65歳の男性。被殻出血による右片麻痺。発症後2か月。意識レベル、認知機能および左下肢の機能に問題はない。右足関節の位置覚障害がみられる。起居動作は自立し、座位は安定している。現在、平行棒内での歩行練習中である。歩行中、右下肢の振り出しは可能であるが、踵接地がみられず、右下肢立脚中期に膝折れを認める。Brunnstrom法ステージ右下肢Ⅲ、右下腿三頭筋のMAS〈modified Ashworth scale〉は2である。歩行に用いる最も適切な装具はどれか。
51歳の男性。3年前に歩行時のふらつきが出現した。頭部MRI写真(A、B)に示す。この患者の立位姿勢はどれか。
56歳の男性。数年前から頸椎椎間板ヘルニアを指摘されていた。昨日、自宅で転倒して突然に麻痺を呈した。頸髄損傷と診断され、主な損傷部位以下の機能はASIA機能障害尺度でBである。頸椎MRIを示す。正しいのはどれか。
1: 横隔膜の麻痺がある。
2: 肩をすくめることができる。
3: スプーンを握り食事ができる。
4: 棚の上の物をとることができる。
5: 頸部を回旋することができない。
Zancolliの頸髄損傷分類と可能な動作の組合せで正しいのはどれか。2つ選べ。
1: C4 ― パソコンの操作
2: C5A ― 臥位からの起き上がり動作
3: C5B ― 便座に座っての下衣着脱
4: C6A ― 床から車椅子への移乗
5: C6B3 ― 自動車の運転
図に示す動作を行う頸髄損傷患者について答えよ。この患者の機能残存レベルで正しいのはどれか。
1: 第4頸髄節
2: 第5頸髄節
3: 第6頸髄節
4: 第7頸髄節
5: 第8頸髄節
58歳の男性。右利き。職場で倒れているところを発見され搬入された。意識は傾眠状態であったが、発症後4日で改善した。この時点での発話には異常がない。左手足に重度の運動障害と感覚障害とを認める。筋緊張は低下している。視力・視野は正常であるが、顔面は常に右方に向け、指摘しても左側を見ようとしない。頭部CTを示す。この患者に該当すると考えられるのはどれか。
1: ①
2: ②
3: ③
4: ④
5: ⑤
56歳の男性。大工で上肢をよく使用する。3年前から左手の感覚障害と筋力低下を自覚していた。左手の写真を示す。図に示す装具で、この患者に必要なのはどれか。
70歳の女性。頸髄完全損傷で第4頸髄機能残存。認知機能は正常である。受傷後6か月で在宅生活となり、訪問リハビリテーション時に踵部の発赤を認めた。原因として最も考えられるのはどれか。
1: 痙縮
2: 褥瘡
3: 骨萎縮
4: 静脈血栓症
5: 異所性骨化
30歳の男性。右外果骨折に対して金属プレートで骨接合術を施行した。術後2か月経過。熱感はなく、全荷重が可能となっているが、足関節の背屈制限が残存している。関節可動域訓練前の物理療法で適切でないのはどれか。
1: ホットパック
2: パラフィン浴
3: 極超短波
4: 渦流浴
5: 超音波
40歳の女性。筋萎縮性側索硬化症。上肢近位筋の筋力4、遠位筋の筋力3、下肢の筋力4。最近、肺炎を2回起こしている。この患者の作業療法として適切でないのはどれか。
1: 四肢の関節可動域訓練
2: ちぎり絵による手指筋力維持
3: 体操による上肢近位筋の筋力維持
4: 飲み込みやすい食物の紹介
5: モビールを用いた呼吸筋強化
65歳の男性。脳梗塞で左片麻痺となり1か月が経過した。Brunnstrom法ステージで上肢Ⅳ、手指Ⅳ、下肢Ⅳ。認知機能と感覚とに障害はない。非麻痺側上肢に機能的な問題はない。短下肢装具を用いて屋内歩行が可能。作業療法で適切でないのはどれか。
1: 両手で用いたループ付きタオルによる洗体
2: 立位で左手を用いたズボンの引き上げ
