第53回午前第19問の類似問題

第48回午後:第17問

19歳の女性。大学入学後、ファッションモデルに憧れてダイエットを始めた。身長は162 cm、体重は半年間で52 kgから33 kgに減少した。ランニング中に意識を失って救急搬送された。その後、精神科に入院し、作業療法が開始された。この疾患の特徴はどれか。  

1: 活動性が低い。

2: 病識を有する。

3: 躁状態になりやすい。

4: 自分の感情に鈍感である。

5: 人からの評価を気にしない。

第47回午前:第44問

統合失調症患者の退院時指導で適切でないのはどれか。  

1: 再入院しないよう約束する。

2: ストレスへの対処法を再確認する。

3: 利用する施設の担当者に情報を提供する。

4: 困ったときの援助の求め方について確認する。

5: 再燃のサインを見つけたときの行動について確認する。

第45回午前:第47問

境界性人格障害の患者に対する作業療法で正しいのはどれか。2つ選べ。  

1: 集団作業への参加を促す。

2: 柔軟な枠組みを提供する。

3: 主観的体験内容を把握する。

4: 攻撃衝動の適応的発散を促す。

5: 退行を促進するようにかかわる。

第44回午前:第32問

26歳の男性。統合失調症。大学卒業後、会社に就職し営業の仕事で出張することが多かった。出張途中の飛行機で突然耳鳴りがし、やがて幻聴に変っていったのをきっかけに精神科病院に入院した。薬物療法によって症状が落ち着いたので、2か月後に復職を目指して作業療法を開始した。この時点での作業療法評価で優先されるのはどれか。  

1: 余暇活動

2: 集団内行動

3: 金銭管理能力

4: 作業遂行能力

5: 交通機関の利用

第51回午前:第46問

うつ病の急性期における対応で正しいのはどれか。  

1: 未解決の重要事項の処理を勧める。

2: うつ病の診断であることを説明する。

3: 自殺のリスクがあるので自殺を話題にしない。

4: 修正型電気けいれん療法〈m-ECT〉は禁忌である。

5: 器質的疾患が原因の場合には抗うつ薬による治療は行わない。

第56回午後:第14問

20歳の女性。高校卒業後、コンビニエンスストアの仕事についた。2年が経過した頃、人手不足もあり業務に追われる状態が続いた。次第に集中困難、頭が回らない感覚、不眠、動悸や呼吸困難感が現れ始め、休職するに至った。約1か月の自宅療養で呼吸困難感は軽減したが、頭痛、めまいによる歩行のふらつき、不眠が出現し、たえず漠然とした不安に襲われ外に出られなくなった。その様子を心配した家族が本人を連れて精神科を受診し、外来作業療法が導入された。導入時の作業療法で最も適切なのはどれか。  

1: 全身のストレッチ

2: 高負荷の歩行訓練

3: ワークサンプル法による職業訓練

4: 遂行機能に対する認知リハビリテーション

5: 社会生活技能訓練〈SST〉による接客場面のロールプレイ

  • 答え:1
  • 解説:この患者は、漠然とした不安を呈しており、全般性不安障害が疑われる。外来作業療法の導入期では、心身の疲労に留意し、リラクゼーションを促す方法が適切である。
  • 全身のストレッチは、身体のリラクゼーションを促し、患者にリフレッシュした気分を醸成させることができる。これにより、活動の導入をはかることができる。
  • 高負荷の歩行訓練は、患者に疲労をもたらし、動悸や呼吸困難感の実体験とつながってしまうため、適切ではない。
  • ワークサンプル法による職業訓練は、患者にとって心理的ストレスが高く、作業療法導入時には適切ではない。職場での業務が発症の起因となっていると推察されるため、休職後も症状が残っている状態では、職業に関する作業は避けるべきである。
  • 遂行機能に対する認知リハビリテーションは、この患者の症状について遂行機能の問題が記述されていないため、必然性がなく、適切ではない。
  • 社会生活技能訓練〈SST〉による接客場面のロールプレイは、職業に関することであり、選択肢3と同じ理由でこの患者の導入時期に行うことは適切でない。
  • 科目:その他の精神障害
  • 重要度:プレミアム特典
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第56回午前:第15問

