19歳の男性。てんかん。IQ 70。養護学校卒業後にクリーニング店に就職した。仕事ののみ込みが悪いと店主に注意されたことがきっかけで仕事に行けなくなり、家に引きこもりがちとなった。時々家族に暴力を振るうようになり、家族が主治医に相談した結果、外来作業療法が処方された。本人、家族とも「仕事ができれば」と希望を語っている。この患者の就労支援で適切でないのはどれか。 ア.障害者職業センターで評価を受ける。イ.援護寮を見学する。ウ.作業療法士が就職先を紹介する。エ.通院患者リハビリテーション事業を紹介する。オ.ハローワークの障害者窓口で相談する。
1: ア、イ
2: ア、オ
3: イ、ウ
4: ウ、エ
5: エ、オ
精神分裂病(統合失調症)で能力低下(disability)に該当しないのはどれか。
1: 金銭の自己管理の低下
2: 自己決定力の低下
3: 作業効率の低下
4: 発動性の低下
5: 対人技能の低下
統合失調症の回復期前期における作業療法導入時の評価項目で適切でないのはどれか。
1: 基本的生活リズム
2: 身体感覚の状態
3: 疲れやすさの程度
4: 活動範囲の広がり
5: 金銭管理能力
神経症性障害患者の作業療法で正しいのはどれか。
1: 心気症状への傾聴が重要となる。
2: 転換症状がある場合は行わない。
3: 強迫症状に対しては反復作業を用いる。
4: 不安発作が完全に消失するまで行わない。
5: 離人症状では自傷行為の可能性を考慮する。
17歳の男子。2か月前に外傷性脳損傷。食事はスプーン使用。意識障害を脱して平行棒で歩行練習をしているが両踵が床に着かない。注意障害、発動性減退が目立つ。理学療法で適切でないのはどれか。
1: 両側支柱付短下肢装具を作製する。
2: 日課に従って規則正しい生活を工夫する。
3: 実際的な生活場面を理学療法に取り入れる。
4: 誤りは直ちに大きな声で指摘する。
5: 外泊訓練を試みる。
作業療法の場面でうつ状態と躁状態に共通してみられるのはどれか。2つ選べ。
1: 逸脱行為
2: 焦燥感の訴え
3: 自己評価の低下
4: 他者への干渉
5: 集中困難
作業療法の場面で躁状態とうつ状態に共通してみられるのはどれか。
1: 他者への干渉
2: 焦燥感の表出
3: 自殺に関する言動
4: 他罰的な言動
5: 自己評価の低下
精神分裂病(統合失調症)患者の作業場面で観察されるのはどれか。2つ選べ。 ア.注意の狭さイ.疲れやすさウ.興味の拡散エ.探索行動オ.他者への介入
1: ア
2: イ
3: ウ
4: エ
5: オ
気分障害について正しいのはどれか。
1: 大うつ病は男性に多い。
2: 躁病の思考障害には観念奔逸がある。
3: 季節性感情障害の症状は冬に改善する。
4: 大うつ病の思考障害には思考途絶がある。
5: 仮性認知症は双極性感情障害に出現しやすい。
28歳の女性。電車を待つホームで突然動悸が激しくなり、死ぬのではないかという恐怖と息苦しさに襲われ、しゃがみこんでしまった。後日精神科を受診し、外来作業療法が開始された。この患者の疾患として適切なのはどれか。
1: 解離性障害
2: 強迫性障害
3: パニック障害
4: 注意欠陥/多動性障害
5: 境界性パーソナリティ障害
46歳の女性。知的障害。IQは75。23歳で結婚したが数か月で離婚。実家に戻ったが家出を繰り返し、家では易刺激的、多量に飲水をするようになり入院。退院後も大量服薬したり、相手かまわず電話をする。また、1日に40~50本喫煙し、ボヤを起こし再入院した。入院後2か月目に社会性の向上を目的に作業療法が処方された。作業の手順はすぐ覚えるが、性急で間違いが多く、それを指摘すると飲水が始まり作業が中断する。この場合の行動への対処方法で適切なのはどれか。
1: 間違いを作業療法士が修正する。
2: 間違いを自分で説明させ修正させる。
3: 間違えていても作業を続けさせる。
4: 間違いを指摘し飲水をしないように話す。
5: 間違いの修正は患者の判断に任せる。
神経性無食欲患者の特徴で誤っているのはどれか。
1: 身体像のゆがみがある。
2: 疲れを訴えて休みたがる。
3: 体重の変化に敏感に反応する。
4: 作業の完成度にこだわる。
5: 調理活動に葛藤を示す。
16歳の女子。摂食障害。身長168 cm、体重61 kg。責任感が強く真面目な性格で、陸上部の活動にも熱心に取り組んでいた。大柄で体重が多いことを不満に思い、食事制限と過度な部活動の練習を始めた。体重が37 kgにまで減少し「太っているから誰にも会いたくない」と不登校気味になったため、見かねた両親に連れられ入院し、作業療法が開始された。この患者にみられる症状はどれか。
1: 解離症状
2: 広場恐怖
3: 離人症状
4: 被害関係妄想
5: ボディイメージの障害
63歳の女性。脳血管性認知症。55歳の頃、一過性脳虚血発作で倒れたことがある。最近、そのような事実はないのに、「息子たちが無断で家の売却の話を進めた」と被害的になり、興奮状態となった。また、日中から雨戸を閉めきり、「家中に虫がいる」と言うようになり入院した。入院後は、問題行動も消失し、作業療法の導入が計画された。作業療法開始時の留意点として適切でないのはどれか。
1: 一過性脳虚血発作の兆候に注意する。
2: 指示の理解能力を評価する。
3: 被害的な話の真偽を確かめる。
4: 家での生活リズムについて聞く。
5: せん妄の有無を確かめる。
精神科デイケアの対象でないのはどれか。
1: 自発性が低下している外傷性脳損傷患者
2: 年に1、2回の大発作をおこすてんかん患者
3: 希死念慮を言葉にするうつ病患者
4: 対人恐怖を有する神経症性障害患者
5: 自宅で過食のみられる摂食障害患者
82歳の男性。右利き。突然の意識消失のため救急搬入された。入院後意識は回復した。発症後2時間のMRI拡散強調像を示す。今後この患者に生じる可能性の高い症状はどれか。
1: 観念失行
2: 左右失認
3: 運動性失語
4: 観念運動失行
5: 左半側空間無視
うつ病による仮性認知症患者の作業療法場面での特徴はどれか。2つ選べ。
1: 多幸的である。
2: 社交的に振る舞う。
3: 物忘れがみられる。
4: 精神運動抑制がみられる。
5: 能力低下に無関心である。
75歳の男性。高血圧と糖尿病の治療を長期にわたり行っている。徐々に歩行障害がみられるようになり、転倒することが多くなった。頭部MRIを示す。この患者で認められないと考えられるのはどれか。
1: 嚥下障害
2: 感情失禁
3: 小刻み歩行
4: 認知機能低下
5: 左側弛緩性麻痺
精神分裂病(統合失調症)患者の面接でみられる特徴的な症状はどれか。
1: 作話
2: 語間代
3: 吃音
4: 言語新作
5: 談話心迫
統合失調症患者が就労する意義で適切でないのはどれか。
1: 生活リズムが規則的になる。
2: 社会的役割が獲得される。
3: 収入が得られる。
4: 服薬量を減らせる。
5: 自信が持てる。