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第45回午後:第17問

48歳の女性。うつ病。教育熱心な母親としてパート勤務をしながら2人の娘を育てた。娘達が家を離れた頃から何もする気がなくなり、抑うつ状態となった。希死念慮がみられたため夫に付き添われて精神科を受診し入院となった。「何かしていないと落ち着かない」と訴えたため入院後5日目から作業療法が開始された。作業療法開始時の評価項目で適切なのはどれか。  

1: 対人関係

2: 作業経験

3: 自己評価

4: 知的機能

5: 職業興味

第56回午前:第18問

45歳の女性。20歳前後から、心理的負荷がかかるとリストカットを行うようになり縫合を必要とすることが多かった。また、自分の思い通りにいかないと易怒的となり、周囲に暴言を吐くこともあった。25歳時に精神科を初めて受診し、以後、過量服薬時に数回の入院歴があるが、現在は調理の仕事に就いて3年目となる。最近、職場の人間関係で正論を吐きすぎて孤立し、結果として焦燥感が強まり、主治医の勧めで仕事のシフトのない平日の日中に外来作業療法を開始することになった。この時点での作業療法士の関わりとして最も適切なのはどれか。  

1: 転職を勧める。

2: 主治医に入院処遇を依頼する。

3: チームでの統一した対応をこころがける。

4: 行動化に対しては心的距離を縮めて対応する。

5: 本人の希望に応じて日々臨機応変に対応する。

  • 答え:3
  • 解説:この患者は境界性パーソナリティ障害の特徴を持っており、外来作業療法が開始される時点で、治療者は患者が他人を操作しないように行動の規範を示すことが重要です。そのため、医療チーム内で統一した対応を心掛けることが最も適切な関わりとなります。
  • 患者は調理の仕事に就いて3年目であり、治療を進めながら仕事を続ける計画が立てられているため、この段階で転職を勧める理由はありません。
  • 患者は外来作業療法を処方されており、治療が開始される時点です。病状変化が記載されていないため、主治医に入院処遇を依頼する必要性はありません。
  • 患者は境界性パーソナリティ障害の特徴的な言動を持っているため、医療チーム内で統一した治療的枠組みにより制御することが重要です。この選択肢が正しいです。
  • 行動化は患者の心理的葛藤が他者依存を強める行動に表れることであり、心的距離を縮めて対応することは適切ではありません。むしろ、適切な距離を保つことが重要です。
  • 患者に対しては、行動の規範を示すことが重要であり、臨機応変な対応は緩めることにもつながるため、適切ではありません。
  • 科目:その他の精神障害
  • 重要度:プレミアム特典
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第46回午後:第14問

29歳の女性。歩行困難を主訴に整形外科外来を受診したが、検査では異常は認められなかった。紹介されて精神科外来を受診し、入院することとなった。手足がふるえ、軽い麻痺のような脱力があり、自立歩行ができないため車椅子を使用している。立位保持や移乗に介助を必要とし、ADLはほぼ全介助である。この時点の患者に対する作業療法で適切なのはどれか。2つ選べ。  

1: 自己洞察を促す。

2: 自己表現の機会を増やす。

3: 身体症状に対して対応する。

4: 自己中心的な依存は禁止する。

5: 集団活動で役割を担ってもらう。

第40回午前:第80問

作業療法場面での統合失調症者の行動特徴で誤っているのはどれか。  

1: 柔軟な判断が苦手である。

2: 計画的な遂行が苦手である。

3: 慣れの効果が持続する。

4: 注意の配分が片寄る。

5: 緊張の亢進が持続する。

第35回午前:第86問

精神分裂病(統合失調症)の作業療法開始時の対応で適切でないのはどれか。  

1: 安心してくつろげる場を提供する。

2: 精神内界を表現できるよう配慮する。

3: 周囲に受け入れられる体験をさせる。

4: 両価的感情を受容する。

5: 受け入れられないことはその旨を明確に伝える。

第57回午後:第44問

統合失調症の回復過程の急性期における作業療法として適切なのはどれか。  

1: 身体感覚の獲得

2: 現実への移行の準備

3: 身辺処理能力の回復

4: 生活管理能力の改善

5: 対人交流技能の改善

  • 答え:2
  • 解説:統合失調症の回復過程の急性期における作業療法は、現実への移行の準備が適切である。急性期では、幻覚や妄想などの精神症状があり、現実との境界が曖昧な状態から、現実への移行の準備が行われる。
  • 身体感覚の獲得は、急性期を過ぎて回復期前期に獲得を目指すものであり、急性期には適切ではない。
  • 現実への移行の準備は、急性期に適切な作業療法である。患者にとって現実見当ができるように、刺激の少ない環境を整えることが重要である。
  • 身辺処理能力の回復は、急性期に疲労した体力を回復させて、安全にADLが実行可能になった回復期に獲得を目指すものであり、急性期には適切ではない。
  • 生活管理能力の改善は、身辺処理能力が回復し、家庭や社会で生活するために、回復期後期または維持期に改善させるものであり、急性期には適切ではない。
  • 対人交流技能の改善は、ADLが身近な人たちとの環境で安定して遂行できるようになった回復期後期に、社会生活を予定しながら行われるものであり、急性期には適切ではない。
  • 科目:統合失調症
  • 重要度:プレミアム特典
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第45回午後:第42問

