30歳の女性。大学卒業後就職したが、すぐに退職した。その後対人トラブルを起こしては何回も勤務先を変え、2週前から就労移行支援事業所に通所するようになった。作業手順が分からなくても質問ができないため完成することができなかった。音に過敏に反応し、他の通所者と折り合いがつかずいらいらするようになり、家族に当たり散らすようになった。通所も中断し自宅に引きこもりがちとなったため、外来作業療法を紹介された。この患者に対する作業療法で優先するのはどれか。
1: 新しい体験
2: 耐久性の訓練
3: 基礎体力の維持
4: 援助の求め方の練習
5: 就労移行支援事業所復帰の促進
26歳の女性。異性問題でリストカットを繰り返し入院となった。その後も病棟看護師に甘えたかと思えば暴言を吐く状態が続いている。入院後2週が経過して作業療法が処方された。この患者への対応として適切なのはどれか。
1: 集団プログラムへの参加を優先する。
2: 自分で考えて行動するよう働きかける。
3: 逸脱行動にはすぐに介入せず様子を見る。
4: 患者の希望に応じてプログラムを柔軟に変更する。
5: 作業療法士を攻撃する言動が生じたら担当を変更する。
45歳の男性。統合失調症。自宅で単身生活をしている。精神症状は安定しているが、買い物に行くときを除き自宅に引きこもっている。週3回のヘルパーによる食事のサービスと惣菜による食事摂取をしている。偏食と間食が多く、身長167 cm、体重92 kgと肥満である。最近の血液検査の結果、脂質異常症と診断された。訪問作業療法における健康管理支援として適切なのはどれか。
1: 自炊を目指した調理訓練を提案する。
2: 抗精神病薬の変更を主治医に提案する。
3: 入院による生活リズムの改善を提案する。
4: 買い物はスタッフが代行することを提案する。
5: 散歩やストレッチなどの運動を取り入れることを提案する。
26歳の女性。躁病。雑誌の編集員。昼夜が逆転し、職場では同僚や上司に無遠慮な言動が目立ち始めた。日常行動もまとまりに欠けてきたので入院した。入院後1か月で落ち着き始め、職場復帰に向けて作業療法が開始された。開始時の評価内容で適切でないのはどれか。
1: 集中力の程度
2: 自我機能
3: 疲労度
4: 対人関係のパターン
5: 集団適応力
27歳の男性、大学卒業後、建設会社に就職し設計の仕事をしていた。新たなプロジェクトの責任者として仕事に追われるようになってから眠れない日が続き、急に怒り出すようになった。プレゼンテーションの日に昏迷状態となり、統合失調症と診断されて入院した。入院後1週で症状が徐々に落ち着いてきたため作業療法が開始された。この時点での作業療法の目的で適切なのはどれか。
1: 自信の回復
2: 気分の安定
3: 役割の遂行
4: 社会資源の利用
5: 対人関係の改善
52歳の男性。アルコール依存症。7年前から飲酒量が増え、コントロールがつかず昼から飲むようになり、2年前に会社を辞めた。2か月前から連続飲酒の状態となったため、家族に付き添われて精神科を受診し入院した。離脱症状が改善されたため作業療法を開始した。この患者の退院に向けた支援で適切でないのはどれか。
1: 心理教育を行う。
2: 作業時間を増やす。
3: 家族会を紹介する。
4: デイケアの利用を検討する。
5: 自助グループへの参加を促す。
精神障害者の雇用や就労支援で適切なのはどれか。
1: 就労移行支援の標準利用期間は1年間である。
2: 精神障害者は法定雇用率の算定基礎に含まれている。
3: 障害者就業・生活支援センターは、利用者と雇用契約を締結しなければならない。
4: 個別化された援助付き雇用プログラムは、就労後より就労前の訓練を重視している。
5: 就労定着支援では、職場定着に必要な業務上のスキルアップに特化した専門支援を提供する。
26歳の女性。感情が不安定でリストカットを繰り返している。これまでいくつも職歴があるが、いずれも対人的なトラブルが原因で辞めている。大量服薬をしたため精神科病院に入院となった。この患者に対する作業療法で適切なのはどれか。
1: 実施時間を明確に決める。
2: 特定の担当者を決めない。
3: 集団で協力する活動を導入する。
4: 目標は複数回参加した後で決める。
5: 実施頻度は本人の要求に応じて変更する。
24歳の女性。統合失調症。2か月前からスーパーの惣菜コーナーで働いている。週1回、外来作業療法を利用しており、仕事や生活の様子を話題にしながら患者の体調の確認を行っている。作業療法士が気を付けるべき状態悪化時のサインとして適切でないのはどれか。
1: 不穏な状態になる。
2: 睡眠時間が長くなる。
3: 仕事を休みがちになる。
4: 仕事仲間に疑い深くなる。
5: 仕事上のミスが多くなる。
25歳の女性。境界型人格障害。友人と些細なことで口論となり大量服薬して入院となった。症状が落ち着いてきたので、作業療法に参加することになった。この患者の作業療法場面でしばしばみられるのはどれか。2つ選べ。
1: 一人で作業をやりたがる。
2: 一つの作業に執着する。
3: 作業手順が覚えられない。
4: 病棟スタッフの悪口を言う。
5: 些細なことで自傷行為をする。
34歳の主婦。解離性(転換性)障害。23歳の時から入退院を繰り返している。今回、夫婦喧嘩の後ふらつきがひどくなり、意識を失って入院した。1か月後にふらつきはまだあるものの、作業療法が導入された。この患者が作業療法で革細工に熱中し、決められた時間以外にも作業療法室で作業をしたいと言ってきた。対応で適切なのはどれか。
