脳性麻痺児の背臥位姿勢を図に示す。獲得することが予想される順で正しいのはどれか。
1: A→B→C→D
2: B→C→D→A
3: B→A→C→D
4: C→D→B→A
5: D→A→B→C
3歳の女児。痙直型脳性麻痺。多くの時間を図のような姿勢で過ごす。食事は経口主体であり、介護者が児を抱きかかえて行う。スプーンでペースト食を口に入れるが、一部は口から流れ出る。この3年間、肺炎などの呼吸器合併症はない。この児の上肢機能改善を図るための姿勢として適切でないのはどれか。
適切でない組合せはどれか。
1: 伸展パターンの強い痙直型脳性麻痺児-床に腰をおろした更衣指導
2: 非対称性姿勢の強いアテトーゼ型脳性麻痺児-正中位保持での食事指導
3: 筋緊張の低いダウン症児-前傾したバランスボードを用いた立位での遊び
4: 点頭てんかん児-電動車椅子の操作指導
5: 体幹変形を生じた重症心身障害児-座位保持装置の使用
3歳11か月の男児。6か月時に脳性麻痺と診断され、療育センターで通所の理学療法を受けている。現在、割り座であれば座位保持が可能であり、床上は四つ這いで移動できるが、交互性はない。最近、PCウォーカーで短距離の歩行が可能になったが、方向転換には介助が必要である。Gross Motor Function Classification System(GMFCS)によるレベルはどれか。
1: レベル I
2: レベル II
3: レベル III
4: レベル IV
5: レベル V
8歳の男児。デュシェンヌ型筋ジストロフィー。動揺性歩行を呈し、手すり使用で階段昇降可能。床からの立ち上がりでは登はん性起立がみられる。この時期の理学療法で正しいのはどれか。2つ選べ。 ア.車椅子駆動練習イ.大腿四頭筋の筋力維持訓練ウ.傾斜台での下腿三頭筋の持続伸張エ.シューホーンブレース装着での歩行オ.ナイト型装具装着での立位バランス訓練
1: ア
2: イ
3: ウ
4: エ
5: オ
3歳の脳性麻痺児。抱っこでは常に図のような姿勢を示している。この児の遊びの姿勢で適切でないのはどれか。
12歳の女児。痙直型両麻痺。膝歩きの様子(別冊No. 10)を別に示す。本児の動作を正常と比較した場合の特徴で正しいのはどれか。
1: 支持基底面が狭い。
2: 重心の側方移動が小さい。
3: 重心の位置が低い。
4: 上肢の筋緊張が低い。
5: 体幹の軸回旋が大きい。
5歳の男児。脳性麻痺。麻痺のタイプは痙直型両麻痺であり、図のように両手支持なしで座ることができる。この児で予想される所見はどれか。
1: 鉛管様現象陽性
2: 膝蓋腱反射減弱
3: Galant反射陽性
4: 足クローヌス陽性
5: 非対称性緊張性頸反射陰性
アテトーゼ型脳性麻痺児の症状と訓練課題との組合せで適切なのはどれか。
1: 定頸不良 — 背臥位で下肢を挙上する。
2: 体幹過伸展 — 座面の高い椅子で座位を保持する。
3: 手指の過伸展 — 豆をつまむ。
4: 目と手の協調障害 — ボールプールで遊ぶ。
5: 動的バランス不良 — セラピーボールに乗って揺らす。
5歳の脳性麻痺児が、手の支持なしに椅子に座り、物につかまらずに床から立ち上がることができる。粗大運動能力分類システム(Gross Motor Function Classification System:GMFCS)のレベルはどれか。
1: レベルⅠ
2: レベルⅡ
3: レベルⅢ
4: レベルⅣ
5: レベルⅤ
65歳の男性。右利き。脳梗塞による片麻痺。Brunnstrom法ステージは上肢、手指、下肢ともにⅢ。回復期リハビリテーション病棟では車椅子で移動している。発症後3か月の頭部MRIを示す。この患者が基本動作練習を開始した際に観察されるのはどれか。
