認知症患者に対する作業療法上の留意点として適切なのはどれか。
1: 快・不快などの感情的体験も忘れやすい。
2: 不穏になった場合には説得を繰り返す。
3: 新たに動作や行為を習得できない。
4: 本人の自尊心を尊重することは有用である。
5: 午後の方が作業能率は高まりやすい。
入院患者のせん妄発症を予防するための取り組みとして適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 処方内容を確認する。
2: 家族との面会は謝絶する。
3: 病室移動の頻度を増やす。
4: 多職種で関わるのを避ける。
5: 本人が見える位置に時計を置く。
精神分裂病(統合失調症)患者の作業療法導入時の評価項目として適切でないのはどれか。
1: 指示理解の程度
2: 家族関係
3: 興味・関心の内容
4: 交友関係の範囲
5: 病的体験の内容
アルコール依存症の患者の家族が作業療法中面会に来た。家族への対応で適切でないのはどれか。
1: 作業場面を見学させる。
2: その患者の作業内容を説明する。
3: 作業療法への参加状況を説明する。
4: 家族に見学の感想を面会後に尋ねる。
5: 家族の協力体制についてその場で話し合う。
入院後2週の統合失調症患者。作業療法の初期評価項目で優先度が低いのはどれか。
1: 生活技能
2: 現実検討
3: 対人緊張
4: 薬物効果
5: 身体感覚
70歳の女性。買い物での計算や自宅への道順を間違えるようになり、心配した家族に伴われて物忘れ外来を受診した。Alzheimer型認知症と診断され外来作業療法を開始した。患者は「どうして私がここへ来ないといけないの」、「だまされた。帰りたい」と訴えて興奮することが多い。その後、興奮が落ち着き、作業療法室に定期的に通うようになった。今後の作業療法での留意点で適切なのはどれか。
1: 個室で作業を行う。
2: 薬物の作用を学習させる。
3: 病気の説明を繰り返し行う。
4: 作業手順を1工程ずつ説明する。
5: 長時間かけて仕上げる作業を課題に選ぶ。
統合失調症の回復期前期における作業療法導入時の評価項目で適切でないのはどれか。
1: 基本的生活リズム
2: 身体感覚の状態
3: 疲れやすさの程度
4: 活動範囲の広がり
5: 金銭管理能力
解離性障害の治療として正しいのはどれか。
1: 破壊的行動を許容する。
2: 空想の肥大化について指摘しない。
3: 有害な刺激を無理に取り除かない。
4: 速やかに心的外傷の直面化を図る。
5: 病気と治療について明確に説明する。
認知症患者の作業療法で適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 集団内での交流を促す。
2: 参加メンバーを毎回入れ替える。
3: 休憩は患者のペースでとらせる。
4: 複数の作業療法士が交替で担当する。
5: 患者が慣れ親しんだ種目を設定する。
24歳の女性。統合失調症。2か月前からスーパーの惣菜コーナーで働いている。週1回、外来作業療法を利用しており、仕事や生活の様子を話題にしながら患者の体調の確認を行っている。作業療法士が気を付けるべき状態悪化時のサインとして適切でないのはどれか。
1: 不穏な状態になる。
2: 睡眠時間が長くなる。
3: 仕事を休みがちになる。
4: 仕事仲間に疑い深くなる。
5: 仕事上のミスが多くなる。
強迫神経症患者の作業療法で確認行為がみられたとき、作業療法士の対応で適切なのはどれか。
1: 作業種目を変更する。
2: 作業を中断させる。
3: その日の作業療法を中止する。
4: 行為をやめるように話す。
5: 行為を静観する。
25歳の女性。境界型人格障害。高校時代から希死念慮や情緒不安定があった。アルバイト先の男性従業員と同棲していたが、21歳のときけんか別れして帰省した。帰省後は母親と生活していたが、母親への暴力と希死念慮が激しくなり入院した。入院後、落ち着いた時点で作業療法が開始された。この時期の実施上の留意点で適切でないのはどれか。
1: 参加に当たっての約束事を確認する。
2: 種目は患者に任せる。
3: 短期間で行えるものを選ぶ。
4: 手順と結果が明確なものを選ぶ。
5: 場面設定を一定にする。
68歳の男性。21歳時に精神分裂病(統合失調症)を発症し入退院を数回繰り返した。50歳ころから症状が安定し家庭菜園をしながら弟の家族と同敷地内の離れ家で暮らしていた。今回、数年前からの多発性脳梗塞による認知症が進み、日常生活が困難となり、老人性認知症疾患療養病棟に入院した。作業療法場面での留意点で適切でないのはどれか。
1: 自動症
2: せん妄
3: 転倒
4: 脳卒中発作
5: 精神分裂病(統合失調症)の悪化
統合失調症(回復期前期)の患者に対する作業療法導入時の面接場面で適切なのはどれか。
躁病患者の軽躁状態に対する作業療法の目標で適切でないのはどれか。
1: 過活動性の抑制
2: 計画性の獲得
3: 攻撃性の発散
4: 興味・関心の拡大
5: 集団内での適応
作業療法場面で退行した態度をとりやすいのはどれか。
1: 閉所恐怖症
2: パニック障害
3: 強迫性障害(強迫神経症)
4: 外傷後ストレス障害
5: 解離性(転換性)障害
作業療法場面での統合失調症者の行動特徴で誤っているのはどれか。
1: 柔軟な判断が苦手である。
2: 計画的な遂行が苦手である。
3: 慣れの効果が持続する。
4: 注意の配分が片寄る。
5: 緊張の亢進が持続する。
26歳の男性。統合失調症。大学卒業後、会社に就職し営業の仕事で出張することが多かった。出張途中の飛行機で突然耳鳴りがし、やがて幻聴に変っていったのをきっかけに精神科病院に入院した。薬物療法によって症状が落ち着いたので、2か月後に復職を目指して作業療法を開始した。この時点での作業療法評価で優先されるのはどれか。
1: 余暇活動
2: 集団内行動
3: 金銭管理能力
4: 作業遂行能力
5: 交通機関の利用
55歳の女性。精神分裂病(統合失調症)。29歳時に「『修道院に行けばお金をたくさんもらえる』という声が聞こえる」と言うようになり初回入院した。現在、4回目の入院中で、最近は病的な体験を述べることは減少したが、無為傾向が強いため、その改善を目的に作業療法が開始された。作業療法の初期評価で適切でないのはどれか。
1: 病的体験の影響
2: 対人関係の範囲
3: 興味・関心の内容
4: 指示理解の程度
5: 作業の巧緻性
26歳の女性。異性問題でリストカットを繰り返し入院となった。その後も病棟看護師に甘えたかと思えば暴言を吐く状態が続いている。入院後2週が経過して作業療法が処方された。この患者への対応として適切なのはどれか。
1: 集団プログラムへの参加を優先する。
2: 自分で考えて行動するよう働きかける。
3: 逸脱行動にはすぐに介入せず様子を見る。
4: 患者の希望に応じてプログラムを柔軟に変更する。
5: 作業療法士を攻撃する言動が生じたら担当を変更する。