脳卒中による左片麻痺患者。発症後3週経過。ブルンストローム法ステージは上肢と下肢ともにⅡである。座位バランスが悪く更衣に時間がかかる。ベッドから車椅子の移乗時に膝折れがみられ介助が必要である。この患者へのバランス能力改善に適したのはどれか。
58歳の男性。右利き。職場で倒れているところを発見され搬入された。意識は傾眠状態であったが、発症後4日で改善した。この時点での発話には異常がない。左手足に重度の運動障害と感覚障害とを認める。筋緊張は低下している。視力・視野は正常であるが、顔面は常に右方に向け、指摘しても左側を見ようとしない。頭部CTを示す。この患者に該当すると考えられるのはどれか。
1: ①
2: ②
3: ③
4: ④
5: ⑤
脳血管障害患者のブルンストローム法ステージテストで、「手を背中の後に」「ペグを取って」の指示に対して図のような運動をした。上肢・手指のステージはどれか。
1: 上肢IV・手指V
2: 上肢IV・手指IV
3: 上肢IV・手指III
4: 上肢III・手指IV
5: 上肢III・手指III
66歳の男性。意識障害で右上肢を下に腹臥位で体動困難となっているところを発見された。両膝、右手首、右肘および右前胸部に多発褥瘡を認め、脱水症を伴うことから発症後数日が経過していると考えられた。保存的加療とともに理学療法が開始され、徐々に意識障害が改善すると、入院後1か月で訓練中に右手のしびれを訴え、図のような手を呈した。この患者の右手に適応となるのはどれか。
1: BFO
2: 虫様筋カフ
3: 短対立装具
4: 手関節駆動式把持装具
5: コックアップ・スプリント
65歳の女性。左片麻痺。短下肢装具と杖で歩行が可能。発症後6か月経過し自宅に帰ることになった。家屋改造で適切でないのはどれか。
1: ①:玄関の上がりかまちに踏み台を置く。
2: ②:便器に向かって左側に手すりを設置する。
3: ③:浴室出入り口の右側に手すりを設置する。
4: ④:浴槽の向かって左側にトランスファーボードを置く。
5: ⑤:自室の出入り口を引き戸にする。
63歳の男性。脳梗塞による左片麻痺。発症後2か月。歩行時の立脚相に図のような現象を認めた。患側に対する理学療法で適切でないのはどれか。
1: 下腿三頭筋のタッピング
2: 前脛骨筋の治療的電気刺激
3: 短下肢装具を用いた歩行
4: 膝屈曲位での体重支持
5: 下腿後面のアイシング
78歳の女性。脳梗塞による右片麻痺。発症後5か月経過。20 cmの段差であれば、手すりを使用し2足1段で昇段し、後ろ向きに2足1段で降段することが可能となり、自宅に退院することとなった。自宅の玄関の様子を図に示す。この患者に適している家屋改造案はどれか。ただし、上りかまちは36 cmとする。
52歳の女性。右手根管症候群。右上肢に感覚障害と運動麻痺を認める。この患者が図のような手の形を示した。母指の運動を行っている筋はどれか。2つ選べ。
1: 母指内転筋
2: 母指対立筋
3: 長母指屈筋
4: 長母指外転筋
5: 第1背側骨間筋
左片麻痺のBrunnstrom法ステージと作業療法との組合せで適切でないのはどれか。ただし、ステージは上肢・手指の順とする。
82歳の女性。脳卒中後の右片麻痺。プラスチック製短下肢装具を装着してT字杖歩行が可能である。装具は足尖までの長さで足継手はない。Brunnstrom法ステージでは上肢Ⅳ、下肢Ⅴ。右立脚後期が歩行周期の中で極端に短く安定性も低下している。装具に修正を加えたところ歩容は改善した。装具に加えた修正はどれか。
1: 装具の高さをヒラメ筋の起始部付近まで低くした。
2: 足関節部の固定性を強化(コリュゲーション)した。
3: 中足指節関節部から遠位を切除した。
4: アーチサポートを挿入した。
