第40回午前第22問の類似問題

第54回午後:第35問

Parkinson病のHoehn & Yahrの重症度分類でステージⅢの患者に対する作業療法で使用するのはどれか。  

1: メトロノーム

2: 座位保持装置

3: バランスボード

4: ユニバーサルカフ

5: ポータブルスプリングバランサー

  • 答え:1
  • 解説:Parkinson病のHoehn & Yahrの重症度分類ステージⅢでは、外界からの手がかり情報を使用した運動が有効とされる。メトロノームはリズミカルな音刺激によりテンポが作られ、滑らかな運動を誘発するとされる。
  • メトロノームは、リズミカルな音刺激によりテンポが作られ、滑らかな運動を誘発するとされる。ステージⅢのParkinson病患者に対して有効な作業療法となる。
  • 座位保持装置は、介助がなければ車椅子か寝たきりの生活である、ステージⅤの場合に適応となることがある。ステージⅢの患者には適していない。
  • バランスボードは、姿勢保持の障害が著明でないステージⅠ~Ⅱの場合に使用することがある。ステージⅢの患者には適していない。
  • ユニバーサルカフは、手指の把持動作ができない場合に使用する。Parkinson病では、運動麻痺がなければ使用することはない。
  • ポータブルスプリングバランサーは、上肢近位筋の筋力低下を支援するための装置である。Parkinson病では、かえって不随意運動を助長してしまう可能性がある。
  • 科目:神経筋疾患
  • 重要度:プレミアム特典
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第55回午前:第15問

75歳の女性。Parkinson病。Hoehn & Yahrの重症度分類ステージⅣ。歩行時に小刻み歩行、突進現象、すくみ足が出現する。歩行練習として適切なのはどれか。  

1: 速く歩く。

2: 広いところで歩く。

3: 床に引いた一本線上を歩く。

4: 目標地点の手前を注視して歩く。

5: お盆に載せたコップを運びながら歩く。

第40回午前:第29問

54歳の男性。肺塞栓に併発した低酸素脳症。意識障害は2か月で回復し、歩行も2年間で介助レベルまで回復した。運動時の上肢のミオクローヌス、小刻み歩行、寡黙、認知障害や自発性低下がある。治療アプローチで誤っているのはどれか。  

1: 上肢の素速い運動

2: 四つ這いでのバランス訓練

3: メトロノームを使った歩行

4: 低い台からの立ち上がり

5: 日記を用いた記憶の代償

第54回午後:第13問

75歳の男性。脳梗塞による左片麻痺。発症後1か月で回復期リハビリテーション病棟に転棟した。平行棒内歩行にて立脚相で図のような状況を呈した。立位歩行練習時の患側への対応で適切でないのはどれか。 

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1: 踵部の補高

2: 短下肢装具の使用

3: 膝屈曲位での立位保持練習

4: 前脛骨筋の治療的電気刺激

5: 下腿三頭筋へのタッピング

第36回午前:第61問

パーキンソン病(ヤールの重症度分類ステージIII)の女性の更衣動作指導で適切でないのはどれか。  

1: 前開きシャツよりもかぶりシャツを勧める。

2: ボタンエイドよりもベルクロボタンを勧める。

3: フックなしブラジャーよりも前フック型のものを勧める。

4: キュロットよりも巻きスカートを勧める。

5: ハイソックスよりも足首までのソックスを勧める。

第55回午後:第11問

25歳の男性。頸髄完全損傷、Zancolliの四肢麻痺上肢機能分類でC6A。ベッド・車椅子間の移乗動作の自立を目指して天井走行型リフトを使用した訓練を行うことになった。吊り具の写真を示す。選択する吊り具として正しいのはどれか。 

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1: ①

2: ②

3: ③

4: ④

5: ⑤

第50回午後:第8問

25歳の男性。Guillain-Barré症候群。発症後3日で運動麻痺は進行しており、呼吸筋麻痺のため人工呼吸器管理中である。理学療法で適切でないのはどれか。  

1: 体位変換

2: 筋力増強運動

3: 胸郭ストレッチ

4: 関節可動域運動

5: 30°程度のリクライニング位

第49回午後:第8問

60歳の男性。Parkinson病。3年前に右手の振戦で発症し、2年前から左足と左手の振戦を認めている。最近、前かがみが強くなり、腹部が締めつけられるような感覚を生じることがある。独歩は可能。事務仕事を継続している。外来時の指導で適切なのはどれか。  

