第48回午後第20問の類似問題

第57回午後:第18問

19歳の男性。てんかん及び軽度知的障害(IQ 60)。特別支援学校卒業後にクリーニング店に就職した。「接客態度が悪い」と注意されたことをきっかけに仕事に行けなくなり、引きこもりとなった。時々家族に暴力を振るうために、家族が主治医に相談して外来作業療法が処方された。本人、家族とも復職を希望している。この患者に対して優先すべき対応はどれか。  

1: 暴力の内省を促す。

2: 対人技能の訓練を行う。

3: 注意力を高める作業を行う。

4: てんかんの疾病教育を行う。

5: 運動能力を高めるためのスポーツ活動を行う。

  • 答え:2
  • 解説:この患者は接客態度が悪いと注意されたことが引きこもりの原因であり、家族に暴力を振るっている。復職を希望しているため、対人技能の訓練を行うことで接客態度が改善され、引きこもりの解消と職場復帰が期待できる。
  • 暴力の内省を促すことは重要だが、患者の知的能力(IQ 60)を考慮すると、反省して暴力的衝動を制御することは難しい。また、問題文からは作業療法士として対応する理由の背景が十分に読み取れない。
  • 対人技能の訓練を行うことで、患者の接客態度が改善され、引きこもりの解消と職場復帰が期待できる。基本的な対人関係技能を身につけさせることは、復職への一歩となる。
  • 注意力は対人関係の技能にも重要だが、問題文からは注意力が原因で生じたエピソードが十分にわからない。注意力を高める作業が患者の対人技能を高める関係性は不明。
  • てんかんの疾病教育は重要だが、軽度知的障害のある患者にとって理解することは困難であり、引きこもりの原因とは関連が薄い。
  • 運動能力を高めるためのスポーツ活動は心理的発散に役立つ可能性があるが、問題文には運動能力が原因となった作業療法で対処すべき課題の記述がないため、優先すべき対応ではない。
  • 科目:その他の精神障害
  • 重要度:プレミアム特典
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第40回午前:第37問

25歳の男性。知的障害。IQ 60。両親と3人暮らし。18歳から近所の漬物工場で仕事をしている。周期性の不機嫌がみられていたが、最近、不機嫌が改善せず、物を投げたり両親を攻撃したりするため、入院となった。入院1か月後に状態が安定したので、退院を目標に作業療法が処方された。作業中、いつも患者は周囲をきょろきょろ見回して、落ち着かない。この状況の説明として適切でないのはどれか。  

1: 状況対応力の低さ

2: 過度の緊張

3: 不安の発現

4: 複雑部分発作の前兆

5: 注意集中の困難

第37回午前:第32問

32歳の男性。感情障害。営業の仕事で成績も良かったが、29歳時に躁病性興奮で約10か月入院した。退院後、復職したが服薬を自己調節し始め、次第に多弁となり顧客とのトラブルが多くなり、上司の勧めで2回目の入院となった。薬物療法によって入院2か月で落ち着いたため、安定した行動の維持を目標に作業療法が処方された。まとまりのある行動を見せているが、要求が通らない場合に他患に攻撃的な言動を表出することがある。開始に当たっての留意事項で適切でないのはどれか。  

1: 患者の述べることを十分に聴く。

2: 作業種目は本人の希望で決定する。

3: 段階的に行動範囲の拡大を図る。

4: 疲労し過ぎないように配慮する。

5: 最低限の規則は明確に設定する。

第43回午前:第30問

23歳の女性。統合失調症。短大卒業後、事務員として働いていた。職場の同僚に噂されていると上司に訴えるなど、被害関係妄想が強まり精神科に紹介され入院となった。薬物療法で精神症状は治まり、2週目に作業療法が開始された。この時期の作業療法で適切なのはどれか。2つ選べ。  

