脳卒中片麻痺急性期のポジショニングで正しい組合せはどれか。
1: 頸 部 − 伸展位
2: 肩関節 − 内旋位
3: 手関節 − 背屈位
4: 股関節 − 外旋位
5: 足関節 − 底屈位
72歳の女性。心原性脳梗塞。入院時、血圧145/78 mmHg、心拍数102/分、GCS E4 V5 M6、Brunnstrom法ステージ左上肢II、左下肢II、左上下肢筋緊張低下。入院時のMRIを示す。翌日に理学療法を行う場合、離床練習を中止すべき所見はどれか。
1: 心拍数105/分
2: GCS E2 V2 M5
3: 血圧160/72 mmHg
4: 左上下肢筋緊張軽度亢進
5: Brunnstrom法ステージ左上肢III、左下肢III
転倒による右大腿骨頸部内側骨折に人工骨頭置換術を施行したとき、術後の起立訓練開始時期への影響が最も少ないのはどれか。
1: 術前の歩行能力
2: セメントの使用
3: 手術切開創の治癒
4: 心機能の低下
5: 片麻痺の合併
23歳の男性。会社員。6か月前、交通事故による外傷性脳損傷を受傷したが、身体的後遺症はなく、職場復帰した。病前と性格が変わって怒りっぽく頑固になり、職場の人間関係が悪化して精神科を受診し、外来作業療法に参加となった。作業療法の初期目標で適切でないのはどれか。
1: 実施上の取り決めの遵守
2: 興味ある作業への参加
3: 定期的な参加の継続
4: 安心できる関係作りの構築
5: 職場の人間関係の改善
80歳の男性。右大腿骨骨折の手術後4週で回復期リハビリテーション病棟に転棟した。初回訓練時の理学療法士(PT)と患者との会話を以下に示す。PT①「こんにちは。○○太郎さんですか。担当する理学療法士の△△花子と申します」患者「はい、○○太郎です。よろしくお願いいたします」PT②「交通事故で右の太ももの骨を骨折されて本当に大変でしたね」患者「はい」PT③「骨を固定する手術を受けてから4週間が過ぎましたが、右膝関節拘縮と筋力低下を起こし、歩行障害となっているのですね」患者「まだ足をついてはいけないと言われています」PT④「今日はこれから右膝の関節を柔らかくする運動と足の力を強くする運動、右足に体重を乗せないで歩く練習を行います。関節を曲げるときに少し痛いかもしれませんが、我慢ができないときには遠慮なさらずにおっしゃってください」運動実施〉患者「少し痛いのですが」PT⑤「すみませんでした。もう少し優しく行うように配慮いたします。運動の前に関節を温めておきますと痛みが少なくて済むことがありますので、担当医とよく相談して許可を得るようにいたします」理学療法士の発言で適切でないのはどれか。
1: ①
2: ②
3: ③
4: ④
5: ⑤
脳卒中患者の障害と徴候との組合せで誤っているのはどれか。
1: シャツの袖をうまく通せない-着衣失行
2: 知っている人なのに声を聞かないとわからない-相貌失認
3: 指示による閉眼維持が困難である-運動維持困難
4: 移動時に左にある物にぶつかる-左半側無視
5: 麻痺がないのに指で模倣ができない-観念失行
左中大脳動脈閉塞で生じやすい高次脳機能障害はどれか。
1: 自然にバイバイと手を振ることはできるが、指示されるとできない。
2: 着る手順を説明できるが、誤った着方をする。
3: 重度の運動麻痺があるのに、歩けると主張する、
4: 視界の左半分にある物を見落とす。
5: 色紙の色分けができない。
45歳の女性。2~3年前から上肢の筋力低下の進行と嚥下障害が認められ、筋萎縮性側索硬化症と診断された。現在、上肢の筋力はMMTで肩関節周囲2-、手指筋2、頸部・体幹筋と下肢は3。移動は車椅子介助、車椅子への移乗も軽介助を必要とする。食事はポータブルスプリングバランサーを使用して自立しており、その他のADLは全介助となっている。発声によるコミュニケーションは可能だが、呼吸機能は徐々に低下している。この患者に今後導入が予想されるコミュニケーション機器はどれか。2つ選べ。
72歳の女性。転倒し、左手をついた。左手関節部に疼痛と腫脹が生じ、近くの病院を受診し徒手整復後ギプス固定を受けた。骨癒合後の画像示す。手関節尺屈により尺骨頭部の疼痛とクリック音がする。手指の機能障害はない。生じている合併症で考えられるのはどれか。
1: 反射性交感神経性ジストロフィー
2: 尺骨突き上げ症候群
3: 長母指伸筋腱断裂
4: 正中神経損傷
5: 月状骨脱臼
70歳の男性。変形性膝関節症に対する人工関節全置換術後6週経過。全荷重歩行可能。日常生活の指導で誤っているのはどれか。2つ選べ。 ア.和式トイレ動作イ.あぐら座位ウ.シャワー椅子座位エ.T字杖歩行訓練オ.固定自転車こぎ