3: 両手で頭上の高さの棚に衣類を収納
4: 左手を用いたテーブルの雑巾がけ
5: 両手を用いたタオルたたみ
58歳の男性。両手の母指と示指で紙をつまみ、左右に引っ張ったときの写真を示す。考えられる末梢神経障害はどれか。
1: 右Guyon管症候群
2: 右手根管症候群
3: 右後骨間神経麻痺
4: 左前骨間神経麻痺
5: 左肘部管症候群
28歳の男性。交通事故による頭部外傷のため入院した。作業療法が開始され、4か月が経過した。四肢に運動麻痺や感覚障害を認めず、歩行は自立している。日中はボーッとして過ごすことが多いが、促されると日課を行う。今日の日付を聞くと、カレンダーを見てようやく答えることができる。病棟と作業療法室の行き来では、今いる場所や行き先が分からなくなるので見守りが必要である。現時点の頭部CTを示す。この患者の状態を評価するのに適切でないのはどれか。
1: TMT
2: MMSE
3: WCST
4: 線分抹消検査
5: 線分2等分検査
頸髄損傷患者。握力は測定不能で、ごく軽い物品は図Aのように把持できる。図Bのように肩関節外転を伴って、前腕を回内することができる。「顔にかかった掛け布団を払いのけることができない」と訴える。この患者の車椅子使用で正しいのはどれか。
1: フットサポートに手を届かせる方法はない。
2: 車椅子上での殿部の除圧は自力ではできない。
3: 車椅子前進駆動のために上腕三頭筋を用いる。
4: ADL自立のためには電動車椅子が必須である。
5: 適度な摩擦が得られればノブ付きハンドリムは不要である。
68歳の男性。体操中に頸部を急激に後方へ反らした際に受傷し、骨傷のない頸髄損傷と診断された。独歩は可能だが、上肢に強い運動障害を認める。損傷型として最も考えられるのはどれか。ただし、図の斜線部は頸髄横断面における損傷部位を示す。
30歳の男性。調理師。頭部外傷受傷後4か月が経過し、回復期リハビリテーション病棟に入院している。麻痺はないが、明らかな企図振戦がある。意識障害や著しい記銘力低下はないが、些細なことで怒り出す。作業をする場合にはすぐに注意がそれてしまい継続できず、口頭での促しが必要である。ADLは自立し、現職復帰を希望している。この時期の作業療法の指導で正しいのはどれか。
1: 受傷前の職場を訪問させる。
2: 包丁を用いた調理訓練を行う。
3: 作業の工程リストを作らせる。
4: 訓練はラジオを聴かせながら行う。
5: 怒り出したときには厳格に注意する。
56歳の女性。慢性関節リウマチで図のような手の変形をきたしている。ADL指導で正しいのはどれか。
1: T字杖を用いる。
2: コックアップスプリントを用いる。
3: 握力強化のためにビンのフタを開ける。
4: マジックハンド型リーチャーを使う。
5: ボタンエイドを使う。
39歳の男性。頸髄完全損傷(第7頸髄節まで機能残存)で発症後3か月経過。脊髄損傷以外の合併損傷はなく、受傷後の合併症にも著しいものはない。理学療法で適切でないのはどれか。
1: プッシュアップによる除圧
2: 浴槽への出入り動作
3: ベッドから車椅子への側方移乗
4: 車椅子から便器への移乗
5: キャスターを上げての段差の下降
65歳の男性。右利き。左上下肢の脱力のため搬送された。頭部MRAを示す。この患者に絵の模写を行わせると、図のように描いた。この患者に伴いやすい高次脳機能障害はどれか。
1: 失語症
2: 観念失行
3: 純粋失読
4: 左右失認
5: 着衣障害
20歳の男性。肩関節の疼痛を訴えている。図に示した状態から手背を腰部から離すように指示したところ、離すことができなかった。筋力低下が疑われるのはどれか。
1: 棘下筋
2: 棘上筋
3: 肩甲下筋
4: 小円筋
5: 上腕二頭筋