認知症患者の作業課題で適切でないのはどれか。
1: 壊れにくい素材での課題
2: 道具を使わない課題
3: 少ない工程の課題
4: 短時間の課題
5: 精密な課題
76歳の女性、HDS-R(改訂長谷川式簡易知能評価スケール)が19点のAlzheimer型認知症。グループホームで異食や他の入居者への暴力がみられるようになり、対応困難で精神科病院に入院となった。作業療法中にみられる行動障害への対応で適切なのはどれか。
1: 患者に注意する。
2: 患者を説得する。
3: 行動を黙認する。
4: 行動を制止する。
5: 患者に理由を尋ねる。
30歳の男性。統合失調症。3週前に工場で働き始めた。外来作業療法ではパソコンを使用した認知リハビリテーションを継続している。ある時、同じ作業療法に参加する2人の患者から同時に用事を頼まれ、混乱した様子で相談に来た。この患者の職場における行動で最もみられる可能性があるのはどれか。
1: 挨拶ができない。
2: 心気的な訴えが多い。
3: 体力がなく疲れやすい。
4: すぐに仕事に飽きてしまう。
5: 仕事の段取りがつけられない。
躁状態の患者の作業療法で観察されるのはどれか。2つ選べ。
1: 作業手順にこだわる。
2: 細かな部分を気にかける。
3: 自分の判断で先に進む。
4: 一つの作業だけに集中する。
5: 他人の作業に口をはさむ。
25歳の男性。知的障害。IQ 60。両親と3人暮らし。18歳から近所の漬物工場で仕事をしている。周期性の不機嫌がみられていたが、最近、不機嫌が改善せず、物を投げたり両親を攻撃したりするため、入院となった。入院1か月後に状態が安定したので、退院を目標に作業療法が処方された。作業中、いつも患者は周囲をきょろきょろ見回して、落ち着かない。この状況の説明として適切でないのはどれか。
1: 状況対応力の低さ
2: 過度の緊張
3: 不安の発現
4: 複雑部分発作の前兆
5: 注意集中の困難
軽度認知症を伴う保存的治療中の高齢骨折患者への対応で誤っているのはどれか。
1: 病前生活、特に趣味などに関連した作業を行う。
2: 患者同士の交流ができる場面を設定する。
3: 日時、場所、ニュースなどの会話を心がける。
4: 固定中の関節には等張性運動を用いた作業で筋萎縮を防ぐ。
5: 局所の固定を妨げない関節には可動域訓練を行う。
統合失調症患者の特徴で正しいのはどれか。2つ選べ。
1: 合理的な理由付け
2: 作業能率の低下
3: 持続性の維持
4: 社交性の高さ
5: 認知のゆがみ
61歳の男性。BMI 27.5。前頭葉および側頭葉に著明な萎縮を認めて入院加療中。発語は発症前より減少しているが、エピソード記憶や手続き記憶は比較的残存している。自分の昼食を食べ終えた後も他人の食事や配膳車の残飯を勝手に取って食べる行為があり、取り戻そうとすると激しく怒り出す。午後の集団体操プログラムではすぐに立ち去ろうとする一方、カラオケには興味を示し、集中して数曲を歌う。食行動に対する作業療法士の対応で最も適切なのはどれか。
1: 減量の必要性を説明する。
2: 他の患者に状況を説明し、受容的に対応してもらう。
3: 毎回の昼食が終了次第、体操プログラムを導入する。
4: 毎回の昼食が終了次第、カラオケのプログラムを導入する。
5: 他人の食事を勝手に食べてはいけないことを言葉で簡潔に伝える。
境界性パーソナリティ障害患者の作業療法について正しいのはどれか。
1: 退行を許容する。
2: 逸脱行動は静観する。
3: 自力で達成できるような作業を行わせる。
4: 作業より面談などの言語的な関わりを中心とする。
5: 取り決め事項の変更について患者の要求のまま応じる。
脳卒中患者の障害と徴候との組合せで誤っているのはどれか。
1: シャツの袖をうまく通せない-着衣失行
2: 知っている人なのに声を聞かないとわからない-相貌失認
3: 指示による閉眼維持が困難である-運動維持困難
4: 移動時に左にある物にぶつかる-左半側無視
5: 麻痺がないのに指で模倣ができない-観念失行
22歳の男性。注意欠如・多動性障害。大学卒業後に営業職に就いた。顧客との約束や書類を忘れるなどの失敗が続き、上司が度々指導をしても改善しなかった。子供のころから不注意傾向があり、母親は「しつけをしてこなかった自分に非がある」という。その後も失敗が続いて自信を喪失し、1週前から欠勤し精神科の受診に至った。入院となり作業療法が処方された。この時期の作業療法士の対応として適切なのはどれか。
1: 仕事に適性がないと伝えて転職を勧める。
