26歳の男性。統合失調症。大学卒業後、会社に就職し営業の仕事で出張することが多かった。出張途中の飛行機で突然耳鳴りがし、やがて幻聴に変っていったのをきっかけに精神科病院に入院した。薬物療法によって症状が落ち着いたので、2か月後に復職を目指して作業療法を開始した。復職に向けて本人と職場の上司とを交えた面接を行うこととなった。その時の作業療法士の対応で適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 病気の特徴を説明する。
2: 上司に服薬管理を依頼する。
3: 困った時の相談相手を決める。
4: 他者との共同作業を提案する。
5: 病前と同じ業務の継続を依頼する。
再発に高EE〈Expressed Emotion〉が深く関与している統合失調症患者の治療に有効なのはどれか。
1: 自律訓練法
2: 認知行動療法
3: 生活技能訓練
4: 家族心理教育
5: レクリエーション
失調症に対する理学療法の進め方で適切でないのはどれか。
1: 重心の低い運動-高い運動
2: 広い範囲の重心移動-狭い範囲の移動
3: 単一方向の運動-多方向の運動
4: 粗大運動-巧緻運動
5: 等尺性運動で近位関節固定-等張性運動で動的運動
25歳の男性。幼いころから言語発達と学業成績は良好であったが、固執性が強く友人との関係は保てなかった。製造業に就職し業務成績も良かったが、研修中に状況を無視した言動によって同僚とのトラブルが増え、上司に伴われて精神科を受診した。この患者に対する作業療法で適切なのはどれか。
1: 集中力を高める。
2: 耐久性の向上を図る。
3: 対人関係技能を高める。
4: 複数の作業を同時に行う。
5: 多くの感覚刺激を取り入れる。
メタボリックシンドロームの改善を目的とした統合失調症患者の評価で優先すべきなのはどれか。
1: 睡眠状態
2: 対人関係
3: 入浴状況
4: 認知機能
5: 服薬内容
高次脳機能障害と在宅での生活指導との組合せで正しいのはどれか。
1: 半側空間無視-車の免許証を返納させる。
2: 観念失行-病前からなじみのある方法を用いる。
3: 手指失認-料理でナイフを用いない。
4: 構成失行-場面にあった服装の指導をする。
5: 喚語障害-トーキングエイドの使用を指導する。
気分障害について正しいのはどれか。
1: 大うつ病は男性に多い。
2: 躁病の思考障害には観念奔逸がある。
3: 季節性感情障害の症状は冬に改善する。
4: 大うつ病の思考障害には思考途絶がある。
5: 仮性認知症は双極性感情障害に出現しやすい。
薬物依存で正しいのはどれか。2つ選べ。
1: パニック障害になりやすい。
2: 強迫性障害の人が陥りやすい。
3: 薬物摂取の自制が困難である。
4: 使用頻度と使用量は反比例する。
5: 薬物中止によって離脱症状が出現する。
作業療法の場面で躁状態とうつ状態に共通してみられるのはどれか。
1: 他者への干渉
2: 焦燥感の表出
3: 自殺に関する言動
4: 他罰的な言動
5: 自己評価の低下
解離性(転換性)障害として誤っているのはどれか。
1: 健 忘
2: 遁 走
3: 強迫観念
4: 失立失歩
5: 視野狭窄
32歳男性。統合失調症。入院後、症状が不安定で緊張が強い状態が続いている。この患者に対する作業面接で、オープンスペースを用いた場面設定として最も適切な図はどれか。
統合失調症で予後良好に関連する因子はどれか。
1: 陰性症状
2: 急性の発症
3: 早い発症年齢
4: 神経学的症状
5: 統合失調症の家族歴
25歳の女性。対人関係が不安定で、母親に甘えたかと思うと急に怒り出すなど、感情が変わりやすく、時に激しく落ち込むことが多かった。漠然とした不安感を訴え、自傷行為を繰り返すため精神科外来を受診し、入院することとなった。入院後2週経過し作業療法が開始された。この患者の作業療法導入時の対応で適切でないのはどれか。
1: 特定の相談相手を決める。
2: 作業療法の目標を話し合う。
3: チームで一貫した対応を行う。
4: 集団プログラムへの参加を促す。
5: 実施頻度と時間を明確に決める。
境界性パーソナリティ障害の患者に対する作業療法で正しいのはどれか。2つ選べ。
1: 退行を許容する。
2: 集団作業への参加を促す。
3: 柔軟な枠組みを提供する。
4: 攻撃衝動の適応的発散を促す。
5: 主観的な苦悩を共感的に理解する。
境界性パーソナリティ障害にみられないのはどれか。
1: 不安定な感情
2: 孤立への欲求
3: 持続的な空虚感
4: 不明瞭な自己像
5: 繰り返す自傷行為
認知症患者の作業課題で適切でないのはどれか。
1: 壊れにくい素材での課題
2: 道具を使わない課題
3: 少ない工程の課題
4: 短時間の課題
5: 精密な課題
成人期中期に発症しやすいのはどれか。
1: うつ病
2: 統合失調症
3: 血管性認知症
4: 社交不安障害
5: 神経性無食欲症
17歳の女子。統合失調症。授業中に突然叫び声をあげ、教科書と筆記用具を窓から投げ捨てた。両親が付き添い精神科病院に入院し、陽性症状の落ち着いた3週目に退院となり、精神科ショートケアに紹介された。通所2か月目から復学に向けた支援を開始した。適切でないのはどれか。
1: 心理教育に参加させる。
2: 特別支援学校に転校させる。
3: 再発防止プランを作成させる。
4: 修業年限の延長を視野に入れた計画を立てる。
5: 担当教師、家族および本人を交えたケア会議を開催する。
20歳の男性。統合失調症。1週前、精神運動興奮にて精神科病院を受診して入院した。入院後、「盗聴器が仕掛けられている。お前は駄目だという声が聞こえるので不安で落ち着かない」と言う。この症状はどれか。2つ選べ。
1: 幻 聴
2: 強迫観念
3: 被害妄想
4: 作為体験
5: 感情鈍麻
22歳の男性。職場でケアレスミスがあまりにも多いため、産業医の勧めで精神科を受診した。母親の話によると、幼少時から落ち着きがなく、小学校の担任から「人の話を聞いていない」、「順番を守れない」、「隣の子にちょっかいを出す」などと注意されたことがあり、大学でも提出物の締め切りを守れないなどといった問題から成績は悪かった。この患者に薬物療法を行う場合、最も適切と思われる向精神薬はどれか。
1: 気分安定薬
2: 抗うつ薬
3: 抗精神病薬
4: 抗不安薬
5: 精神刺激薬