脳卒中による片麻痺患者に対する両側支柱付短下肢装具で正しいのはどれか。
1: 急性期には適応とならない。
2: 痙縮の強い尖足には適応となる。
3: 重度の感覚障害は適応とならない。
4: 内反防止には内側にTストラップを用いる。
5: クレンザック継手の背屈角度は5°刻みで調整する。
78歳の男性。脳梗塞。左顔面神経麻痺および右片麻痺を呈する。頭部MRIの拡散強調像を示す。梗塞巣として考えられるのはどれか。
1: ①
2: ②
3: ③
4: ④
5: ⑤
50歳の男性。多発性硬化症の再燃で入院加療中。四肢の痙性麻痺と運動失調とがみられる。立位保持は可能だが、Romberg徴候は陽性。神経症状が安定したため理学療法が開始された。この患者への理学療法で適切なのはどれか。
1: 筋のストレッチングを行う。
2: 早期に歩行補助具を作製する。
3: 痙縮に対して温熱療法を行う。
4: 運動失調に対して重錘を負荷する。
5: 筋力低下に対して1RMで筋力増強を行う。
脳卒中片麻痺の亜脱臼に対する肘屈曲型アームスリングのチェックアウトで正しいのはどれか。
1: 頸部で上肢を支持する。
2: 肩関節は内旋位とする。
3: 前腕は回外位とする。
4: 手関節は掌屈位とする。
5: 手部は肘関節より低くする。
79歳の女性。脳卒中後の左片麻痺。プラスチックAFOを装着してT字杖歩行が可能である。装具は足尖までの長さで足継手はない。Brunnstrom法ステージでは上肢Ⅳ、下肢Ⅴ。左立脚後期が歩行周期の中で極端に短く安定性も低下している。歩容を改善するために有用な方法はどれか。
1: 外側フレアを付ける。
2: 足部のベルクロの固定を緩める。
3: 装具の高さを下腿中央付近まで低くする。
4: 装具の中足指節関節部から遠位部を切除する。
5: 足関節部の固定性を強化(コリュゲーション)する。
70歳の女性。買い物での計算や自宅への道順を間違えるようになり、心配した家族に伴われて物忘れ外来を受診した。Alzheimer型認知症と診断され外来作業療法を開始した。患者は「どうして私がここへ来ないといけないの」、「だまされた。帰りたい」と訴えて興奮することが多い。その後、興奮が落ち着き、作業療法室に定期的に通うようになった。今後の作業療法での留意点で適切なのはどれか。
1: 個室で作業を行う。
2: 薬物の作用を学習させる。
3: 病気の説明を繰り返し行う。
4: 作業手順を1工程ずつ説明する。
5: 長時間かけて仕上げる作業を課題に選ぶ。
頸髄損傷(第6頸髄節まで機能残存)の作業療法として適切でないのはどれか。
1: 上着はかぶりタイプから練習する。
2: 車椅子上で起立性低血圧が起こったら下肢を挙上する。
3: 自己導尿ができるようにカテーテル操作の練習をする。
4: 排便は臥位で行えるように環境を整える。
5: コンピュータの入力デバイスを検討する。
脳性麻痺児のADLで適切でないのはどれか。
1: 座位は腹臥位→四つ這い位→座位の順で行うのが容易である。
2: 痙直型では割り座位が安定するので奨励する。
3: 痙直型では男子用トイレでは体幹支持バーが介助に有効である。
4: アテトーゼ型では滑り止めマットなどで食器を固定すると良い。
5: アテトーゼ型では足で蹴って車椅子駆動を行う。
70歳の男性。脳梗塞片麻痺、発症後2か月。図の上の絵を患者の正面に置き、模写を指示したところ、下の図のように描いた。考えられる障害はどれか。
1: 半側空間無視
2: 失 書
3: 失 語
4: 左同名半盲
5: 物体失認
28歳の男性。交通事故で胸髄損傷(第7胸髄まで機能残存)を受傷後、2か月が経過した。受傷時には頭部外傷を認めなかった。現在は、全身状態は良好で、車椅子で院内の移動や身辺動作は自立しているが、自排尿と尿失禁とはみられない。この時点の排尿管理として適切なのはどれか。
1: 膀胱留置カテーテル
2: 膀胱瘻
3: コンドーム型収尿器
4: 自己導尿
5: 圧迫排尿
