75歳の男性。右視床出血による左片麻痺。発症後3週でブルンストローム法ステージ上肢II・下肢III。平行棒内立位で図のような症状がみられた。運動療法で適切でないのはどれか。
1: 立位で治療者が左側から繰り返し押し返す。
2: 座位でのバランス訓練を行う。
3: 鏡を見せて立位保持訓練を行う。
4: 健側下肢への体重負荷訓練を行う。
5: 高い座面の椅子から立ち上がり訓練を行う。
75歳の男性。交通事故による第5頸髄レベルの脊髄損傷で四肢不全麻痺。受傷後6か月経過。端座位の保持と手すりを使用した立ち上がり動作は可能。食事は太柄のフォークで自立。トイレ動作は見守りが必要。衣服の着脱は介助があれば行える。自宅内は手すり歩行で移動し、屋外は車椅子移動。Frankel分類はどれか。
1: A
2: B
3: C
4: D
5: E
65歳の男性。右利き。突然の意識消失のため救急搬入された。診察時のJCSⅢ-200、血圧210/120 mmHg、脈拍90/分であった。搬送時の頭部CTを示す。意識を回復した際に認められるのはどれか。2つ選べ。
1: 左半側空間無視
2: 右上肢麻痺
3: 左下肢失調
4: 相貌失認
5: 失語症
26歳の男性。仕事中の事故によって頸髄損傷を生じた。S4、5領域の運動機能と感覚機能とは完全に喪失していた。徒手筋力テストの結果を表に示す。到達可能と予測される動作はどれか。
1: 更衣
2: 自己導尿
3: プッシュアップ動作
4: 自助具を用いた食事動作
5: ベッドから車椅子への移乗動作
65歳の男性。脳梗塞。右片麻痺。発症5日目。意識レベルはJCS〈Japan Coma Scale〉Ⅰ-1。全身状態は安定し、麻痺の進行も24時間以上認めないため、リスク管理(リハビリテーション医療における安全管理・推進のためのガイドライン2006に基づく)を行いながら、ベッドアップを開始することとした。適切なのはどれか。
1: ベッドアップ前、動悸を訴えているが実施する。
2: ベッドアップ前、安静時SpO2が85%であったので実施する。
3: ベッドアップ後、脈拍が100回/分なので中止する。
4: ベッドアップ後、呼吸数が18回/分なので中止する。
5: ベッドアップ後、収縮期血圧が120 mmHgから170 mmHgに上昇したので中止する。
62歳の男性。脳出血による左片麻痺。発症後1か月で回復期リハビリテーション病棟に転棟した。左下肢のブルンストローム法ステージはIII。平行棒内にて片脚立位で図のような肢位を認めた。健側下肢の前方振り出し動作の指導過程を順番に示した。適切でないのはどれか。
1: 患脚前で両脚均等に体重をかけて立つ。
2: 患側膝関節は軽度屈曲位にする。
3: 体重を患側に移動する。
4: 上体を患側に回旋する。
5: 重心を残して患側片脚立位になる。
1歳2か月の男児。6か月健康診査で運動発達遅滞を指摘され、地域の療育センターを紹介された。痙直型両麻痺と診断され、週1回の外来理学療法が開始された。現在、首が座り上肢を支持して数秒間のみ円背姿勢で床座位保持が可能となった。この時期のホームプログラムとして適切なのはどれか。
1: 下肢の保護伸展反応の促通
2: 上肢の他動的可動域訓練
3: 腹臥位での体幹伸展運動
4: 四つ這い位保持訓練
5: 介助歩行
17歳の男子。2か月前に外傷性脳損傷。食事はスプーン使用。意識障害を脱して平行棒で歩行練習をしているが両踵が床に着かない。注意障害、発動性減退が目立つ。理学療法で適切でないのはどれか。
1: 両側支柱付短下肢装具を作製する。
2: 日課に従って規則正しい生活を工夫する。
3: 実際的な生活場面を理学療法に取り入れる。
4: 誤りは直ちに大きな声で指摘する。
5: 外泊訓練を試みる。
18歳の男性。事故による第6頸椎脱臼骨折。受傷後3か月経過。筋力は、肩関節屈曲・伸展・外転筋ともにほぼ5(Normal)、肘関節屈筋5(Normal)、肘関節伸筋4(Good)であったが、手指屈筋・伸筋ほぼ0、体幹筋0、下肢筋0であった。感覚は体幹・下肢で脱失していた。この患者の機能残存レベルはどれか。
1: 第4頸髄節
2: 第5頸髄節
3: 第6頸髄節
4: 第7頸髄節
5: 第8頸髄節
26歳の男性。オートバイ事故によるびまん性軸索損傷。2週間意識不明であった。受傷後2か月経過。病棟からの情報では、食事、整容は粗雑だが自立。車椅子への移乗は不安定で、ひとりでベッドから乗り移って転倒する。車椅子での自立走行は可能。自分の部屋を間違える。作業療法の開始時の評価項目で適切でないのはどれか。