1: 呼吸法

2: 毎日10分間の散歩

3: 体幹コルセットの装着

4: 四肢の高負荷筋力トレーニング

5: 肩甲帯と体幹を大きく動かす運動

第53回午前:第13問

55歳の男性。2年前に筋萎縮性側索硬化症と診断された。2か月前に誤嚥性肺炎を起こして入院した。肺炎改善後、胃瘻が造設された。構音障害が重度で、発音は母音のみ可能、発声持続時間は8秒。湿性嗄声はない。唾液の空嚥下は可能である。上肢の筋力はMMTで4レベルであるが、体幹および下肢の筋力は3。歩行のFIMは1、移乗のFIMは6及びトイレ動作のFIMは6であった。自宅退院を計画している。この患者に対する対応で正しいのはどれか。  

1: 食事を常食で再開する。

2: エアマットの使用を勧める。

3: 透明文字盤の使用を勧める。

4: ポータブルトイレの使用を勧める。

5: チンコントロール電動車椅子を導入する。

  • 答え:4
  • 解説:筋萎縮性側索硬化症の患者は、運動機能が障害されているため、適切な対応が必要である。この患者は、誤嚥性肺炎の後に胃瘻を造設されており、嚥下機能が障害されている。また、上肢筋力は4レベルであるが、歩行は困難である。移乗とトイレ動作はFIMで6点であり、手すりや補助具を用いることで自立可能な状態である。この場合、ポータブルトイレを用いれば、自宅の居室で排泄が可能となる。
  • 患者は誤嚥性肺炎の後に胃瘻を造設されていることから、嚥下機能が障害されていると考えられる。食事は経口摂取だとしても、常食ではなく誤嚥を起こしにくい嚥下困難食から開始すべきである。
  • 患者は、上肢筋力がMMTで4レベル、体幹と下肢の筋力がMMT3であるため、臥位での体動は可能と考えられる。臥床していても、体動が可能であれば、褥瘡の危険性は低く、エアマットは不要である。
  • 発声が母音のみでも、クローズドクエスチョンのような音声でのコミュニケーションが可能である。この患者の場合は母音を発声できるので人工喉頭を用いることもできる。透明文字盤は、気管切開により発声できない状態に備えることはできるが、現段階では不要である。
  • 移乗とトイレ動作はFIMで6点であり、手すりや補助具を用いることで自立可能な状態である。この場合、ポータブルトイレを用いれば、自宅の居室で排泄が可能となる。正しい選択肢である。
  • 患者は上肢筋力がMMT4レベルであり、車椅子は電動でなくても利用可能である。症状が重症化したときには、電動車椅子のほか、上肢以外を駆動に用いる型の車椅子も検討する必要があるが、現段階ではチンコントロール電動車椅子の導入は不要である。
  • 科目:神経筋疾患
  • 重要度:プレミアム特典
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第38回午前:第19問

82歳の男性。認知症はなく身辺動作は自立しており毎日近所の散歩もしていた。急性肺炎に罹患して入院し、安静臥床を指示されて排泄もベッドの上で行っていた。安静臥床が4週続いた後に、廃用症候群の改善を主な目的として作業療法が開始された。初めて車椅子に乗車させる際のチェック項目で適切でないのはどれか。  

1: 顔色

2: 血圧

3: 脈拍

4: 瞳孔の左右差

5: 問いかけに対する反応

第54回午前:第19問

78歳の男性。慢性閉塞性肺疾患の急性増悪により人工呼吸器管理中である。意識レベルJCS〈Japan Coma Scale〉Ⅱ-20、体温37.5℃、呼吸数は26回/分、努力性呼吸を認める。二次的合併症の予防目的で行う理学療法で適切でないのはどれか。  

1: 呼吸介助

2: 体位排痰法

3: ベッドアップ

4: 関節可動域運動

5: 徒手的抵抗運動

第34回午前:第51問

パーキンソン病患者の作業種目で適切でないのはどれか。  

1: 体幹の回旋を含んだ棒体操

2: 立位でのシャッフルボード

3: 机上での織物

4: 机上での木彫

5: 壁面を利用したはり絵

第52回午後:第11問

57歳の男性。筋萎縮性側索硬化症と診断されて3年が経過。四肢や体幹に運動麻痺を生じてベッド上の生活となりADLは全介助。さらに球麻痺症状を認め、安静時も呼吸困難を自覚する。この患者がコミュニケーション機器を使用する際の入力手段として適切なのはどれか。  