1: 職場復帰に向けての訓練

2: 他患者との場の共有

3: 対人交流技能の訓練

4: 金銭管理の練習

5: リラクセーション

第37回午前:第33問

32歳の男性。感情障害。営業の仕事で成績も良かったが、29歳時に躁病性興奮で約10か月入院した。退院後、復職したが服薬を自己調節し始め、次第に多弁となり顧客とのトラブルが多くなり、上司の勧めで2回目の入院となった。薬物療法によって入院2か月で落ち着いたため、安定した行動の維持を目標に作業療法が処方された。まとまりのある行動を見せているが、要求が通らない場合に他患に攻撃的な言動を表出することがある。この患者の作業で適切なのはどれか。2つ選べ。 ア.非構成的な作業イ.巧緻性の必要な作業ウ.自由参加の集団作業エ.手順の明確な作業オ.粗大運動的な作業  

1: ア

2: イ

3: ウ

4: エ

5: オ

第53回午後:第18問

20歳の男性。幼少期は一人遊びが多かった。小学校から高校までは成績は概ね良かったものの、正論的発言が多い、融通が利かないなどによって集団になじめず、いじめを受けることも多かった。大学に入ると、講義科目は問題ないが、演習科目のグループワークで相手に配慮した発言がうまくできず、メンバーから避けられることが多くなった。大学2年生になると、過去のいじめ体験を思い出してパニックになることが増え、自宅の自室に引きこもる状態となったため、母親に連れられて精神科を受診し、外来で作業療法が開始された。この患者の作業療法で適切でないのはどれか。  

1: ルールや取り決めを明示しておく。

2: 興味や関心のある活動を導入する。

3: 作業手順を言葉で細かく伝える。

4: 心理教育プログラムを行う。

5: パラレルな場を用いる。

  • 答え:3
  • 解説:この患者は自閉スペクトラム症(ASD)が考えられるため、作業療法においては、ルールや取り決めを明示する、興味や関心のある活動を導入する、心理教育プログラムを行う、パラレルな場を用いるなどの対応が適切である。ただし、作業手順を言葉で細かく伝えることは、混乱を招くことがあるため適切ではない。
  • 自閉スペクトラム症に対する作業療法の導入では、あらかじめ約束事(ルール)を明示するとよい。これにより、患者が安心して活動に取り組むことができる。
  • 作業療法の導入には興味・関心のある活動を用いて、治療・援助の目標や約束などを具体的に取り決めることが望ましい。これにより、患者が自分の興味に基づいて活動に取り組むことができる。
  • 自閉スペクトラム症では、作業手順を言葉で細かく伝えても混乱することがある。言葉の場合はなるべく簡潔に、具体的表現で伝えたほうがよい。また、作業手順は図示するなど、言語以外の表記法を用いるとよい。この選択肢は適切でないため、答えとなります。
  • 心理教育プログラムは、患者に症状の自己理解を促す点で適切である。これにより、患者が自分の状況を理解し、適切な対応ができるようになる。
  • この患者は引きこもりがあるため、作業療法はパラレルな場で始めた方がよい。人と場を共有させつつ、人と同じことをしなくてもよい、制約の少ない場での作業を体験させ、他人との成功体験を重ねることで、集団の中で過ごすことに慣れていくと考えられる。
  • 科目:発達・小児疾患
  • 重要度:プレミアム特典
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第44回午前:第32問

26歳の男性。統合失調症。大学卒業後、会社に就職し営業の仕事で出張することが多かった。出張途中の飛行機で突然耳鳴りがし、やがて幻聴に変っていったのをきっかけに精神科病院に入院した。薬物療法によって症状が落ち着いたので、2か月後に復職を目指して作業療法を開始した。この時点での作業療法評価で優先されるのはどれか。  

1: 余暇活動

2: 集団内行動

3: 金銭管理能力

4: 作業遂行能力

5: 交通機関の利用

第51回午後:第19問

32歳の女性。幼いころから落ち着きがなく、忘れ物も多かった。大学卒業後、医療事務の仕事に就いたが、仕事が忙しくなるとミスが多くなり、同僚にかんしゃくを起こすなど感情が不安定となった。仕事を休むことも多くなったため、職場の上司に勧められ、精神科を受診し、入院となった。2週後、情緒的に落ち着いたところで作業療法が開始された。この患者の作業療法で予測される行動はどれか。  