17歳の男子。子供の頃から内向的な性格だが、乳幼児健診等で異常を指摘されたことはない。高校1年時から周囲の物音に敏感となり、「学校で同級生に嫌がらせをされる」と不登校になった。自宅では「向かいの家の住人が自分の行動に合わせて悪口を言う」、家族と外出した街中では「自分の考えたことが知れわたっている」と言うようになり、精神科を受診し、通院治療で状態がある程度改善した後に外来作業療法が導入された。この患者でみられやすい症状はどれか。  

1: 意識変容

2: 観念奔逸

3: 強迫観念

4: 思考制止

5: 連合弛緩

  • 答え:5
  • 解説:この患者は被害妄想や思考伝播の症状があり、統合失調症であると推察されます。統合失調症の症状の一つである連合弛緩が選択肢の中で最も適切です。
  • 意識変容は意識障害の一種で、幻覚や思考の混乱などがありますが、この患者の症状とは一致しません。
  • 観念奔逸は考えが統一なくしゃべりまくる様子で、躁病でみられますが、この患者の症状とは一致しません。
  • 強迫観念は患者が自分の行為を不合理な行動とわかっていてもやめることのできない症状で、神経症でみられますが、この患者の症状とは一致しません。
  • 思考制止はうつ病でみられる症状ですが、この患者の症状とは一致しません。
  • 連合弛緩は会話の思考テーマが次々と脈絡なく飛躍し、連想に緩みが生じて話にまとまりがなくなることです。統合失調症の症状で、この患者の症状と一致します。
  • 科目:統合失調症
  • 重要度:プレミアム特典
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第55回午後:第17問

34歳の女性。掃除と整理整頓が趣味というほど几帳面な性格である。職場での昇進によって仕事量が増え、そのため夜遅くまで残り、懸命にこなすように努力していた。しばらくして、抑うつ状態になり、早朝覚醒、体重減少などの身体症状も出現し、精神科を受診した。抑うつ気分は朝方に強く、夕方に軽くなる傾向が認められる。この患者でみられやすいのはどれか。  

1: まわりくどく説明する。

2: 他人からの依頼を断れない。

3: 早朝から友人に電話をかける。

4: 他人からの評価を気にしない。

5: 不必要なものをいろいろと買い込む。

  • 答え:2
  • 解説:この患者は、朝方に強い抑うつ状態、早朝覚醒、体重減少などがみられることから、うつ病と考えられる。うつ病患者は、本来もっている執着性格や几帳面さから、責任感が強いことが多い。そのため、他者からの依頼も断れない傾向がある。
  • まわりくどく説明することは、知能障害やてんかん性性格変化でみられやすい。この患者の症状からは、うつ病が考えられるため、選択肢1は正しくない。
  • 他人からの依頼を断れないことは、うつ病患者にみられる特徴である。彼らは本来もっている執着性格や几帳面さから、責任感が強いことが多い。そのため、他者からの依頼も断れない傾向がある。この患者の症状からも、うつ病が考えられるため、選択肢2が正しい。
  • 早朝から友人に電話をかけるなど、相手の状況を考えずに行動を起こすのは、双極性障害の躁病相でみられる。この患者の症状からは、うつ病が考えられるため、選択肢3は正しくない。
  • うつ病患者は、人との上下関係に気を遣いすぎたり、他者評価に対する過剰な意識や依存がみられたりする傾向がある。この患者の症状からも、うつ病が考えられるため、選択肢4は正しくない。
  • 不必要なものをいろいろと買い込むなど、乱費、浪費傾向を生じるのは、双極性障害の躁病相でみられる。この患者の症状からは、うつ病が考えられるため、選択肢5は正しくない。
  • 科目:気分障害
  • 重要度:プレミアム特典
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第38回午前:第37問