1: 舌

2: 手指

3: 口唇

4: 呼気

5: 外眼筋

第51回午前:第29問

Parkinson病のHoehn&Yahrの重症度分類ステージで適切なのはどれか。  

1: ステージⅠでは両側の機能障害がみられる。

2: ステージⅡでは姿勢反射障害がみられる。

3: ステージⅢでは機能障害の左右差が顕著となってくる。

4: ステージⅣでは日常生活に制限があり転倒しやすい。

5: ステージⅤでは日常生活に制限が大きいが手すり歩行は可能である。

第51回午後:第8問

70歳の男性。肺癌末期だが意識は清明で四肢筋力も保たれている。感覚障害や四肢の浮腫もない。最近徐々に嗄声が出現した。原因として最も考えられるのはどれか。  

1: 反回神経麻痺

2: Raynaud現象

3: Pancoast腫瘍

4: 上大静脈症候群

5: Lambert-Eaton症候群

第55回午前:第13問

66歳の男性。要介護1となり介護老人保健施設に入所した。入所1週後、作業療法士によるリハビリテーションを行うために機能訓練室に来室した際、動作の緩慢さと手指の振戦が観察された。妻は本人が中空に向かって「体操服姿の小学生がそこにいる」と言うのを心配していた。本人に尋ねると、見えた内容について具体的に語っていた。疾患として考えられるのはどれか。  

1: Creutzfeldt-Jakob病

2: Alzheimer型認知症

3: Lewy小体型認知症

4: 意味性認知症

5: 正常圧水頭症

  • 答え:3
  • 解説:この患者は、動作の緩慢さと手指の振戦などのParkinson症状がみられるほか、「体操服姿の小学生がそこにいる」などと言った、ありありとした幻視がみられている。これらの症状から、Lewy小体型認知症が最も考えられる疾患である。
  • Creutzfeldt-Jakob病は、遺伝性の感染型プリオン蛋白と、その汚染臓器の移植により生じる。中高年が無関心、行動異常で発症し、認知症症状、錐体路・錐体外路症状が急速に進行し、植物状態となる。この患者の症状とは一致しないため、正しくない選択肢である。
  • Alzheimer型認知症は「物忘れ」のような記銘力や近時エピソード記憶障害に始まり、作業能率の低下、行為の障害、失行・失認、健忘性作話などが特徴である。この患者の症状とは一致しないため、正しくない選択肢である。
  • Lewy小体型認知症は、記憶の再生の障害が目立ち、認知機能の動揺、視覚認知障害(幻視)、抑うつ状態が特徴である。この患者の症状(動作の緩慢さ、手指の振戦、幻視)はLewy小体型認知症の特徴と一致するため、正しい選択肢である。
  • 意味性認知症は、側頭葉優位型の前頭側頭葉変性症で、物品呼称の障害、単語理解の障害を呈し、これらにより日常生活が阻害されている状態である。また、対象物に対する知識の障害や表層性失読・失書がみられることもある。この患者の症状とは一致しないため、正しくない選択肢である。
  • 正常圧水頭症は、脳脊髄液の循環不全により歩行障害、認知症、尿失禁などの症状がみられる。この患者の症状とは一致しないため、正しくない選択肢である。
  • 科目:認知症・高齢者障害
  • 重要度:プレミアム特典
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第57回午前:第11問

57歳の男性。筋萎縮性側索硬化症。発症後5年が経過。四肢と体幹に重度の運動麻痺を生じてベッド上の生活となり、ADLは全介助。球麻痺症状を認め、安静時も呼吸困難を自覚している。この患者がコミュニケーション機器を使用する際の入力手段として適切なのはどれか。  

1: 舌

2: 口 唇

3: 呼 気

4: 手 指

5: 外眼筋

  • 答え:5
  • 解説:筋萎縮性側索硬化症(ALS)は進行性の神経変性疾患であり、筋萎縮と筋力低下が進行する。この患者は四肢と体幹に重度の運動麻痺があり、球麻痺症状も認められる。適切なコミュニケーション機器の入力手段は、外眼筋を利用したアイマークレコーダーなどの装置が適している。
  • 舌は球麻痺症状により運動障害が出現しているため、入力手段として使用に適さない。
  • 口唇も球麻痺により運動障害が出現していることが推測されるため、入力手段として使用に適さない。
  • この患者は安静時も呼吸困難の自覚があり、呼吸筋が低下しているとすれば、呼気を入力手段には使用できない。
  • 四肢の重度運動麻痺が生じているため、手指の利用は困難であり、入力手段として使用に適さない。
  • ALSの外眼筋は末期まで障害されにくく、アイマークレコーダーなどで眼球運動を検知できる装置を使えば、コミュニケーション機器の入力手段として使用できるため、適切な選択肢である。
  • 科目:神経筋疾患
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