70歳の男性。左被殻出血発症後3か月経過。Brunnstrom法ステージは上肢II、下肢III。歩行は四点杖を使用し、屋内歩行は自立している。立ち上がりは手すりか杖を使用すればかろうじて可能である。左上肢の支持がないとバランスを崩すが、体幹か下肢が壁などに接していれば立位の保持は可能である。この患者が自動的な諸機能のない洋式トイレを使用した場合に転倒の危険性が高いのはどれか。
1: 便器の蓋を開ける。
2: 便座に座る。
3: 清拭をする。
4: 便座から立ち上がる。
5: ズボンを上げる。
Brunnstrom法ステージ上肢Ⅲ、手指Ⅳの片麻痺患者に対する上肢Ⅳを目指した座位での訓練課題はどれか。2つ選べ。
1: 腹部の前から非麻痺側大腿を触る。
2: 大腿上に置いた布をひっくり返す。
3: 大腿上に置いたお手玉を口元に近づける。
4: 机上のお手玉を肘伸展位で前方の肩の高さに移動する。
5: 机上のお手玉を肘伸展位で麻痺側側方の肩の高さに移動する。
脳血管障害後の片麻痺患者にBrunnstrom法ステージテストを行った。肩関節の屈曲は肘伸展位で150°可能、外転は90°可能であるが肘関節が30°屈曲していた。また円柱形のペグを把持するよう指示すると、対向つまみはできなかったが横つまみは可能であった。Brunnstrom法ステージの組合せで正しいのはどれか。
1: 上肢Ⅲ − 手指Ⅳ
2: 上肢Ⅳ − 手指Ⅲ
3: 上肢Ⅳ − 手指Ⅳ
4: 上肢Ⅴ − 手指Ⅳ
5: 上肢Ⅴ − 手指Ⅴ
74歳の女性。左片麻痺。Brunnstrom法ステージ上肢Ⅱ、下肢Ⅲ。患側の筋緊張は低く、随意的な筋収縮もわずかにみられる程度である。平行棒内立位は中等度介助が必要で、左下肢は膝伸展位を保持することが困難で、体重をかけると膝折れが生じる。診療録の問題指向型医療記録の記載でassessment(評価)はどれか。
1: 左下肢の筋力が低下している。
2: 左下肢の筋力増強練習を行う。
3: 左下肢の筋緊張が低下している。
4: 左下肢に長下肢装具を使用し立位練習を行う。
5: 左下肢の筋緊張低下により体重支持力が低下している。
68歳の男性。妻と2人暮らし。脳血管障害による右片麻痺。発症後11か月経過。軽度の失語症と全身の持久力低下とがみられる。ブルンストローム法ステージは上肢III、手指II、下肢III。短下肢装具装着で介助歩行が可能である。住居は平屋の日本家屋である。家庭復帰を目的とした作業療法を実施することとなった。この患者の浴室の環境調整で適切でないのはどれか。
1: ①
2: ②
3: ③
4: ④
5: ⑤
脳卒中右片麻痺の麻痺側運動機能についてBrunnstrom法ステージの検査を行ったところ、図に示す段階までの運動が可能であった。評価の組合せで正しいのはどれか。
1: 上肢Ⅳ-手指Ⅳ-下肢Ⅳ
2: 上肢Ⅳ-手指Ⅴ-下肢Ⅳ
3: 上肢Ⅳ-手指Ⅳ-下肢Ⅴ
4: 上肢Ⅴ-手指Ⅴ-下肢Ⅳ
5: 上肢Ⅴ-手指Ⅴ-下肢Ⅴ
70歳の独居女性。脳梗塞による右片麻痺。発症から3か月入院しリハビリテーションを受け、退院後2年経過。ブルンストローム法ステージは上肢・下肢ともにIII。屋内は短下肢装具、屋外は短下肢装具と杖とを使用して歩行。コミュニケーションは良好。在宅における指導で適切でないのはどれか。
1: 分離運動の獲得
2: 関節可動域の維持
3: 歩行能力の向上
4: 生活リズムの確立
5: 生活環境の整備
40歳の女性。主婦。脳出血後3年経過。右片麻痺。上肢のブルンストローム法ステージ上肢IV・手指IV・下肢IV。「右の手足の突っ張りが強くなった」と訴えている。日常生活の指導として誤っているのはどれか。
1: 調理のときはシンクに軽く寄りかかり、右足底にも体重をかける。
2: 食事のときは麻痺側上肢をテーブル上に載せる。
3: 椅子座位では左の殿部に体重をかけて座る。
4: 日に何度かは両手を組んでテーブル上で両上肢を伸ばす。
5: 掃除機を使用するときは、両手を添える。
80歳の男性。脳梗塞による右片麻痺。Brunnstrom法ステージは上肢、手指、下肢ともにⅢ。右短下肢装具を装着し1本杖歩行は15 mまでは可能である。12段の階段昇降は可能であるが、そばで見守る必要がある。歩行と階段のFIMの点数の組合せで正しいのはどれか。
1: 歩行6点 ― 階段6点
2: 歩行5点 ― 階段6点
