を見る
  • この問題について報告する

第45回午後:第14問

52歳の男性。アルコール依存症。7年前から飲酒量が増え、コントロールがつかず昼から飲むようになり、2年前に会社を辞めた。2か月前から連続飲酒の状態となったため、家族に付き添われて精神科を受診し入院した。離脱症状が改善されたため作業療法を開始した。この時期にみられやすいのはどれか。2つ選べ。  

1: 過度な頑張り

2: 感情の平板化

3: 自己評価の低下

4: 基礎体力の低下

5: 主体的な役割行動

第54回午前:第13問

76歳の男性。誰もいないのに「自分の布団に知らない子どもが寝ている」と訴え、妻に連れられて受診した。妻の話では、数年前から些細な物忘れが増え、日中ぼう然としていることも多いという。歩行中に転倒することも増えてきているという。作業療法室でみられるこの患者の特徴はどれか。  

1: 些細なことで泣き出す。

2: 他人の物を勝手に持っていこうとする。

3: 時間どおりに来室し必ず同じ席に座る。

4: わからない質問に対し言い繕って答える。

5: 日によって意識レベルの低下度合いが異なる。

  • 答え:5
  • 解説:この患者は物忘れや歩行中の転倒、幻視が見られるため、Lewy小体型認知症が疑われます。Lewy小体型認知症では、抑うつ症状や易転倒性、反復する具体的幻視、注意・覚醒レベルの著明な変化を伴う認知機能の変動が特徴です。
  • 些細なことで泣き出すのは、脳血管性認知症で見られやすい感情失禁であり、この患者の症状とは一致しません。
  • 他人の物を勝手に持っていこうとするのは、前頭側頭型認知症で見られやすい反社会的行動であり、この患者の症状とは一致しません。
  • 時間どおりに来室し必ず同じ席に座るのは、前頭側頭型認知症で見られやすい常同行動であり、この患者の症状とは一致しません。
  • わからない質問に対し言い繕って答えるのは、Alzheimer型認知症で見られやすい「取り繕い」や「場合わせ反応」であり、この患者の症状とは一致しません。
  • 日によって意識レベルの低下度合いが異なるのは、Lewy小体型認知症の特徴であり、この患者の症状と一致します。Lewy小体型認知症では、抑うつ症状や易転倒性、反復する具体的幻視、注意・覚醒レベルの著明な変化を伴う認知機能の変動が特徴となります。
  • 科目:認知症・高齢者障害
  • 重要度:プレミアム特典
  • 類似問題を見る
  • この問題について報告する

第51回午後:第14問

16歳の女子。6か月前から特にきっかけはないのに次第に手洗いと入浴の時間が長くなった。1か月前から手洗いに1時間半以上を使う状況となり、自分でもおかしいと感じるようになった。母親が途中でやめさせると余計に不安になり、最近ではやめさせようとすると反発して暴言を吐くようになった。そのため父親が本人を説得して精神科を受診した。この患者が示す症状はどれか。  

1: 心気妄想

2: 強迫行為

3: 常同行為

4: チック障害

5: 精神運動興奮

第44回午前:第37問

24歳の女性。幼少時に母親から虐待を受けていた。高校中退後から仕事を転々としている。男性との関係は不安定で別れ話のたびに大量服薬を繰り返した。いつもむなしくて死にたい気持ちがあると自覚して、精神科クリニックを受診した。この患者の作業療法で適切なのはどれか。2つ選べ。  

1: 退行の促進

2: 枠組みの提供

3: 依存欲求の促進

4: 衝動の適応的発散

5: 失敗しない作業の提供

第56回午後:第14問

20歳の女性。高校卒業後、コンビニエンスストアの仕事についた。2年が経過した頃、人手不足もあり業務に追われる状態が続いた。次第に集中困難、頭が回らない感覚、不眠、動悸や呼吸困難感が現れ始め、休職するに至った。約1か月の自宅療養で呼吸困難感は軽減したが、頭痛、めまいによる歩行のふらつき、不眠が出現し、たえず漠然とした不安に襲われ外に出られなくなった。その様子を心配した家族が本人を連れて精神科を受診し、外来作業療法が導入された。導入時の作業療法で最も適切なのはどれか。  

