65歳の男性。脳卒中左片麻痺。発症後3か月経過。Brunnstrom法ステージは上肢、手指、下肢ともにII。左肩関節には1横指の亜脱臼があり、肩手症候群を合併している。座位は不安定で、体幹は患側前方へ傾く。理学療法で適切でないのはどれか。
1: 患側下肢の随意運動の促通
2: 患側片肘立ちからの起き上がり練習
3: 座位での健側上肢体重支持の練習
4: 座位で両側への重心移動練習
5: 長下肢装具を用いた平行棒内立位練習
脳卒中片麻痺患者のADL訓練で正しいのはどれか。2つ選べ。
1: 更衣動作の前開きシャツは、非麻痺側上肢から着る。
2: 移動動作では、車椅子を麻痺側上下肢で操作する。
3: 更衣動作訓練の導入時には、丸首シャツを用いる。
4: 洗体動作では、長めのループ付きタオルで背中を洗う。
5: トイレ動作では、壁のL字型手すりを使って移乗する。
58歳の男性。右利き。職場で倒れているところを発見され搬入された。意識は傾眠状態であったが、発症後4日で改善した。この時点での発話には異常がない。左手足に重度の運動障害と感覚障害とを認める。筋緊張は低下している。視力・視野は正常であるが、顔面は常に右方に向け、指摘しても左側を見ようとしない。発症10日目に数分の端座位保持が可能となったが、立位保持は介助でかろうじて可能であった。この時点で適切な治療計画はどれか。2つ選べ。
1: 頸部右回旋位を徒手的に矯正する。
2: 左上肢を意識させる。
3: 左下肢をナイトブレースで固定する。
4: 左下肢への荷重を促す。
5: 電動車椅子操作の訓練を行う。
片麻痺患者への動作指導で正しいのはどれか。
1: 患側を下にして寝返りをする。
2: 起き上がりの介助ではまず頭部を起こす。
3: ベッドからの立ち上がりでは健側下肢は前方におく。
4: ベッドから車椅子への移乗は患側下肢を軸に回転する。
5: 車椅子は健側上肢と患側下肢とで駆動する。
65歳の女性。右利き。脳梗塞による右片麻痺。発症後5日経過。JCS(Japan coma scale)は1桁。ブルンストローム法ステージは上下肢、手指いずれもIであった。飲水でひどくむせていた。早期プログラムとして適切でないのはどれか。
1: 安静時座位の右肩甲帯は前方突出位に保持する。
2: 安静時座位の右股関節は外転・外旋位に保持する。
3: 間接的嚥下訓練を行う。
4: 関節可動域訓練を1日2回行う。
5: 右上肢の自己介助運動を指導する。
65歳の男性。意識が消失し緊急入院となった。発症後2日目においても意識障害は重度である。MRI拡散強調画像(別冊No.2A、B)を別に示す。この時点で行う管理で誤っているのはどれか。
1: 座位耐久性訓練
2: 肩関節の可動域訓練
3: 2時間毎の体位変換
4: 下腿三頭筋のストレッチ
5: 下腿に弾性ストッキング装着
歩行訓練で正しいのはどれか。
1: 脳性麻痺では四つ這いが可能となってから開始する。
2: 関節リウマチの歩行浴は免荷のため頸下浸水とする。
3: 脊髄小脳変性症の失調症では足部へ重錘を負荷する。
4: 脳卒中片麻痺では症状が固定してから下肢装具を使用する。
5: 二分脊椎で機能レベルがL5の場合はRGO(reciprocating gait orthosis)が適応となる。
アテトーゼ型脳性麻痺の理学療法で誤っているのはどれか。
1: 姿勢筋緊張の調節
2: 原始反射抑制肢位の保持
3: 重錘バンドによる不随意運動の抑制
4: 関節中間位での運動制御
5: 四つ這いでの肩周囲筋の同時収縮促通
