60歳の男性。仕事中に意識障害を発症したため、救急車で搬入された。緊急手術を行い順調に経過していたが、術後7日目に突然右片麻痺が出現した。入院時の頭部CTを示す。麻痺の原因として最も考えられるのはどれか。
1: 正常圧水頭症
2: 血管攣縮
3: 脳内出血
4: 脳挫傷
5: 脳膿瘍
脳卒中による左片麻痺患者で、麻痺側立脚相に図のような異常歩行がみられた。理学療法で誤っているのはどれか。
1: 麻痺側に荷重してのブリッジ
2: 腹筋群の促通
3: 下腿三頭筋の持続的伸張
4: 背屈制限付き短下肢装具の使用
5: 足背屈筋群の機能的電気刺激
80歳の女性。多発性脳梗塞。動作の観察から、明らかな運動麻痺はみられないが軽度の感覚障害が予想される。軽度の認知症があり、口頭での詳細な手順の説明は理解しにくい。深部感覚検査として適切なのはどれか。
1: 非検査肢の自動運動による模倣試験
2: 非検査肢の他動運動による模倣試験
3: 検査肢の自動運動による再現試験
4: 検査肢の他動運動による再現試験
5: 関節定位覚(母指探し)検査
78歳の女性。脳梗塞発症後に中等度の左片麻痺を呈した。回復期リハビリテーション病棟を経て自宅での生活に戻っている。現在、家族の促しがあれば1 kmの歩行が可能であるが、日常生活ではあまり外出しない。この患者への理学療法で適切なのはどれか。
1: トレッドミル歩行
2: 電動車椅子の導入
3: 屋外での歩行練習
4: 左片麻痺の回復促進
5: 不整地でのバランス練習
アテトーゼ型脳性麻痺児の症状と訓練課題との組合せで適切なのはどれか。
1: 定頸不良 — 背臥位で下肢を挙上する。
2: 体幹過伸展 — 座面の高い椅子で座位を保持する。
3: 手指の過伸展 — 豆をつまむ。
4: 目と手の協調障害 — ボールプールで遊ぶ。
5: 動的バランス不良 — セラピーボールに乗って揺らす。
脳血管障害について誤っているのはどれか。
1: 高血圧は脳出血の危険因子である。
2: くも膜下出血は女性よりも男性に多い。
3: 発作性心房細動は脳塞栓の危険因子である。
4: 癌に付随する凝固異常は脳塞栓の原因となる。
5: 慢性腎臓病〈CKD〉は脳卒中の危険因子である。
65歳の男性。脳梗塞による左片麻痺。発症後3か月。1か月前から平行棒内で歩行練習を行っている。現在の歩行パターンを図に示した。この症例の一歩行周期における二重支持期の時間で正しいのはどれか。ただし、図の数値は経過時間を示す。
1: 0.6秒
2: 1.0秒
3: 1.6秒
4: 2.0秒
5: 2.7秒
58歳の女性。脳梗塞による右片麻痺。発症後5日経過。理学療法では座位訓練が開始された。ベッドサイドでの作業療法の初回評価として適切でないのはどれか。
1: リスクを確認する。
2: 病棟での生活状況について情報を得る。
3: 簡易上肢機能検査(STEF)を行う。
4: 精神機能のスクリーニングを行う。
5: 身体機能の検査は負荷にならないものから始める。
注視麻痺をきたす疾患はどれか。2つ選べ。
1: 中脳出血
2: 小脳半球梗塞
3: 慢性硬膜下血腫
4: 進行性核上性麻痺
5: 筋萎縮性側索硬化症
脳血管障害の片麻痺について正しいのはどれか。
1: 四肢の遠位部と比べて四肢の近位部の回復が遅れることが多い。
2: 上肢の麻痺と比べて下肢の麻痺の回復が遅れることが多い。
3: 上肢に痙縮があると肘関節が屈曲することが多い。
4: 共同運動が出現した後に連合反応が出現する。
5: 発症直後は筋緊張が高まることが多い。
65歳の女性。脳幹部の梗塞で、発症2日後からベッドサイドでの作業療法が処方された。血圧は不安定で、意識レベルも変動している状態である。ベッドサイドでの作業療法の初回評価として適切なのはどれか。
1: 追視による眼球運動の評価
2: ベッド上での座位バランス評価
3: ミニメンタルステート検査
4: 簡易上肢機能検査(STEF)
5: 机上での線引きテスト
68歳の女性。右脳梗塞発症7日目。重度の左片麻痺を認めた。意識は清明。高次脳機能障害は認めない。3 ccの水飲みテストで呼吸切迫がみられた。嚥下造影検査で、嚥下時に軽度の不顕性誤嚥と嚥下後の左咽頭残留を認めた。食事自立に向けた摂食・嚥下の直接訓練で正しいのはどれか。
1: 水から始める。
2: むせを誤嚥の指標とする。
3: 座位姿勢は垂直座位で始める。
4: 頭部を伸展位に保持する。
5: 頸部を左回旋位とする。
78歳の男性。脳梗塞。左顔面神経麻痺および右片麻痺を呈する。頭部MRIの拡散強調像を示す。梗塞巣として考えられるのはどれか。
1: ①
2: ②
3: ③
4: ④
5: ⑤
65歳の男性。右利き。脳梗塞による片麻痺。Brunnstrom法ステージは上肢、手指、下肢ともにⅢ。回復期リハビリテーション病棟では車椅子で移動している。発症後3か月の頭部MRIを示す。出現しやすい症状はどれか。
1: 観念失行
2: 左右障害
3: 純粋失読
4: 半側空間無視
5: 非流暢性失語
脳卒中患者の嚥下障害について正しいのはどれか。2つ選べ。
1: 片側性大脳病変では発生しない。
2: 延髄病変で生じやすい。
3: 改訂水飲みテストで評価する。
4: むせなければ安全な嚥下と判断する。
5: 飲み物にとろみをつけるとむせやすい。
正しいのはどれか。2つ選べ。
1: 心房細動は脳塞栓の原疾患となる。
2: 下肢静脈の血栓は肺塞栓の原因となる。
3: 脳塞栓の好発部位は大脳基底核である。
4: 下肢の外傷後に空気塞栓症が起こる。
5: 潜函病では脂肪塞栓症が起こる。
75歳の男性。高血圧と糖尿病の治療を長期にわたり行っている。徐々に歩行障害がみられるようになり、転倒することが多くなった。頭部MRIを示す。この患者で認められないと考えられるのはどれか。
1: 嚥下障害
2: 感情失禁
3: 小刻み歩行
4: 認知機能低下
5: 左側弛緩性麻痺
82歳の女性。右利き。脳梗塞を発症して1か月が経過した。頭部CTを示す。この患者にみられる症状で正しいのはどれか。
1: Broca失語
2: 他人の手徴候
3: 半側空間無視
4: Gerstmann症候群
5: 超皮質性感覚性失語
頭部外傷患者にみられる障害の特徴で適切でないのはどれか。
1: 自発性低下のため指示が必要である。
2: 受傷前後のことを忘れている。
3: 簡単なテストもいらいらして中断する。
4: 復職しても仕事を続けることが困難である。
5: 動作性知能より言語性知能の低下が大きい。
脳卒中による片麻痺の上肢に対するCI療法(constraint-induced movement therapy)で正しいのはどれか。
1: 健側上肢を拘束する。
2: 慢性期例は適応とならない。
3: 理学療法士の近位監視下で行う。
4: 他動的関節可動域訓練を長時間行う方法である。
5: 患側手指がBrunnstrom 法ステージⅡで適応となる。