1: 全身のストレッチ

2: 高負荷の歩行訓練

3: ワークサンプル法による職業訓練

4: 遂行機能に対する認知リハビリテーション

5: 社会生活技能訓練〈SST〉による接客場面のロールプレイ

  • 答え:1
  • 解説:この患者は、漠然とした不安を呈しており、全般性不安障害が疑われる。外来作業療法の導入期では、心身の疲労に留意し、リラクゼーションを促す方法が適切である。
  • 全身のストレッチは、身体のリラクゼーションを促し、患者にリフレッシュした気分を醸成させることができる。これにより、活動の導入をはかることができる。
  • 高負荷の歩行訓練は、患者に疲労をもたらし、動悸や呼吸困難感の実体験とつながってしまうため、適切ではない。
  • ワークサンプル法による職業訓練は、患者にとって心理的ストレスが高く、作業療法導入時には適切ではない。職場での業務が発症の起因となっていると推察されるため、休職後も症状が残っている状態では、職業に関する作業は避けるべきである。
  • 遂行機能に対する認知リハビリテーションは、この患者の症状について遂行機能の問題が記述されていないため、必然性がなく、適切ではない。
  • 社会生活技能訓練〈SST〉による接客場面のロールプレイは、職業に関することであり、選択肢3と同じ理由でこの患者の導入時期に行うことは適切でない。
  • 科目:その他の精神障害
  • 重要度:プレミアム特典
  • 類似問題を見る
  • この問題について報告する

第52回午後:第44問

急性期を脱した後、まだ外的刺激への敏感さが残る統合失調症患者の作業療法導入時の対応で適切なのはどれか。  

1: 役割を付与する。

2: 対人交流を促す。

3: 定期的な実施を心がける。

4: 複数の作業療法士で対応する。

5: 退行的行動に対しては関与を控える。

第37回午後:第71問

「脳が溶けてしまった。脳がからっぽだ」と訴える精神分裂病(統合失調症)患者の症状はどれか。  

1: 妄想知覚

2: 妄想着想

3: 被害妄想

4: 体感幻覚

5: 作為体験

第56回午後:第44問

統合失調症について正しいのはどれか。  

1: 症状寛解後は薬物治療を中止する。

2: 家族心理教育を行うことで再発率が低下する。

3: 精神病未治療期間の長短は予後と無関係である。

4: 服薬自己管理の練習は急性増悪期から開始する。

5: 障害者試行雇用〈トライアル雇用〉の対象にはならない。

  • 答え:2
  • 解説:統合失調症は、継続的な治療が必要な精神疾患であり、家族心理教育を行うことで再発率が低下することが知られています。また、精神病未治療期間や服薬自己管理の練習のタイミング、障害者試行雇用の対象についても理解が必要です。
  • 選択肢1は間違いです。統合失調症の薬物治療は、症状が寛解しても中止せず、継続することが推奨されています。症状が再燃するリスクがあるためです。
  • 選択肢2は正しいです。家族心理教育を行うことで、統合失調症の再発率が低下するとされています。家族が患者の病状や治療について理解し、サポートすることが重要です。
  • 選択肢3は間違いです。精神病未治療期間は、短い方が予後が良いとされています。早期に適切な治療を受けることが、統合失調症の予後改善につながります。
  • 選択肢4は間違いです。服薬自己管理の練習は、急性増悪期ではなく、症状が落ち着いてから行われることが一般的です。患者が自分の病状を理解し、適切な服薬管理ができるようになることが目的です。
  • 選択肢5は間違いです。統合失調症の患者も障害者試行雇用〈トライアル雇用〉の対象となります。これにより、患者が働く機会を得られることで、社会復帰や生活の質の向上が期待されます。
  • 科目:統合失調症
  • 重要度:プレミアム特典
  • 類似問題を見る
  • この問題について報告する