58歳の男性。右利き。職場で倒れているところを発見され搬入された。意識は傾眠状態であったが、発症後4日で改善した。この時点での発話には異常がない。左手足に重度の運動障害と感覚障害とを認める。筋緊張は低下している。視力・視野は正常であるが、顔面は常に右方に向け、指摘しても左側を見ようとしない。頭部CTを示す。この患者に該当すると考えられるのはどれか。
1: ①
2: ②
3: ③
4: ④
5: ⑤
脳血管障害回復期の患者。麻痺は上下肢ともにブルンストローム法ステージIIIで座位バランスは悪い。バランス反応と上肢分離運動促進とを目的に図に示すような自動介助運動をゆっくり繰り返した。このとき出現しやすいのはどれか。2つ選べ。ア.前方移動時に重心が後方に残る。イ.患側肩関節は外転位になる。ウ.患側肩甲帯は前方突出する。エ.患側股関節は内転位になる。オ.患側足関節は外反位になる。
1: ア
2: イ
3: ウ
4: エ
5: オ
82歳の女性。右利き。脳梗塞を発症して1か月が経過した。頭部CTを示す。この患者にみられる症状で正しいのはどれか。
1: Broca失語
2: 他人の手徴候
3: 半側空間無視
4: Gerstmann症候群
5: 超皮質性感覚性失語
6歳の女児。痙直型脳性麻痺。就学に備えた作業療法を外来で行っている。歩行器と短下肢装具を用いて屋内を歩くことができる。この児が使用する椅子で適切でないのはどれか。
1: 座面は両足底が床につく高さにする。
2: 座面に内転防止のパッドをつける。
3: 背もたれにヘッドレストをつける。
4: 体幹側屈防止のパッドをつける。
5: アームレストで前腕支持を助ける。
60歳の男性。左片麻痺。脳梗塞発症後1か月経過。認知機能や感覚機能に問題はない。ブルンストローム法ステージは上肢II、下肢V。上肢運動機能の回復促進で適切でないのはどれか。
脊髄損傷(第6頸髄節まで機能残存)の女性患者で、自立が最も難しいと考えられるのはどれか。
1: 手すりを使用して起き上がる。
2: ベッド上でズボンをはく。
3: 車椅子上でループ付き靴下をはく。
4: 車椅子上で自己導尿を行う。
5: トランスファーボードを使用して車に移乗する。
48歳の女性。関節リウマチ。スタインブロッカーのステージIII、クラスIII。ADLを維持・向上するための運動指導で誤っているのはどれか。
1: 膝の屈曲拘縮予防に夜間装具を使用する。
2: 立ち上がり訓練は高めの椅子で行う。
3: 炎症の強い時期の可動域訓練は自動運動を中心に行う。
4: ベッド上での起き上がりはひもを引っ張る方法で行う。
5: 食事動作や更衣動作自立のため、肩・肘の可動域訓練を行う。
48歳の女性。関節リウマチ。SteinbrockerのステージⅢ、クラス3。ADLの維持・向上のための指導で誤っているのはどれか。
1: 立ち上がり訓練は高めの椅子で行う。
2: 膝の屈曲拘縮予防に夜間装具を使用する。
3: 炎症の強い時期の可動域訓練は自動運動を中心に行う。
4: ベッド上での起き上がりはひもを引っ張る方法で行う。
5: 食事動作や更衣動作自立のため、肩・肘の可動域訓練を行う。
5歳の男児。アテトーゼ型四肢麻痺。未定頸で体幹のコントロールは悪く、自力での寝返りと座位保持はできない。臥位姿勢では、下肢のはさみ肢位を伴う後弓姿勢がしばしばみられ、緊張性頸反射と緊張性迷路反射は残存している。この児に座位保持装置を作製する際に必要な調整で誤っているのはどれか。
1: ヘッドレストを付ける。
2: リクライニング式にする。
3: 胸ベルトを付ける。
4: 座面を水平に保つ。
5: 骨盤ベルトを付ける。
60歳の男性。7年前から歩行時にふらつきを自覚し、6年前から話し方が単調で途切れ途切れとなり膀胱直腸障害と起立性低血圧を認めた。四肢の固縮や振戦が徐々に進行し、2年前から車椅子で移動するようになった。最近、声が小さくなり呼吸困難感を訴えるようになった。頭部MRIのFLAIR画像で水平断(A)および矢状断(B)を示す。この疾患で合併する可能性が高いのはどれか。
1: 失 語
2: 拮抗失行
3: 声帯麻痺
4: 下方注視麻痺
5: 他人の手徴候