1: 左側からの方が起き上がりやすい。
2: 座位練習で右手を支持に使うことができない。
3: 立位保持では両下肢に均等に荷重ができる。
4: 車椅子駆動の際に廊下の左壁によくぶつかる。
5: 練習を繰り返しても装具装着の手順を間違える。
GMFCSレベルⅡの痙直型脳性麻痺児に対する運動指導で最も適しているのはどれか。
1: 車椅子の駆動練習
2: 割り座での座位練習
3: 歩行補助具なしでの歩行練習
4: バニーホッピングによる四つ這い移動練習
5: スタンディングボードを用いての立位練習
2歳のアテトーゼ型脳性麻痺児の摂食訓練で正しいのはどれか。
1: 背臥位で行う。
2: 上肢は解剖学的基本肢位に置く。
3: 食物は舌の中央より前に載せる。
4: ジュース類から始める。
5: 飲み込むときは頸を伸展位にする。
68歳の男性。脳梗塞による左片麻痺。発症後3か月時、腰掛座位において図のように右上下肢で接触面を強く押して左側に転倒する現象を認めた。座位バランス獲得のための理学療法で適切でないのはどれか。
1: 鏡で姿勢の傾きを認知させる。
2: 座面を上げて両下肢を浮かせる。
3: 治療者が左側から繰り返し押し返す。
4: 右上肢を前方のテーブルに載せる。
5: 点滴棒など垂直指標に体幹を合わせる。
3歳の男児。脳性麻痺。床上に座れるが両手を使えるほどの安定性はない。四つ這いや伝い歩きで移動できる。この患児が15歳時にGMFCS-Expanded and Revised〈E&R〉で同じレベルであった場合に予想される屋内移動の状態として最も適切なのはどれか。
1: 手すりなしで階段昇降する。
2: 短い距離を独歩する。
3: 自走式車椅子を使う。
4: 電動車椅子を使う。
5: 寝返りで移動できない。
6歳の痙直型両麻痺児。平行棒内での歩行を練習中。注意すれば踵を接地して歩けるが、足部外反扁平位と膝関節屈曲位とになりやすい。短下肢装具の処方で正しいのはどれか。2つ選べ。
1: 外側ストラップを付ける。
2: アーチサポートを付ける。
3: 半長靴にする。
4: 外側フレアヒールを用いる。
5: 踵を補高する。
9歳の男児。デュシェンヌ型筋ジストロフィー。介助なしに歩行可能で、椅子からの立ち上がりも可能であるが、階段昇降はできない。この時期の理学療法で適切でないのはどれか。
1: 大腿四頭筋の筋力維持訓練
2: 体幹装具装着での歩行訓練
3: 下腿三頭筋の伸張運動
4: 四つ這い移動運動
5: 徒手的胸郭拡張訓練
5歳の女児。痙直型両麻痺。スプーンを用いた食事動作の工夫として適切でないのはどれか。
1: スプーンの柄を曲げて食物が口に届きやすくする。
2: 皿にフードガードをつけて食物をすくいやすくする。
3: 皿が動かないようすべり止めマットを敷く。
4: カットアウトテーブルを用いて前腕支持を促す。
5: 動きやすいよう座面の大きな椅子に座らせる。
図は右片麻痺患者の椅子からの立ち上がりを介助しているところである。正しいのはどれか。
1: 患側の足はできるだけ健側の足に近い位置に置かせる方が安定した動作ができる。
2: 介助者は、患者の膝の前面よりも膝の外側に自分の膝をあてるべきである。
3: 座位で体重を前方に移していく段階では、頸を屈曲位にするよう指導するとよい。
4: 腰ベルトよりも患者の両腋下で体幹に手をかけて引き起こす方が介助が容易にできる。
5: 健側の手で介助者の肩につかまらせ、この腕の力を主に使って立ち上がるようにさせるとよい。
脳性麻痺の痙直型両麻痺で生じやすい肢位はどれか。
1: 踵足
2: 外反母趾
3: 股関節外転位
4: 股関節外旋位
5: クラウチング肢位