19歳の男性。てんかん及び軽度知的障害(IQ 60)。特別支援学校卒業後にクリーニング店に就職した。「接客態度が悪い」と注意されたことをきっかけに仕事に行けなくなり、引きこもりとなった。時々家族に暴力を振るうために、家族が主治医に相談して外来作業療法が処方された。本人、家族とも復職を希望している。この患者に対して優先すべき対応はどれか。
1: 暴力の内省を促す。
2: 対人技能の訓練を行う。
3: 注意力を高める作業を行う。
4: てんかんの疾病教育を行う。
5: 運動能力を高めるためのスポーツ活動を行う。
統合失調症(精神分裂病)について誤っているのはどれか。
1: 多くが30歳までに発症する。
2: 発病率は女性の方が高い。
3: 患者の子供での発病率は一般人口の発病率よりも高い。
4: 我が国では精神科入院患者に占める割合が最も多い。
5: 再発予防には薬物療法が必要である。
23歳の女性。境界型人格障害。中学時代から対人関係が不安定で、不登校、家出、過量服薬、恋人との激しいけんかなどを繰り返してきた。今回、失恋を契機に睡眠薬自殺を図ったが、救命救急センターで意識回復し精神科へ入院した。左手首に数本の切創痕を認める。母親に甘えた態度をとったり、大声で怒鳴ったり、死にたいと言ったりする。治療目的で作業療法が依頼された。治療計画として適切でないのはどれか。
1: 個別プログラムを設定する。
2: 欲求充足から実用性のある作業に移行する。
3: 自由度の高い作業場面を設定する。
4: 共同作業で所属感をもたせる。
5: 結果が明確な作業種目を選ぶ。
転換性障害による歩行障害のある患者への対応として適切なのはどれか。
1: 希死念慮に注意する。
2: 感情の言語化を促す。
3: 歩行障害の受容を促す。
4: 歩行機能への介入は行わない。
5: 葛藤と症状との関係を洞察させる。
統合失調症について正しいのはどれか。
1: 前駆期から幻聴がみられる。
2: 慢性期に軽度の認知機能障害がみられる。
3: 家族の感情表出が少ないほど再発率は高くなる。
4: 発症から治療開始までの期間は予後と関連がない。
5: 急性期の治療で症状が軽快した場合は速やかに薬物治療を中止する。
30歳の男性。統合失調症。高校時代から体調不良を訴えるようになり、自宅に引きこもっていた。5年前に幻覚妄想状態のため入院し作業療法を継続していたが、最近、「退院したい」と意欲を見せ始めた。作業療法種目を変更した3日後に患者が身体的不調を訴え始めた。対応で適切なのはどれか。
1: 休憩の時間を増やす。
2: 以前の作業種目に戻す。
3: 直ちに作業療法を中止する。
4: 他の作業療法士が担当する。
5: 就労意欲を高める種目に変更する。
うつ病患者の作業療法で適切でないのはどれか。
1: 創作への励まし
2: 患者の作業ペースの重視
3: 危険物の取扱いへの配慮
4: 自殺に関する注意
5: 薬の副作用への対処
認知症患者の作業療法で適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 集団内での交流を促す。
2: 参加メンバーを毎回入れ替える。
3: 休憩は患者のペースでとらせる。
4: 複数の作業療法士が交替で担当する。
5: 患者が慣れ親しんだ種目を設定する。
高次脳機能障害と在宅での生活指導との組合せで正しいのはどれか。
1: 半側空間無視-車の免許証を返納させる。
2: 観念失行-病前からなじみのある方法を用いる。
3: 手指失認-料理でナイフを用いない。
4: 構成失行-場面にあった服装の指導をする。
5: 喚語障害-トーキングエイドの使用を指導する。
痴呆老人の作業療法で適切なのはどれか。2つ選べ。 ア.作業導入の説明は細かくする。イ.患者のペースに合わせてゆっくり話す。ウ.感情面での疎通性を大事にして接する。エ.変化のある作業を提示する。オ.その都度細かく指示する。
1: ア
2: イ
3: ウ
4: エ
5: オ
地域で生活している精神障害者の家族支援に関する内容として誤っているのはどれか。
1: 活用できる社会資源について情報提供をする。
2: 家族が地域社会から孤立しないように助言を行う。
3: 再発の兆候に気づいた時は主治医に相談するように伝える。
4: 家族自身のストレスが軽減するよう対処法について一緒に考える。
5: EE〈Expressed Emotion〉が高い場合は患者との接触を増やすよう勧める。
パニック障害に対する作業療法導入初期の作業療法士の対応で適切なのはどれか。
1: リラクセーションを練習する。
2: 集団作業療法で役割を持たせる。
3: 作業活動を通して自己洞察を促す。
4: スポーツ活動で体力の向上を促す。
5: パニック発作の不安がある場合は作業療法を中止する。
心因性のけいれん発作を繰り返す患者への対応で適切なのはどれか。
1: 叱咤激励する。
2: 心理検査を提案する。
3: 作業療法への参加を中止する。
4: その都度プログラムを変更する。
5: ストレス状況について話し合う。
うつ病患者の作業療法での留意点で適切なのはどれか。
1: 経験のある課題を選ぶ。
2: 選択する課題を増やす。
3: 自己決定場面を減らす。
4: 規則的な参加を促す。
5: 意欲を引き出す。
強迫性障害患者に認知行動療法を行う際、患者の確認行為に対して治療者が「確かめたい気持ちはそのままにしておきましょう」と声をかけた。この言葉かけの技法はどれか。
1: 強化
2: 教示
3: モデリング
4: プロンプティング(促し)
5: エクスポージャー(曝露法)
神経症性障害患者の作業療法で適切でないのはどれか。
1: 心気症を示す患者では、レクリエーションや運動を促す。
2: 不安発作を示すときは、作業の中断を考慮する。
3: 過剰な不安を抱くときは、作業量を増やす。
4: 身体表現性障害では、身体機能改善を優先する。
5: 自己評価が低いときは、達成しやすい作業に変更する。
境界型人格障害患者の初回面接で適切なのはどれか。
1: 本人の対人関係を主題にする。
2: 面接時間を限定しない。
3: 作業達成目標を本人に決めさせる。
4: 種目選択の幅を広くする。
5: 作業療法への参加動機を明確にする。
精神障害者の社会適応訓練事業で正しいのはどれか。
1: 通所授産施設で行う。
2: 期間は3か月である。
3: 事業所に委託する。
4: 職業訓練を行う。
5: 実施主体は国である。
19歳の男性。てんかん。IQ 70。養護学校卒業後にクリーニング店に就職した。仕事ののみ込みが悪いと店主に注意されたことがきっかけで仕事に行けなくなり、家に引きこもりがちとなった。時々家族に暴力を振るうようになり、家族が主治医に相談した結果、外来作業療法が処方された。本人、家族とも「仕事ができれば」と希望を語っている。この患者の作業療法で適切なのはどれか。2つ選べ。 ア.作業内容は患者に選択させる。イ.運動能力を高める作業を行う。ウ.自己表現の練習を行う。エ.対人技能の訓練を行う。オ.集中力を高める作業を行う。
1: ア
2: イ
3: ウ
4: エ
5: オ
回復初期のうつ病患者への作業療法で正しいのはどれか。
1: 指示は詳細に行う。
2: 自己決定の経験を促す。
3: 励ましながら活動を行う。
4: 1回の活動時間は短くする。
5: 長期間継続できる作業を勧める。