75歳の男性。脳卒中による左片麻痺。ブルンストローム法ステージは上下肢ともIII。屋内はプラスチック短下肢装具装着で歩行、屋外は車椅子で移動することで退院計画を立てることになった。住宅改造の指導で適切でないのはどれか。
1: 廊下に横手すりを設置する。
2: あがりかまちにL字型手すりを設置する。
3: 玄関口とあがりかまちの間に座れる椅子を置く。
4: 玄関の出入り口の段差にスロープを設置する。
5: 廊下に毛足の長いじゅうたんを敷き詰める。
下肢ブルンストローム法ステージと可能な随意運動との組合せで正しいのはどれか。
1: ステージII-座位、股・膝・足関節の同時屈曲
2: ステージIII-座位、膝関節90゜屈曲位で踵が離床せずに足関節背屈
3: ステージIV-座位、膝関節90゜屈曲位で下腿外旋
4: ステージIV-立位、股関節伸展位で膝関節屈曲
5: ステージV-立位、膝関節伸展位で足関節背屈
脳卒中片麻痺の下肢症状と理学療法との組合せで適切でないのはどれか。
1: 内反尖足-体重負荷による持続的伸張
2: 下垂足-反射を利用した足背屈の誘発
3: 膝折れ-長下肢装具の使用
4: 反張膝-底屈制限10°の短下肢装具の使用
5: はさみ足-神経ブロックと伸張訓練との併用
55歳の男性。筋萎縮性側索硬化症。1年前から通勤時に右足がつまずくようになった。最近は意識して膝を上にあげて歩行している。腰椎MRIでは病的所見はなく、針筋電図所見では両側の前脛骨筋に右側優位の神経原性変化を認めた。適切な対応はどれか。
1: 座位時は足を挙上しておく。
2: 移動時に車椅子を利用する。
3: 立ち上がり運動を繰り返す。
4: 前脛骨筋に治療的電気刺激を行う。
5: 右側プラスチック短下肢装具を装着する。
48歳の女性。関節リウマチ。SteinbrockerのステージⅢ、クラス3。ADLの維持・向上のための指導で誤っているのはどれか。
1: 立ち上がり訓練は高めの椅子で行う。
2: 膝の屈曲拘縮予防に夜間装具を使用する。
3: 炎症の強い時期の可動域訓練は自動運動を中心に行う。
4: ベッド上での起き上がりはひもを引っ張る方法で行う。
5: 食事動作や更衣動作自立のため、肩・肘の可動域訓練を行う。
48歳の女性。多発性筋炎。一般状態が落ち着いて理学療法が開始された。筋力は体幹筋4、上肢近位筋群3~4、下肢近位筋群3~4。院内独歩が可能。理学療法で誤っているのはどれか。
1: 血中CK値推移の確認
2: 他動的可動域訓練
3: デローム法による筋力増強訓練
4: 万歩計による運動量の確認
5: 自覚的疲労度の確認
58歳の女性。脳梗塞による右片麻痺。発症後5日経過。理学療法では座位訓練が開始された。ベッドサイドでの作業療法の初回評価として適切でないのはどれか。
1: リスクを確認する。
2: 病棟での生活状況について情報を得る。
3: 簡易上肢機能検査(STEF)を行う。
4: 精神機能のスクリーニングを行う。
5: 身体機能の検査は負荷にならないものから始める。
45歳の女性。筋萎縮性側索硬化症。上肢近位筋の筋力4、遠位筋の筋力3、下肢の筋力4。病棟内のADLは自立している。最近、「箸が使いにくい」と訴えるようになった。上肢機能の維持を目的とした作業療法で適切なのはどれか。
1: 陶芸の菊ねりによる上肢筋力の維持
2: 機織りの整経による上肢可動域の維持
3: 銅板細工による協調運動の維持
4: 革細工のカービングによる手指筋力の維持
5: クロスステッチ刺繍による手指巧緻性の維持
70歳の男性。身長180 cm、体重90 kg。脳梗塞のため麻痺肢に内反尖足がみられる。10 mであれば独歩可能であるが、軽度の分回し歩行となる。意識してゆっくりと歩けば分回しを軽減することは可能であるが、遊脚相の股関節屈曲は増加し立脚中期に膝過伸展がみられる。2動作前型で屋外歩行の自立を目標に理学療法を進めている。この患者に適切なのはどれか。
1: 装具は不要
2: 軟性足装具
3: プラスチック短下肢装具(ショートタイプ、継手なし)
4: プラスチック短下肢装具(つま先までの標準型、継手なし)
5: 金属支柱付短下肢装具
72歳の男性。脳梗塞による左片麻痺。座位姿勢と机上での検査結果を図に示す。理学療法として誤っているのはどれか。
1: 視覚探索課題を行う。
2: 後頸部に振動刺激を行う。
3: 車椅子の右側のブレーキレバーを延長する。