1: 作業は時間内に行うよう指導する。
2: 患者の希望どおりにする。
3: 作業療法を中止する。
4: 作業療法の種目を変更する。
5: 作業時間を短縮する。
30歳の女性。大学卒業後就職したが、すぐに退職した。その後対人トラブルを起こしては何回も勤務先を変え、2週前から就労移行支援事業所に通所するようになった。作業手順が分からなくても質問ができないため完成することができなかった。音に過敏に反応し、他の通所者と折り合いがつかずいらいらするようになり、家族に当たり散らすようになった。通所も中断し自宅に引きこもりがちとなったため、外来作業療法を紹介された。この患者で考えられるのはどれか。
1: 注意欠陥/多動性障害
2: Asperger症候群
3: 学習障害
4: 行為障害
5: 自閉症
34歳の主婦。解離性(転換性)障害。23歳の時から入退院を繰り返している。今回、夫婦喧嘩の後ふらつきがひどくなり、意識を失って入院した。1か月後にふらつきはまだあるものの、作業療法が導入された。当初の作業療法で適切なのはどれか。2つ選べ。 ア.ふらつきの原因を探る。イ.夫婦関係を調整する。ウ.無意識の葛藤について洞察させる。エ.歩行訓練を行う。オ.不安感を発散する作業を行う。
1: ア
2: イ
3: ウ
4: エ
5: オ
48歳の女性。うつ病。教育熱心な母親としてパート勤務をしながら2人の娘を育てた。娘達が家を離れた頃から何もする気がなくなり、抑うつ状態となった。希死念慮がみられたため夫に付き添われて精神科を受診し入院となった。「何かしていないと落ち着かない」と訴えたため入院後5日目から作業療法が開始された。入院1か月後に退院が決まった。本人は「日中、一人でどう過ごせばよいかわからない」と不安を訴えている。この時点の対応で適切でないのはどれか。
1: 退院前訪問指導を行い生活の場を把握する。
2: ハローワークに同伴し求職者登録をする。
3: 1週間の生活スケジュールを立てる。
4: 家族心理教育の機会を取り入れる。
5: 外来作業療法の利用を検討する。
自閉症スペクトラム障害患者が就労継続支援A型事業所を利用する際の作業療法士の対応として適切なのはどれか。
1: 巧緻性が要求される作業を任せる。
2: 事業所での経験を振り返るための面接をする。
3: 事業所内のルールについてはその都度伝える。
4: 利用開始時に苦手な場面から慣らしていく。
5: 利用者同士で行う流れ作業から導入する。
25歳の女性。境界型人格障害。高校時代から希死念慮や情緒不安定があった。アルバイト先の男性従業員と同棲していたが、21歳のときけんか別れして帰省した。帰省後は母親と生活していたが、母親への暴力と希死念慮が激しくなり入院した。入院後、落ち着いた時点で作業療法が開始された。この患者が作業療法中に希死念慮を漏らすようになった。対応として適切でないのはどれか。 ア.苦悶の気持ちを聴くようにする。イ.課題を一緒に考えていく姿勢を示す。ウ.作業療法を中止する。エ.希死念慮の背景を説明する。オ.主治医に報告する。
1: ア、イ
2: ア、オ
3: イ、ウ
4: ウ、エ
5: エ、オ
精神障害者の就労支援について正しいのはどれか。
1: 就労継続支援B型事業所では最低賃金が保障されていない。
2: 障害者就業・生活支援センターでは職場実習を斡旋しない。
3: ジョブコーチは事業主への支援を行うことはできない。
4: 精神障害者は障害者雇用率に算定できない。
5: 精神障害者は障害者職業能力開発校の支援対象ではない。
40歳の男性。うつ病。意欲低下と睡眠障害が出現し会社を休職した。アパートで1人暮らしをしながらデイケア通所していたが、この1週間、デイケアも休みがちになり訪問の指示が出た。訪問が継続されることになった。訪問時の対応で正しいのはどれか。
1: 退職を勧める。
2: SSTを勧める。
3: 心配事を聞く。
4: 服薬の変更を勧める。
5: 職場適応訓練を開始する。
16歳の女子。統合失調症。高校入学後、人の目を気にするようになり、被害的な言動が出現するようになった。文化祭時に興奮状態となり入院となった。入院10日後、症状は徐々に落ち着いてきたが敏感さが残る。この時点で作業療法が処方された。この患者が作業療法を開始して2週後「作業療法は受けたくない」と言った。この時点の対応で適切でないのはどれか。
1: しばらく作業療法を休ませて様子をみる。
2: 受けたくない理由を聞く。
3: 2週間の作業療法の感想を聞く。
4: 他の作業療法士が担当する。
5: 病棟での生活の様子を観察する。
30歳の男性。調理師。頭部外傷受傷後4か月が経過し、回復期リハビリテーション病棟に入院している。麻痺はないが、明らかな企図振戦がある。意識障害や著しい記銘力低下はないが、些細なことで怒り出す。作業をする場合にはすぐに注意がそれてしまい継続できず、口頭での促しが必要である。ADLは自立し、現職復帰を希望している。この時期の作業療法の指導で正しいのはどれか。
1: 受傷前の職場を訪問させる。
2: 包丁を用いた調理訓練を行う。
3: 作業の工程リストを作らせる。
4: 訓練はラジオを聴かせながら行う。
5: 怒り出したときには厳格に注意する。