1: 認知機能
2: 記憶
3: 運動・感覚機能
4: ADL
5: IADL
70歳の男性。左被殻出血発症後3か月経過。Brunnstrom法ステージは上肢II、下肢III。歩行は四点杖を使用し、屋内歩行は自立している。立ち上がりは手すりか杖を使用すればかろうじて可能である。左上肢の支持がないとバランスを崩すが、体幹か下肢が壁などに接していれば立位の保持は可能である。この患者が自動的な諸機能のない洋式トイレを使用した場合に転倒の危険性が高いのはどれか。
1: 便器の蓋を開ける。
2: 便座に座る。
3: 清拭をする。
4: 便座から立ち上がる。
5: ズボンを上げる。
25歳の男性。頸髄完全損傷、Zancolliの四肢麻痺上肢機能分類でC6A。ベッド・車椅子間の移乗動作の自立を目指して天井走行型リフトを使用した訓練を行うことになった。吊り具の写真を示す。選択する吊り具として正しいのはどれか。
1: ①
2: ②
3: ③
4: ④
5: ⑤
脳出血の急性期で、座位訓練を導入しても危険が少ないのはどれか。
1: JCS(Japan coma scale)はI桁の3
2: 収縮期血圧:200 mmHg
3: 安静時脈拍:120/分
4: 体温:39.5℃
5: 体外脳室ドレナージ
56歳の女性。右利き。脳出血で右片麻痺となり、保存的療法にて発症後7日が経過した。意識は清明。右上肢および手指はBrunnstrom法ステージⅠ。右肩関節に軽度の亜脱臼を認めるが、疼痛や浮腫はない。現時点でこの患者の右上肢に行う治療として最も適切なのはどれか。
1: 筋再教育訓練
2: 利き手交換訓練
3: 間欠的機械圧迫
4: 渦流浴
5: パンケーキ型装具装着
25歳の男性。交通事故による脊髄損傷(第6頸髄節まで機能残存)。頸椎脱臼骨折の観血整復固定術後4日目。多発性肋骨骨折を合併し呼吸管理を行っている。早期理学療法で誤っているのはどれか。
1: タッピングによる排痰訓練を行う。
2: 肩関節の自動介助運動を行う。
3: 肩関節の可動域訓練は屈曲90°までに留める。
4: ベッドアップでの頭部挙上訓練を行う。
5: 下肢の他動運動を行う。
53歳の女性。脳出血による右片麻痺で、発症後6週経過。Brunnstrom法ステージは上肢、手指、下肢ともにIV。両足をそろえた位置から理学療法士を両上肢で押しながら図のように左足を一歩前に出す運動を行っている。この目的として誤っているのはどれか。
1: 歩幅の拡大
2: 歩隔の拡大
3: 右側の殿筋強化
4: 右側の下腿三頭筋の強化
5: 右側上肢肩甲帯の安定化
14歳の女子。痙直型四肢麻痺によって座位保持ができず座位保持装置を使用している。最近側弯が増強したため外来を受診した。脊椎エックス線単純正面像(別冊No. 3A)と骨盤エックス線単純正面像(別冊No. 3B)とを別に示す。座位姿勢を改善させる方法で適切でないのはどれか。
1: 軟性コルセットを使用する。
2: 右側臥位での体幹ストレッチを強化する。
3: ヘッドレストを付けて頭部を保持する。
4: 座面に傾斜をつけ左坐骨を挙上させる。
5: 座位保持装置に右体幹パッドを加える。
75歳の男性。交通事故による第5頸髄レベルでの損傷による四肢不全麻痺。受傷後6か月経過。端座位、手すり使用で立ち上がり動作、食事は太柄のフォークで自立。トイレ動作は見守り。衣服の着脱は介助。自宅内は手すり歩行で移動、屋外は車椅子移動。Frankel分類はどれか。
1: A
2: B
3: C
4: D
5: E
53歳の男性。脳出血による右片麻痺。ブルンストローム法ステージは上肢IV・手指IIIでやや痙縮が強い。麻痺側でコップの水を飲んでもらったところ図1のような反応がみられた。このような反応を軽減するための訓練として図2のような動作を行う際に注意すべき点で適切でないのはどれか。
1: 麻痺側上肢の運動に抵抗をかける。
2: 麻痺側肩関節は外旋位に保持する。
3: 非麻痺側上肢をリラックスさせる。
4: 麻痺側肩甲帯の前方突出を保持する。
5: 頸部と体幹は軽度屈曲を保持する。
44歳の患者。両上肢と体幹とに図のようなⅡ度の熱傷がある。受傷後3日目に保持すべき肢位で正しいのはどれか。
1: 頸部:中間位
2: 肩関節:外転位
3: 右前腕:回内位
4: 体幹:軽度屈曲位
5: 膝関節:軽度屈曲位