1: ア
2: イ
3: ウ
4: エ
5: オ
7歳の女児。アテトーゼ型脳性麻痺。GMFCSレベルⅣ。頭部は右を向きやすく、上肢はATNR様の姿勢をとる。利き手は右であるが物を持続的に把持する能力は低い。食事訓練場面では座位保持装置に座って肘当てと同じ高さのテーブルで、スプーンでの自力摂取を試みている。食事訓練における作業療法士の対応として適切なのはどれか。
1: BFO利用する。
2: テーブルを補高する。
3: 皿をテーブルの右側に置く。
4: スプーンの柄が細いものを選ぶ。
5: 座位保持装置を床から60度の角度でティルティングする。
65歳の男性。右大腿骨骨幹部骨折。プレート固定術後3週経過。右股関節拘縮がみられる。可動域増大を目的として超音波療法を施行した。誤っているのはどれか。
1: 1MHzの周波数を使用する。
2: 導子の速度は1~2 cm/秒である。
3: 照射面積は導子面積の約4倍である。
4: 2W/cm2の強度で行う。
5: 治療面に対し導子を垂直に当てる。
52歳の女性。踏み台から転落して左踵骨骨折を受傷し、手術が行われた。術後翌日の単純エックス線写真を示す。この患者に対する運動療法で正しいのはどれか。
1: 術後翌日から距腿関節の可動域練習を行う。
2: 術後翌日から膝関節の可動域練習を行う。
3: 術後翌日から部分荷重を始める。
4: 術後1週から外固定内での距踵関節の等尺性運動を行う。
5: 術後2週からMP関節の可動域練習を行う。
70歳の男性。パーキンソン病。ヤールの重症度分類ステージIV。椅子からの立ち上がり動作が図のようになり、上手にできないことが多い。立ち上がり動作の訓練として適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 足関節を底屈させて床を蹴るようにする。
2: 体幹を前屈させてお辞儀をするようにする。
3: 両上肢を前方へ出すようにする。
4: 殿部が座面を離れると同時に膝関節を伸展する。
5: 座面を膝の位置より低いものにする。
25歳の男性。知的障害。IQ 60。両親と3人暮らし。18歳から近所の漬物工場で仕事をしている。周期性の不機嫌がみられていたが、最近、不機嫌が改善せず、物を投げたり両親を攻撃したりするため、入院となった。入院1か月後に状態が安定したので、退院を目標に作業療法が処方された。作業中、いつも患者は周囲をきょろきょろ見回して、落ち着かない。この状況の説明として適切でないのはどれか。
1: 状況対応力の低さ
2: 過度の緊張
3: 不安の発現
4: 複雑部分発作の前兆
5: 注意集中の困難
32歳の女性。交通事故による左上腕切断(上腕長30%残存)。上腕能動義手の適合検査で、肘継手を屈曲させたときに手先具が口元に届かなかった。考えられる原因はどれか。2つ選べ。
1: 左肩屈曲の可動域低下
2: 左肩伸展の筋力低下
3: 左肩甲骨下制の筋力低下
4: 右肩甲骨外転の筋力低下
5: 右肩甲帯挙上の可動域低下
脳卒中後の左片麻痺の患者が車椅子からベッドへの移乗動作を行う際の介助方法として適切なのはどれか。
1: 装具は外して行う。
2: 車椅子の後方から介助する。
3: 車椅子上で殿部を前方に移動させておく。
4: ベッドに対して車椅子を平行に設置する。
5: ベッドの高さは車椅子の座面より高くしておく。
65歳の男性。喫煙者。10年前から高血圧、高脂血症、糖尿病で内服治療をしている。4週前に外傷性第5胸髄損傷、完全対麻痺で入院。入院時の血糖は350 mg/dL、HbA1cは8.0%。入院後1週で離床訓練が開始された。この患者が上肢エルゴメーター運動を実施中に、急に動悸と左肩周囲の違和感を訴えた。直ちに運動を中止し安静にさせたところ症状は数分で消失した。症状消失後のバイタルサインに異常を認めなかった。この症状の原因として考えられるのはどれか。
1: 低血糖
2: 起立性低血圧
3: 急性心筋梗塞
4: 労作性狭心症
5: 自律神経過反射
立位保持困難な脳卒中片麻痺患者に対する傾斜台を用いた立位保持訓練の目的として適切でないのはどれか。
1: 尖足の予防
2: 覚醒レベルの向上
3: 立位感覚の維持
4: 下肢の骨粗鬆症予防
5: 膝関節伸展筋の痙縮抑制
50歳の男性。Parkinson病。4年前から右足のふるえが出現し、抗Parkinson病薬を服用している。ADLは自立し、家事を行うことはできているが、作業に時間がかかるようになった。最近、下り坂の途中で足を止めることができず、前方へ転倒するようになったという。自宅でバランス練習を行うことになった。練習方法として適切なのはどれか。