52歳の男性。アルコール依存症。45歳ころからアルコールによる肝炎で入退院を繰り返し離婚した。単身生活になって飲酒が一層激しくなり、食事も摂らず泥酔状態が続くところを保護されて入院した。離脱症状が消失した時点で作業療法が開始されたが、落ち込んだ様子や自己中心的な行動が見られたり、理由なく作業療法を欠席したりすることがある。この時点での目標で優先度の低いのはどれか。  

1: 自ら作業療法士に相談することができる。

2: 他患の作業に協力することができる。

3: 大グループに参加することができる。

4: 身体的回復を優先することができる。

5: 欠席の理由を伝えることができる。

第35回午前:第35問

68歳の女性。アルツハイマー型痴呆。最近、臥床傾向が強くなり、抑うつ的で食事・入浴などに拒否的となり入院した。入院後約2週で臥床傾向も改善し始め、食事・入浴などは拒否せず誘導に応じるようになった。作業療法の内容設定で適切なのはどれか。2つ選べ。 ア.変化に富んだ設定イ.複数の課題のある設定ウ.刺激を制限した設定エ.安心感のある設定オ.手順の多い設定  

1: ア

2: イ

3: ウ

4: エ

5: オ

第35回午前:第86問

精神分裂病(統合失調症)の作業療法開始時の対応で適切でないのはどれか。  

1: 安心してくつろげる場を提供する。

2: 精神内界を表現できるよう配慮する。

3: 周囲に受け入れられる体験をさせる。

4: 両価的感情を受容する。

5: 受け入れられないことはその旨を明確に伝える。

第43回午前:第32問

48歳の男性。妻と二人暮らし。昇進後しばらくして、不眠・食欲不振等の体調不良を訴え始めた。些細な事を気にして「考えがまとまらない。楽しいと感じることがない」などと言ってふさぎ込むようになった。近くの精神科病院を受診し、うつ病と診断され入院となった。入院後1か月で睡眠が取れるようになったが、抑うつ気分は続いている。この時点で作業療法が開始された。作業療法開始時の目的で適切なのはどれか。2つ選べ。  

1: 病状認識の促し

2: 病前生活への復帰

3: 生活リズムの回復

4: 社会的役割の提供

5: 不安の軽減

第40回午前:第32問

53歳の男性。うつ病。公務員。職場の配置転換後、苦手なパソコン使用を主とした業務に変わったことを契機に不眠、食欲不振および抑うつ気分を呈した。「仕事に行くのがおっくうになった。同僚に申し訳ない」と言い、希死念慮も認められたため入院。入院1か月後、作業療法が開始された。初回評価で優先度が低いのはどれか。  

1: 生活リズム

2: 職場での対人関係

3: 作業遂行能力

4: 疲労度

5: 作業療法への希望

第36回午前:第31問

17歳の男子高校生。恐怖症。2人兄弟の兄。弟とふざけていて、弟が持つボールペンの先が本人の手掌部に突き刺さった。傷は短期間で治癒したが、それ以後ボールペンや包丁などの先の尖ったものを怖がるようになり、勉強も手につかず、不登校となった。弟に対する暴力も時々みられた。通院を開始し、3か月が経過したが、尖端に対する恐怖心や不登校は持続している。この時点で作業療法が開始された。作業療法開始時の作業療法士の対応で適切でないのはどれか。  

1: 適度な距離をおいて接する。

2: 作業療法の場でできることを説明する。

3: 作業活動は生活体験に基づいたものを用いる。

4: 努力・成果を認めるようにする。

5: 症状の意味を伝える。

第51回午前:第19問

45歳の男性。統合失調症。自宅で単身生活をしている。精神症状は安定しているが、買い物に行くときを除き自宅に引きこもっている。週3回のヘルパーによる食事のサービスと惣菜による食事摂取をしている。偏食と間食が多く、身長167 cm、体重92 kgと肥満である。最近の血液検査の結果、脂質異常症と診断された。訪問作業療法における健康管理支援として適切なのはどれか。  

