第51回午後第19問の類似問題

第45回午前:第19問

25歳の男性。幼いころから言語発達と学業成績は良好であったが、固執性が強く友人との関係は保てなかった。製造業に就職し業務成績も良かったが、研修中に状況を無視した言動によって同僚とのトラブルが増え、上司に伴われて精神科を受診した。考えられるのはどれか。  

1: 自閉症

2: 学習障害

3: Rett症候群

4: Asperger症候群

5: 注意欠陥多動性障害

第36回午前:第77問

精神科作業療法の面接時の留意点で適切でないのはどれか。  

1: 患者の座る位置に配慮する。

2: 患者が自ら話せるように工夫する。

3: 患者の表情・姿勢を観察する。

4: 患者のペースを尊重して進める。

5: 患者に面接時間の長さを決めてもらう。

第49回午前:第44問

認知・思考障害の強い統合失調症患者に対する認知行動療法で適切なのはどれか。  

1: 考えを文字にして表す。

2: 一日の活動を記録して振り返る。

3: コラム法を用いて状況を吟味する。

4: 問題行動を思い返して内省を深める。

5: 相手の気持ちや状況の理解に焦点を当てて振り返る。

第43回午前:第38問

8歳の男児。自閉症。小学校に入学後、好きな算数以外の授業中に奇声をあげるようになった。家ではこだわり行為を制する母親に暴力を振るうようになり、養護教諭の勧めで児童・思春期外来を受診した。受診後すぐに作業療法が開始された。作業療法士の対応で適切でないのはどれか。  

1: 算数を取り入れたプログラムを設定する。

2: 質問は口頭だけでなく文字に書いて示す。

3: 作業療法の終了時間を明確にする。

4: こだわり行為は制止する。

5: 1対1で対応する。

第38回午前:第5問

65歳の女性。脳幹部の梗塞で、発症2日後からベッドサイドでの作業療法が処方された。血圧は不安定で、意識レベルも変動している状態である。ベッドサイドでの作業療法の初回評価として適切なのはどれか。  

1: 追視による眼球運動の評価

2: ベッド上での座位バランス評価

3: ミニメンタルステート検査

4: 簡易上肢機能検査(STEF)

5: 机上での線引きテスト

第41回午前:第91問

神経症性障害患者の作業療法で適切でないのはどれか。  

1: 心気症を示す患者では、レクリエーションや運動を促す。

2: 不安発作を示すときは、作業の中断を考慮する。

3: 過剰な不安を抱くときは、作業量を増やす。

4: 身体表現性障害では、身体機能改善を優先する。

5: 自己評価が低いときは、達成しやすい作業に変更する。

第34回午前:第34問

70歳の男性。アルツハイマー型認知症。約1年前、家族に言動を注意されてからふさぎ込んだ。それ以来、家族との会話も少なくなった。最近、財布の置き場所を忘れたり、お湯を沸かそうとしてガスをつけたまま外出してしまうことが目立つようになった。1か月前、買い物に行ったまま自宅への帰り道がわからなくなり保護され入院した。作業療法の初期プログラム設定で適切でないのはどれか。  

1: 患者の生活史を重視する。

2: 個別訓練から始める。

3: 自信が得られるようにする。

4: 作業には変化をつける。

5: 安心感のもてる作業環境をつくる。

第46回午後:第20問

70歳の男性。仕事における意欲と作業能率の低下を主訴に来院した。最近、物をよく置き忘れる、金庫の暗証番号を思い出せない、得意先にたどり着けないといったことが多くなってきた。頭部MRIを示す。この患者にみられる可能性が高い症状はどれか。 

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1: 幻覚

2: 尿失禁

3: 希死念慮

4: 症状日内変動

5: 地誌的見当識障害

第38回午前:第38問

52歳の男性。アルコール依存症。45歳ころからアルコールによる肝炎で入退院を繰り返し離婚した。単身生活になって飲酒が一層激しくなり、食事も摂らず泥酔状態が続くところを保護されて入院した。離脱症状が消失した時点で作業療法が開始されたが、落ち込んだ様子や自己中心的な行動が見られたり、理由なく作業療法を欠席したりすることがある。この時点での作業種目で適切なのはどれか。  

1: マクラメ

2: 散歩

3: パソコン操作

4: 革細工

5: 木工

第49回午後:第14問

16歳の女子。摂食障害。身長168 cm、体重61 kg。責任感が強く真面目な性格で、陸上部の活動にも熱心に取り組んでいた。大柄で体重が多いことを不満に思い、食事制限と過度な部活動の練習を始めた。体重が37 kgにまで減少し「太っているから誰にも会いたくない」と不登校気味になったため、見かねた両親に連れられ入院し、作業療法が開始された。この患者に対する導入時の作業活動として適切なのはどれか。  