5: 足部のベルクロの固定を緩めた。
72歳の男性。脳梗塞による左片麻痺。発症後3週。平行棒内立位訓練で図のような姿勢を呈する。この症状を改善するための理学療法で適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 歩隔を広くして支持基底面を大きくさせる。
2: 右手で平行棒を引っ張るよう指示する。
3: 理学療法士が骨盤を左側から健側方向に押す。
4: 前方に鏡を置いて不良姿勢を認識させる。
5: レイミステ現象を利用して臥位で患側の股関節内転筋を強化する。
52歳の女性。右手根管症候群。右上肢に感覚障害と運動麻痺を認める。感覚障害の領域で正しいのはどれか。
85歳の男性。脳血管障害による右片麻痺で、発症から5か月が経過。回復期リハビリテーション病棟に入院中。主な介護者は77歳の妻。左手でT字杖を使用して屋内平地歩行は可能であるが、屋外は車椅子介助である。排泄はトイレにて自力で行うが、夜間頻尿と切迫性尿失禁がある。自宅の見取り図を示す。在宅復帰に向けて住環境の調整を行う際、作業療法士のアドバイスで正しいのはどれか。
1: 寝室をB(客室)に変更する。
2: ベッドの頭の向きを逆にする。
3: トイレの扉を内開きに変更する。
4: 屋外スロープは1 cmの立ち上がりをつける。
5: 浴室に入出槽用の天井走行リフトを設置する。
58歳の男性。両手の母指と示指で紙をつまみ、左右に引っ張ったときの写真を示す。考えられる末梢神経障害はどれか。
1: 右Guyon管症候群
2: 右後骨間神経麻痺
3: 左前骨間神経麻痺
4: 右手根管症候群
5: 左肘部管症候群
左片麻痺患者。Brunnstrom法ステージ下肢V。正常な反応を引き出す方法として適切なのはどれか。2つ選べ。
58歳の男性。両手の母指と示指で紙をつまみ、左右に引っ張ったときの写真を示す。考えられる末梢神経障害はどれか。
1: 右Guyon管症候群
2: 右手根管症候群
3: 右後骨間神経麻痺
4: 左前骨間神経麻痺
5: 左肘部管症候群
脳卒中による片麻痺Brunnstrom法ステージ上肢Ⅲ、手指Ⅲ、下肢Ⅳの患者における治療について正しいのはどれか。
1: 緊張性頸反射を利用する。
2: 立位時は麻痺側下肢に荷重を促す。
3: 長下肢装具使用による歩行訓練を行う。
4: 麻痺側上肢では重錘を用いた反復運動を行う。
5: 非麻痺側上肢を拘束し麻痺側を強制的に使用させる。
72歳の女性。右中大脳動脈領域の脳梗塞による左片麻痺。立位時に左下肢の外旋と足部内反が著明であり、歩行時に装具を装着している。最も適応となりにくいのはどれか。
1: ツイスター
2: 非麻痺側補高
3: 逆Thomasヒール
4: 外側フレアヒール
5: 内側Yストラップ
79歳の女性。脳卒中後の左片麻痺。プラスチックAFOを装着してT字杖歩行が可能である。装具は足尖までの長さで足継手はない。Brunnstrom法ステージでは上肢Ⅳ、下肢Ⅴ。左立脚後期が歩行周期の中で極端に短く安定性も低下している。歩容を改善するために有用な方法はどれか。
1: 外側フレアを付ける。
2: 足部のベルクロの固定を緩める。
3: 装具の高さを下腿中央付近まで低くする。
4: 装具の中足指節関節部から遠位部を切除する。
5: 足関節部の固定性を強化(コリュゲーション)する。
55歳の男性。倒れてきた本棚により右肘上部を圧迫され正中神経麻痺を生じた。約1か月経過したが、右上肢の運動障害と感覚障害を認めていることから装具療法を行うことになった。使用する装具で正しいのはどれか。
1: 長対立装具
2: IP伸展補助装具
3: ナックルベンダー
4: Thomas型懸垂装具
5: コックアップ・スプリント