3: 歩行5点 ― 階段5点
4: 歩行4点 ― 階段5点
5: 歩行4点 ― 階段4点
70歳の男性。脳硬塞片麻痺、発症後2か月。図の上の絵を患者の正面に置き、模写を指示したところ、下の図のように描いた。この障害への対応として適切でないのはどれか。
1: 食事場面で患側にある食物を意識させる。
2: 体幹は健側方向への回旋を意識させる。
3: 理学療法士は患側に立って治療を行う。
4: 車椅子での集団風船バレーに参加させる。
5: 車椅子の患側のブレーキレバーに目印をつける。
40歳の男性。脳梗塞による左片麻痺。「手を腰の後ろに回してください」、「肘を曲げずに腕を前から水平位まで上げてください」の指示に左上肢はそれぞれ図のようになった。左上肢の状態として適切なのはどれか。
1: 基本的共同運動の最初の要素が出現している。
2: 痙縮の発現期である。
3: 痙縮が最も強い時期である。
4: 基本的共同運動から逸脱した運動が出現している。
5: 分離運動が自由に可能である。
50歳の女性。脳梗塞による右片麻痺。発症5日経過。ブルンストローム法ステージは上肢、手指、下肢ともにIであり、ベッド上座位保持が5分間可能となった。この時期のADLとして適切なのはどれか。2つ選べ。
1: トイレでの排泄を誘導する。
2: 食事の際、右手で食器を押さえる。
3: 日中は離床し車椅子に座る。
4: ズボン着脱は背臥位で介助する。
5: 左手で右手の清拭を行う。
72歳の男性。脳梗塞による左片麻痺。座位姿勢と机上での検査結果を図に示す。理学療法として誤っているのはどれか。
1: 視覚探索課題を行う。
2: 後頸部に振動刺激を行う。
3: 車椅子の右側のブレーキレバーを延長する。
4: 対象物が右へ偏倚するプリズム眼鏡をかけて練習する。
5: 車椅子駆動時に進行方向の左側に注意するよう指導する。
左片麻痺のBrunnstrom法ステージと作業療法との組合せで適切でないのはどれか。ただし、ステージは上肢・手指の順とする。
脳血管障害回復期の患者。麻痺は上下肢ともにブルンストローム法ステージIIIで座位バランスは悪い。バランス反応と上肢分離運動促進とを目的に図に示すような自動介助運動をゆっくり繰り返した。このとき出現しやすいのはどれか。2つ選べ。ア.前方移動時に重心が後方に残る。イ.患側肩関節は外転位になる。ウ.患側肩甲帯は前方突出する。エ.患側股関節は内転位になる。オ.患側足関節は外反位になる。
1: ア
2: イ
3: ウ
4: エ
5: オ
発症後2か月の脳卒中右片麻痺患者。上肢ブルンストローム法ステージIV。上肢の伸筋群に随意的な関節運動が認められるようになった。肘伸展を誘発するための治療的活動で適切でないのはどれか。
47歳の右利きの女性。脳出血発症後2か月経過。ブルンストローム法ステージは上肢IV、手指IV、下肢V。麻痺側の感覚障害を認めた。図に発症時の出血部位(出血部位:網かけ)を示す。脳の他の部位には萎縮や低吸収域を認めなかった。患側上肢の分離運動を促通するための作業で適切でないのはどれか。
58歳の女性。脳梗塞による右片麻痺。発症後5日経過。理学療法では座位訓練が開始された。ベッドサイドでの作業療法の初回評価として適切でないのはどれか。
1: リスクを確認する。
2: 病棟での生活状況について情報を得る。
3: 簡易上肢機能検査(STEF)を行う。
4: 精神機能のスクリーニングを行う。
5: 身体機能の検査は負荷にならないものから始める。
65歳の男性。脳梗塞による右片麻痺。発症後3か月経過。歩行は自立しているが、痙縮が強く内反尖足と反張膝を示す。理学療法で適切でないのはどれか。2つ選べ。 ア.ハムストリングスの持続的伸張イ.大腿四頭筋の筋力増強ウ.膝関節軽度屈曲位での体重支持エ.下腿三頭筋の持続的伸張オ.足関節背屈筋群のタッピング
1: ア
2: イ
3: ウ
4: エ
5: オ
57歳の男性。脳梗塞による右片麻痺。発症後3か月経過。分回し歩行で歩行時に内反尖足と反張膝とがみられる。足関節は他動的に背屈すると、かろうじて0゚まで矯正可能である。理学療法で誤っているのはどれか。
1: 患側膝軽度屈曲位での体重支持訓練
2: 前脛骨筋のバイオフィードバック療法
3: 下腿三頭筋のストレッチング
4: ハムストリングスの促通
5: 下肢の伸展・内転・外旋PNFパターンの使用