65歳の女性。右利き。脳出血による左片麻痺。発症後6か月経過。Brunnstrom法ステージは上肢IV、手指IV、下肢V。感覚障害と高次脳機能障害とはない。屋内は独歩可能である。日常生活で実用可能な両手動作はどれか。2つ選べ。
1: 財布から硬貨を出す。
2: ズボンを引き上げる。
3: りんごの皮をナイフでむく。
4: 荷物を頭上の棚の上に載せる。
5: 首の後ろでネックレスを留める。
脊髄損傷の機能残存レベルとADLとの組合せで誤っているのはどれか。
1: 第4頸髄節-電動車椅子での移動
2: 第5頸髄節-ハンドリムの工夫による車椅子での移動
3: 第6頸髄節-車椅子からベッドへの移乗
4: 第7頸髄節-自己導尿
5: 第8頸髄節-短下肢装具と松葉杖での歩行
80歳の女性。右利き。脳梗塞急性期の頭部MRI拡散強調像を示す。この患者の症状で考えられるのはどれか。
1: 失行
2: 失語
3: 体幹失調
4: 右片麻痺
5: 左半身の感覚障害
60歳の男性。右利き。意識障害のため搬入された。脳梗塞と診断され、保存的治療が開始された。片麻痺を呈している。入院後2週の頭部CTを別に示す。この患者に認められる可能性が高いのはどれか。
1: 失算
2: 失書
3: 注意障害
4: 物体失認
5: 左同名半盲
43歳の女性。頸髄完全損傷。洗濯物干しの作業中の写真を別に示す。この患者のZancolliの四肢麻痺上肢機能分類による機能残存レベルはどれか。
1: C5B
2: C6A
3: C6B1
4: C6B2
5: C7A
58歳の女性。脳梗塞による右片麻痺。発症後5日経過。理学療法では座位訓練が開始された。ベッドサイドでの作業療法の初回評価として適切でないのはどれか。
1: リスクを確認する。
2: 病棟での生活状況について情報を得る。
3: 簡易上肢機能検査(STEF)を行う。
4: 精神機能のスクリーニングを行う。
5: 身体機能の検査は負荷にならないものから始める。
60歳の男性。仕事中に意識障害を発症したため、救急車で搬入された。緊急手術を行い順調に経過していたが、術後7日目に突然右片麻痺が出現した。入院時の頭部CTを示す。麻痺の原因として最も考えられるのはどれか。
1: 正常圧水頭症
2: 血管攣縮
3: 脳内出血
4: 脳挫傷
5: 脳膿瘍
70歳の女性。脳出血による右片麻痺。発症3か月経過。ブルンストローム法ステージは上肢、手指、下肢ともにIV。認知や感覚機能に障害はない。この患者の患側上肢の作業療法で適切でないのはどれか。
1: 座位での患側を用いた机の雑巾がけ
2: 立位での患側を用いたズボンの引き上げ
3: ループ付きタオルを用いた洗体動作
4: 両手を用いたタオルたたみ
5: 銅版打ち出しで患側を用いた木槌の使用
頭部外傷によるびまん性軸索損傷で誤っているのはどれか。
1: バランスの障害がみられる。
2: 四肢の外傷が理学療法の阻害因子になる。
3: 記憶障害のため復学が困難になる。
4: 認知障害の回復は良好である。
5: 行動障害が社会生活上の問題となる。
図に示す動作を行う脊髄損傷患者について答えよ。図の方法で車椅子からのベッド移乗が可能な残存機能の上限はどれか。
1: 第5頸髄節
2: 第6頸髄節
3: 第7頸髄節
4: 第8頸髄節
5: 第1胸髄節
48歳の男性。脳梗塞後の右片麻痺。発症から5か月経過。Brunnstrom法ステージは上肢、下肢ともにⅢ。T字杖で屋内歩行は自立しているが、疲労しやすく、すぐに椅子に腰掛ける。遠近感が分かりづらく、平地でつまずくことがある。自宅退院に向けた浴室の環境整備案を図に示す。設置する手すりとして必要でないのはどれか。
1: ①
2: ②
3: ③
4: ④
5: ⑤
脊髄損傷で正しいのはどれか。
1: 脊髄円錐部損傷では排尿障害の予後は良好である。
2: 馬尾損傷では痙性対麻痺を生じる。