脳卒中後の左片麻痺患者に対するADL練習として正しいのはどれか。
1: 上衣を右上肢から着衣する。
2: 浴槽に右下肢からまたいで入る。
3: 階段を上るときに左下肢を先に出す。
4: 階段を下りるときに右下肢を先に出す。
5: 車椅子からベッドに移乗するときに左半身をベッドに寄せる。
高次脳機能障害と在宅での生活指導との組合せで正しいのはどれか。
1: 半側空間無視-車の免許証を返納させる。
2: 観念失行-病前からなじみのある方法を用いる。
3: 手指失認-料理でナイフを用いない。
4: 構成失行-場面にあった服装の指導をする。
5: 喚語障害-トーキングエイドの使用を指導する。
脳卒中による左片麻痺患者で、麻痺側立脚相に図のような異常歩行がみられた。理学療法で誤っているのはどれか。
1: 麻痺側に荷重してのブリッジ
2: 腹筋群の促通
3: 下腿三頭筋の持続的伸張
4: 背屈制限付き短下肢装具の使用
5: 足背屈筋群の機能的電気刺激
頸髄損傷の早期理学療法とその目的との組合せで誤っているのはどれか。
1: 肺理学療法-無気肺の予防
2: 他動的関節可動域訓練-関節拘縮の予防
3: 座位訓練-横隔膜の筋力強化
4: 残存筋の自動介助訓練-筋力の維持・改善
5: 体位変換-褥瘡の予防
痙直型片麻痺児の促通すべき要素で誤っているのはどれか。
1: 患側肩甲帯の前方突出
2: 正中位での上肢活動
3: 体幹の支持性
4: 立位で下肢の陽性支持反射
5: 座位での平衡反応
脳卒中片麻痺の上肢に対するCI療法〈constraint-induced movement therapy〉で正しいのはどれか。
1: 非麻痺側上肢を拘束する。
2: 理学療法士の近位監視下で行う。
3: 疼痛が少しでもあれば適応とならない。
4: 他動的関節可動域運動を長時間行う方法である。
5: 患側手指がBrunnstrom法ステージⅡで適応となる。
左半側無視の症状がある回復期の左片麻痺患者への生活指導で誤っているのはどれか。
1: 本人の関心があるものを左側に置くようにする。
2: 見落としがちなものはメモする習慣をつける。
3: 鏡を見せて体幹の傾きに気付かせる。
4: 入浴時に左上下肢をしっかりこするようにする。
5: 食事の始めにお盆のふちをたどるようにする。
麻痺のない大脳半球損傷患者の病態と検査所見との組合せで適切なのはどれか。
1: 観念運動失行-お茶を入れるまねができない。
2: 観念失行-他者の指の形を模倣できない。
3: 運動維持困難-閉眼で舌を出させると目が開いてしまう。
4: 運動消去現象-感覚刺激に反応して片手を挙上できない。
5: 着衣失行-衣類のボタンやポケットの意味が分からない。
痙直型両麻痺児の理学療法において促通すべき運動・反射はどれか。2つ選べ。 ア.背臥位で股関節内転運動イ.座位で股関節内旋運動ウ.座位で骨盤前傾運動エ.立位で下肢相反運動オ.立位で陽性支持反射
1: ア
2: イ
3: ウ
4: エ
5: オ
脳卒中片麻痺の病的共同運動で正しいのはどれか。
1: 肩甲骨挙上に伴う肘関節伸展
2: 肘関節屈曲に伴う手関節背屈
3: 股関節外転に伴う膝関節伸展
4: 股関節内旋に伴う膝関節屈曲
5: 膝関節屈曲に伴う足関節背屈
脳卒中片麻痺のADL指導で正しいのはどれか。
1: 前方いざり移動では健側上肢を殿部の前に置く。
2: 歩行用の手すりは引っぱるように誘導する。
3: 便器の高さは車椅子の座面よりも低くする。
4: ベッドは健側が壁側にくるようにする。
5: 椅子からの立ち上がりでは、まず健側足部を引き寄せる。