1: 読書に没頭する。

2: 他者との接触を避ける。

3: 他者の作業種目に目移りする。

4: 物を置いた場所を何度も確認する。

5: 自分の作品の出来栄えに固執する。

第43回午前:第40問

21歳の男性。知的障害。養護学校の高等部を卒業後、魚屋に住み込みで3年間働いていた。接客をすることになったころから、腹痛で休みがちとなった。つり銭を間違えたことがきっかけとなり、自分の頭を壁にたたきつけるなどの自傷行為がみられるようになり、精神科に入院となった。入院1週後に作業療法を開始した。復職に向けた支援で重要でないのはどれか。  

1: 住み込み先への外泊

2: 苦手な作業の確認

3: 体力の向上

4: 対人技能の訓練

5: 職場との調整

第43回午前:第29問

23歳の女性。統合失調症。短大卒業後、事務員として働いていた。職場の同僚に噂されていると上司に訴えるなど、被害関係妄想が強まり精神科に紹介され入院となった。薬物療法で精神症状は治まり、2週目に作業療法が開始された。作業療法導入時の面接事項で適切なのはどれか。2つ選べ。  

1: 症状の内容

2: 睡眠の状態

3: 職場のストレス

4: 過去の親子関係

5: 現在困っていること

第50回午後:第19問

25歳の男性。統合失調症。大学卒業後、営業職に就いたものの、まもなく発症して入院となった。退院後、就労支援を受けたいという本人の希望があり、現在は配食サービスを行う事業所に通っている。事業所とは雇用契約を交わしており、職業指導員の下に調理と配達業務を担当し、業務以外の悩みについては生活支援員に相談している。この患者が利用している就労支援サービス事業所として適切なのはどれか。  

1: 障害者就業・生活支援センター

2: 就労継続支援A型事業所

3: 就労継続支援B型事業所

4: 障害者職業能力開発校

5: 就労移行支援事業所

第50回午前:第17問

20歳の男性。統合失調症。専門学校に通っていたが、いじめをきっかけに引きこもる生活となった。次第に容姿を批判される幻聴が生じ、不穏興奮状態となって精神科に入院した。3週後、不穏興奮は落ち着いたため作業療法が開始されたが、抑うつ気分の訴え、睡眠過剰および無力感などの状態がみられていた。この患者の回復指標として適切なのはどれか。  

1: 億却さを訴える。

2: 発語が減少する。

3: 退屈感を訴える。

4: 異常体験を訴える。

5: 作業手順が混乱する。

第48回午後:第16問

40歳の男性。うつ病。意欲低下と睡眠障害が出現し会社を休職した。アパートで1人暮らしをしながらデイケア通所していたが、この1週間、デイケアも休みがちになり訪問の指示が出た。訪問が継続されることになった。訪問時の対応で正しいのはどれか。  

1: 退職を勧める。

2: SSTを勧める。

3: 心配事を聞く。

4: 服薬の変更を勧める。

5: 職場適応訓練を開始する。

第51回午後:第20問

28歳の男性。統合失調症。持続性の幻聴や被害妄想のため、21歳から入退院を繰り返していたが「働きたい」という本人の希望を尊重して、一般就労を目指して支援することになった。作業療法士を含めた多職種によって生活を支援する一方、地域障害者職業センターやハローワークと協力して、マッチングを図りながら24か月を限度に支援を行っている。この患者が受けている就労支援サービスはどれか。  

1: 就労移行支援

2: 職場適応訓練

3: リワーク支援

4: 就労継続支援A型

5: 就労継続支援B型

第53回午後:第20問

30歳の男性。統合失調症。3週前に工場で働き始めた。外来作業療法ではパソコンを使用した認知リハビリテーションを継続している。ある時、同じ作業療法に参加する2人の患者から同時に用事を頼まれ、混乱した様子で相談に来た。この患者の職場における行動で最もみられる可能性があるのはどれか。  