2: 休養に専念し職場復帰を焦らないように伝える。
3: 母親のしつけの失敗の影響が残っていると告げる。
4: 上司の指導方法が病気の誘因であることを説明する。
5: 職場復帰のために対人技能向上を目的とした作業活動を勧める。
67歳の女性。Alzheimer型認知症。HDS-Rは18点で特に見当識と遅延再生とに低下を認めた。自宅から一人で外出する際に迷って保護されることが多くなり、送迎によって通所リハビリテーションに通っている。作業療法では認知機能のリハビリテーションを実施している。記憶障害を踏まえた対応で最も適切なのはどれか。
1: 「訓練室に行きましょう」と声をかけて訓練室まで先導してもらう。
2: 家族写真を一緒に見ながら「この方は誰ですか」と尋ねる。
3: 作業療法の開始時に「私を覚えていますか」と尋ねる。
4: 「もう〇月の〇日ですね」と伝えて日付を確認する。
5: 「前回の作業療法では何をしましたか」と尋ねる。
22歳の女性。精神分裂病(統合失調症)。高校1年時にうつ状態で3か月入院した。その後、毎年入退院を繰り返し5回目の入院となった。入院後1か月が経過したが、自発性の減退および引きこもりがみられる。また「私の結婚相手を姉に取られた。私の考えがすべて他人に分かってしまい自分がなくなってしまうみたいで困る。他人の声が左の頭に聞こえる。」と訴えている。その時点で作業療法が処方された。この患者の作業療法の目的として適切でないのはどれか。
1: 自発性の改善
2: 作業習慣の定着
3: 幻聴の消失
4: 対人関係の拡大
5: 生活自己管理能力の向上
統合失調症患者の退院を目的とした作業療法で適切でないのはどれか。
1: 生活のリズムを整える。
2: 体力を向上させる。
3: 症状の自己管理能力を向上させる。
4: 依存欲求を満たす。
5: 家族調整を行う。
軽躁状態の患者に対する作業療法の目的として適切なのはどれか。
1: 関心の拡大
2: 病感の獲得
3: 対人交流の改善
4: 自己評価の向上
5: 自己決断能力の向上
18歳の女子。高校生。好意を寄せている男性について「彼はスマートな子が好きらしい」という話を友人から聞いたことをきっかけにダイエットを始めた。食べたいという気持ちと痩せたいという気持ちを両立させるため、“食べた直後に故意に吐く”という行為を繰り返すうち、食べ物の量と食べる回数とが増えていった。冷蔵庫の中身の異常な減り方に気付いた母親に連れられ精神科病院を受診した。この時期の作業療法士の対応で適切なのはどれか。2つ選べ。
1: 作品の自己管理を促す。
2: 患者の得意な作業種目を提供する。
3: 工程数が多い作業を取り入れる。
4: その都度作業の進め方を指示する。
5: 集団作業療法を導入する。
45歳の男性。髄膜脳炎。手足の麻痺はなく、1年後には身の回りの動作が自立した。新しいことが覚えられない記銘力障害が残った。病前の職業は会社員(営業)。この患者の作業療法で適切なのはどれか。2つ選べ。 ア.計算ドリルの練習イ.メモの利用ウ.一日のスケジュール表作成エ.新聞の音読オ.電話対応の練習
1: ア
2: イ
3: ウ
4: エ
5: オ
26歳の女性。異性問題でリストカットを繰り返し入院となった。その後も病棟看護師に甘えたかと思えば暴言を吐く状態が続いている。入院後2週が経過して作業療法が処方された。この患者への対応として適切なのはどれか。
1: 集団プログラムへの参加を優先する。
2: 自分で考えて行動するよう働きかける。
3: 逸脱行動にはすぐに介入せず様子を見る。
4: 患者の希望に応じてプログラムを柔軟に変更する。
5: 作業療法士を攻撃する言動が生じたら担当を変更する。
9歳の男児。自閉症。外来通院時に作業療法を実施することとなった。作業療法室では落ち着きなく歩き回り、周囲の物音や人の数などの環境の変化によって自分の手を噛んだり、手で頭を打ったりすることがある。紙折りに取り組ませてもごく短時間しかできない。作業中に観察される行動はどれか。
1: 作業療法士の行動をまねる。
2: 失敗を修正しようとする。
3: 紙をクルクルと回し続ける。
4: 作品の出来映えにこだわる。
5: 作業療法士に援助を求める。
亜急性期の統合失調症患者に対する作業療法の目的で正しいのはどれか。
1: 1. 自己能力の限界を知る。
2: 2. 作業遂行能力を改善する。
3: 3. 対人交流技能を改善する。
4: 4. 社会資源の利用を援助する。
5: 5. 基本的な生活リズムを回復する。