3: 後脊髄症候群では深部感覚障害に比べ温痛覚障害が主体となる。
4: 前脊髄症候群では深部感覚障害に比べ運動機能の予後が悪い。
5: ブラウン・セカール症候群では損傷部以下の同側の温痛覚障害がある。
28歳の男性。交通事故による頭部外傷のため入院した。作業療法が開始され、4か月が経過した。四肢に運動麻痺や感覚障害を認めず、歩行は自立している。日中はボーッとして過ごすことが多いが、促されると日課を行う。今日の日付を聞くと、カレンダーを見てようやく答えることができる。病棟と作業療法室の行き来では、今いる場所や行き先が分からなくなるので見守りが必要である。現時点の頭部CTを示す。この患者の状態を評価するのに適切でないのはどれか。
1: TMT
2: MMSE
3: WCST
4: 線分抹消検査
5: 線分2等分検査
60歳の男性。脳梗塞。発症後9か月経過。現在、左片麻痺は軽度だが、日常生活上の介助量は多大である。模写課題の結果を図に示す。この患者への対応で誤っているのはどれか。
1: 物品呼称の訓練
2: 左方注意の習慣化
3: 構成課題の訓練
4: 口頭での行為確認の習慣化
5: 衣服への目印の付加
58歳の男性。脊髄小脳変性症。脊随小脳変性症の重症度分類(厚生省、1992)の下肢機能障害III度、上肢機能障害II度である。脱衣所と洗い場の段差はなく、浴槽は据え置き式で、高さは50 cmであった。住環境整備について誤っているのはどれか。
1: ベッド(A)を(A´)に移動する。
2: 開き戸(B)を外開きから内開きに変更する。
3: 浴槽内の(C)の位置に浴槽台を設置する。
4: 洗い場の壁(D)に横手すりを設置する。
5: 浴槽の(E)の位置にバスボードを設置する。
58歳の男性。右利き。職場で倒れているところを発見され搬入された。意識は傾眠状態であったが、発症後4日で改善した。この時点での発話には異常がない。左手足に重度の運動障害と感覚障害とを認める。筋緊張は低下している。視力・視野は正常であるが、顔面は常に右方に向け、指摘しても左側を見ようとしない。発症10日目に数分の端座位保持が可能となったが、立位保持は介助でかろうじて可能であった。この時点で適切な治療計画はどれか。2つ選べ。
1: 頸部右回旋位を徒手的に矯正する。
2: 左上肢を意識させる。
3: 左下肢をナイトブレースで固定する。
4: 左下肢への荷重を促す。
5: 電動車椅子操作の訓練を行う。
65歳の女性。右利き。脳梗塞による右片麻痺。発症後5日経過。JCS(Japan coma scale)は1桁。ブルンストローム法ステージは上下肢、手指いずれもIであった。飲水でひどくむせていた。早期プログラムとして適切でないのはどれか。
1: 安静時座位の右肩甲帯は前方突出位に保持する。
2: 安静時座位の右股関節は外転・外旋位に保持する。
3: 間接的嚥下訓練を行う。
4: 関節可動域訓練を1日2回行う。
5: 右上肢の自己介助運動を指導する。
70歳の男性。脳硬塞片麻痺、発症後2か月。上左図の絵を患者の正面に置き、模写を指示したところ、上右図のように描いた。病巣部位として考えられるのはどれか。
脊髄損傷(第6頸髄節まで機能残存)の女性患者で、自立が最も難しいと考えられるのはどれか。
1: 手すりを使用して起き上がる。
2: ベッド上でズボンをはく。
3: 車椅子上でループ付き靴下をはく。
4: 車椅子上で自己導尿を行う。
5: トランスファーボードを使用して車に移乗する。
35歳の男性。右利き。バイク事故のため救急搬送された。頭部MRIのT2強調像にて両側前頭葉の眼窩面と背外側とに高信号域が認められた。約1か月後に退院。半側空間無視、記憶障害および視知覚障害はないが、脱抑制による職場でのトラブルが続き作業療法を開始した。この患者に行う評価で正しいのはどれか。
1: BADS
2: BIT
3: RBMT
4: SLTA
5: VPTA