1: 自由画を制作させる。

2: 料理活動を取り入れる。

3: 病棟での食事に関する問題を採り上げる。

4: 患者の得意な運動を利用して体力づくりを行う。

5: リラクセーションなどゆったりした活動を取り入れる。

第52回午後:第49問

急性の幻覚妄想状態が軽減してから1週間が経過した統合失調症患者に対して行う高校復学を目標とした外来作業療法導入時の目的として適切なのはどれか。  

1: 余暇活動の促進

2: 社会参加の促進

3: 生活リズムの獲得

4: 対人スキルの向上

5: デイケアへの移行練習

第35回午前:第33問

22歳女性。摂食障害。同僚との対人関係の悪化から過食が始まり、食費を乱費するようになり入院となった。入院後は入院を不満として拒食に転じたが、3か月後には退院可能になった。退院後、再び過食が始まり、盗食や下剤の乱用がみられ再入院となった。入院後直ちに作業療法が処方された。作業療法を開始して1か月後、断りなく頻繁に中座し、外出して食物を摂取することが多くなった。この時期の作業療法士の対応で適切なのはどれか。2つ選べ。  

1: 作業療法上の約束事を再確認する。

2: 過食を注意した上で行動観察を続ける。

3: 過食には触れず作業療法の感想を聞く。

4: 作業療法中の中座・外出を制止する。

5: 治療スタッフ間で対応を確認しておく。

第57回午前:第18問

16歳の女子。高校進学後から体型を笑われたように思い、極端な減量をして痩せが目立つようになった。2か月前から登校できなくなって入院治療を受けることになった。入院後、気分転換と早期の復学を目的とした作業療法が処方された。この患者に対する導入期の作業療法で最も適切なプログラムはどれか。  

1: 簡単なアクセサリーを作る創作活動プログラム

2: 柔軟な思考を得るための小集団でのプログラム

3: 体力増強のための機器を用いた運動プログラム

4: 調理メニューのカロリー計算を行う教育的プログラム

5: 退院後の生活のためのADLを中心とした退院準備プログラム

  • 答え:1
  • 解説:この患者は神経性無食欲症と推察され、気分転換と早期復学を目的とした作業療法が処方されている。導入期の作業療法では、病気にとらわれず楽しんで集中できる時間を過ごせるようにすることが重要である。
  • 簡単なアクセサリーを作る創作活動プログラムは、気分転換に適しており、患者が楽しみながら集中できる時間を提供できる。このプログラムは導入期の作業療法に適切である。
  • 柔軟な思考を得るための小集団でのプログラムは、導入期の患者には対人緊張が高いことがあるため、個別作業療法から導入して心理負担を軽くする。小集団での活動は、回復過程に合わせて設けるべきである。
  • 体力増強のための機器を用いた運動プログラムは、導入期には適切でない。患者が過活動となってやりすぎる危険があり、全身の栄養状態が低いことが予想されるため、無理な運動は避けるべきである。
  • 調理メニューのカロリー計算を行う教育的プログラムは、神経性無食欲症の患者には適切でない。食べ物に関心が向いてしまい、気分転換の目的に反するため、このプログラムは適切でない。
  • 退院後の生活のためのADLを中心とした退院準備プログラムは、患者が自分で気分転換ができ、体力維持と食行動の制御ができて退院の目処が立つ時期に開始したほうがよい。導入期には適切でない。
  • 科目:その他の精神障害
  • 重要度:プレミアム特典
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第40回午前:第38問

15歳の男子。アスペルガー症候群。成績は良いが、最近、小さなことで級友を罵倒したり、机を蹴飛ばしたり、教師に対する攻撃的な言動も目立つようになった。家でも些細なことへのこだわりが強まり、親が対応に困り精神科外来受診となった。当面、週1回の個人作業療法に参加することとなった。本人は「ここには母親に連れてこられた」と受身的な参加態度を示す。初回面接の優先的な話題として適切なのはどれか。2つ選べ。  

1: 級友との関係を聞く。

2: 担任教師の対応を聞く。

3: 得意な科目の話を聞く。

4: 進路の希望について聞く。

5: 家でのこだわりについて聞く。

第56回午前:第16問

19歳の女性。大学1年生。小学生の時より、水泳に秀でていて競技大会では常に優勝を競うほどであった。しかし、高校時代にスランプに陥り当時身長160 cm、体重58 kgであったが体重を落とせば記録が伸びると思い込み、ダイエットをしているうちに無月経になり、気づくと体重32 kgになっていた。心配した母親が本人を説得し病院の精神科外来を受診したところ低栄養で危機的状況にあると医師が判断し精神科病棟への入院を勧めたが、病識のない本人は納得せず、母親の同意による医療保護入院となった。その後作業療法に参加するようになり、1週間が経過した。患者に対する作業療法士の関わり方で適切なのはどれか。  