亜急性期の統合失調症患者に対する作業療法の目的で正しいのはどれか。  

1: 1. 自己能力の限界を知る。

2: 2. 作業遂行能力を改善する。

3: 3. 対人交流技能を改善する。

4: 4. 社会資源の利用を援助する。

5: 5. 基本的な生活リズムを回復する。

第42回午前:第31問

32歳の女性。躁うつ病。18歳で発病。24歳で結婚し、2児をもうけ、スーパーで仕事をしていた。長男が小学校へ入学し、PTAの役員を引き受けた頃から仕事も忙しくなり、気分が高揚し外出や買い物が頻繁となった。心配した夫とともに受診し、入院となった。入院2週目、高揚気分は徐々に治まり、本人から「手芸がしたい」という希望があり、作業療法が開始された。この時点での作業療法として適切なのはどれか。2つ選べ。  

1: 現在の病棟での生活の様子を病棟スタッフから聞く。

2: 過剰な刺激を避けるため静かな環境から開始する。

3: 運動を中心としたプログラムを選択する。

4: 手芸用品を持っていき、どのような手芸が好きか本人に確認する。

5: 自宅でどのような役割があるのか本人に確認する。

第49回午前:第14問

78歳の女性。Alzheimer型認知症。物忘れが激しくなるに従い、何をするにも介護者である夫に頼り、そばを離れない状態となった。そのため、主治医にデイケアを勧められ、通所を開始した。デイケア導入時に行う知的機能検査で適切なのはどれか。  

1: WPPSI

2: WAIS-Ⅲ

3: Blessed dementia rating scale(DRS)

4: Mini mental state examination(MMSE)

5: Behavioral pathology in Alzheimer’s disease rating scale(BEHAVE-AD)

第55回午前:第28問

自宅で電話の対応ができないといった認知症症状の進行があり、意思疎通の困難さがあるが、介助者が注意していれば日常生活は自立できている。認知症高齢者の日常生活自立度判定基準のランクはどれか。  

1: Ⅱa

2: Ⅱb

3: Ⅲa

4: Ⅲb

5: Ⅳ

  • 答え:2
  • 解説:認知症高齢者の日常生活自立度判定基準は、意思疎通の程度や症状・行動に着目して評価されます。この問題では、意思疎通が困難であるものの、介助者が注意していれば日常生活が自立できる状況が示されています。これは、ランクⅡbに該当します。
  • Ⅱaは、認知症の症状が進行しているものの、まだ意思疎通が可能であり、日常生活がほぼ自立できる状態を指します。この問題では、意思疎通が困難であるため、Ⅱaではありません。
  • Ⅱbは、認知症の症状が進行し、意思疎通が困難であるものの、介助者が注意していれば日常生活が自立できる状態を指します。この問題の状況は、Ⅱbに該当するため、正解です。
  • Ⅲaは、認知症の症状がさらに進行し、意思疎通が困難であり、日常生活において部分的な介助が必要な状態を指します。この問題では、介助者が注意していれば日常生活が自立できるとされているため、Ⅲaではありません。
  • Ⅲbは、認知症の症状が進行し、意思疎通が困難であり、日常生活において全般的な介助が必要な状態を指します。この問題では、介助者が注意していれば日常生活が自立できるとされているため、Ⅲbではありません。
  • Ⅳは、認知症の症状が最も進行し、意思疎通が困難であり、日常生活において常時介助が必要な状態を指します。この問題では、介助者が注意していれば日常生活が自立できるとされているため、Ⅳではありません。
  • 科目:認知症・高齢者障害
  • 重要度:プレミアム特典
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第51回午前:第15問

31歳の女性。2か月前に地元が大規模な災害に遭い、親が死亡したものの看護師として救助隊に加わり1か月活動した。通常の勤務に復帰後1週ころから不眠や中途覚醒が続くようになり、災害発生時の情景を夢で見るようになった。夫が様子を聞いても詳細を語ろうとせず、その後、自ら精神科を受診し外来作業療法が処方された。考えられる疾患はどれか。  

1: 適応障害

2: パニック障害

3: 全般性不安障害

4: 急性ストレス障害

5: PTSD〈外傷後ストレス障害〉

第39回午前:第30問

28歳の女性。全般性不安障害。コンピュータのシステム・エンジニア。システム設計の責任者として一つの仕事をやり遂げた頃から、持続的ないらいら感、不安、頭痛、肩こりなどを感じるようになった。仕事も負担となり、「このままでは病気になってしまい、何もかも駄目になりそう」と訴え外来受診した。薬物療法と並行して外来受診時に作業療法が処方された。開始時の目的として適切なのはどれか。  

1: 緊張感の軽減

2: 作業能力の改善

3: 葛藤の洞察

4: 家族内調整

5: 職場上司との調整

第47回午後:第20問

52歳の男性。統合失調症。精神科病院に5年間入院している。作業療法が開始され、作業遂行の特徴と問題解決技能とを評価する目的で、箱づくり法を行うことになった。箱の作成過程で、患者から見本提示の希望があった場合、見本を段階的に提示する順序で正しいのはどれか。 