1: 自炊を目指した調理訓練を提案する。

2: 抗精神病薬の変更を主治医に提案する。

3: 入院による生活リズムの改善を提案する。

4: 買い物はスタッフが代行することを提案する。

5: 散歩やストレッチなどの運動を取り入れることを提案する。

第38回午前:第29問

30歳の女性。うつ病。子育てに専念するため、仕事をやめた後から徐々に気力が低下し、不眠が出現し家事全般に支障をきたすようになった。夫と相談の上、近隣の精神科診療所で通院を開始し、約1か月で落ち着きを取り戻した。その時点で作業療法士が週1回生活上の相談・援助を担当することになった。本人は「悪くなるのが心配だ」「好きな編み物もできないような気がする」などと述べている。治療関係を成立させる話題として適切なのはどれか。2つ選べ。 ア.子供の世話イ.家計のことウ.夫との関係エ.再就職のことオ.趣味の再開  

1: ア

2: イ

3: ウ

4: エ

5: オ

第57回午前:第18問

16歳の女子。高校進学後から体型を笑われたように思い、極端な減量をして痩せが目立つようになった。2か月前から登校できなくなって入院治療を受けることになった。入院後、気分転換と早期の復学を目的とした作業療法が処方された。この患者に対する導入期の作業療法で最も適切なプログラムはどれか。  

1: 簡単なアクセサリーを作る創作活動プログラム

2: 柔軟な思考を得るための小集団でのプログラム

3: 体力増強のための機器を用いた運動プログラム

4: 調理メニューのカロリー計算を行う教育的プログラム

5: 退院後の生活のためのADLを中心とした退院準備プログラム

  • 答え:1
  • 解説:この患者は神経性無食欲症と推察され、気分転換と早期復学を目的とした作業療法が処方されている。導入期の作業療法では、病気にとらわれず楽しんで集中できる時間を過ごせるようにすることが重要である。
  • 簡単なアクセサリーを作る創作活動プログラムは、気分転換に適しており、患者が楽しみながら集中できる時間を提供できる。このプログラムは導入期の作業療法に適切である。
  • 柔軟な思考を得るための小集団でのプログラムは、導入期の患者には対人緊張が高いことがあるため、個別作業療法から導入して心理負担を軽くする。小集団での活動は、回復過程に合わせて設けるべきである。
  • 体力増強のための機器を用いた運動プログラムは、導入期には適切でない。患者が過活動となってやりすぎる危険があり、全身の栄養状態が低いことが予想されるため、無理な運動は避けるべきである。
  • 調理メニューのカロリー計算を行う教育的プログラムは、神経性無食欲症の患者には適切でない。食べ物に関心が向いてしまい、気分転換の目的に反するため、このプログラムは適切でない。
  • 退院後の生活のためのADLを中心とした退院準備プログラムは、患者が自分で気分転換ができ、体力維持と食行動の制御ができて退院の目処が立つ時期に開始したほうがよい。導入期には適切でない。
  • 科目:その他の精神障害
  • 重要度:プレミアム特典
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第49回午前:第97問

統合失調症について正しいのはどれか。  

1: 男性が女性より3倍多い。

2: 緊張型では昏迷がみられる。

3: 病前性格は循環気質が多い。

4: 死亡率は健常者と同じである。

5: 妄想型は破瓜型より発症年齢が低い。

第52回午後:第14問

55歳の男性。うつ病。職場で苦手なパソコン操作を行う業務を担当するようになり、不眠、意欲低下および抑うつ気分がみられるようになった。希死念慮も認められたため入院となった。入院後1か月経過し、作業療法が開始された。初回評価で優先度が高いのはどれか。  

1: 体 力

2: 家族関係

3: 思考障害

4: 作業能力

5: 職場環境

第37回午前:第89問

器質性精神障害患者の作業療法で適切なのはどれか。  

1: 他の患者との交流は避ける。

2: 変化のある作業種目を選択する。

3: 誤った言動は理論的に正す。

4: 作業の誤りはまとめて訂正する。

5: 楽しみの要素を取り入れる。