4: 対象物が右へ偏倚するプリズム眼鏡をかけて練習する。
5: 車椅子駆動時に進行方向の左側に注意するよう指導する。
60歳の男性。脳梗塞後、5か月。右片麻痺のブルンストローム法ステージ上肢IV・手指IV。座位は安定している。麻痺側上肢の作業療法で適切なのはどれか。
脳卒中による右片麻痺患者が左下肢を挙上してバランスを保持している状態を図に示す。体重が60 kgのとき、麻痺側下肢への床反力で正しいのはどれか。
1: 6 kgw
2: 12 kgw
3: 24 kgw
4: 30 kgw
5: 48 kgw
5歳の男児。脳性麻痺で痙直型四肢麻痺である。粗大運動機能は側臥位までの寝返りが可能。背臥位と背臥位から引き起こしたときの状態を図に示す。臨床症状として可能性が低いのはどれか。
1: 足クローヌス陽性
2: 下肢の伸筋共同運動
3: 緊張性迷路反射の残存
4: パラシュート反応陽性
5: 股関節外転の可動域制限
32歳の男性。筋強直性ジストロフィー。手指を強く握ると筋強直のために開くのに時間がかかる。側頭部と頬部の筋萎縮と閉口障害を認める。筋力はMMTで頸部2、肩関節周囲2、肘関節周囲2、手指3、股関節周囲2、膝関節周囲2、足関節周囲1で、立位になればかろうじて短距離歩行可能である。労作時に動悸や呼吸苦の自覚はなく、SpO2の低下を認めない。正しいのはどれか。
1: ROM運動は筋強直に抵抗して行う。
2: 食事は咀嚼回数を減らす形態にする。
3: 等尺性収縮による筋力増強は行わない。
4: アンビューバックを活用した呼吸練習を行う。
5: 下肢装着型の補助ロボット導入は有効でない。
42歳の女性。多発性硬化症による両側視神経炎を伴う四肢麻痺。筋力低下が進行し、移動には車椅子を使用している。MMTは上肢近位部で段階3、遠位部で段階4。有痛性けいれんがある。この患者に対する作業療法で適切なのはどれか。
1: ビーズで指輪を作る。
2: 木工作業で本棚を作る。
3: 卓上編み機でマフラーを編む。
4: 小さな刻印で革に模様をつける。
5: ネット手芸でティッシュボックスを作る。
19歳の男性。オートバイ事故による頭部外傷で入院加療中。受傷後1か月。JCS(Japan coma scale)は1点。右上下肢はよく動かすが、左上下肢の筋緊張は亢進し、上肢屈曲位、下肢伸展位の姿勢をとることが多い。座位保持は可能であるが、体幹の動揺がみられる。この時期の理学療法で適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 臥位での右上下肢のリラクセーション
2: 臥位での左上肢のFrenkel体操
3: 座位での左下肢筋の持続伸張
4: 立位でのバランス練習
5: 階段を降りる練習
57歳の男性。筋萎縮性側索硬化症と診断されて3年が経過。四肢や体幹に運動麻痺を生じてベッド上の生活となりADLは全介助。さらに球麻痺症状を認め、安静時も呼吸困難を自覚する。この患者がコミュニケーション機器を使用する際の入力手段として適切なのはどれか。
1: 舌
2: 手指
3: 口唇
4: 呼気
5: 外眼筋
3歳の男児。痙直型右片麻痺。図に示す右上下肢の肢位に影響しているのはどれか。2つ選べ。
1: 非対称性緊張性頸反射
2: 緊張性迷路反射
3: 陽性支持反応
4: 逃避反射
5: 自動歩行
20歳の男性。Duchenne型筋ジストロフィーのステージ7(厚生省筋萎縮症研究班の機能障害度分類による)。両上肢筋力は肩関節2−、肘関節2−、手関節2、手指3。握力は測定不能だが、右手を利き手として使っている。体幹筋力1。自力端座位は困難だが、車椅子では体幹サポートがあるため座位保持が可能で、右手でジョイスティックを用いて自操している。この患者がコップで飲水する動作を示す。コップを持ち上げる動作の説明で正しいのはどれか。
1: 対称性緊張性頸反射
2: 前腕を支点としたてこ
3: 体幹前屈による慣性運動
4: コップの重さによる感覚フィードバック
5: 上肢の屈曲−回内−内旋による神経筋促通
45歳の男性。筋萎縮性側索硬化症。発症から1年経過している。ADLは自立しているが、主に下肢の筋力低下、バランス不良および鶏歩が認められる。理学療法で適切なのはどれか。
1: 車椅子操作の練習
2: 下肢の漸増抵抗運動
3: 両松葉杖での歩行練習
4: 感覚再教育によるバランス練習
5: プラスチックAFOを装着した歩行練習