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1: A→B→C→D

2: B→C→D→A

3: C→D→A→B

4: D→A→B→C

5: A→C→B→D

第36回午前:第80問

作業療法における慢性期精神分裂病(統合失調症)患者の特徴でないのはどれか。  

1: 持続力に乏しい。

2: リズムに乗りにくい。

3: とっさの判断に戸惑う。

4: 周囲の患者に干渉しやすい。

5: 作業手順に慣れるのに時間がかかる。

第35回午前:第85問

精神分裂病(統合失調症)の作業療法でみられないのはどれか。  

1: 判断が一面的になりやすい。

2: 物事への関心が低い。

3: 対人関係の距離が混乱しやすい。

4: 物事の全体的把握が苦手である。

5: 一つの作業に長時間没頭する。

第55回午前:第12問

66歳の女性。左中大脳動脈領域のアテローム血栓性脳梗塞でBroca失語と重度の右片麻痺を認める。理学療法実施の際、コミュニケーションに対する配慮で正しいのはどれか。  

1: 使用頻度の低い単語を用いる。

2: 出にくい言葉は先回りして言う。

3: できるだけ長い文章で話しかける。

4: 意思伝達には易しい漢字を用いる。

5: ジェスチャーは可能な限り用いない。

第55回午前:第97問

統合失調症に特徴的な思考の障害はどれか。  

1: 思考が緩徐でうまく進まない。

2: 思考の進行が突然遮断され、会話が停止する。

3: まわりくどく、要領よく思考目標に到達できない。

4: 観念の間に論理的な関連がなく、意識の混濁を伴う。

5: 観念が次々に沸き起こるが、つながりは表面的で目標から外れていく。

  • 答え:2
  • 解説:統合失調症に特有の思考の障害は、思考の進行が突然遮断され、会話が停止する状態であり、これを思考途絶と呼びます。
  • 思考が緩徐でうまく進まない状態は、思考制止と呼ばれ、うつ病やその他の抑うつ状態で見られる現象です。
  • 思考の進行が突然遮断され、会話が停止する状態は、思考途絶と呼ばれ、統合失調症に特有の思考の障害です。この選択肢が正解です。
  • まわりくどく、要領よく思考目標に到達できない状態は、迂遠と呼ばれ、知能障害やてんかん性性格変化で見られる現象です。
  • 観念の間に論理的な関連がなく、意識の混濁を伴う状態は、思考散乱と呼ばれ、産褥期精神障害や中毒性、内分泌性精神障害などで生じるアメンチアで見られる現象です。
  • 観念が次々に沸き起こるが、つながりは表面的で目標から外れていく状態は、観念奔逸と呼ばれ、躁状態に特有の現象です。
  • 科目:精神障害と臨床医学
  • 重要度:プレミアム特典
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第48回午後:第20問

26歳の男性。Asperger症候群。小学校でいじめに遭い、以後、学校では友人はほとんどできなかった。大学卒業後、建築関連の会社に就職したが、同僚からは「融通がきかない、人の気持ちを逆なでする」などと責められることが多く、ストレスから徐々に抑うつ気分が強くなった。欠勤が続いたため、上司が精神科クリニックを紹介し、復職を目標にデイケアに通うことになった。デイケアで行う支援で適切なのはどれか。  

1: コミュニケーションのマナーについてマニュアルを作成する。

2: 職場の同僚には障害のあることを伏せる。

3: ミーティングで自由な発言を促す。

4: 就労支援事業所の利用を勧める。

5: 多様な作業を経験させる。

第39回午前:第33問

20歳の女性。境界性人格障害。中学時代から拒食、嘔吐、極端なやせとリストカットが始まり、不登校となった。摂食行動や不登校を注意されると、「自分の気持ちを誰も分かってくれない」と言い、リストカットをする。高校中退後もその状態が続いた。職に就かないことを母親に指摘されたのをきっかけに、薬物による自殺企図で入院となった。入院3か月後には、一応の安定がみられたため作業療法が開始された。初回面接で適切でないのはどれか。2つ選べ。  

1: 参加することの目的ついて同意を得る。

2: 作業療法参加のルールを確認する。

3: 病棟スタッフと連絡を取り合うことを本人に伝える。

4: 作業の種目は本人の選択に任せる。

5: スタッフへの不満について相談にのる。

第40回午前:第35問

23歳の女性。境界型人格障害。中学時代から対人関係が不安定で、不登校、家出、過量服薬、恋人との激しいけんかなどを繰り返してきた。今回、失恋を契機に睡眠薬自殺を図ったが、救命救急センターで意識回復し精神科へ入院した。左手首に数本の切創痕を認める。母親に甘えた態度をとったり、大声で怒鳴ったり、死にたいと言ったりする。治療目的で作業療法が依頼された。この症例に認められない症状はどれか。  

1: 情緒不安定

2: 薬物乱用

3: 退 行

4: 行動化

5: 強迫症状