1: 集団作業療法を勧める。

2: 食事の摂取を積極的に促す。

3: 現在取り組めていることを認める。

4: 高校時代のスランプについて深く聞く。

5: 食べ物を隠れて捨てるのを見つけたら叱る。

  • 答え:3
  • 解説:この患者は摂食障害と推察され、急性期にあると予想できます。作業療法士として適切な関わり方は、患者が取り組めていることを認め、自尊心を保ちながら治療に参加する手段を提供することです。
  • 急性期で作業療法が開始されて間もない時期であり、個別作業療法が望ましいため、集団作業療法を勧めるのは適切ではありません。
  • 患者には病識がないため、摂食を積極的に促しても効果は乏しいです。適切な関わり方ではありません。
  • 現在取り組めていることを認めることで、患者が自尊心を保って行動を開始する手段にできます。これが適切な関わり方です。
  • 患者の病態中心にある「スランプ」の体験を語らせることは、心理療法としても難易度が高く、作業療法が開始された時期には適切でないです。低栄養の時期には脳機能が低下し、感情の制御や自己認識が適切にできないことがあるため、この選択肢は適切ではありません。
  • 食べ物を隠れて捨てる行為を叱ると、患者の自尊心を傷つけることがあります。食事に対する自分の行動と自意識を他者から否定されることなく承認されると、患者の治療参加を促すことにつながります。この選択肢は適切ではありません。
  • 科目:その他の精神障害
  • 重要度:プレミアム特典
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第57回午前:第19問

7歳の男児。幼児期から落ち着きがなく、一つのおもちゃで遊べないなどの行動があった。小学校入学後、長時間椅子に座れない、順番を待てない、注意散漫などの問題行動があり、外来作業療法を受けることになった。作業療法では、次第に活動に継続して取り組めるようになってきたが、協調動作が必要な作業は苦手である。知能検査では知的障害は認められなかった。作業療法を行う上での留意点として適切なのはどれか。  

1: 複数の課題を同時に提示する。

2: 順番が守れない場合は厳しく注意する。

3: 周囲に受け入れられる行動は積極的に褒める。

4: 数週間継続して取り組める連続課題を実施する。

5: 作業台の上にいろいろな道具や材料を揃えておく。

  • 答え:3
  • 解説:この問題では、ADHDの特徴的な行動を持つ7歳の男児に対して、作業療法を行う上での留意点を選ぶ必要があります。ADHDの子どもは注意力が散漫であり、協調動作が苦手であることが一般的です。
  • 選択肢1は間違いです。注意散漫な問題行動がある子どもに対して、複数の課題を同時に提示すると、どれにも集中できず、効果的な作業療法になりません。
  • 選択肢2は間違いです。順番が守れないのはADHDの症状であり、厳しく注意することで行動を変えることは困難です。むしろ、子どもの自尊心を傷つける可能性があります。
  • 選択肢3は正解です。周囲に受け入れられる行動は積極的に褒めることで、子どもがその行動を継続しやすくなります。また、自尊心を高めることで、他の問題行動の改善にもつながることがあります。
  • 選択肢4は間違いです。ADHDの子どもに対して、数週間継続して取り組む連続課題を実施することは、注意散漫な問題行動によって困難です。短期間で結果が出る課題を提示する方が効果的です。
  • 選択肢5は間違いです。作業台の上に多くの道具や材料を揃えておくと、子どもの注意が散漫になり、作業に集中できなくなります。必要なものだけを用意し、環境を整えることが重要です。
  • 科目:発達・小児疾患
  • 重要度:プレミアム特典
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第35回午前:第80問

精神科作業療法の適応にならないのはどれか。  

1: せん妄状態の患者

2: 攻撃的な患者

3: 好褥的な精神分裂病(統合失調症)患者

4: 希死念慮のある抑うつ状態の患者

5: 不潔恐怖のある患者

第43回午前:第92問

境界型人格障害の患者に対する作業療法で適切なのはどれか。2つ選べ。  

1: 個別面接は患者の要求に応じて随時行う。

2: 作品作りを通して依存欲求を満たす。

3: 自傷行為がみられたら担当者を交代する。

4: 攻撃行動がみられたら解釈して患者に説明する。

5: 表現活動を通し衝動発散を促す。

第52回午後:第19問

79歳の女性。Alzheimer型認知症。趣味の詩吟や洋裁をして過ごしていたが、75歳ごろから物忘れが目立ち始めた。最近、夫が入院して独居となったが、洋裁や家事ができなくなり自信を喪失して介護老人保健施設に入所となった。HDS-R 10点で、日付、減算、遅延再生および野菜の想起に失点を認めた。問題行動は特に認めない。この患者に対する自己効力感の向上を目的とした作業療法導入時の作業として適切なのはどれか。  

1: 詩吟

2: 洋裁

3: 計算ドリル

4: 献立づくり

5: 立体パズル

第43回午前:第98問

てんかん患者の作業療法で誤っているのはどれか。  

1: 生活技能訓練を行う。

2: 役割に応じた責任を持たせる。

3: 休息のタイミングを習得させる。

4: 視覚刺激の強い作業を導入する。

5: 発作の予兆を把握する。