1: 挨拶ができない。

2: 心気的な訴えが多い。

3: 体力がなく疲れやすい。

4: すぐに仕事に飽きてしまう。

5: 仕事の段取りがつけられない。

  • 答え:5
  • 解説:この問題では、統合失調症の患者が職場で最もみられる可能性がある問題行動を考える必要があります。患者が2人から同時に用事を頼まれて混乱していることから、仕事の段取りがつけられないことが最も可能性が高いと考えられます。
  • 挨拶ができないという問題は、遂行機能との直接的関連はなく、この患者の職場でみられる問題行動としては考えにくいです。
  • 心気的な訴えが多いという問題は、問題文に記載がないため、この患者の職場での問題行動としては可能性が低いです。
  • 体力がなく疲れやすいという問題は、患者が工場勤務に加えて外来作業療法にも通院できていることから、体力の低下が生じているとは考えにくいです。
  • すぐに仕事に飽きてしまうという問題は、患者が少なくとも3週間は工場勤務ができていることから、最もみられる可能性のある職場での問題行動とは考えにくいです。
  • 仕事の段取りがつけられないという問題は、患者が2人から同時に用事を頼まれて混乱していることから、複数の課題に優先順位をつけ、自分の能力に合わせて仕事を処理することが困難な傾向があると考えられるため、最も可能性が高いと判断できます。
  • 科目:統合失調症
  • 重要度:プレミアム特典
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第40回午前:第31問

21歳の男性。統合失調症。高校2年ころから男女の声の幻聴や注察妄想が出現。精神科クリニックに通院しながら高校卒業。浪人2年目、突然予備校をやめて自室に閉じこもるようになった。家人に暴力を振るうなど問題行動が重なり、精神科病院へ入院した。1か月後、作業療法に参加となった。参加2週ころから女性患者と仲良くなり、プログラム中に抱きつくなど目に余る行動がでてきた。男性患者への適切な対処はどれか。  

1: そのまま経過を観察する。

2: 他のメンバーから様子を聞く。

3: 直ちに男性患者の家族に連絡する。

4: 面接で男女の付き合い方を話し合う。

5: 作業療法を中断する。

第48回午前:第19問

24歳の女性。自己愛性パーソナリティー障害。大学院を修了しサービス業に就いたが、自分より学歴の低い社員と同じ職場に配置されたことに腹を立て、上司に配置換えを要求した。客に尊大な態度を批判され、「なぜ自分が批判されるのか、配置換えの希望を無視した上司が悪い」と言い、怒りをあらわにした。その後、抑うつ感が強まり、自宅に引きこもるようになったため両親が精神科を受診させ、作業療法に通うことになった。この患者にみられやすい特徴はどれか。  

1: 自罰傾向

2: 特権意識

3: 自生思考

4: 不定愁訴

5: 嫉妬妄想

第46回午前:第17問

19歳の男性。統合失調症。大学入学後、授業中に突然大声で叫ぶようになり、幻聴と被害妄想とが認められたため入院となった。治療開始後1か月経過し症状が改善したため自宅へ退院したが、疲労感が強く半年間引きこもっていた。このため、復学を目標として外来作業療法が開始された。この時期の作業療法の役割はどれか。  

1: 休息援助

2: 仲間づくり

3: 余暇の利用

4: 社会性の獲得

5: 生活リズムの獲得

第49回午前:第16問

13歳の男子。幼児期は図鑑をひとりで眺めて過ごしていた。小学校に入ると、しつこく意味を確認する癖や協調性がとれないことを教師に注意されることが多くなり、級友からいじめられるようになった。最近、級友の話し声に過敏に反応したり、家族への暴言と暴力が頻繁となり入院となった。この患者の診断として考えられるのはどれか。  

1: 自閉症

2: 統合失調症

3: Rett症候群

4: Asperger症候群

5: 注意欠陥/多動性障害

第51回午前:第20問

24歳の女性。知的障害。就労継続支援A型事業を利用中。就労意欲は高いが状況の判断能力が低く、他者の発言を被害的に受け取る傾向が強く欠勤が多くなり、作業療法士に相談に来た。この患者で優先して支援すべきなのはどれか。  

1: 洞察

2: 職場の変更

3: 作業耐久性の向上

4: 生活リズムの安定

5: 対人関係技能の向上